JP7226003B2 - ボイラ薬注システム - Google Patents
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Description
ここで、特許文献1には、各ボイラ運転信号から得られる間接的な各ボイラへの給水流量信号を求める上で、各ボイラ燃焼量から求めた蒸発量と缶体から排出したブロー水の量とから演算することや、ドレン制御弁の開度信号およびブロー弁の開信号を用いることが記載されている。これにより特許文献1のクローズドドレンシステムは、システム構成の簡素化を実現している。
しかしながら、クローズド方式のボイラシステムにおいては、供給するドレンの温度等の状態が大きく変動することがあるため、算出により求めた蒸発量等を用いた間接的な情報に基づく薬注量制御では、ドレンの実流量に対応するような高精度の薬注量制御を行いたい場合は、十分とはいえない場合がある。
以下、第1実施形態のボイラ薬注システム100について、図面を参照しながら説明する。本実施形態のボイラ薬注システム100は、負荷機器において用いられた蒸気が凝縮して生じたドレンを、耐圧性を有する密閉型のタンクに高温高圧の状態で回収して、このドレンをボイラに給水するクローズド方式のボイラシステム1におけるボイラ薬注システムである。そこで、以下ボイラ薬注システム100とともに、ボイラシステム1の説明を行う。
なお、本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
第1実施形態のボイラシステム1は、図1に示すように、ボイラ装置10と、負荷機器20と、ドレンタンク30と、オープンタンク40と、ボイラ薬注システム100を備える。
複数のボイラ11A、11B、11Cは、これらのボイラ11A、11B、11Cに供給された水を加熱して蒸気を生成する。複数のボイラ11A、11B、11Cで生成された蒸気は、連結管13を通って蒸気ヘッダ12に供給される。
水位センサ15A、15B、15Cは、対応する各ボイラ11A、11B、11Cの内部の水位を検出する。
ドレンタンク30は、負荷機器20において熱交換に用いられた蒸気の一部が凝縮して生じるドレンを回収して収容する。このドレンタンク30は、耐圧性を有し密閉可能な圧力容器により構成される。
より詳細には、ドレン供給ラインL3は、ドレンタンク30と接続している共通ドレン供給ラインL3Mと、共通ドレン供給ラインL3Mから分岐し、複数のボイラ11A、11B、11Cのそれぞれにドレンを供給するための複数の分岐ドレン供給ラインL3A、L3B、L3Cを備える。
ドレンポンプ31は、ドレンタンク30から供給されたドレンを昇圧してボイラ装置10に供給する。ドレンポンプ31は後述の制御部300により駆動制御される。ドレンポンプ31は、例えば不図示のインバータを介して周波数制御される。ドレンポンプ31は、インバータから供給された駆動電力の周波数に応じた回転速度で駆動される。なお、本実施形態においては、ドレンポンプ31は回転数一定制御により制御されている。
ドレン供給弁32A、32B、32Cは、モータバルブにより構成され、後述の制御部300により開閉が制御される。ボイラ11A、11B、11Cの全部またはいずれかにドレンを供給する際には、ドレン供給弁32A、32B、32Cのうち、ドレン供給対象のボイラに対応するドレン供給弁を開放する。
本実施形態のドレン流量センサ33A、33B、33Cは、不図示の出力端子から、流量に対応する流量検出信号を薬注制御信号として、例えば無電圧パルスの形式で後述の第1薬注制御部350に出力する。
このような構成により、液相部側循環ラインL8Bを流通して液相部に循環されるドレンの流量を、オリフィス82により調整してドレンタンク30に貯留されるドレンの温度を均一化させつつ、気相部側循環ラインL8Aを流通して気相部に循環させるドレンにより、ドレンタンク30の内部で発生するフラッシュ蒸気を回収している。
このドレン循環ラインL8は、最終的にボイラに供給するためのドレンが流通するラインであり、共通ドレン供給ラインL3M、分岐ドレン供給ラインL3A、L3B、L3Cとともに、本実施形態におけるドレン供給ラインを構成する。
より詳細には、新水供給ラインL6は、オープンタンク40と接続している共通新水供給ラインL6Mと、共通新水供給ラインL6Mから分岐し、複数のボイラ11A、11B、11Cのそれぞれに新水を供給するための複数の分岐新水供給ラインL6A、L6B、L6Cを備える。
