JP2016191528A - 水処理管理装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボイラ設備における水処理状況を総合的に判断することができる水処理管理装置及び方法を提供する。【解決手段】水処理管理装置は、給水流量を測定する流量計10と、薬液を給水ライン又は給水タンクに注入する薬注ポンプ7と、薬品タンク6内の薬液量を計測するセンサ9と、流量計10により測定結果に比例して薬注ポンプ7の吐出量を制御する制御器12と、ボイラ5の連続ブローの動作が適正か否か判定する手段と、この判定結果と制御器12による薬品注入制御結果とに基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断する判断手段とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラ設備における水処理管理置及び水処理管理方法に関する。
通常、低圧ボイラの給水ポンプは、ボイラ水位が設定下限値以下になった場合に作動開始し、ボイラ水位が設定上限値に達すると停止又は水位に応じた流量調整を行うように制御される。そのため、給水ポンプは、ボイラの燃焼状態に応じて不定期に稼動したり、流量が変動したりする。小型貫流ボイラを複数設置して運転している場合、各ボイラの給水ポンプが不定期に稼動又は流量変動するため、給水母管の給水流量は大きく変動することになる。
小型貫流ボイラの薬液注入の制御としては、マイコン制御、給水ポンプのオン/オフ信号に基づく制御、流量計のパルス信号やアナログ信号による制御等が一般的である。
マイコン制御では、ボイラの燃焼状態及び燃焼時間に応じた量の給水がボイラに供給されたものと判断し、それに応じて薬注ポンプの稼動時間が決定される。このマイコン制御では、薬注ポンプは給水ポンプの稼動と必ずしも連動しておらず、給水ポンプが動いていないときに薬注ポンプが動いたり、反対に給水ポンプが動いていても薬注ポンプが稼動しなかったりする場合がある。そのため、マイコン制御では、給水中の薬品濃度が大幅に変動し易い。
給水ポンプのオン/オフ信号により薬注ポンプを制御する方法では、給水ポンプが稼動している時に薬注ポンプが稼動するため、マイコン制御より給水中での薬品濃度の変動は小さくなる。しかし、給水ポンプの起動直後や停止直前は給水流量がやや少なくなるため、薬品濃度が高くなる。
給水流量計のパルス信号又はアナログ信号により薬注ポンプを制御する方法では、給水流量に比例して薬注ポンプのストローク数が決定されるため、給水中の薬品濃度を目標濃度に近いものとすることができる。しかし、この制御では、給水ポンプ又は薬注ポンプの能力が低下した場合に、実際の薬注量と目標薬注量との誤差が大きくなる。
低圧ボイラは水処理効果を持つ化合物を複数種組合せた多機能清缶剤を一剤または二剤で注入することが多いが、ドレン回収または原水水質の変動により給水水質または給水温度が変動し、アルカリ補助剤量、脱酸素剤量、防食剤量、分散剤量等の必要量のバランスが変動して、特定の成分が不足または過剰となることがあった。
防食成分は、給水に対する添加濃度で管理する方法と、ボイラ水中濃度で管理する方法とがある。前者の方法は、ドレン回収の有無によらず給水中濃度を一定に保つように薬注する。後者の方法を、ボイラ水の電気伝導率が設定上限値に達するとブロー水を排出し、設定下限値になるとブロー水の排出を止めることで濃縮度を管理しているボイラに適用した場合、ドレン回収率や給水水質の変動により給水の電気伝導率が変動すると濃縮度が変動するため、給水流量に比例させて薬注を行っても、ボイラ水中の薬剤濃度を一定に管理できなかった。
前述したような給水に対する薬注濃度が維持できない課題と、ボイラの稼動条件により必要な薬注濃度が変動する課題とが複合的に作用することにより、ボイラ水処理を最適に保つことは困難であった。薬品濃度が目標値よりも低いと、防食剤の効果が不十分となって腐食が進行したり、脱酸素剤の脱酸素効果が小さくなり蒸気に多量の酸素が移行して復水配管での腐食を発生させたりする等、水処理効果が不十分となることがある。一方、薬品を過剰に添加した場合には、ボイラ水中の電気伝導率が過度に高くなり、キャリーオーバーが発生したり、薬品コストが増加したりする。
ドレン回収又は原水水質の変動により、薬注目標値、すなわち薬注ポンプ吐出量を変更する方法としては、特開2010−159965で挙げられたような給水中の炭酸濃度に応じてpH調整剤の薬注ポンプの稼働時間を決定する方法や、特開平10−82503のように給水温度に応じて薬注ポンプの稼働時間を決定する方法などがあるが、いずれも先に述べたような薬注ポンプまたは給水ポンプの性能低下などによる吐出量の変化には対応できていない。
薬注濃度が一定の場合には薬品減少量と給水流量積算値を記録することで、人の手で期間平均の薬注濃度を確認することも可能だが、ドレン回収または原水水質の変動に応じて薬注ポンプの吐出条件を切り替える場合には、その都度薬品減少量及び給水流量積算値を確認しなければならない。プロセスでの蒸気使用状況、天候、気温等に左右されるドレン回収や原水水質の変動を常に把握し、薬注ポンプの吐出条件を変更することは現実的でなく、薬注濃度を目標通りに管理できているか否か確認することはできなかった。そのため、ボイラ設備における水処理状況を総合的に判断することができなかった。
特許4390473号 特開2010−159965 特開平10−82503
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、ボイラ設備における水処理状況を総合的に判断することができる水処理管理装置及び方法を提供することを課題とする。
[1] 給水タンクからボイラに給水を供給するための給水ラインと、前記給水ラインを流れる給水流量を測定する給水流量測定手段と、薬品タンクに貯留されたボイラ水処理薬品を含有する薬液を前記給水ライン又は給水タンクに注入する薬注ポンプと、前記薬品タンク内に貯留された薬液の量を計測する薬液量計測手段と、前記ボイラの連続ブローの動作が適正か否か判定するブロー判定手段と、前記給水流量測定手段により測定された給水流量に比例して前記薬注ポンプの吐出量を制御する制御手段と、前記ブロー判定手段の判定結果、及び前記制御手段による薬品注入制御結果に基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断する判断手段と、を備え、前記制御手段は、第1所定期間ごとに目標薬注量を変更し、前記給水流量測定手段によって測定される該第1所定期間当たりの給水流量と、該第1所定期間の目標薬注量とから該第1所定期間ごとの薬液使用量を求め、前記薬液量計測手段の計測結果から、前記第1所定期間より長い第2所定期間における薬品タンク内薬液減少量を求め、前記第2所定期間内の複数の第1所定期間に対応する前記薬液使用量を積算して、該第2所定期間における薬液減少想定量を求め、前記薬品タンク内薬液減少量と前記薬液減少想定量とを比較し、比較結果に基づいて前記薬注ポンプを制御することを特徴とする水処理管理装置。
[2] [1]において、ボイラ稼働率を算出する算出手段をさらに備え、前記判断手段は、前記ブロー判定手段の判定結果、前記制御手段による薬品注入制御結果、及び前記ボイラ稼働率に基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断することを特徴とする水処理管理装置。
[3] [1]又は[2]において、前記ブロー判定手段は、前記ボイラの連続ブローラインの電磁弁の開閉と、該連続ブローラインに設けられたブロー流量計又はフローセンサの検出値とに基づいて、連続ブローの動作が適正か否か判定することを特徴とする水処理管理装置。
[4] [1]又は[2]において、前記ブロー判定手段は、前記ボイラの連続ブローラインの電磁弁の開閉と、該連続ブローラインに設けられた温度センサの検出値とに基づいて、連続ブローの動作が適正か否か判定することを特徴とする水処理管理装置。
