JP2019107600A - 固形薬剤溶解供給装置、及び固形薬剤溶解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な操作により固形薬剤溶解時に薬剤濃度の変動が少ない安定した濃度の薬剤水溶液を供給することができる固形薬剤溶解供給装置、及び固形薬剤溶解方法を提供する。【解決手段】固形薬剤を収容する薬剤槽と、該薬剤槽内に固形薬剤を溶解するための溶解用水を供給する溶解用水流入口及び固形薬剤を溶解した薬剤水溶液を流出させる薬剤水溶液流出口とを有する固形薬剤溶解供給装置において、該薬剤槽の溶解用水流入口及び該薬剤水溶液流出口がいずれも該薬剤槽の底部近辺に設けられ、該薬剤水溶液流出口と接続する配管にユニオンが接続され、該ユニオンの他端と接続されたユニオン接続配管の最高部の薬剤槽底部からの垂直高さを調節することにより、該薬剤槽内の溶解用水の薬剤槽の底部からの溶解液面高さが調節可能な固形薬剤溶解供給装置、及びその装置を用いて、薬剤水溶液の薬剤濃度を制御する固形薬剤溶解方法の構成とした。【選択図】図1

Description

本発明は、固形薬剤を水に溶解させて得られた薬剤水溶液を供給するための固形薬剤溶解供給装置、およびその溶解方法に関するものであり、より詳しくは、簡便な操作により固形薬剤溶解時に薬剤濃度の変動が少ない安定した濃度の薬剤水溶液を供給するのに好適な固形薬剤溶解供給装置、およびその溶解方法に関する。
従来、冷却水循環水系、紙パルププロセス水系、スクラバー水系等の産業用水や、生活排水、産業排水、プール循環水、浴場循環水などでは、一般に、水処理薬剤が用いられている(例えば特許文献1)。
このような水処理薬剤は、各種水系中のスケール、スライム、又は金属腐食障害の発生を防止するために用いられている。そのような水処理薬剤には、液体及び固形のものがあるが、液体薬剤には漏洩の問題があり、防止対策を施す必要があり、他方固形薬剤は溶解速度が不均一で濃度管理が難しく、その取り扱いが煩雑であった。
従来、固形薬剤を処理水中に溶解添加する方法として、循環水の一部を分岐し、これを溶解用水として固形薬剤を溶解し、溶解液を入れた溶解液槽を、注入する循環水系の主配管よりも高い位置に設置してヘッド圧で注入する方法(例えば、特許文献2)や、開放常圧型の溶解装置において、循環水の一部を分岐した溶解用水をスプレーノズルで固形塩素剤に噴霧して溶解を行い、溶解液をポンプを利用して循環水の主配管へ注入する方法(例えば、特許文献3)がある。さらに、特許文献4には、固形薬剤を収容するための溶解容器を冷却塔の外部に配置し、冷却塔内で集めた散布水を固形薬剤に接触させ、生成した薬剤溶液を冷却塔に供給する構成が開示されている。また、特許文献5には、循環水の薬剤濃度を監視し、薬剤濃度に応じて、固形薬剤を溶解させる溶解液の供給状態を制御する構成が開示されている。
しかしながら、上記従来の薬剤溶解供給装置では、槽内の固形薬剤の量が多いときには、濃度の高い水溶液が供給され、固形薬剤量が減少してくると、次第に水溶液の薬剤濃度が低下するという問題が発生する。
この問題を解決する方法として、特許文献6には、薬剤濃度の変動が少ない薬剤水溶液を供給することができる薬剤溶解供給装置として、固形薬剤を収容する槽と、槽内に水を供給するポンプとを有し、水の流入口及び薬剤水溶液の流出口をいずれも槽の下部に設けた薬剤溶解供給装置が開示されている。しかし、薬剤水溶液濃度の変動を小さくするには複雑な制御が必要であった。
また、特許文献7には、水溶性固形薬剤を充填する薬室部、薬剤の溶解液槽、処理水の分岐配管等を有する滅菌装置において、溶解液槽の溶解液面を制御するフロート式定水位弁により固形薬剤の溶解量の制御が可能であり、薬剤溶解液を処理水分岐配管へ注入する際にエゼクターを設けることにより動力と電気回路を必要としない固形薬剤溶解滅菌装置が開示されている。
特開2009−84163号公報 特公昭45−29788号公報 特公平4−4039号公報 特開2013−210134号公報 特開2003−154241号公報 特開2012−210586号公報 特開2013−107057号公報