逆止弁62A、62B、62Cはそれぞれ、各新水ポンプ61A、61B、61Cの下流側に配置される。この逆止弁62A、62B、62Cは、オープンタンク40側からボイラ装置10側への新水の流通を許容し、ボイラ装置10側からオープンタンク40側への新水の流通を遮断する。
新水供給弁63A、63B、63Cは、逆止弁62A、62B、62Cの下流側に配置される。
各第1薬注ポンプ111A、111B、111Cは、共通の薬液を貯留する不図示の薬注タンクに接続され、各第1薬注ポンプ111A、111B、111Cに対応する吐出口112A、112B、112Cから第1薬注ラインL11A、L11B、L11Cを通して、液相部側循環ラインL8Bに薬剤を注入する。
図1に示すように、本実施形態の第1薬注部としての第1薬注ポンプ111A、111B、111Cは、第1薬注ラインL11A、L11B、L11Cを介して、液相部側循環ラインL8Bと接続している。
各第1薬注ポンプ111A、111B、111Cとしては、パルス信号に基づいて、間欠的(パルス的)に薬注を行うことができるパルス駆動式の電磁ポンプを用いている。なお、オリフィス82の下流側に薬注を行うことから、各第1薬注ポンプ111A、111B、111Cとしては、高圧薬注ポンプを用いることなく、一般的な低圧薬注ポンプを用いることができる。
各第2薬注ポンプ121A、121B、121Cは、共通の薬液を貯留する不図示の薬注タンクに接続され、各第2薬注ポンプ121A、121B、121Cに対応する吐出口122A、122B、122Cから第2薬注ラインL12A、L12B、L12Cを通して、各分岐新水供給ラインL6A、L6B、L6Cにおける各新水ポンプ61A、61B、61Cの上流側に薬剤を注入する。
図1に示すように、本実施形態の第2薬注部としての第2薬注ポンプ121A、121B、121Cは、第2薬注ラインL12A、L12B、L12Cを介して、各分岐新水供給ラインL6A、L6B、L6Cと接続している。
各第2薬注ポンプ121A、121B、121Cとしては、パルス信号に基づいて、間欠的(パルス的)に薬注を行うことができる電磁ポンプを使用している。なお、各第2薬注ポンプ121A、121B、121Cとしては、各新水ポンプ61A、61B、61Cの上流側に薬注を行うことから、高圧薬注ポンプを用いることなく、一般的な低圧薬注ポンプを用いることができる。
そして、各ボイラ制御部310A、310B、310Cはそれぞれ、給水切替部311A、311B、311Cと、ドレン供給制御部312A、312B、312Cと、新水供給制御部313A、313B、313Cと、ドレン供給弁開閉信号出力部314A、314B、314Cと、蒸気発生状態情報信号出力部315A、315B、315Cとを備える。
ここで、第1薬注制御部350と、第2薬注制御部360は、本実施形態におけるボイラ薬注システムの一部を構成する。
なお、制御部と制御対象機器を結ぶ信号ライン(例えば、第2ボイラ制御部310Bとドレン供給弁32B、第3ボイラ制御部310Cとドレン供給弁32C等)は、一部図示を省略している。
但し、各機能ブロックの配置場所はこれに限らず、例えばボイラ制御部310A、310B、310Cを一つの集中制御盤に設けるなど、各種の態様を採用することが可能である。また、例えば、第1薬注制御部350および第2薬注制御部360の一部の機能を集中制御盤やボイラ装置10に設けてもよい。
具体的には、ドレン供給制御部320は、ドレン給水制御が選択されている場合においては、各ボイラ11A、11B、11Cに対応する各水位センサ15A、15B、15Cの検出結果に基づき、各ボイラ11A、11B、11Cの缶体内の水位が設定水位となるように、ドレン供給弁32A、32B、32Cの開閉制御を行う。
ドレン供給制御時、ドレンポンプ31は回転数一定制御により制御される。よって、ボイラ11A、11B、11Cのうち、ドレン供給弁32A、32B、32Cが開いている分岐ドレン供給ラインに対応するボイラには、ドレンタンク30内のドレンが供給される。
なお、ドレン供給制御部312A、312B、312Cは、ドレン供給弁32A、32B、32Cの「開」と「閉」のみを制御する態様としてもよいし、ドレン供給弁32A、32B、32Cの開度を「開」と「閉」の間で制御して、ドレンの供給流量を調整する態様としてもよい。
具体的には、新水供給制御部313A、313B、313Cは、新水給水制御が選択されている場合において、各ボイラ11A、11B、11Cに対応する各水位センサ15A、15B、15Cの検出結果に基づき、各ボイラ11A、11B、11Cの缶体内の水位が設定水位となるように、各新水ポンプ61A、61B、61Cの駆動制御を行う。