[5] 給水タンクからボイラに給水を供給するための給水ラインと、前記給水ラインを流れる給水流量を測定する給水流量測定手段と、薬品タンクに貯留されたボイラ水処理薬品を含有する薬液を前記給水ライン又は給水タンクに注入する薬注ポンプと、前記薬品タンク内に貯留された薬液の量を計測する薬液量計測手段と、ボイラ稼働率を算出する算出手段と、前記給水流量測定手段により測定された給水流量に比例して前記薬注ポンプの吐出量を制御する制御手段と、前記ボイラ稼働率、及び前記制御手段による薬品注入制御結果に基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断する判断手段と、を備え、前記制御手段は、第1所定期間ごとに目標薬注量を変更し、前記給水流量測定手段によって測定される該第1所定期間当たりの給水流量と、該第1所定期間の目標薬注量とから該第1所定期間ごとの薬液使用量を求め、前記薬液量計測手段の計測結果から、前記第1所定期間より長い第2所定期間における薬品タンク内薬液減少量を求め、前記第2所定期間内の複数の第1所定期間に対応する前記薬液使用量を積算して、該第2所定期間における薬液減少想定量を求め、前記薬品タンク内薬液減少量と前記薬液減少想定量とを比較し、比較結果に基づいて前記薬注ポンプを制御することを特徴とする水処理管理装置。
[6] [1]乃至[5]のいずれかにおいて、前記薬液量計測手段が、前記薬品タンク中の薬液による圧力を検出する圧力センサ、前記薬品タンク中の薬品の水位高さを検出する水位計、又は前記薬品タンク中の薬品重量を検出する重量計のいずれかであることを特徴とする水処理管理装置。
[7] [1]乃至[6]のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記給水流量測定手段により測定された給水流量に対して比例係数を乗じて得た目標吐出量となるように前記薬注ポンプを制御し、前記薬品タンク内薬液減少量と前記薬液減少想定量との差に基づいて、前記比例係数を補正することを特徴とする水処理管理装置。
[8] [1]乃至[7]のいずれかにおいて、前記ボイラは複数個設けられており、前記給水ラインは、前記給水タンクに連なる給水母管と、該給水母管から分岐した複数の給水分岐管とを有しており、各給水分岐管が各ボイラに接続され、該給水分岐管にそれぞれ給水ポンプが設けられており、前記薬注ポンプは、前記給水母管又は給水タンクに薬注することを特徴とする水処理管理装置。
[9] [1]乃至[8]のいずれかにおいて、前記給水ラインには給水の温度又は水質を検出するセンサが設けられ、前記制御手段は、前記センサの検出結果に基づいて前記目標薬注量を変更することを特徴とする水処理管理装置。
[10] [1]乃至[8]のいずれかにおいて、前記給水タンクに補給水を供給する補給水ライン及び前記給水ラインにはそれぞれ温度又は水質を検出するセンサが設けられ、前記制御手段は、各センサの検出結果からドレン回収率を算出し、該ドレン回収率に基づいて前記目標薬注量を変更することを特徴とする水処理管理装置。
[11] [1]乃至[8]のいずれかにおいて、前記給水タンクに補給水を供給する補給水ラインに流量計が設けられ、前記制御手段は、前記流量計の流量測定値の積算値と、前記給水流量測定手段の流量測定値の積算値とからドレン回収率を演算し、該ドレン回収率に基づいて前記目標薬注量を変更することを特徴とする水処理管理装置。
[12] [1]乃至[8]のいずれかにおいて、前記給水ラインには第1電気伝導率計が設けられ、前記ボイラは、第2電気伝導率計を内蔵し、該第2電気伝導率計の測定値が所定値以下となった場合に連続ブローラインの電磁弁を閉じ、該測定値が所定値以上となった場合に該電磁弁を開け、前記制御手段は、該第1電気伝導率計の測定値及び該第2電気伝導率計の測定値から該ボイラの濃縮度を算出し、該濃縮度に基づいて前記目標薬注量を変更することを特徴とする水処理管理装置。
[13] [1]乃至[12]のいずれかにおいて、前記ボイラには電気伝導率計が内蔵されており、前記制御手段は、該電気伝導率計の測定値が所定値以上となった場合、該測定値が該所定値未満となるまで前記目標薬注量を低下させることを特徴とする水処理管理装置。
[14] [1]乃至[13]のいずれかにおいて、前記薬品タンク、前記薬注ポンプ、及び前記薬液量計測手段はそれぞれ複数設けられ、前記制御手段は、各薬注ポンプを個別に制御することを特徴とする水処理管理装置。
[15] 給水タンクからボイラに給水を供給するための給水ライン又は給水タンクに、薬品タンクに貯留されたボイラ水処理薬品を含有する薬液を注入する薬注ポンプを制御すると共に、ボイラ設備の水処理状況を判断する水処理管理方法であって、前記給水ラインを流れる給水流量を測定する工程と、測定した給水流量に比例して前記薬注ポンプの吐出量を制御する工程と、第1所定期間ごとに目標薬注量を変更する工程と、前記第1所定期間当たりの給水流量と、該第1所定期間の目標薬注量とから該第1所定期間ごとの薬液使用量を求める工程と、前記第1所定期間より長い第2所定期間における薬品タンク内薬液減少量を測定する工程と、前記第2所定期間内の複数の第1所定期間に対応する前記薬液使用量を積算して、該第2所定期間における薬液減少想定量を求める工程と、前記薬品タンク内薬液減少量と前記薬液減少想定量とを比較し、比較結果に基づいて前記薬注ポンプを制御する工程と、前記ボイラの連続ブローの動作が適正か否か判定した結果と、前記薬注ポンプの制御による薬品注入制御結果とに基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断する工程と、を備える水処理管理方法。
[16] [15]において、ボイラ稼働率を算出する工程をさらに備え、前記ボイラの連続ブローの動作が適正か否か判定した結果と、前記薬注ポンプの制御による薬品注入制御結果と、前記ボイラ稼働率とに基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断することを特徴とする水処理管理方法。
[17] 給水タンクからボイラに給水を供給するための給水ライン又は給水タンクに、薬品タンクに貯留されたボイラ水処理薬品を含有する薬液を注入する薬注ポンプを制御すると共に、ボイラ設備の水処理状況を判断する水処理管理方法であって、前記給水ラインを流れる給水流量を測定する工程と、測定した給水流量に比例して前記薬注ポンプの吐出量を制御する工程と、第1所定期間ごとに目標薬注量を変更する工程と、前記第1所定期間当たりの給水流量と、該第1所定期間の目標薬注量とから該第1所定期間ごとの薬液使用量を求める工程と、前記第1所定期間より長い第2所定期間における薬品タンク内薬液減少量を測定する工程と、前記第2所定期間内の複数の第1所定期間に対応する前記薬液使用量を積算して、該第2所定期間における薬液減少想定量を求める工程と、前記薬品タンク内薬液減少量と前記薬液減少想定量とを比較し、比較結果に基づいて前記薬注ポンプを制御する工程と、ボイラ稼働率を算出する工程と、前記ボイラ稼働率と、前記薬注ポンプの制御による薬品注入制御結果とに基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断する工程と、を備える水処理管理方法。
本発明によれば、薬注ポンプを給水流量にリアルタイムに比例させる制御と、薬注目標濃度及び給水量積算値から求まる薬液減少量目標範囲と所定期間における薬品タンク内の薬品減少量との比較結果に基づいて薬注ポンプによる薬注量を補正するフィードバック制御とを組み合わせることで、短期間で流量が大きく変動する系においても、給水中の薬品濃度を目標範囲内に安定して維持することができる。これにより、水処理薬品の効果を十分に発揮させてボイラプラントを保守し、スケール防止やブロー適正管理が達成され、省エネ運転することができる。また、薬注量の過剰によるブロー水量の増加や薬品コストの増加を防止できる。