上記のフロート式定水位弁による溶解液面の調整で固形薬剤溶解濃度の振れを改良する薬剤溶解供給装置は、固形薬剤の充填量が溶解により減少するためにフロートによる溶解槽の溶解液面の制御が複雑になり、薬剤濃度を一定にする手段も複雑になる。そのため、簡単に行える溶解槽の溶解液面の制御が要望されていた。
また、上記従来の薬剤溶解供給装置において、固形薬剤が塩素系薬剤等の水との反応でガスが発生する薬剤である場合、槽内上部に水を供給すると、すべての固形薬剤が水に濡れるので、通水停止後、固形薬剤と残留水分との反応生成ガスが発生することになり、特に塩素系薬剤では塩素成分濃度の高いガスが槽内に溜り、問題となっていた。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、簡便な操作により固形薬剤溶解時に薬剤濃度の変動が少ない安定した濃度の薬剤水溶液を供給することができる固形薬剤溶解供給装置、及び固形薬剤溶解方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、固形薬剤が塩素系薬剤である場合、薬剤溶解停止時における発生ガス量を微少にすることができる固形薬剤溶解方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、
(1)
第1の発明は、固形薬剤を収容する薬剤槽と、該薬剤槽内に固形薬剤を溶解するための溶解用水を供給する溶解用水流入口、および固形薬剤を溶解した薬剤水溶液を流出させる薬剤水溶液流出口とを有する固形薬剤溶解供給装置において、
該薬剤槽の溶解用水流入口及び該薬剤水溶液流出口がいずれも該薬剤槽の底部近辺に設けられ、
該薬剤水溶液流出口と接続する配管にユニオンが接続され、
該ユニオンの他端と接続されたユニオン接続配管の最高部の薬剤槽底部からの垂直高さを調節することにより、
該薬剤槽内の溶解用水の薬剤槽の底部からの溶解液面高さが調節可能となっている固形薬剤溶解供給装置である。
(2)
第2の発明は、第1の発明において前記薬剤槽の溶解用水流入口から上流に溶解用水流量調節弁が設けられ、該溶解用水流量調節弁により流入する溶解用水量が調節可能となっている固形薬剤溶解供給装置である。
(3)
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記薬剤槽の薬剤水溶液流出口から下流に薬剤水溶液流量調節弁が設けられ、該薬剤水溶液流量調節弁により流出する薬剤水溶液量が調節可能となっている固形薬剤溶解供給装置である。
(4)
第4の発明は、第1から第3のいずれか一つの発明に記載の固形薬剤溶解供給装置を用いて薬剤水溶液の薬剤濃度を制御する固形薬剤溶解方法である。
(5)
第5の発明は、第4の発明において、前記薬剤槽の溶解用水流入口から上流に設けられた溶解用水流量調節弁、および/または薬剤槽の薬剤水溶液流出口から下流に設けられた薬剤水溶液流量調節弁、および前記ユニオン接続配管の最高部の薬剤槽底部からの垂直高さ調節により、
前記薬剤槽内における固形薬剤を浸漬する溶解用水の溶解液面高さを予め定められた溶解液面高さになるように調節する固形薬剤溶解方法である。
(6)
第6の発明は、第4または第5の発明において、前記薬剤槽に供給される溶解用水の測定温度により、固形薬剤の溶解水温度と溶解度との関係から予め定められた前記ユニオン接続配管の最高部の薬剤槽底部からの垂直高さを修正する固形薬剤溶解方法である。
(7)
第7の発明は、第4から第6のいずれかの発明において、前記薬剤槽への溶解用水の供給を停止した後、溶解用水の供給を再開するまでに薬剤槽の薬剤水溶液を全て流出させる固形薬剤溶解方法である。
(8)
第8の発明は、第7発明において、前記薬剤槽の薬剤水溶液を全て流出させる方法が、サイフォン効果が得られる形状のユニオン接続配管を利用する手段か、
または薬剤水溶液の供給停止時にユニオン接続配管の最高部の薬剤槽の底部からの垂直高さを零以下まで低くする手段かの
少なくとも何れかの手段である固形薬剤溶解方法である。
(9)
第9の発明は、第4から第8のいずれか一つの発明において、前記固形薬剤が塩素系薬剤である固形薬剤溶解方法である。
