JP2016168527A - バラスト水処理装置 - Google Patents

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康宏 田島
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Abstract

【課題】より簡易な構成で効率的にバラスト水の殺菌処理を行うことが可能なバラスト水処理装置を提供する。
【解決手段】バラスト水処理装置1は、配管2と、殺菌剤3と、を備えている。配管2は、バラストタンク60に繋がれており、バラストタンク60にバラスト水を導くためのものである。殺菌剤3は、配管2に配置されており、イソシアヌル酸塩化物からなる固体状の殺菌剤である。上記バラスト水処理装置1によれば、バラスト水が配管2を経由してバラストタンク60に導かれる過程において、配管2に配置された殺菌剤3が当該バラスト水に溶け出すことにより殺菌処理される。したがって、上記バラスト水処理装置1によれば、簡易な装置構成で効率的にバラスト水の殺菌処理を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、バラスト水処理装置に関する。
従来、貨物船などの船舶を積荷が搭載されていない状態で安定化させるために、船舶内に配置されたバラストタンクに海水をバラスト水として充填する対策が知られている。ここで、バラスト水として利用される海水には、微生物や菌類などが多数存在している。そのため、外国間を行き来する船舶からバラスト水を排出する際には、微生物や菌類による海洋の生態系への影響を防ぐためにバラスト水の殺菌処理を行う必要がある。
バラスト水の殺菌方法としては、化学薬品を投入する方法や紫外線を照射する方法などがある。下記特許文献1には、バラストタンクに繋がる主配管の途中において薬剤タンクに繋がる別の配管が接続されており、当該薬剤タンクから殺菌用の薬液を主配管内のバラスト水に混合させることにより殺菌処理を行う方法が開示されている。
国際公開第2010/093025号
上記特許文献1では、薬剤タンクにおいて殺菌用の薬液を準備する段階と、当該薬液をバラスト水に混合する段階とが必要になるため、バラスト水の殺菌処理に手間を要するという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、より簡易な構成で効率的にバラスト水の殺菌処理を行うことが可能なバラスト水処理装置を提供することである。
本発明の一局面に係るバラスト水処理装置は、バラストタンクに繋がれ、前記バラストタンクにバラスト水を導く配管と、前記配管に配置され、イソシアヌル酸塩化物からなる固体状の殺菌剤と、を備える。
上記バラスト水処理装置では、バラスト水が配管を経由してバラストタンクに導かれる過程において、当該配管に配置されたイソシアヌル酸塩化物からなる殺菌剤が当該バラスト水に溶け出す。これにより、殺菌性を有する次亜塩素酸が発生し、バラスト水が殺菌処理される。したがって、上記バラスト水処理装置によれば、バラストタンクに繋がる主配管の途中において薬剤タンクに繋がる別の配管が接続され、当該薬剤タンクから殺菌用の薬液を主配管内のバラスト水に混合させる装置と比べて、より簡易な装置構成で効率的にバラスト水の殺菌処理を行うことができる。
上記バラスト水処理装置は、前記配管において前記殺菌剤の配置部分から流出したバラスト水の塩素濃度を測定する濃度測定部と、前記濃度測定部による測定結果に基づいて、前記配管において前記殺菌剤の配置部分へ流入するバラスト水の流量を調整する流量調整手段と、をさらに備えていてもよい。
上記構成によれば、殺菌剤の配置部分から流出したバラスト水の塩素濃度を測定し、その測定結果を当該配置部分へ流入するバラスト水の流量にフィードバックすることにより、適正な塩素濃度に調整することができる。
上記バラスト水処理装置は、前記殺菌剤をバイパスするように前記配管に接続されるバイパス配管をさらに備えていてもよい。前記濃度測定部は、前記配管において前記バイパス配管が合流する合流部分よりも下流側に配置されていてもよい。前記流量調整手段は、前記濃度測定部による測定結果に基づいて、前記配管から前記バイパス配管側へ分流するバラスト水の流量を調整してもよい。
上記構成によれば、バラスト水の塩素濃度の測定結果に基づいて配管側からバイパス配管側へ分流させるバラスト水の流量を調整することで、殺菌剤側へ流入するバラスト水の流量を調整することができる。その結果、適正な塩素濃度に調整することができる。またバイパス配管側に分流したバラスト水を再び合流させることにより、バラストタンクへ供給されるバラスト水の流量を維持することができる。その結果、バラストタンクの漲水が長時間化することを抑制することができる。