また、本発明によれば、ボイラの連続ブローの動作が適正か否かの判定結果、ボイラ稼働率、及び薬品注入制御結果に基づいて、ボイラ設備の水処理状況を総合的に判断することができる。
本発明の実施形態に係る水処理管理装置を備えたボイラ給水設備のブロック図である。 変形例による水処理管理装置を備えたボイラ給水設備のブロック図である。 実施例1における給水中の飽和溶存酸素濃度を示すグラフである。 実施例1における蒸気凝縮水中の溶存酸素濃度を示すグラフである。 比較例1における蒸気凝縮水中の溶存酸素濃度を示すグラフである。 実施例2で用いたボイラ給水設備のブロック図である。 実施例2における蒸気凝縮水のpHを示すグラフである。 比較例2における蒸気凝縮水のpHを示すグラフである。 比較例3における蒸気凝縮水のpHを示すグラフである。 (a)は実施例3における薬注量を示すグラフであり、(b)は薬品減少量を示すグラフである。
以下、図1を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係る水処理管理装置を備えたボイラ給水設備のブロック図であり、給水タンク1内の給水が、給水母管2、給水母管2から分岐した複数の給水分岐管3、及び各給水分岐管3に設けられた給水ポンプ4を介して各ボイラ5に供給される。薬品タンク6にはボイラ水処理薬品を含有する薬液が貯留され、この薬液は薬注ポンプ7及び薬注ノズル8によって給水母管2に注入される。
薬品タンク6には薬液量を計測するための薬液量センサ9が設けられている。給水母管2には超音波流量計などの流量計10と、温度センサ17とが設けられ、これらの検出信号が制御器12に入力される。制御器12には、給水中の目標薬品濃度等を入力するためのタッチパネル、キーボード等の入力手段13が接続されている。
本実施形態による水処理管理装置は、小型貫流ボイラが多缶設置された給水設備の水処理管理装置として適しているが、小型貫流ボイラの給水設備以外の、短期間で流量が大きく変動するボイラ給水設備にも好適である。
給水ポンプ4は、ボイラ5の水位に応じてオン/オフ制御で運転してもよく、インバータ制御で運転するものであってもよく、特に制御方式は限定されない。
薬注ノズル8による薬品の注入箇所は、小型貫流ボイラが多缶設置された場合は給水タンク1または給水母管2であることが望ましい。これは個別のボイラに給水が入るまでになるべく距離をとることで、薬品をより均一に添加することができるためである。給水母管2に薬注することにより、給水中の薬品濃度を迅速に制御することができる。薬注ポンプ7の吐出側には、接続する給水タンク1または給水母管2の圧力に応じた逆止弁を設置するのが好ましい。
使用する薬品は液体品または粉体を溶解して液体にしたものを用いる。その他の条件(pH、比重等)は特に問わない。
薬品タンク6は、水平断面積が上部から下部まで均一である円柱状又は角柱状であることが好ましい。薬液量センサ9により薬品タンク6内の薬液量を精度良く検出するために、薬品タンク6として、使用上問題ない範囲で、なるべく容量および水平断面積の小さいものを使用することが好ましい。
薬品タンク6は、緊急事態に備えてアラーム機能を備えることが好ましい。緊急事態の例としては、薬品タンク6や薬注ポンプ7からの液漏れ等が原因で薬注量が目標範囲に入らないことが複数回生じる場合や、薬品タンク6に薬液がなくなる場合、信号線の断線などが考えられる。薬品タンク6内の薬液の減少量は薬液量センサ9によって監視しているため、所定水位以下になった場合に、制御器12及び通信装置(図示せず)を介して作業者に通知する機能を備えておくことが好ましい。
薬品タンク6に薬液が追加されて薬液量センサ9の検出値が急激に上昇した場合は、薬注量演算のための給水流量および薬液減量の積算値を自動的にリセットすることで、薬注量の演算が正しく行われるようにすることができる。
薬品タンク6の薬液量を測定する薬液量センサ9としては、例えば圧力センサを用いることができる。圧力センサは、センサ位置から水面までの薬液の水頭圧を検知するものであるため、薬品タンク6の最下部側面に穴を開けて水平方向に設置されることが好ましい。圧力センサで検知した水位と、あらかじめ求めた薬品タンク6の水平断面積とを乗算することにより、薬品タンク6内の薬液量が求まる。従って、圧力センサとしては、測定できる圧力範囲が薬品タンク6の最高水位における水圧よりも大きいものを用いる。また、圧力センサとしては、薬液に耐性があるものを用いる。なお、圧力範囲の上限値が薬品タンク6の最高水位における水圧より過剰に大きいと、薬液量の検出分解能が大きくなり、薬品タンク6内の薬液量変化の検出精度が低下するため、圧力センサとしては、過剰に圧力範囲の大きいものより、圧力範囲の上限値が薬品タンク6の最高水位における水圧よりやや大きいものの方が好ましい。
薬液量センサ9としては、薬品タンク6中の薬液の水位高さを検出する水位計や、薬品タンク6中の薬液重量を検出する重量計を用いることもできる。
流量計10は、瞬間流量及び積算流量を信号出力できるものが望ましいが、瞬間流量のみ信号出力できるものでもよい。流量計10が瞬間流量のみ出力する場合、制御器12の演算部で瞬間流量を累積していくことにより積算流量を算出する。なお、流量計10が積算流量のみ出力する場合、演算部で短いインターバルでの積算値を平均流量に換算することで対応可能ではあるが、給水が始まってから薬注を行うまでにタイムラグが発生するため、流量計10は瞬間流量を信号出力できるものであることが望ましい。
制御器12は、流量計10からの流量信号に比例して薬注ポンプ7の吐出流量を制御する。制御器12の演算手段としてはPLC(プログラマブルロジックコントローラ)などを用いることができる。制御器12の入力ユニット及び出力ユニットは、分解能が小さく、演算速度が速いものが望ましい。
以下に、制御器12による薬注制御方法の一例について説明する。
制御器12は、基本的には、流量計10の出力信号に基づいて薬注ポンプ7を比例制御する。具体的には、制御器12は、流量計10の検出流量信号に比例係数を乗じて薬注量信号を生成し、この薬注量信号を薬注ポンプ7の駆動回路に与え、薬注を行わせる。
そして、第1所定期間毎に目標薬注量(目標薬注濃度)を決定し、ポンプ能力(%)をn回目目標薬注量/(n−1)回目目標薬注量の比率で変更させる。目標薬注量は、給水の温度や水質、ドレン回収率、ボイラ5の濃縮度などから決定される。目標薬注量の決定方法は後述する。目標薬注量を決定する第1所定期間は、ドレン回収または原水給水質の変動に応じて決定する。目標薬注量は1分〜1日毎に決定することが好ましく、さらに好ましくは10分〜60分毎に決定する。また、制御器12は、第1所定期間ごとに、目標薬注濃度と、その間の給水流量(積算流量)とから薬品使用量、言い換えれば薬品タンク6内の薬品減少量を算出する。
さらに、制御器12は、第1所定期間より長い第2所定期間が経過した時点、例えば所定時間が経過した時点または給水流量の積算値が所定の積算流量値に達した時点で、この第2所定期間での薬品減少想定量を算出する。この薬品減少想定量は、第2所定期間に含まれる複数の第1所定期間での薬品使用量の積算値である。第2所定期間に対応する所定時間または所定の積算流量値としては、その間の薬品タンク6内の薬液減少量分の水位差が50mm以上となる条件で決定することが好ましい。50mm以下とすると、第2所定期間における薬品減少量に対する薬液量センサ9の1分解能あたりの薬液減少量の比率が大きくなり、実薬注量との誤差が大きくなる。
例えば、期間T1、T2、・・・、Tnの目標薬注量をCF1、CF2、・・・、CFn、給水流量(期間内の積算流量)をFV1、FV2、・・・、FVnとした場合、薬品使用量CD1、CD2、・・・、CDnは以下のように表される。
期間T1:CD1=CF1×FV1
期間T2:CD2=CF2×FV2
・・・・
期間Tn:CDn=CFn×FVn