本発明の固形薬剤溶解供給装置により、薬剤槽中において溶解用水に浸漬する固形薬剤量を簡便な方法で制御することにより、薬剤濃度の変動が少ないほぼ一定の安定した濃度の薬剤水溶液の供給が可能となる。
また、本発明の固形薬剤溶解供給装置では、基本的には薬剤槽の固形薬剤の一定割合、好ましい態様では薬剤槽の2〜60%高さの固形薬剤のみが水で濡れることになるので、特に固形薬剤が塩素系薬剤の場合、薬剤槽のすべての固形薬剤が濡れている溶解装置と比較して通水停止後に発生する塩素系ガスの量が少ない。
さらに、固形薬剤の溶解用水の供給が停止した場合にユニオン接続配管の最高部の薬剤槽の底部からの垂直高さを零以下にすることで容易に短時間で薬剤槽中の溶解水がなくなり、固形薬剤が乾燥されるので塩素系ガスの発生量がさらに減少する。
本発明の薬剤溶解供給装置を組み込んだ冷却塔設備の一例の概略図である。 本発明のサイフォン効果を利用する実施の形態に係る薬剤溶解供給装置の一例の(a)正面と、(b)左側面の部分透視図である(ユニオン接続配管が垂直方向に立てられた場合)。 本発明のサイフォン効果を利用する実施の形態に係る薬剤溶解供給装置の一例の(a)正面と(b)左側面の部分透視図である(ユニオン接続配管が垂直方向から45度傾けられた場合)。 本発明のサイフォン効果を利用しない実施の形態に係る薬剤溶解供給装置の一例の(a)正面と(b)左側面の部分透視図である(ユニオン接続配管が垂直方向に立てられた場合)。 本発明に使用されるユニオンの一例の詳細図である。(a)はユニオン付近の拡大図、(b)はユニオン部の分解断面図である。 比較例の一般的な薬剤溶解供給装置の一例の(a)正面と、(b)左側面の部分透視図である。 本発明のサイフォン効果を利用する実施の形態に係る薬剤溶解供給装置の一例の正面図である(薬剤水溶液流量調節弁のみが備えられた場合)。
以下、図2、図3を参照して本発明の実施の形態について説明する。尚、図6には比較の一般的な薬剤溶解供給装置を示す。
図2および図3において、薬剤槽1には固形薬剤2が収容されており、薬剤槽1の上部には固形薬剤2の薬剤補充口6が設けられ、下部側面に溶解用水流入口7を有し、溶解用水流入口7と対抗する下部側面位置に薬剤水溶液流出口8を有している。好ましくは、溶解用水流入口7及び薬剤水溶液流出口8は、薬剤槽1の底部と同レベルに設けられ、溶解用水流入口7及び薬剤水溶液流出口8には固形薬剤2の流出防止用のメッシュが設けられている。
溶解用水流入口7には、ポンプ3等からの水が溶解用水流量調節弁5aを介して導入可能とされており、流入する溶解用水が直接、固形薬剤2に当たると溶解量が変わるため、好ましくは溶解用水流入口7に遮蔽板を設けて流入水が固形薬剤2に直接当らないようにする。
図2および図3において、薬剤水溶液流出口8には直接、または配管を介してユニオン4が接続されており、ユニオン4の他端と接続する図示したようなU字型のユニオン接続配管9の最高部の薬剤槽1の底面からの垂直高さが調節可能となっている。
ユニオン接続配管9の最高部の高さ調節により固形薬剤2が浸漬される溶解用水の溶解液面高さを調節することにより、溶解された薬剤の濃度制御が可能となる。
ユニオン接続配管9の形状はU字型以外にL字型やJ字型等であってもよく、ユニオン4が接続される薬剤槽1の薬剤水溶液流出口8よりも高い部分をユニオン接続配管9が有する形状であれば特に限定されない。
図2または図3のようにU字型等のユニオン接続配管9を用いてサイフォン効果により薬剤槽1内の薬剤水溶液を流出させる場合、薬剤補充口6からの空気の吸い込みにより流出が停止するまでユニオン接続配管9の最高部の高さまで蓄えられた薬剤水溶液をサイフォン効果により薬剤槽1から連続的に流出させ、流出が停止して薬剤槽1の薬剤水溶液が全て流出した後、薬剤槽1に溶解用水がユニオン接続配管9の最高部の高さまで蓄えられるというサイクルを繰り返すことにより行われる。
尚、図2はユニオン4が垂直方向に立てられた場合で、図3は垂直方向から45度傾けられた場合であり、ユニオン4の傾きは薬剤流出速度や溶解された薬剤の必要濃度等により変更される。