上記バラスト水処理装置において、前記流量調整手段は、前記配管から前記バイパス配管側へ分流するバラスト水の流量を調整する流量調整部と、前記濃度測定部による測定結果に基づいて前記流量調整部を制御する流量制御部と、を有していてもよい。
上記構成によれば、流量制御部を用いてバイパス配管側へのバラスト水の分流量を調整することにより、塩素濃度の調整をより容易に行うことができる。
上記バラスト水処理装置は、前記殺菌剤が充填され、前記配管に配置された薬品容器をさらに備えていてもよい。
上記構成によれば、殺菌剤を配管内に直接配置する場合に比べて、殺菌剤を安定に保持することができる。
上記バラスト水処理装置は、前記薬品容器に充填された前記殺菌剤の残量を検知する検知部をさらに備えていてもよい。
上記構成によれば、検知部によって薬品容器内の殺菌剤の残量を確認し、当該残量が少なくなったときに殺菌剤の補充をスムーズに行うことができる。
上記バラスト水処理装置は、前記殺菌剤が充填され、前記配管に配置された薬品容器をさらに備えていてもよい。前記薬品容器は、前記殺菌剤が充填される第1の空間が形成され、前記配管側からバラスト水が流入する第1の容器部分と、前記第1の空間と連通し、前記殺菌剤が充填される第2の空間が形成され、前記第1の容器部分から延設された第2の容器部分と、を有していてもよい。前記第1及び第2の容器部分の各々に前記殺菌剤が充填されていてもよい。
上記構成によれば、第1の容器部分に充填された殺菌剤がバラスト水に溶け出して消費されたときに、第2の容器部分に充填された殺菌剤が第1の容器部分へ落下することにより、殺菌剤の補充が容易に行われる。
上記バラスト水処理装置において、前記イソシアヌル酸塩化物は、トリクロロイソシアヌル酸であってもよい。
トリクロロイソシアヌル酸は水への溶解性が比較的小さいため、長期間に渡り殺菌効果を維持することができる。また高温下において安定に保持することができる。また次亜塩素酸カルシウムなどと異なり、バラスト水に溶解させたときの沈殿物の発生を抑制することもできる。したがって、トリクロロイソシアヌル酸は、配管に配置される薬剤として好適に用いることができる。
本発明によれば、より簡易な構成で効率的にバラスト水の殺菌処理を行うことが可能なバラスト水処理装置を提供することができる。
本発明の実施形態1に係るバラスト水処理装置の構成を示す概略図である。 上記バラスト水処理装置における薬品容器の構成を示す概略図である。 上記バラスト水処理装置の構成を示すブロック図である。 上記バラスト水処理装置における塩素濃度の調整方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態2に係るバラスト水処理装置における薬品容器の構成を示す概略図である。 上記薬品容器において殺菌剤が補充される様子を示す概略図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
(実施形態1)
<バラスト水処理装置の構成>
まず、本発明の一実施形態である実施形態1に係るバラスト水処理装置1の構成について、図1を参照して説明する。
バラスト水処理装置1は、船内に配置され、船内に汲み上げられたバラスト水を殺菌処理するとともにバラストタンク60へ導くための装置である。バラスト水処理装置1は、配管2と、バラストポンプ10と、フィルター20と、殺菌剤3と、ミキサー50と、を主に備えている。
配管2は、バラストタンク60に繋がれており、船内に汲み上げられたバラスト水をバラストタンク60へ導くための供給流路を内部に構成している。配管2は、バラスト水が流入する一方の配管口2Aと、バラストタンク60に繋がれる他方の配管口2Bと、を有している。バラスト水は、一方の配管口2Aから配管2内に流入し、他方の配管口2Bに向かって配管2内を流れることによりバラストタンク60へ導かれる。そして、バラストタンク60において船体を安定化させるために貯留される。
バラストポンプ10は、配管2において一方の配管口2A側に配置されており、配管2内にバラスト水を流入させる。フィルター20は、配管2においてバラストポンプ10よりもバラスト水の流れ方向Dの下流側(バラストタンク60側)に配置されている。フィルター20は、ろ過によってバラスト水に含まれる異物などを除去する。