期間T1、T2、・・・、Tnがそれぞれ第1所定期間に相当し、T1〜Tnの通算期間が第2所定期間に相当する。薬品減少想定量SVは、SV=CD1+CD2+・・・+CDnで求まる。
制御器12は、薬液量センサ9を用いて求めた第2所定期間における実際の薬品タンク6内の薬品減少量が、第2所定期間内の薬品使用量を積算した薬品減少想定量と一致するか否か、具体的には許容誤差を含む目標範囲に入っているか否か判定し、範囲外であった場合は、目標値に合うように比例係数を補正する。そして、制御器12は、給水流量信号に、補正した比例係数を乗じて薬注量信号を生成し、薬注ポンプ7の駆動回路に入力することにより薬注量を補正する。例えば、制御器12は、薬液量センサ9を用いて求めた薬品減少量が目標範囲を下回るときには比例係数を大きくし、薬品減少量が目標範囲を上回るときには比例係数を小さくする。
例えば、薬液量センサ9を用いて求めた薬品減少量が、薬品減少想定量の目標誤差範囲の下限値よりも低いときには、薬品減少想定量と薬液量センサ9を用いて求めた実際の薬品減少量との差に応じた補正係数を比例係数に乗じて比例係数を大きくするように補正する。逆に、実際の薬品減少量が薬品減少想定量の目標誤差範囲の上限値よりも高いときには、薬品減少想定量と実際の薬品減少量との差に応じた補正係数を比例係数に乗じて比例係数を小さくするように補正する。また、比例係数の補正に際し、例えば補正後の比例係数が補正前の比例係数の±50%に収まるように、比例係数の変化率に制限を持たせてもよい。
なお、比例係数を補正する代わりに、比例係数を乗じた後の薬注量信号を、薬品減少想定量と実際の薬品減少量との差に基づいて補正してもよい。
このように、薬注ポンプ7の吐出量を流量計10の検出給水流量にリアルタイムに比例させる制御と、所定期間(第2所定期間)における薬品減少量を確認して薬注量信号を微調整するフィードバック制御とを組み合わせることにより、多缶設置の小型貫流ボイラの給水配管のように、短期間で流量が大きく変動する系においても、給水中の薬品濃度を目標範囲内に安定して維持することができる。
次に、目標薬注量の決定方法ついて説明する。
例えば、温度センサ17を用いて給水温度を測定し、その測定温度における飽和溶存酸素濃度に合わせて目標薬注量を随時変更する。これにより、脱酸素剤をより効率的かつ経済的に注入できる。この方法を用いる際は、以下の式1により必要な脱酸素剤量を求めて、その量に応じて目標とする薬液量を決定する。給水温度を測定し、測定温度における飽和溶存酸素濃度を用いる手法が簡易的ではあるが、給水の溶存酸素を検出する溶存酸素計を設け、給水中の溶存酸素濃度を直接測定してもよい。
必要脱酸素剤量(mg/L)
=(給水温度における飽和溶存酸素濃度/脱酸素剤1(mg/L)が除去する酸素量)×安全率 …(式1)
温度センサ17の測定原理は問わないが、測定温度範囲が給水温度の変動範囲を十分カバーしている必要がある。温度センサ17は、給水タンク1、または給水タンク1よりボイラ1に近い給水母管2に設置する。温度センサ17の検出部を給水に直接浸水することが望ましいが、検出部を配管表面に設置して、放温しないように検出部を保温材で覆うようにしてもよい。
ドレン回収率を用いて目標薬注量を決定してもよい。ここで、ドレン回収率を求める方法としては、ドレン温度、補給水温度及び給水温度を測定し、以下の式2を用いて求める方法と、電気伝導率計により補給水および給水について電気伝導率を検出し、以下の式3を用いて求める方法と、補給水および給水について溶存物質濃度(水質)を検出し、以下の式4を用いて求める方法と、補給水ライン16に設置した流量計(図6参照)の積算値と給水母管2に設置した流量計10の積算値または各ボイラ5に接続される給水分岐管に設置した流量計(図6参照)の合算積算値とを以下の式5に代入して求める方法とがある。溶存物質濃度は、例えば塩化物イオン計を用いて検出される塩化物イオン濃度、カリウム計を用いて検出されるカリウム濃度、ナトリウム計を用いて検出されるナトリウム濃度、カルシウム計を用いて検出されるカルシウム濃度などである。ドレン回収率は他の数式、方法を用いて求めてもよい。回収されたドレンはドレンタンク14に貯留され、ドレンライン15を介して給水タンク1に供給される。
ドレン回収率=(給水温度―補給水温度)/(ドレン温度−補給水温度) …(式2)
ドレン回収率=1−(給水電気伝導率/補給水電気伝導率) …(式3)
ドレン回収率=1−(給水溶存物質濃度/補給水溶存物質濃度) …(式4)
ドレン回収率=(給水流量−補給水流量)/給水流量 …(式5)
ドレン回収がない場合でも原水水質の変動により給水水質が大きく変動する場合がある。このような場合は、給水の電気伝導率または塩化物イオン濃度などの溶存物質濃度の値を計測して、計測値から目標薬注量を演算する方法もある。薬注目標量を決定する為に必要な物質の濃度が直接測定できない場合でも、測定が容易な他の項目との相関性を事前に確認できれば、その項目の計測値に基づいて必要薬注量を算出できる。
例えば、給水の酸消費量(pH4.8)により薬注目標量を決定する際に、電気伝導率と酸消費量(pH4.8)の関係性が認められれば、電気伝導率を計測することにより、演算部で酸消費量(pH4.8)に換算し、得られた酸消費量(pH4.8)に基づいて目標薬注量を算出し、薬液の吐出量が決定される。
ドレン回収により給水中のアルカリ成分量が変化した場合に、薬品により追加するアルカリ成分量は、以下の式6及び式7から求まる。
目標薬注量=必要アルカリ成分量(酸消費量(pH8.3))/薬液1(mg/L)あたりから発生する酸消費量(pH8.3) …(式6)
必要アルカリ成分量(酸消費量(pH8.3))(mgCaCO/L)
=(目標ボイラ水酸消費量(pH8.3)/濃縮度)−給水酸消費量(pH8.3)
=(P1/N)−〔P2×0.5×(1+α)×(1−r) 〕 …(式7)
P1:目標ボイラ水酸消費量(pH8.3)(mgCaCO/L)
P2:補給水中の酸消費量(pH4.8)(mgCaCO/L)
N:濃縮度=ボイラ水電気伝導率/給水電気伝導率
α:圧力による係数
ボイラ圧力0.5MPa α=0.3
ボイラ圧力0.7MPa α=0.4
ボイラ圧力1.0MPa α=0.5
ボイラ圧力1.5MPa α=0.6
ボイラ圧力2.0MPa α=0.7
r:ドレン回収率=1−(給水電気伝導率/補給水電気伝導率)
ボイラ5は、電気伝導率計を内蔵し、この電気伝導率計の測定値が所定の下限値を下回った場合に連続ブローラインの電磁弁を閉じ、所定の上限値を上回った場合に連続ブローラインの電磁弁を開けることで、缶水の濃縮度を調整するものであってもよい。この場合、制御器12は、ボイラ5に内蔵された電気伝導率計により測定されるボイラ水電気伝導率と、給水母管2又は給水分岐管3に設けた電気伝導率計により測定される給水電気伝導率とを用いて、以下の式8により濃縮度を演算する。そして、制御器12は、ボイラ5の濃縮度と、ボイラ5の缶内維持濃度とから、以下の式9を用いて目標薬注量を求めることができる。ボイラ内部で濃縮度または濃縮度を演算するための情報を有している場合には、その情報をそのまま制御器12に入力する方法もある。
濃縮度=ボイラ水電気伝導率/給水電気伝導率 …(式8)
目標薬注量(mg/L)=缶内維持濃度/濃縮度 …(式9)
ボイラ5の濃縮度は、ボイラ水及び給水の溶存物質濃度から求めてもよい。ボイラ水及び給水の溶存物質濃度を用いて、以下の式10により濃縮度を求めることができる。また、給水およびブロー水の流量を測定し、以下の式11を用いて濃縮度を求めてもよい。
濃縮度=ボイラ水溶存物質濃度/給水溶存物質濃度 …(式10)
濃縮度=給水流量/ブロー流量 …(式11)
このように、対象ボイラの濃縮度の情報を制御器12に入力し、目標薬注量を決定することにより、より確実にボイラ水中薬液濃度を目標範囲に管理することができるようになる。