このとき、新水供給制御部313A、313B、313Cは、新水供給弁63A、63B、63Cのうち、新水を供給する対象となるボイラ11A、11B、11Cに対応する新水供給弁を開く。
これにより、ボイラ11A、11B、11Cのうち、新水ポンプ61A、61B、61Cが駆動している分岐新水供給ラインに対応するボイラには、オープンタンク40内の新水が供給される。そして、その供給流量は、インバータから供給される駆動電力の周波数、すなわち新水ポンプ61A、61B、61Cの回転速度により制御される。
なお、新水供給弁63A、63B、63Cの開度を制御することにより、供給流量を調整する態様としてもよい。
本実施形態においては、蒸気発生状態情報として、各ボイラ11A、11B、11Cの燃焼量から算出した蒸気発生量の情報を用いる。
蒸気発生状態情報信号出力部315A、315B、315Cは、各ボイラ11A、11B、11Cの蒸気発生状態情報量(例えば、単位時間あたりの蒸気発生量)に対応した蒸気発生状態情報信号を、有電圧パルスの制御信号として出力する。
具体的には、第1薬注制御部350は、ドレン供給弁開閉信号出力部314A、314B、314Cから出力されるドレン供給弁開閉信号に基づいて、第1薬注部としての第1薬注ポンプ111A、111B、111Cによる薬剤の供給を許容または制限する。
また、第1薬注制御部350は、ドレン流量センサ33A、33B、33Cの検出結果に基づいて、第1薬注部としての第1薬注ポンプ111A、111B、111Cによる薬注量を制御する。
具体的には、第2薬注制御部360は、蒸気発生状態情報信号出力部315A、315B、315Cから出力される各ボイラ11A、11B、11Cの蒸気発生状態情報信号に基づいて、第2薬注部としての第2薬注ポンプ121A、121B、121Cによる薬注量を制御する。
ここで、蒸気発生状態情報信号出力部315A、315B、315Cから出力される各ボイラ11A、11B、11Cの蒸気発生状態情報は、有電圧パルスの制御信号として出力され、第2薬注装置120は、この制御信号(パルス信号)の入力数に応じた投入量の薬剤を、各分岐新水供給ラインL6A、L6B、L6Cに供給するように制御する。
ドレン供給制御状態である場合は、ステップS12に移る。ドレン供給制御状態でない場合、すなわち新水供給制御状態の場合は、ステップS15に移る。
ステップS15では、新水供給制御部313A、313B、313Cが、水位センサ15A、15B、15Cの検出結果に基づき、ボイラ11A、11B、11Cの缶体内の水位が設定水位となるように、新水ポンプ61A、61B、61Cの駆動制御を行う。これにより、新水供給制御を行う。
このように、新水供給制御においては、直接的な各ボイラ11A、11B、11Cへの給水流量信号ではなく、各ボイラ11A、11B、11Cの運転信号から得られる間接的な蒸気発生状態情報を用いることで、薬注制御のための流量センサを追加増設する必要性を減少させることができる。
なお、蒸気発生状態情報に基づく制御に換えて、新水供給ラインを流れる新水の流量を調整する新水流量調整部の動作状態情報に基づく制御を行ってもよいが、この態様については、第2実施形態で説明する。
そして、それぞれの薬注装置に対して、薬注制御信号を個別に入力することが好ましい。これにより、ドレンおよび新水に対して、複数の薬剤を正確な薬注量で注入することができる。
ここで、蒸気発生状態情報に基づく薬注制御信号は有電圧パルスであるため、この薬注制御信号は、2つの薬注装置の各薬注ポンプを駆動するための駆動電力としても用いることができる。よって、2つの薬注装置については、各薬注ポンプに駆動電力を供給するための電力供給ラインを別途設ける必要がない。
ここで、ドレン流量センサから出力される薬注制御信号は無電圧パルスであるため、この2つの薬注装置については、薬注制御信号通信ラインに加えて、各薬注ポンプに駆動電力を供給するための電力供給ラインを別途設ける。
このような構成により、ドレン水および新水に対して2種類、あるいはそれ以上の薬剤を薬注したい場合であっても、各ボイラが備えている既存の出力端子の利用と、最低限の機器の増設により、新水およびドレンに対して、各薬剤を正確な薬注量で注入することができる。
これにより、第1薬注装置110による薬注を1か所で行う場合においても、各分岐ドレン供給ラインに設けられた各ドレン流量計による各実流量情報を融合して生成した融合実流量情報に基づいて、第1薬注部による薬注量の制御を行うことができる。