殺菌剤3は、常温固体の薬剤であって、配管2内を流れるバラスト水中に溶け出すことにより、当該バラスト水に存在している微生物や細菌類等を殺滅させる。殺菌剤3は、薬品容器40内に充填されており、当該薬品容器40は配管2においてフィルター20よりも下流側に配置されている。なお、図1では、薬品容器40の幅が配管2の幅よりも大きく示されているが、薬品容器40の幅は配管2の幅と同じでもよいし、配管2の幅より大きくてもよい。
殺菌剤3は、イソシアヌル酸塩化物からなる。ここで、「イソシアヌル酸塩化物」とは、イソシアヌル酸の窒素原子に結合した水素原子が塩素原子に置換された構造を有する化合物であって、3つの塩素原子により水素原子が置換されたトリクロロイソシアヌル酸(下記構造式(1))及び2つの塩素原子により水素原子が置換されたジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(下記構造式(2))を含む。これらのイソシアヌル酸塩化物は、バラスト水中に溶け出すことにより殺菌性を有する次亜塩素酸(HOCl)を発生し、これにより配管2内を流れるバラスト水を殺菌処理する。
Figure 2016168527
Figure 2016168527
殺菌剤3は、顆粒状又は錠剤状等の形態を有していてもよいが、特に限定されない。例えば、殺菌剤3は、直径が1〜100mmである顆粒状又は錠剤状の形態を有していてもよい。
ここで、殺菌剤3が充填される薬品容器40の構成について、図2を参照して詳細に説明する。薬品容器40は、容器本体40Aと、容器本体40A内に収容されるメッシュ状部材40Bと、を備えている。メッシュ状部材40Bには、複数の殺菌剤3が充填されている。メッシュ状部材40Bは、殺菌剤3を内部に保持するとともにバラスト水が十分に流入可能な程度の目開きを有している。
配管2の一方の配管口2A側(図2左側)から容器本体40A内に流入したバラスト水は、殺菌剤3が充填されたメッシュ状部材40B内を通過し、その後バラストタンク60側(図2右側)へ流出する。この過程において、殺菌剤3がバラスト水に溶け出すことにより次亜塩素酸が発生し、これによりバラスト水が殺菌処理される。
なお、本実施形態のように殺菌剤3がメッシュ状部材40Bに充填される場合に限られず、メッシュ状部材40Bの構成が省略され、容器本体40Aに殺菌剤3が直接充填されてもよい。また、本実施形態のように配管2に薬品容器40が配置され、薬品容器40に殺菌剤3が充填される場合に限られず、薬品容器40の構成が省略され、配管2の内部に殺菌剤3が直接配置されてもよい。この場合には、殺菌剤3がバラスト水の流れによってバラストタンク60側へ流れてしまうことを防止するため、殺菌剤3を堰き止めるためのメッシュ状の部材が配管2の内部に配置されてもよい。
図1に戻って、上記バラスト水処理装置1は、薬品容器40に取り付けられ、当該薬品容器40に充填された殺菌剤3の残量を検知する検知部41をさらに備えている。検知部41は、レベルセンサであって、薬品容器40内における殺菌剤3の充填高さ(図2)を検出する。そして、バラスト水への溶出によって殺菌剤3が消費されることにより当該充填高さが下限値を下回ると、検知部41からアラーム装置(図示しない)へその情報が入力される。そして、アラーム装置において殺菌剤3の残量が少ないことを表示することにより、作業者に殺菌剤3の補充を促すことができる。作業者は、殺菌剤が充填された予備のメッシュ状部材を準備しておき、これを使用済のメッシュ状部材40Bと交換することにより、殺菌剤の補充をスムーズに行うことができる。なお、検知部41は、薬品容器40に充填された殺菌剤3の残量を検知可能なものであればよく、他の種類のセンサも同様に用いることができる。
ミキサー50は、配管2において薬品容器40よりも下流側に配置されている。ミキサー50は、薬品容器40において殺菌剤3が溶出した後のバラスト水を攪拌することにより、当該バラスト水における塩素濃度を均一化させる。
上記バラスト水処理装置1は、バイパス配管4をさらに備えている。バイパス配管4は、図1に示すように殺菌剤3が充填された薬品容器40をバイパス(迂回)するように配管2に接続されている。より具体的には、バイパス配管4は、配管2において薬品容器40よりも上流側でかつフィルター20よりも下流側に位置する分岐部分2Cに一方の端部が接続され、かつ、薬品容器40よりも下流側でかつミキサー50よりも上流側に位置する合流部分2Dにおいて他方の端部が接続されている。