上述したように、ボイラ本体に電気伝導率計が内蔵されている場合、この電気伝導率計の測定値が所定の上限値(ブロー制御用の上限値がある場合はその上限値とは別に設定されたさらに高い値)を超えた場合に、電気伝導率計の測定値が上限値を下回るまで目標薬注量を一定期間低減させるようにしてもよい。このことにより、キャリーオーバー発生を防止することができる。
ボイラ給水設備の水処理状況は、補給水水質が変化しない場合、主に「薬品注入状況」、「ボイラの連続ブローの動作状況」及び「ボイラの稼働状況」の3つの要素によって決定できる。そのため、上述した薬品注入制御装置に、ボイラの連続ブローの動作状況が判断できる信号、及びボイラ稼働率が判断できる信号を与えることで、ボイラ給水設備の水処理状況を総合的に判断することが可能となる。
ボイラ5の連続ブローの動作状況は、ボイラ個別の連続ブローライン28に設けた電磁弁25への電圧供給の有無と、温度センサ26の検出値に基づいて判断することができる。温度センサ26は、連続ブローライン28の配管内に挿し入れてブロー水の温度を測定してもよく、配管表面に設置して配管温度を測定してもよい。
電磁弁25への電圧供給がなく、電磁弁25が閉じている時に、温度センサ26の検出値が上昇する場合、電磁弁25からボイラ水がリークしており、ブローは適正でないと判断される。また、電磁弁25へ電圧が供給され、電磁弁25が開いている時に、温度センサ26の検出値が一定以上まで上昇しない場合、連続ブローライン28や電磁弁25に詰まりや閉塞が発生している可能性が高いと判断される。
電磁弁25へ電圧が供給され、電磁弁25が開いている時に、温度センサ26の検出値が一定以上に上昇する場合、ブローが適正であると判断される。
なお、温度センサ26の代りに、ブローライン28にブロー流量計(図示略)を設置してもよい。この場合、ボイラの連続ブローの動作状況は、ボイラ個別の連続ブローライン28に設けた電磁弁25への電圧供給の有無と、ブロー流量計の検出値に基づいて判断できる。例えば、電磁弁25への電圧供給がなく、電磁弁25が閉じている時に、ブロー流量計が流量を検知した場合、電磁弁25からボイラ水がリークしており、ブローは適正でないと判断される。また、電磁弁25へ電圧が供給され、電磁弁25が開いている時に、ブロー流量計において一定以上の流量が検知できない場合、連続ブローライン28又は電磁弁25に詰まりや閉塞が発生している可能性が高いと判断される。
電磁弁25への電圧供給がなく、電磁弁25が閉じている時に、ブロー流量計が流量を検知しない場合、電磁弁25からボイラ水はリークしておらず、ブローは適正であると判断される。また、電磁弁25へ電圧が供給され、電磁弁25が開いている時に、ブロー流量計において一定以上の流量が検知される場合、ブローライン28や電磁弁25に詰まり等はなく、適正であると判断される。ブローライン28における流れの有無が検知できればよいため、ブローライン28にはブロー流量計の代わりにフローセンサを設置してもよい。
電磁弁25への電圧供給の有無は、電源自体を信号として直接的に確認してもよく、電源ケーブルにクランプ式電流センサを設置したり、電磁弁25にリードスイッチを設置したりして、間接的に確認してもよい。
ボイラ稼働状況(稼働率)は、ボイラ5の燃焼状態を制御する燃焼指令信号をモニタすることで、算出できる。例えば、監視対象期間のうち、ボイラ5が燃焼状態にあった時間の比率を算出することで、稼働率が求まる。
ボイラ稼働率は、給水ポンプ4のオン/オフや電磁弁25の開閉から推定してもよい。この場合、ボイラ5が連続的に燃焼している時に、給水ポンプ4や電磁弁25が動作する間隔を予め確認しておく。そして、給水ポンプ4や電磁弁25の動作が検知できない期間が、その間隔を大きく超過する場合には、ボイラ5の燃焼が停止したと判断する。このように、ボイラ5の燃焼状態を判断することで、ボイラ稼働率を推定することができる。
図1に示すように、制御器12は、温度センサ26(又はブロー流量計)の検出値を取得し、電磁弁25への電圧供給の有無を監視することで、各ボイラ5の連続ブローの動作が適正か否かを判断する。さらに、制御器12は、ボイラ5の燃焼指令信号、給水ポンプ4のオン/オフ、又は電磁弁25の開閉を監視して、ボイラ稼働率を算出する。また、上述したように、制御器12は、給水への薬品注入量が目標範囲内にあるか否かを検出する。
制御器12は、給水中の薬品注入量が目標範囲内にあり、かつ、各ボイラの連続ブローの動作が適正であり、かつ、一定期間における各ボイラの稼働率が設定率以上である場合、ボイラ給水設備の水処理状況は良好であると判断する。これら3つの条件のうちのいずれかが達成されていない場合、水処理状況は不良である可能性があるため、制御器12は、作業者に確認・対応を促す警報を出力する。
上記実施形態は、本発明の一例であり、本発明は上記以外の構成とされてもよい。例えば、上述した実施形態では、薬品注入制御装置に、ボイラの連続ブローの動作状況が判断できる信号、及びボイラ稼働率が判断できる信号を与える例について説明したが、ボイラの連続ブローの動作状況が判断できる信号、又はボイラ稼働率が判断できる信号のいずれか一方を与えるようにしてもよい。
例えば、制御器12は、給水中の薬品注入量が目標範囲内か、及び各ボイラ5の連続ブローの動作が適正であるかに基づいて、ボイラ給水設備の水処理状況を判断する。あるいはまた、制御器12は、給水中の薬品注入量が目標範囲内か、及び一定期間における各ボイラ5の稼働率が設定率以上であるかに基づいて、ボイラ給水設備の水処理状況を判断する。ボイラの連続ブローの動作状況が判断できる信号、及びボイラ稼働率が判断できる信号の両方を与える場合と比較して、ボイラ給水設備の水処理状況を簡易的に判断することができる。
上記実施形態では、薬品タンク6が1個だけ設置されているが、種類の異なる薬品を収容した複数の薬品タンク6を設置し、各薬品タンク6からそれぞれ薬注を行うようにしてもよい。図2はこのように構成された実施形態を示している。
一般に、ドレン回収がある場合または原水水質が大きく変動する場合において、個々の薬剤成分の必要量が、ある成分では増加し、他の成分では減少することで、薬剤成分の必要量のバランスが大きく変化する場合には、薬剤成分を個別に制御することにより、経済的に水処理を行うことができる。この場合、図2に示すように、薬剤成分ごとに薬品タンク6と薬注ポンプ7を用意し、薬品タンク6毎の薬液量情報を制御器12に入力し、個々の薬品減少量を求めて、それぞれの薬注ポンプ7の吐出量を制御する。
制御器12は、給水温度、給水水質、ドレン回収率、及びボイラ濃縮度の少なくともいずれか1つの情報を取得し、取得した情報に基づいて、薬品タンク6ごとに、給水水質に応じて、又は給水中薬液濃度が一定となるように、又はボイラ水中薬液濃度が一定となるように、薬注目標量を変更することができる。図2に示す構成において、薬品タンク6の数および種類は制限されない。図2のその他の構成及びその制御方法は図1と同様である。
以下、実施例及び比較例について説明する。この実施例及び比較例では、薬液としては、pH調整剤として水酸化カリウム(5%品)、脱酸素剤としてヒドラジン一水和物(20%品)、及びスケール防止剤として分子量4000のポリアクリル酸を溶解させたものを用いた。
[実施例1]
ボイラ5として、小型貫流ボイラを想定した実験用ボイラ(最大蒸発量500kg/h)2台が設置されている図1に示すボイラ給水設備の給水母管2に、本発明の薬品注入制御方法を用いて薬注した。薬注点は給水タンク出口から500mmの地点とした。配管径40Aに対して内径6mm、外径8mmのSUS製の薬注ノズル8を給水母管2の中央まで差し込み、薬注した。
薬品タンク6としてダイライト株式会社のダイライトタンク(N型)50Lを用いた。タンク下部に薬液量センサをねじ込めるように加工を施した。
制御器12として株式会社キーエンス製のKV−1000、入力ユニットとしてKV−40DA、出力ユニットとしてKV−40ADを使用した。薬注ポンプ7として株式会社イワキ製EHN−B11VC1YN、流量計10として東京計装株式会社製のクランプオン式超音波流量計UL330、薬液量センサ(圧力センサ)9として株式会社センシズ製HT1−020KP−02−Vを用いた。