この場合、第2薬注部による薬注を1か所(共通部分)で行うことができるため、システム構成の簡素化を図ることができる。
具体的には、各分岐ドレン供給ラインには、ドレン供給制御時に開き、新水供給制御時に閉じるような遮断用のドレン制御弁を設ける。また、各分岐新水供給ラインには、新水供給制御時に開き、ドレン供給制御時に閉じるような遮断用の新水制御弁を設ける。この遮断用のドレン制御弁としては、水位制御用のドレン供給弁32A、32B、32Cを用いてもよいし、これとは別個に設けてもよい。遮断用の新水制御弁としては、例えば水位制御を新水ポンプ61A、61B、61Cで行っている場合、新水供給弁63A、63B、63Cを用いてもよい。
これにより、供給するドレンの状態が大きく変動する場合であっても、正確な薬注量制御を行うことができる。
また、この構成であれば、共通ドレン供給ラインL3Mに、大流量に対応し、かつ広い流量変動範囲に対応する、高温仕様の流量計を設ける必要がない。
これにより、第1薬注部による薬注を1か所(共通部分)で行うことができるため、システム構成の簡素化を図ることができる。
これにより、新水供給ラインL6を備えたボイラ薬注システム100において、流量センサの情報を用いることなく、新水への薬注を行うことができる。よって、第1薬注部による薬注量を制御するためのドレン流量センサは設ける一方、第2薬注部による薬注量を制御することのみを目的とする追加の流量センサを設ける必要がないため、最小限の設備により、ドレンへの薬注および新水への薬注を効果的に行うことができる。なお、新水はドレンと比べて温度等の状態が大きく変動しないため、流量センサによる実流量を用いなくても、実用的なレベルで薬注量の制御を行うことができる。
次に、第2実施形態について、図4~5を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
第1実施形態においては、第2薬注装置120による薬注量を制御するための情報として、各ボイラ11A、11B、11Cの蒸気発生状態情報を用いたが、本実施形態においては、これに換えて、新水供給ラインL6を流れる新水の流量を調整する新水流量調整部としての新水ポンプ61A、61B、61Cの動作状態情報を用いる。
本実施形態の制御部は、第1実施形態の蒸気発生状態情報信号出力部315A、315B、315C(図2参照)に換えて、新水ポンプ動作状態情報出力部325A、325B、325Cを備えている。
本実施形態においては、第1実施形態のステップS16(図3参照)の処理に換えて、ステップ16Bの処理を実行する。
図5に示すように、本実施形態においては、ステップS16Bにおいて、新水ポンプ動作状態情報出力部325A、325B、325Cが、新水ポンプ61A、61B、61Cの動作情報を取得する。そして、新水ポンプ動作状態情報出力部325A、325B、325Cは、これを薬注制御信号として、第2薬注制御部360に出力する。
なお、本実施形態においては、第2薬注ポンプ121A、121B、121Cとして、一定の薬注流量の薬剤を継続して注入できるように構成された薬注ポンプを用いてもよい。この一定の薬注流量は、操作ダイアル等によって設定可能である。
なお、薬注量の制御には、一定の薬注流量による薬注を実施するタイミングの制御も含まれる。
これにより、新水供給ラインL6を備えたボイラ薬注システム100において、流量センサの情報を用いることなく、新水への薬注を行うことができる。よって、第1薬注部による薬注量を制御するためのドレン流量センサは設ける一方、第2薬注部による薬注量を制御することのみを目的とする追加の流量センサを設ける必要がないため、最小限の設備により、ドレンへの薬注および新水への薬注を効果的に行うことができる。なお、新水はドレンと比べて温度等の状態が大きく変動しないため、流量計による実流量を用いなくても、実用的なレベルで薬注量の制御を行うことができる。
次に、第3実施形態について、図6~7を参照しながら説明する。なお、第1、第2実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
第1実施形態においては、第1薬注部による薬注量を制御するための薬注制御信号として、ドレン流量センサ33A、33B、33Cから出力される流量検出信号をそのまま用いていたが、本実施形態においては、この流量検出信号に基づいて算出されるドレン流量積算値情報を用いる。