または、図4のようにサイフォン効果を用いない場合、ユニオン接続配管9の最高部に逆止弁10を設けて配管内に外部空気の供給が可能とすることにより、薬剤槽1内のユニオン接続配管9の最高部の高さまで蓄えられた薬剤水溶液を溶解用水の水圧により薬剤槽1から連続流出させることにより行われるが、溶解用水の停止により薬剤水溶液の供給を停止するときにユニオン接続配管9の最高部の高さを薬剤槽1の底部以下に低くすることにより薬剤槽1の薬剤水溶液を全て流出させることができるので好ましい。
このように構成された固形薬剤溶解供給装置Aにおいて、薬剤水溶液を供給するときには、薬剤槽1内に粒状の固形薬剤2を収容しておき、溶解用の水を溶解用水流入口7から薬剤槽1に通水する。薬剤槽1内に導入された溶解用水は薬剤槽1内の下部の固形薬剤2と接触し、薬剤成分が溶け込んだ薬剤水溶液となって薬剤水溶液流出口8から流出する。なお、薬剤水溶液流出口8から流出する薬剤水溶液は、ユニオン接続配管9を通り、ユニオン接続配管9に連設する薬注管16dに送られ、冷却水13に注入される。
予め、ユニオン接続配管9の最高部の垂直高さと溶解用水に浸漬される薬剤量との関係、および浸漬される薬剤量と溶解された薬剤水溶液の濃度との関係を測定しておくことにより、ユニオン接続配管9の最高部の高さ調節により薬剤濃度を一定に制御することが可能となる。
特に薬剤槽1に供給される溶解用水の温度と固形薬剤2の溶解度との関係から、溶解用水の温度変化に応じたユニオン接続配管9の最高部の高さ調節による溶解濃度制御方法を定めておき、測定された溶解用水の温度変化がある水準、例えば前測定温度プラス2℃、またはマイナス2℃に達したらユニオン接続配管9の最高部の垂直高さを調節して浸漬される薬剤量を変化させることにより薬剤濃度の精度を向上させることが可能となるので好ましい。
このように、本発明の薬剤溶解供給装置Aでは、好ましい例として、薬剤槽1の溶解用水流入側に溶解用水流量調節弁5a、及び薬剤水溶液流量調節弁5bが設けられている。一方で、図7のように薬剤水溶液流量調節弁5bのみが設けられている場合や、溶解用水流量調節弁5aのみが設けられている場合、および両調節弁が設けられていない場合も本発明に含まれる。
溶解用水流量調節弁5aにより供給される溶解用水量を一定としておくこと、好ましくは薬剤水溶液流量調節弁5bにより流出する溶解水溶液量を一定にしておくことによりユニオン接続配管9の最高部の高さ調節によって薬剤槽内の溶解用水に浸漬される固形薬剤2の量を精度よく制御することが可能となり、ほぼ一定濃度の薬剤水溶液がユニオン接続配管9から供給される。特に供給される溶解用水の温度変化がある水準以上になった場合にユニオン接続配管9の最高部の垂直高さをさらに調節することにより更に濃度制御の精度が向上する。
なお、薬剤槽1の底部からのユニオン接続配管9の最高部の垂直高さは、薬剤槽1の高さ、実用上は薬剤槽1に入れられている固形薬剤2の底部からの高さがあれば充分であり、目標とする薬剤溶解濃度、薬剤槽1の高さや容積、固形薬剤2の水溶性の程度、固形薬剤2の粒径や形状等により決定されるが、最高部の垂直高さの2〜60%の範囲内で溶解用水と接触する固形薬剤量の調整が可能とすることが好ましい。一般的には薬剤槽1の高さの2〜60%、好ましくは2〜30%、より好ましくは3〜15%の固形薬剤2が溶解用水と接触するように調節することが固形薬剤2の補給頻度の低減と薬剤溶解濃度の安定性から好ましい。
本発明のユニオンの一例として示す図5では、ユニオン4の片方の管端にユニオンねじ20、他方の管端にユニオンつば21が取り付けられているが、両方の管端にユニオンつば21が取り付けられる場合や、両方の管端にユニオンねじ20が取り付けられる場合もあり、いずれにおいても管端に取り付けられた両者にまたがってユニオンナット19をはめて接続することで一体として使用する。
配管との接続や分離の際、ユニオンナット19だけを回せばよく、配管を回す必要がない。ユニオン4における薬剤槽の薬剤水溶液流出口8側と接続する管端とは反対側の管端と接続するユニオン接続配管9の最高部高さを調節することにより薬剤槽の溶解用水の溶解液面の高さが調節可能となる。