流量計10の積算流量は1パルス/0.1Lのパルス信号により求めて、瞬間流量は0−3500L/hを4−20mAとしたアナログ信号より求めた。圧力センサ9の検出圧力0−20kPaを4−20mAとして制御器12に入力した。薬注ポンプ7は、0−38mL/minを4−20mAとして1分間あたりのストローク数を制御することにより注入量を調整した。
ボイラ5は高燃焼固定運転とした。給水量はボイラ1台あたり400L/h、給水ポンプ4の能力は1350L/hであった。
給水タンク1の温度を20、40、80℃に数時間ごとに変更して運転した。給水温度は、オムロン製E52−CA10AE−N(K熱電対)を給水タンク出口近傍の給水母管2の配管表面に貼り付けて上から保温材で覆って測定した。10分ごとの平均給水温度をもとに飽和溶存酸素濃度を求め、以下の式12を用いて目標薬注量を演算した。給水中の飽和溶存酸素濃度の変遷を図3に示す。使用した薬液には脱酸素成分としてヒドラジン1水和物10%が含まれており、薬液1mg/Lが除去する酸素量は0.065mg/Lであった。
目標薬注量(mg/L)=給水温度における飽和溶存酸素濃度(mg/L)/0.065 …(式12)
目標薬注量に比例して薬注ポンプ7のストローク数を変化させて薬注を行いながら、ボイラ5の蒸気を熱交換器18で冷却し、蒸気凝縮水中の溶存酸素濃度を溶存酸素計19で測定し、測定結果をデータロガー20で20秒ごとにロギングした。結果を図4に示す。また、給水温度、飽和溶存酸素濃度、蒸気凝縮水中溶存酸素濃度、薬注量の値の一例を表1に示す。
このボイラ給水設備において、薬品注入量、ブローの動作状況、及びボイラ稼働率に基づいて、水処理状況を判断した。
薬品注入量が目標範囲内にあるか否かを・・・分間隔で判定した。目標範囲内である場場合は『○良好』、目標範囲外の判定が連続で2回以下の場合には『△注意』、目標範囲外の判定が連続で3回以上の場合には『×警告』と3段階で評価した。
ブローの動作状況は、ボイラ5毎に、電磁弁25への電源供給があった時に連続ブローライン28の配管温度が5℃以上上昇した場合は『○良好』、温度上昇が5℃以下であることが連続で2回以下の場合には『△注意』、温度上昇が5℃以下であることが連続で3回以上の場合には『×警告』と3段階で判定をした。
電磁弁25への電源供給は、電源ケーブルに株式会社U_RD製のクランプセンサCTT-10-CLS-CV5を取り付けて、電圧出力値が100mV以上の場合に、電磁弁25への電源供給があったと判断した。
各ボイラ5の電磁弁25からブロー集合配管30までの間の連続ブローライン28の配管表面に、温度センサ26としてオムロン株式会社のE52-CA10AE-N 1Mを貼り付けて、連続ブローライン28の配管温度を測定した。
連続ブローが頻繁に流れる場合や、電磁弁25が開いてから閉じるまでの時間が短い場合には、連続ブローが正常な動きであっても配管温度が十分に上昇しないことがあるため、連続ブローの電磁弁25が閉じてから次に連続ブローの電磁弁25が開くまでの時間が20分以下の場合、および、連続ブローが開いてから閉じるまでの時間が10秒以下の場合には、連続ブローの適正動作の判断は行わないようにした。
ボイラ稼働率はボイラ5毎に算出した。前述のクランプセンサの電流出力値から電磁弁25が開いたことを検知してから15分間は燃焼していると判断して、1日分の累積時間を24時間で除して、1日毎のボイラ稼働率を算出した。ボイラ稼働率が5%以下である日が連続で7日間未満である場合には『○良好』、5%以下である日が7日間以上連続で続いた場合には、稼働率が低すぎるため『×警告』と2段階で判定した。
薬品注入制御判定が『○良好』、かつ、全てのボイラ5の連続ブロー適正動作判定が『○良好』、かつ、全てのボイラの稼働率の判定が『○良好』である場合、ボイラ給水設備の水処理状況が『○良好』であると判断した。
薬品注入制御判定が『△注意』、または、いずれかのボイラ5の連続ブロー適正動作判定が『△注意』であり、かつ、全てのボイラの稼働率の判定が『○良好』である場合、ボイラ給水設備の水処理状況が『△注意』であると判断した。
薬品注入制御判定、または、いずれかのボイラ5の連続ブロー適正動作判定、または、いずれかのボイラ5の稼働率の判定が『×警告』であると判断した場合、ボイラ給水設備の水処理状況は『×警告』であると判断した。
[比較例1]
薬注量を給水中に70mg/L(想定溶存酸素除去量4.55mg/L)一定注入した以外は実施例1と同じとした。ボイラ蒸気を熱交換器18で冷却した蒸気凝縮水中の溶存酸素濃度を20秒ごとにロギングした結果を図5に示す。また、表1に蒸気凝縮水中溶存酸素濃度の値の一例を示す。
Figure 2016191528
実施例1では10分ごとの平均給水温度における飽和溶存酸素濃度に応じて薬注ポンプ7のストローク数を増加させることにより、蒸気凝縮水中の溶存酸素濃度を低く維持することができた。フィードバック制御となるため、給水温度が変化する境目では一時的に蒸気中溶存酸素濃度が上昇するが、溶存酸素濃度が1mg/L以下に収束した。
一方、比較例1では、薬注量が一定であり、給水温度が20℃や40℃の場合は給水中の溶存酸素濃度が薬品による脱酸素能力よりも大きく、蒸気へ移行する溶存酸素濃度が多かった。
以上の通り、給水温度にあわせて目標薬注量を変動させることにより、過剰に薬品を注入することなく、水処理効果を効果的に発揮することができた。
[実施例2]
図6に示すように、ブローライン28に温度センサ26の代りにブロー流量計24を設置した。ブロー水を熱交換器18で冷却後、pH計21でpH測定し、測定値をデータロガー20に入力した。また、各ボイラ5に個別に給水流量計23を設置した。
このボイラ給水設備において、ボイラ個別の給水流量計23とブロー流量計24の値により求めた濃縮度を考慮して、ボイラ水のpHの目標値を11.5として酸消費量(pH8.3)が250(mgCaCO/L)となるように薬注を行った。ボイラ水を200ml/minの速度で連続的にブローライン28を介してボイラ5から取り出し、熱交換器18で冷却し、蒸気凝縮水のpHをpH計21で測定し、測定値をデータロガー20により1分ごとにロギングした結果を図7に示す。
ドレン回収率は、補給水ライン16に設置した流量計22(オーバル製フローペットEG)と、流量計10の計測結果から求めた。小型貫流ボイラを想定した実験用ボイラ(最大蒸発量500kg/h)1台を高燃焼運転させた。ボイラ5の連続ブローの設定をボイラ付属の電気伝導率計の値で上限300mS/m、下限250mS/mとした。蒸気圧力は0.7MPaであった。必要薬注量は以下の式13を用いて求めた。使用薬品により発生する酸消費量(pH8.3)は100mg/Lあたり4.5(mgCaCO/L)であった。
必要アルカリ成分量(酸消費量(pH4.8))(mgCaCO/L)
=(P1/N)−〔P2×0.5×(1+α)×(1−r)〕
=250/(給水流量/ブロー流量)−{30×0.5×1.4×〔1−(給水流量−補給水流量)/給水流量〕} …(式13)
P1:目標ボイラ水酸消費量(pH8.3)(mgCaCO/L)
=250(mgCaCO/L)
P2:補給水中の酸消費量(pH4.8)(mgCaCO/L)
=30(mgCaCO/L)
N:濃縮度 =給水流量/ブロー流量
α:圧力による係数 ボイラ圧力0.7MPa α=0.4
r:ドレン回収率=(給水流量−補給水流量)/給水流量
なお、このボイラ給水設備においても、実施例1と同様に薬品注入量、ブローの動作状況、及びボイラ稼働率に基づいて、水処理状況を判断した。
[比較例2]
実施例2と同じボイラ給水設備を用いて給水中の薬品濃度を100mgCaCO/Lとなるように一定注入した場合にボイラ水を200ml/minの速度で連続的にボイラ5から取り出して熱交換器18で冷却し、凝縮水のpHの測定値を1分ごとにロギングした結果を図8に示す。