本実施形態の制御部は、第1、第2実施形態のドレン供給弁開閉信号出力部314A、314B、314C(図2、4参照)に換えて、ドレン流量積算値情報出力部324A、324B、324Cを備えている。
図7に示すように、本実施形態においては、ステップS13Bにおいて、ドレン流量積算値情報出力部324A、324B、324Cがドレン流量積算値を算出し、これを第1薬注制御部350に出力する。
具体的には、ドレン流量積算値情報出力部324A、324B、324Cは、ドレン流量センサ33A、33B、33Cから出力される流量検出信号を取得し、さらにこれらをそれぞれ時間方向に積算して、ドレン流量センサごとの流量積算値を算出する。そして、流量積算値が所定の積算値に到達するたびに、パルス信号を第1薬注制御部350に出力する。このパルス信号の出力処理は、ドレン流量センサ毎に行われる。
このように、ドレン流量積算値情報に基づいて第1薬注部を制御することで、適切なタイミングで薬注を行うことができる。また、ドレン流量センサから出力した流量検出信号が一度ドレン流量積算値情報出力部324A、324B、324Cによって取得され、これが処理されて流量積算値情報としてドレン流量積算値情報出力部324A、324B、324Cから出力される態様であるため、流量に応じたパルス信号を出力する流量センサでなくても、採用することが可能となる。
次に、第4実施形態について、図8を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
第1実施形態においては、ドレン循環ラインL8に対して第1薬注部による薬注を行っていたが、本実施形態においては、各分岐ドレン供給ラインL3A、L3B、L3Cに対して第1薬注部による薬注を行う。
図8に示すように、本実施形態の第1薬注部としての第1薬注ポンプ111A、111B、111Cは、第1薬注ラインL11A、L11B、L11Cを介して、各分岐ドレン供給ラインL3A、L3B、L3Cと接続している。
よって、各分岐ドレン供給ラインL3A、L3B、L3C毎に、適切な量の薬注を行うことができる。
これにより、分岐ドレン供給ライン毎に、正確に薬注制御を行うことができる。
これにより、ボイラへの給水ライン(ドレン供給ラインL3、新水供給ラインL6)が複数の分岐給水ラインに分岐している場合であっても、共通の給水ポンプと、複数の分岐給水ラインに薬剤を供給する複数の高圧薬注ポンプとを用いて、ボイラ薬注システムを構成することができる。よって、多数の給水ポンプを用いることなく、複数の分岐給水ラインに薬注を行うシステムを構築することができる。特に給水ポンプとして高温対応のポンプを用いる必要のあるドレンラインにおいては、高温対応の給水ポンプを多数用意する必要がなくなるという利点がある。
これにより、分岐ドレン供給ライン毎に、正確に薬注制御を行うことができる。
次に、第5実施形態について、図9~11を参照しながら説明する。なお、第1、第2実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
本実施形態においては、第1薬注装置110による薬注量を制御するための薬注制御信号として、ドレン流量センサ33A、33B、33Cの検出結果を用いる替わりに、各分岐ドレン供給ラインを流れるドレンの流量を調整するドレン流量調整部としての、ドレン供給弁32A、32B、32Cの動作情報を用いる。
本実施形態においては、各ボイラ制御部310A、310B、310Cの各ドレン供給弁開閉信号出力部314A、314B、314Cから出力される出力信号を、第1薬注装置110による薬注量を制御するための薬注制御信号として用いる。
図11に示すように、本実施形態においては、ステップS13Cにおいて、ドレン供給弁開閉信号出力部314A、314B、314Cが、ドレン供給弁開閉情報を取得する。そして、ドレン供給弁開閉信号出力部314A、314B、314Cは、これを薬注制御信号として、第1薬注制御部350に出力する。
なお、本実施形態においては、第1薬注ポンプ111A、111B、111Cとして、一定の薬注流量の薬剤が継続して注入できるように構成された薬注ポンプを用いてもよい。この一定の薬注流量は、操作ダイアル等によって設定可能である。
なお、薬注量の制御には、一定の薬注流量による薬注を実施するタイミングの制御も含まれる。
なお、本実施形態においては、第1薬注ポンプ111A、111B、111Cを駆動するための駆動電力は、常時供給可能な状態としておいてもよい。
例えば、融合動作状態情報として、複数のドレン供給弁の開閉情報を組み合わせて生成した段階的な融合動作状態情報を用いることができる。