本発明の薬剤溶解供給装置Aでは、ユニオン接続配管9の最高部の垂直高さを薬剤槽1に充填されている固形薬剤2の高さよりも低く、好ましくは薬剤槽1の高さの2〜60%の範囲内で制御することより薬剤槽1の中下部の固形薬剤2のみが溶解用水で濡れることになるので、薬剤槽1のすべての固形薬剤2が濡れる場合と比較して未溶解の固形薬剤2が容器下部に沈着して溶解しにくくなったり、配管類の閉塞が起きにくくなったり、固形薬剤2が塩素系薬剤の場合には溶解用水の通水停止後の塩素系ガス発生量が少なくなる。
特に溶解用水の通水停止後にサイフォン効果を利用してほぼ全ての薬剤水溶液を流出させる場合や、ユニオン接続配管9の最上部の逆止弁10から外部空気を導入してサイフォン効果を利用せずに溶解用水の水圧により薬剤水溶液を流出させ、流出の停止後にユニオン接続配管9の最高部の垂直高さを薬剤槽1の底部以下とすることで短時間で薬剤槽1の内部にあるほぼすべての薬剤水溶液を流出させる場合には、薬剤槽1内の水切れが良く、固形薬剤2が乾き易くなるので未溶解固形薬剤2の沈着や配管類の閉塞、塩素ガス発生が抑えられる。
また、薬剤槽1上部の蓋や、薬剤槽の外周側面壁のすべて、または一部を透明とすることにより薬剤槽内の固形薬剤2の充填状況が目視可能となるために好ましい。
本発明では、図2や図5のように薬剤槽1の溶解用水流入口7の上流の配管、または薬剤水溶液流出口8から下流の配管の少なくともいずれかに流量調節弁が設けられ、流入する溶解用水量や流出する薬剤水溶液量を調節することにより、薬剤槽1における基準となる溶解用水の溶解液面高さを安定化させることでユニオン4による溶解用水の溶解液面高さの最適化調整が容易になり、薬剤水溶液の薬剤濃度調節の精度が向上することから好ましい。
薬剤槽1には、薬剤として殺菌剤、スライム防止剤等が固形の錠剤の形態で上下方向に積み重ねたものが収容される。なお、固形薬剤2としてスケール防止剤や防食剤を使用することもできる。各種薬剤化合物は、各々単独で錠剤に成型してもよいが、複数種の薬剤化合物を一錠剤に成形したほうが薬剤溶解後の水溶液中の各種薬剤化合物の比率が安定するので好ましい。
本発明で使用される固形薬剤の例としては以下が挙げられる。
殺菌剤やスライム防止剤の例は、次亜塩素酸系化合物として次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム等、クロルイソシアヌル酸化合物としてトリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等、ハロゲン化ヒダントイン誘導体として1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン等、イソチアゾリン系化合物として5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等、トリアジン系化合物として2−(t−ブチルアミノ)−4−クロロ−6−エチルアミノ−1,3,5−トリアジン等が挙げられ、スケール防止剤の例は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸塩等が挙げられる。
防食剤の例は、亜鉛塩、モリブデン塩、亜硝酸塩、1,2,3−ベンゾトリアゾール、没食子酸プロピル等が挙げられる。
なお、本発明において固形薬剤の溶解に用いる溶解用水の種類は特に限定されるものではなく、冷却塔における循環水や補給水、工業用水、水道水、井戸水、地下水等の水を使用することができる。
冷却塔における循環水は補給水に比べてカルシウム化合物やシリカ等のスケール成分の濃度が高いので固形薬剤の表面がスケールに覆われて、固形薬剤の溶解を妨げる可能性があり、安定した固形薬剤の溶解や供給ができないおそれがあるのでスケール成分等の溶解分の少ない補給水が好ましい。
また、これらの水や工業排水等をイオン交換樹脂等で処理し、軟水や脱塩水とした処理水を使用することもできる。特に、使用する溶解用水の温度と固形薬剤溶解度との関係を把握しておき、溶解時における溶解用水の測定温度によってユニオン接続配管9の最高部の薬剤槽の底部からの垂直高さ、即ち薬剤槽の水面高さを微調節することにより安定した薬剤濃度の水溶液が得られるので好ましい。