[比較例3]
実施例2と同じボイラ給水設備を用いて給水中酸消費量(pH8.3)が一定となるようにボイラ水を200ml/minの速度で連続的にボイラ5から取り出して熱交換器18で冷却し、凝縮水のpHの測定値を1分ごとにロギングした結果を図9に示す。
給水中の酸消費量(pH8.3)を34.5mgCaCO/Lとなるように薬注を行った。必要薬注量は以下の式14を使用して求めた。
必要薬注量=34.5−給水酸消費量(pH4.8)から発生する酸消費量(pH8.3)
=34.5−〔P2×0.5×(1+α)×(1−r)〕
=34.5−(30×0.5×1.4×〔1−(給水流量−補給水流量)/給水流量〕 …(式14)
P1:目標ボイラ水酸消費量(pH8.3)(mgCaCO/L)=250(mgCaCO/L)
P2:補給水中の酸消費量(pH4.8)(mgCaCO/L)=30(mgCaCO/L)
α:圧力による係数 ボイラ圧力0.7MPa α=0.4
r:ドレン回収率 =(給水流量−補給水流量)/給水流量
実施例2は、比較例2および比較例3と比較してpHが安定していることが確認できた。これは、ドレン回収および濃縮度の影響を考慮してボイラ水中の酸消費量(pH8.3)を一定範囲に保つように薬注制御を行ったためである。
比較例2はドレン回収および濃縮度を考慮せず対給水濃度を一定に保つように薬注を行った。比較例3はドレン回収の影響を考慮し、対給水中の酸消費量(pH8.3)を一定に保つように薬注を行った。比較例2と比較例3を比較すると、比較例3の方がpH値の変動が大きい。濃縮度を給水の電気伝導率で管理しているボイラでは、ドレン回収率が下がり、補給水の電気伝導率が上がった場合には、濃縮度がさがる。一方、ドレン回収率が上がり、補給水の電気伝導率が下がった場合には濃縮度があがる。従って、酸消費量(pH8.3)に関してはある程度の緩衝機能があるといえる。このため、比較例3よりも比較例2の方が、ボイラ水中のpHの変動幅が小さくなる。しかし、その機能だけではpHの変動は吸収されず、実施例2の有効性が確認された。
[実施例3]
実施例1と同じボイラ給水設備を用いて、給水温度に基づく飽和溶存酸素濃度の20分間の平均値に応じて目標薬注量すなわち薬注ポンプ吐出量と給水瞬間流量の比例係数を変更した。また、給水流量100mごとにその期間の薬液減少量と累積薬品減少量想定値を制御器12で比較し、累積薬品減少量想定値の±10%以内に入っていない場合は、累積薬品減少量想定値と(算出した実際の)薬液減少量の差の分だけ比例係数を変更した。ただし、3回目の薬注量(薬品減少量)の確認後、薬注ポンプ7の能力低下を想定して、薬注ポンプ7のストローク長を100%から30%に変更した。
給水温度はドレン回収により15℃から85℃まで変動しており、給水温度における飽和溶存酸素濃度を用いて、以下の式15から目標薬注濃度を算出した結果を図10(a)の実線で示す。使用した薬液には、脱酸素成分としてヒドラジン1水和物10%が含まれており、薬液1mg/Lが除去する酸素量は0.065mg/Lであった。安全係数として1.5を乗じた。
必要薬注量(mg/L)
=給水温度における飽和溶存酸素濃度(mg/L)/0.065×1.5 …(式15)
実際の20分ごとの薬注濃度を図10(a)にプロットした。この薬注濃度は給水流量100mごとに確認した薬品減少想定量と測定した薬液減少量との差、及び瞬時給水流量と薬注ポンプ吐出能力との差から導き出した。給水流量100mごとの薬品タンク6内の薬品減少量、および薬品減少想定量の誤差範囲を図10(b)にプロットした。
3回目の薬注量の確認が終わった後、薬注ポンプ7のストローク長を100%から30%に変更したことにより、図10(b)に示すように一時的に薬注量が低下するが、4回目及び5回目の薬注量の確認で薬注ポンプ吐出量を自動調整したことにより、6回目の薬注量確認時には、再び所定薬注濃度が維持できるようになった。このように、比較的短期な期間ごとに目標薬注濃度を変更させても、自動で薬注濃度を調整するため、ドレン回収や給水水質の変動により薬注ポンプ吐出量を変更させた時に、薬注ポンプ7や給水ポンプ4の能力低下等により目標薬注濃度範囲を維持できなくなったとしても、人の手をわずらわせることなく、経済的かつ最大限に水処理効果を発揮できるよう水処理管理を行うことができる。
なお、このボイラ給水設備においても、実施例1と同様に薬品注入量、ブローの動作状況、及びボイラ稼働率に基づいて、水処理状況を判断した。
1 給水タンク
2 給水母管
3 給水分岐管
4 給水ポンプ
5 ボイラ
6 薬品タンク
7 薬注ポンプ
9 薬液量センサ
10 流量計
14 ドレンタンク
15 ドレンライン
16 補給水ライン
17 温度センサ
18 熱交換器
19 溶存酸素計
20 データロガー
21 pH計
22 補給水流量計
23 ボイラ分岐配管流量計
24 ブロー流量計
25 電磁弁
26 温度センサ
28 連続ブローライン

Claims (17)

  1. 給水タンクからボイラに給水を供給するための給水ラインと、
    前記給水ラインを流れる給水流量を測定する給水流量測定手段と、
    薬品タンクに貯留されたボイラ水処理薬品を含有する薬液を前記給水ライン又は給水タンクに注入する薬注ポンプと、
    前記薬品タンク内に貯留された薬液の量を計測する薬液量計測手段と、
    前記ボイラの連続ブローの動作が適正か否か判定するブロー判定手段と、
    前記給水流量測定手段により測定された給水流量に比例して前記薬注ポンプの吐出量を制御する制御手段と、
    前記ブロー判定手段の判定結果、及び前記制御手段による薬品注入制御結果に基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断する判断手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    第1所定期間ごとに目標薬注量を変更し、前記給水流量測定手段によって測定される該第1所定期間当たりの給水流量と、該第1所定期間の目標薬注量とから該第1所定期間ごとの薬液使用量を求め、
    前記薬液量計測手段の計測結果から、前記第1所定期間より長い第2所定期間における薬品タンク内薬液減少量を求め、
    前記第2所定期間内の複数の第1所定期間に対応する前記薬液使用量を積算して、該第2所定期間における薬液減少想定量を求め、
    前記薬品タンク内薬液減少量と前記薬液減少想定量とを比較し、比較結果に基づいて前記薬注ポンプを制御することを特徴とする水処理管理装置。
  2. 請求項1において、ボイラ稼働率を算出する算出手段をさらに備え、
    前記判断手段は、前記ブロー判定手段の判定結果、前記制御手段による薬品注入制御結果、及び前記ボイラ稼働率に基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断することを特徴とする水処理管理装置。
  3. 請求項1又は2において、前記ブロー判定手段は、前記ボイラの連続ブローラインの電磁弁の開閉と、該連続ブローラインに設けられたブロー流量計又はフローセンサの検出値とに基づいて、連続ブローの動作が適正か否か判定することを特徴とする水処理管理装置。
  4. 請求項1又は2において、前記ブロー判定手段は、前記ボイラの連続ブローラインの電磁弁の開閉と、該連続ブローラインに設けられた温度センサの検出値とに基づいて、連続ブローの動作が適正か否か判定することを特徴とする水処理管理装置。
  5. 給水タンクからボイラに給水を供給するための給水ラインと、
    前記給水ラインを流れる給水流量を測定する給水流量測定手段と、
    薬品タンクに貯留されたボイラ水処理薬品を含有する薬液を前記給水ライン又は給水タンクに注入する薬注ポンプと、
    前記薬品タンク内に貯留された薬液の量を計測する薬液量計測手段と、
    ボイラ稼働率を算出する算出手段と、