例えば、3個のドレン供給弁の開閉情報を組み合わせて生成した段階的な融合動作状態情報としては、「閉×3個」、「閉×2個,開×1個」、「閉×1個,開×2個」、「開×3個」の4段階の信号を生成することができる。この4段階の信号に基づき、4段階の薬注量となるように、第1薬注ポンプを制御してもよい。この場合、第1薬注部を、3個の薬注ポンプにより構成してもよいし、1個の薬注ポンプにより構成してもよい。
これにより、供給するドレンの状態が大きく変動する場合であっても、各ドレン流量調整部としてのドレン供給弁の動作状態情報を融合した段階的な融合動作状態情報に基づき、簡素な構成で、薬注量制御を行うことができる。
これにより、供給するドレンの状態が大きく変動する場合であっても、各ドレン流量調整部のON/OFF(ドレン供給開閉弁の開閉)等に基づく動作状態情報を融合した段階的な融合動作状態情報に基づき、簡素な構成で、薬注量制御を行うことができる。
また、この構成であれば、共通ドレン供給ラインに、大流量に対応し、かつ広い流量変動範囲に対応する、高温仕様の流量計を設ける必要がない。
10 ボイラ装置
11A、11B、11C ボイラ
15A、15B、15C 水位センサ
30 ドレンタンク
31 ドレンポンプ
32A、32B、32C ドレン供給弁
33A、33B、33C ドレン流量センサ(ドレン流量検知部)
40 オープンタンク(新水タンク)
61A、61B、61C 新水ポンプ
63A、63B、63C 新水供給弁
82 オリフィス
100 ボイラ薬注システム
110 第1薬注装置
111A、111B、111C 第2薬注ポンプ(第1薬注部)
120 第2薬注装置
121A、121B、121C 第2薬注ポンプ(第2薬注部)
300 制御部
310A、310B、310C ボイラ制御部
312A、312B、312C ドレン供給制御部
313A、313B、313C 新水供給制御部
314A、314B、314C ドレン供給弁開閉信号出力部
315A、315B、315C 蒸気発生状態情報信号出力部
324A、324B、324C ドレン流量積算値出力部
325A、325B、325C 新水ポンプ動作状態情報出力部
350 第1薬注制御部
360 第2薬注制御部
L3 ドレン供給ライン
L3M 共通ドレン供給ライン
L3A、L3B、L3C 分岐ドレン供給ライン
L6 新水供給ライン
L6M 共通新水供給ライン
L6A、L6B、L6C 分岐新水供給ライン
L8 ドレン循環ライン(ドレン供給ライン)
L8M 共通ドレン循環ライン(ドレン供給ライン)
L8A 気相部側循環ライン(ドレン供給ライン)
L8B 液相部側循環ライン(ドレン供給ライン)
Claims (3)
- 負荷機器が蒸気を使用することによって凝縮して生じたドレンを大気に開放することなく回収するドレンタンクからドレンを複数のボイラに供給するドレン供給ラインと、
前記ドレンタンクまたは前記ドレン供給ラインに薬注を行う第1薬注部と、
前記第1薬注部による薬注量を制御する制御部と、を備え、
前記ドレン供給ラインは、
前記ドレンタンクと接続している共通ドレン供給ラインと、
前記共通ドレン供給ラインから分岐し、各ボイラにドレンを供給する複数の分岐ドレン供給ラインと、を備え、
前記複数の分岐ドレン供給ラインにはそれぞれ、各分岐ドレン供給ラインを流れるドレンの流量を調整するドレン流量調整部が設けられ、
前記制御部は、
前記各ドレン流量調整部の動作状態情報を融合して生成した段階的な融合動作状態情報に基づき、前記第1薬注部による薬注量を制御する、ボイラ薬注システム。 - 前記ドレン供給ラインは、前記共通ドレン供給ラインから分岐し、前記ドレンタンクに接続して循環路を形成するドレン循環ラインをさらに備え、
前記第1薬注部は、前記ドレン循環ラインに薬注を行う、請求項1に記載のボイラ薬注システム。 - 新水タンクから前記複数のボイラに新水を供給する新水供給ラインと、
前記新水タンクまたは前記新水供給ラインに薬注を行う第2薬注部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記複数のボイラの蒸気発生状態情報または前記新水供給ラインを流れる新水の流量を調整する新水流量調整部の動作状態情報に基づいて、前記第2薬注部による薬注量を制御する、請求項1又は2のいずれか1項に記載のボイラ薬注システム。
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