実施例1
図1に示した、本発明の固形薬剤供給装置を組み込んだ冷却塔設備11(冷凍能力500RT、保有水量10m)は、薬剤槽1の薬剤溶解用水として補給水が供給され、空調用として稼働させた。実施例として図2、および図3に示すユニオン4の実施形態を有する固形薬剤溶解供給装置Aであって薬剤槽1の溶解用水流入口から上流に溶解用水流量調節弁5aと薬剤水溶液流出口から下流に薬剤水溶液流量調節弁5bが設けられている装置を用い、比較例として図5に示すユニオン構造を有しない固形薬剤溶解供給装置を用いた。
このとき、固形薬剤2として冷却水用清浄剤(次亜塩素酸カルシウム)を用い、薬剤槽1に100%充填し、ユニオン4と接続されたユニオン接続配管9の最高部の高さを変化させて、薬剤溶解用水の温度(標準20℃)における固形薬剤溶解供給装置Aの薬剤水溶液流出口8からの薬剤水溶液の遊離残留塩素濃度が50mg/L(リットル)となるユニオン接続配管9の最高部の高さ(=薬剤槽1の溶解用水の水面高さ)を決定し、薬剤槽1の薬剤量の補充と薬剤溶解用水の測定温度と標準温度との差異による溶解用水の水面高さの調整を定期的に(1回/日)行った。また、この薬剤水溶液により冷却水13の遊離残留塩素濃度が0.3mg/L(リットル)となるように冷却塔12の薬注制御を1ヶ月連続で行い、定期的(1日一回)に薬剤槽1からの薬剤溶液を薬注管16dから採取するとともに、冷却水往配管14cから冷却水を採取して、これらの遊離残留塩素濃度を測定した。
実施例2
実施例1と同様に、固形薬剤2として冷却水用清浄剤(次亜塩素酸カルシウム)を用い、薬剤槽1に100%充填し、ユニオン4と接続されたユニオン接続配管9の最高部の高さを変化させて、測定された薬剤溶解用水の温度における固形薬剤溶解供給装置Aの薬剤水溶液流出口8からの薬剤水溶液の遊離残留塩素濃度が50mg/L(リットル)となるユニオン接続配管9の最高部の高さ(=薬剤槽1の溶解用水の水面高さ)を決定した。
その後、冷却水13の遊離残留塩素濃度が0.3mg/Lとなるように冷却塔12への薬剤水溶液供給を行うに当たり、薬剤槽1への溶解用水供給を停止した後、ユニオン接続配管9を通して遊離残留塩素濃度が50mg/Lとなった薬剤水溶液をサイフォン効果により全て流出させた。
6時間後に溶解用水の供給を再開し、上記と同様に薬剤溶解、冷却塔12への薬剤水溶液供給を行った。薬注管16dから流出時の薬剤水溶液、および冷却水往配管14cから冷却水を定期的に(1日1回)に採取して、遊離残留濃度を測定した。
比較例1
実施例1、2における冷却塔設備で、図2および図3に示すユニオンの実施形態を有する固形薬剤溶解供給装置Aに代えて図6に示す固形薬剤溶解供給装置を用いて稼動させた。
固形薬剤溶解供給装置からの遊離残留塩素濃度が50mg/Lとなるように溶解用水流量調節弁5aにより稼働開始時に溶解用水の供給量と薬剤水溶液流出量を調整し、その条件を維持しながら得られた薬剤水溶液により冷却水13の遊離残留塩素濃度が0.3mg/Lとなるように薬注制御を行った。
薬注管16dから流出時の薬剤水溶液、および冷却水往配管14cから冷却水を定期的に(1日1回)に採取して、遊離残留濃度を測定した。
そのときの薬剤水溶液の遊離残留塩素濃度の変動は、実施例1、実施例2の冷却塔設備11においては50±5mg/Lであったが、比較例1の冷却塔設備では50±30mg/Lと大きかった。
一方、冷却水13の遊離残留塩素濃度の変動は、実施例1、実施例2の冷却塔設備11では0.3±0.1mg/Lであったが、比較例1の冷却塔設備では0.4±0.3mg/Lと変動の幅が大きかった。
これらの結果より、実施例1、実施例2の冷却塔設備11では比較例1の冷却塔設備に比べて、安定した遊離残留塩素濃度の薬剤溶液が得られ、そして、安定した冷却塔12の水処理が可能となることが理解される。
A 固形薬剤溶解供給装置
1 薬剤槽
2 固形薬剤
3 ポンプ
4 ユニオン
5a 溶解用水流量調節弁
5b 薬剤水溶液流量調節弁