    前記給水流量測定手段により測定された給水流量に比例して前記薬注ポンプの吐出量を制御する制御手段と、
    前記ボイラ稼働率、及び前記制御手段による薬品注入制御結果に基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断する判断手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    第1所定期間ごとに目標薬注量を変更し、前記給水流量測定手段によって測定される該第1所定期間当たりの給水流量と、該第1所定期間の目標薬注量とから該第1所定期間ごとの薬液使用量を求め、
    前記薬液量計測手段の計測結果から、前記第1所定期間より長い第2所定期間における薬品タンク内薬液減少量を求め、
    前記第2所定期間内の複数の第1所定期間に対応する前記薬液使用量を積算して、該第2所定期間における薬液減少想定量を求め、
    前記薬品タンク内薬液減少量と前記薬液減少想定量とを比較し、比較結果に基づいて前記薬注ポンプを制御することを特徴とする水処理管理装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、前記薬液量計測手段が、前記薬品タンク中の薬液による圧力を検出する圧力センサ、前記薬品タンク中の薬品の水位高さを検出する水位計、又は前記薬品タンク中の薬品重量を検出する重量計のいずれかであることを特徴とする水処理管理装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項において、前記制御手段は、
    前記給水流量測定手段により測定された給水流量に対して比例係数を乗じて得た目標吐出量となるように前記薬注ポンプを制御し、
    前記薬品タンク内薬液減少量と前記薬液減少想定量との差に基づいて、前記比例係数を補正することを特徴とする水処理管理装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項において、
    前記ボイラは複数個設けられており、
    前記給水ラインは、前記給水タンクに連なる給水母管と、該給水母管から分岐した複数の給水分岐管とを有しており、
    各給水分岐管が各ボイラに接続され、該給水分岐管にそれぞれ給水ポンプが設けられており、
    前記薬注ポンプは、前記給水母管又は給水タンクに薬注することを特徴とする水処理管理装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項において、
    前記給水ラインには給水の温度又は水質を検出するセンサが設けられ、
    前記制御手段は、前記センサの検出結果に基づいて前記目標薬注量を変更することを特徴とする水処理管理装置。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項において、
    前記給水タンクに補給水を供給する補給水ライン及び前記給水ラインにはそれぞれ温度又は水質を検出するセンサが設けられ、
    前記制御手段は、各センサの検出結果からドレン回収率を算出し、該ドレン回収率に基づいて前記目標薬注量を変更することを特徴とする水処理管理装置。
  11. 請求項1乃至8のいずれか1項において、
    前記給水タンクに補給水を供給する補給水ラインに流量計が設けられ、
    前記制御手段は、前記流量計の流量測定値の積算値と、前記給水流量測定手段の流量測定値の積算値とからドレン回収率を演算し、該ドレン回収率に基づいて前記目標薬注量を変更することを特徴とする水処理管理装置。
  12. 請求項1乃至8のいずれか1項において、
    前記給水ラインには第1電気伝導率計が設けられ、
    前記ボイラは、第2電気伝導率計を内蔵し、該第2電気伝導率計の測定値が所定値以下となった場合に連続ブローラインの電磁弁を閉じ、該測定値が所定値以上となった場合に該電磁弁を開け、
    前記制御手段は、該第1電気伝導率計の測定値及び該第2電気伝導率計の測定値から該ボイラの濃縮度を算出し、該濃縮度に基づいて前記目標薬注量を変更することを特徴とする水処理管理装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項において、
    前記ボイラには電気伝導率計が内蔵されており、
    前記制御手段は、該電気伝導率計の測定値が所定値以上となった場合、該測定値が該所定値未満となるまで前記目標薬注量を低下させることを特徴とする水処理管理装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項において、
    前記薬品タンク、前記薬注ポンプ、及び前記薬液量計測手段はそれぞれ複数設けられ、
    前記制御手段は、各薬注ポンプを個別に制御することを特徴とする水処理管理装置。
  15. 給水タンクからボイラに給水を供給するための給水ライン又は給水タンクに、薬品タンクに貯留されたボイラ水処理薬品を含有する薬液を注入する薬注ポンプを制御すると共に、ボイラ設備の水処理状況を判断する水処理管理方法であって、
    前記給水ラインを流れる給水流量を測定する工程と、
    測定した給水流量に比例して前記薬注ポンプの吐出量を制御する工程と、
    第1所定期間ごとに目標薬注量を変更する工程と、
    前記第1所定期間当たりの給水流量と、該第1所定期間の目標薬注量とから該第1所定期間ごとの薬液使用量を求める工程と、
    前記第1所定期間より長い第2所定期間における薬品タンク内薬液減少量を測定する工程と、
    前記第2所定期間内の複数の第1所定期間に対応する前記薬液使用量を積算して、該第2所定期間における薬液減少想定量を求める工程と、
    前記薬品タンク内薬液減少量と前記薬液減少想定量とを比較し、比較結果に基づいて前記薬注ポンプを制御する工程と、
    前記ボイラの連続ブローの動作が適正か否か判定した結果と、前記薬注ポンプの制御による薬品注入制御結果とに基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断する工程と、
    を備える水処理管理方法。
  16. 請求項15において、ボイラ稼働率を算出する工程をさらに備え、
    前記ボイラの連続ブローの動作が適正か否か判定した結果と、前記薬注ポンプの制御による薬品注入制御結果と、前記ボイラ稼働率とに基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断することを特徴とする水処理管理方法。
  17. 給水タンクからボイラに給水を供給するための給水ライン又は給水タンクに、薬品タンクに貯留されたボイラ水処理薬品を含有する薬液を注入する薬注ポンプを制御すると共に、ボイラ設備の水処理状況を判断する水処理管理方法であって、
    前記給水ラインを流れる給水流量を測定する工程と、
    測定した給水流量に比例して前記薬注ポンプの吐出量を制御する工程と、
    第1所定期間ごとに目標薬注量を変更する工程と、
    前記第1所定期間当たりの給水流量と、該第1所定期間の目標薬注量とから該第1所定期間ごとの薬液使用量を求める工程と、
    前記第1所定期間より長い第2所定期間における薬品タンク内薬液減少量を測定する工程と、
    前記第2所定期間内の複数の第1所定期間に対応する前記薬液使用量を積算して、該第2所定期間における薬液減少想定量を求める工程と、
    前記薬品タンク内薬液減少量と前記薬液減少想定量とを比較し、比較結果に基づいて前記薬注ポンプを制御する工程と、
    ボイラ稼働率を算出する工程と、
    前記ボイラ稼働率と、前記薬注ポンプの制御による薬品注入制御結果とに基づいて、ボイラ設備の水処理状況を判断する工程と、
    を備える水処理管理方法。
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