JPH0745921B2 - 多缶式ボイラー用薬注システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、多缶設置したボイラーへ薬液を供給するシ
ステムに関するものである。

〔従来の技術〕

ボイラーは、熱源である燃料の熱エネルギーを有効かつ
適切に利用し、またボイラー機能に応じた缶体給水管理
を行ってはじめて、安全に効率よく、かつ長く使用する
ことができるものである。缶体給水管理のためのボイラ
ーの水処理としては、硬水軟化装置を使って給水中の不
純物を取り除く缶外処理と、薬注装置にてボイラー内に
薬液を注入し、硬水軟化装置で除去しきれないシリカ分
や缶体の腐食の原因となる溶存酸素を除去する缶内処理
とが採用されている。

一方、最近では、蒸気動力所において、負荷の状態やボ
イラー取り扱い上の問題等を考慮して、信頼度が高く、
熱効率の極めて優秀な小型ボイラーを複数設置するとい
う方式、即ち多缶設置方式が採られるようになっきた。
この多缶設置方式の薬注システムは、通常、各ボイラー
に１セットずつ薬注装置が併置されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来の多缶式ボイラー用薬注システムは、各ボイラーに
１セットずつ薬注装置を併置しているためコストが高く
なり、また、薬液量の調節等も各セット毎に行うためそ
の作業・管理が煩わしいという問題点がある。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は、上述したような問題点に着目し、多缶式ボ
イラーにおいて、単一の薬注装置で効果的な薬液の供給
を可能にすることを目的とし、具体的には、給水ポンプ
を挿入して成る給水ラインを備えた複数台のボイラー
と、これらのボイラーの運転台数を判別する判別器と、
前記給水ラインにそれぞれ１個ずつ接続し前記ボイラー
の運転に応じて開閉する薬注弁と、これらの薬注弁に対
して薬液を供給するための共通の薬液ラインと、前記薬
液ラインの延長端に接続した薬注タンクとを設け、前記
薬液ラインに、前記判別器からの信号を受けてボイラー
の運転台数に見合った量の薬液を供給する薬注ポンプを
挿入したことを特徴としている。

〔作用〕

この発明は、上述の構成により、運転中のボイラーの台
数を判別器により判別して、ボイラーの運転台数に応じ
た所要量の薬液を１台の薬注ポンプにて供給するように
作用するものである。

〔実施例〕

図面は、この発明の一実施例を示すもので、複数台のボ
イラー（2a），（2b），（2c），（2d）が多缶設置され
ている。前記各ボイラー（2a），（2b），（2c），（2
d）には給水ライン（1a），（1b），（1c），（1d）が
それぞれ接続されてあり、これらの給水ライン（1a），
（1b），（1c），（1d）には給水ポンプ（8a），（8
b），（8c），（8d）がそれぞれ挿入されている。これ
らの給水ポンプ（8a），（8b），（8c），（8d）は、前
記各ボイラー（2a），（2b），（2c），（2d）の水位に
応じてON−OFF稼動する。

また、前記給水ライン（1a），（1b），（1c），（1d）
には、前記ボイラー（2a），（2b），（2c），（2d）の
運転状態に応じて開閉する薬注弁（3a），（3b），（3
c），（3d）がそれぞれ接続されている。前記給水ライ
ン（1a），（1b）．（1c），（1d）に対して薬液を供給
するために、共通の薬液ライン（４）が設けられてい
る。判別器（５）は、前記ボイラー（2a），（2b），
（2c），（2d）の給水ポンプ（8a），（8b），（8c），
（8d）の稼動によりボイラーの運転台数を判別する。前
記薬液ライン（４）の延長端には薬液タンク（６）が接
続されている。また、前記薬液ライン（４）には薬注ポ
ンプ（７）が挿入されてあり、この薬注ポンプ（７）
は、前記判別器（５）からの信号を受けてボイラーの運
転台数に見合った量の薬液を供給するように機能する。

次に、上述の構成による薬注システムにおいてその作用
を説明する。ボイラー（2a），（2b），（2c），（2d）
の水位制御装置（図示せず）からの信号を受けて給水ポ
ンプ（8a）．（8b），（8c），（8d）がON−OFF稼動
し、各ボイラー（2a），（2b），（2c），（2d）への給
水が行われる。同時に、ボイラー（2a），（2b），（2
c），（2d）から判別器（５）へ信号が送られ、その信
号により判別（５）は、ボイラーの稼動台数を判別する
とともに、薬注ポンプ（７）へ信号を送る。この際、薬
注ポンプ（７）は、この信号により吐出量を可変する。
薬注ポンプ（７）の作用により、薬液が、薬注タンク
（６）から薬液ライン（４）を通じて、給水ライン（1
a），（1b），（1c），（1d）へ供給される。例えば、
ボイラー（2a）が運転されているときは、給水ライン
（1a）に接続した薬注弁（3a）が開となっており、薬液
が薬注ポンプ（７）を介して薬液ライン（４）より供給
される。その際、判別器（５）からの信号を受けて薬注
ポンプ（７）は１台分の薬液を吐出する。

〔発明の効果〕

以上、詳述した多缶式ボイラー用の薬注システムにおい
ては、下記のような効果が得られる。

（１）従来においては、各ボイラーに１セットずつ薬注
装置を設けていたが、集中管理することにより、薬注装
置が１セットでよく、設備コストが安くなる。

（２）１セットの薬注装置にて薬液を供給することがで
きるので、薬液量の調節が１回だけで済み薬液量調節の
作業・管理の煩わしさがなくなる。

（３）ボイラーの運転台数により、薬液の吐出量を変更
するので、無駄な薬液を使用せず運転コストが安くな
る。

（４）各ボイラーに１セットずつ薬注装置を設けていた
のに比べ、配管を簡素化でき、設置作業が楽になる。

（５）各ボイラーに１セットずつ薬注装置を設けていた
のに比べ、薬注装置の設置スペースを省スペースとする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この発明の一実施例を示した説明図である。 （1a），（1b），（1c），（1d）……給水ライン （2a），（2b），（2c），（2d）……ボイラー （3a），（3b），（3c），（3d）……薬注弁 （４）……薬注ライン、（５）……判別器 （６）……薬注タンク、（７）……薬注ポンプ （8a），（8b），（8c），（8d）……給水ポンプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給水ポンプを挿入して成る給水ラインを備
   えた複数台のボイラーと、これらのボイラーの運転台数
   を判別する判別器と、前記給水ラインにそれぞれ１個ず
   つ接続し前記ボイラーの運転に応じて開閉する薬注弁
   と、これらの薬注弁に対して薬液を供給するための共通
   の薬液ラインと、前記薬液ラインの延長端に接続した薬
   注タンクとを設け、前記薬液ラインに、前記判別器から
   の信号を受けてボイラーの運転台数に見合った量の薬液
   を供給する薬注ポンプを挿入したことを特徴とする多缶
   式ボイラー用薬注システム。