6 薬剤補充口
7 溶解用水流入口
8 薬剤水溶液流出口
9 ユニオン接続配管
10 逆止弁
11 本発明の固形薬剤供給装置を組み込んだ冷却塔設備
12 冷却塔
12a ファン
12b 散水パイプ
12c 充填材
12d 下部水槽
12e オーバーフロー管
13 冷却水
14a 冷却水循環ポンプ
14b 熱交換器
14c 冷却水往配管
14d 冷却水還配管
15 補給水供給ライン
15a 補給水ライン
15b ボールタップ
15c 強制補給水ライン
15c1 ブローライン
15d 強制補給弁
15e 薬剤溶解用補給水ライン
15g 手動バルブ
16d 薬注管
19 ユニオンナット
20 ユニオンねじ
21 ユニオンつば
22 Oリング

Claims (9)

  1. 固形薬剤を収容する薬剤槽と、該薬剤槽内に固形薬剤を溶解するための溶解用水を供給する溶解用水流入口、および固形薬剤を溶解した薬剤水溶液を流出させる薬剤水溶液流出口とを有する固形薬剤溶解供給装置において、
    該薬剤槽の溶解用水流入口及び該薬剤水溶液流出口がいずれも該薬剤槽の底部近辺に設けられ、
    該薬剤水溶液流出口と接続する配管にユニオンが接続され、
    該ユニオンの他端と接続されたユニオン接続配管の最高部の薬剤槽底部からの垂直高さを調節することにより、
    該薬剤槽内の溶解用水の薬剤槽の底部からの溶解液面高さが調節可能となっていることを特徴とする固形薬剤溶解供給装置。
  2. 前記薬剤槽の溶解用水流入口から上流に溶解用水流量調節弁が設けられ、該溶解用水流量調節弁により流入する溶解用水量が調節可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の固形薬剤溶解供給装置。
  3. 前記薬剤槽の薬剤水溶液流出口から下流に薬剤水溶液流量調節弁が設けられ、該薬剤水溶液流量調節弁により流出する薬剤水溶液量が調節可能となっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固形薬剤溶解供給装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固形薬剤溶解供給装置を用いて、薬剤水溶液の薬剤濃度を制御することを特徴とする固形薬剤溶解方法。
  5. 前記薬剤槽の溶解用水流入口から上流に設けられた溶解用水流量調節弁、および/または薬剤槽の薬剤水溶液流出口から下流に設けられた薬剤水溶液流量調節弁、および前記ユニオン接続配管の最高部の薬剤槽底部からの垂直高さ調節により、
    前記薬剤槽内における固形薬剤を浸漬する溶解用水の溶解液面高さを予め定められた溶解液面高さになるように調節することを特徴とする請求項4に記載の固形薬剤溶解方法。
  6. 前記薬剤槽に供給される溶解用水の測定温度により、固形薬剤の溶解水温度と溶解度との関係から予め定められた前記ユニオン接続配管の最高部の薬剤槽底部からの垂直高さを修正することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の固形薬剤溶解方法。
  7. 前記薬剤槽への溶解用水の供給を停止した後、溶解用水の供給を再開するまでに薬剤槽の薬剤水溶液を全て流出させることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の固形薬剤溶解方法。
  8. 前記薬剤槽の薬剤水溶液を全て流出させる方法が、サイフォン効果が得られる形状のユニオン接続配管を利用する手段か、
    または薬剤水溶液の供給停止時にユニオン接続配管の最高部の薬剤槽の底部からの垂直高さを零以下まで低くする手段かの
    少なくとも何れかの手段であることを特徴とする請求項8に記載の固形薬剤溶解方法。
  9. 前記固形薬剤が塩素系薬剤であることを特徴とする請求項4から請求項8のいずれか一項に記載の固形薬剤溶解方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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