上記構成により、バラストタンク60に向かって配管2内を流れるバラスト水の一部を、分岐部分2Cにおいてバイパス配管4側へ分流させることができ、これにより薬品容器40側へ流入するバラスト水の流量を調整することができる。そして、合流部分2Dにおいて薬品容器40を通過したバラスト水とバイパス配管4側へ分流したバラスト水とを合流させることにより、分流前のバラスト水の流量に戻すことができる。
上記バラスト水処理装置1は、濃度測定部42をさらに備えている。濃度測定部42は、配管2において薬品容器40から流出し、殺菌剤3が溶出したバラスト水の塩素濃度を測定するためのセンサである。ここで、「塩素濃度(mg/L)」は、バラスト水の残留オキシダント(TRO:Total Residual Oxidant)濃度として測定される。濃度測定部42は、図1に示すようにミキサー50よりも下流側でかつバラストタンク60よりも上流側において配管2に取り付けられている。これにより、ミキサー50によって均一化された後のバラスト水の塩素濃度を測定することができる。
上記バラスト水処理装置1は、流量調整手段70をさらに備えている。流量調整手段70は、濃度測定部42によるバラスト水の塩素濃度の測定結果に基づいて、配管2からバイパス配管4側へ分流するバラスト水の流量を調整し、これにより薬品容器40へ流入するバラスト水の流量を調整する。以下、流量調整手段70の構成について詳細に説明する。
流量調整手段70は、配管2からバイパス配管4側へ分流するバラスト水の流量を調整する流量調整部71と、濃度測定部42からバラスト水の塩素濃度の測定結果が入力され、これに基づいて流量調整部71を制御する流量制御部72と、を備えている。
流量調整部71は、第1の流量調整弁71A及び第2の流量調整弁71Bを含む。第1及び第2の流量調整弁71A,71Bは、その開度調整によって配管内を流れるバラスト水の流量を調整する。第1の流量調整弁71Aは、配管2において分岐部分2Cよりも下流でかつ薬品容器40よりも上流に配置されている。第2の流量調整弁71Bは、バイパス配管4に配置されている。流量調整部71は、本実施形態のように第1及び第2の流量調整弁71A,71Bの両方を含む場合に限られず、いずれか一方のみを含んでいてもよい。
図3を参照して、流量制御部72は、判定部72A、制御部72B及び記憶部72Cから主に構成されている。判定部72Aには、濃度測定部42によるバラスト水の塩素濃度の測定結果が入力される。また記憶部72Cには、バラスト水の塩素濃度の基準値のデータが格納されている。判定部72Aは、濃度測定部42から入力された測定結果と記憶部72Cに格納された基準値との比較を行い、その比較結果に基づいてバラスト水の流量を変更する必要があるか否かを判定する。より具体的には、塩素濃度の測定値が基準値の範囲を超える場合にはバイパス配管4側への分流量を増やす(薬品容器40側への流入量を減らす)必要があると判定し、一方で測定値が基準値の範囲よりも低い場合にはバイパス配管4側への分流量を減らす(薬品容器40側への流入量を増やす)必要があると判定する。
制御部72Bは、判定部72Aによる上記判定結果が入力され、これに基づいて第1及び第2の流量調整弁71A,71Bの動作を調整する。より具体的には、制御部72Bは、判定部72Aによりバイパス配管4側への分流量を増やす必要があると判定された場合には、第2の流量調整弁71Bの開度を大きくするとともに第1の流量調整弁71Aの開度を小さくする。一方で、判定部72Aによりバイパス配管4側への分流量を減らす必要があると判定された場合には、第1の流量調整弁71Aの開度を大きくするとともに第2の流量調整弁71Bの開度を小さくする。このようにして、薬品容器40の下流側におけるバラスト水の塩素濃度を測定し、その結果をフィードバックしてバイパス配管4側への分流量を調整することにより、バラスト水の塩素濃度が基準値の範囲を満たすように調整することができる。
なお、本実施形態のように第1及び第2の流量調整弁71A,71Bの各々の開度を流量制御部72を用いて自動調整する場合に限られず、流量制御部72の構成が省略され、濃度測定部42による測定結果に基づいて第1及び第2の流量調整弁71A,71Bの各々の開度がユーザの手動により調整されてもよい。
<バラスト水処理装置における塩素濃度の調整>
次に、上記バラスト水処理装置1における塩素濃度の調整方法について、図4に示すフローチャートに沿って説明する。
まず、判定部72Aは、バラスト水の塩素濃度の測定周期であるか否かを判定する(S1)。測定周期であると判定されると(S1:YES)、判定部72Aは、薬品容器40から流出したバラスト水の塩素濃度を濃度測定部42に測定させる(S2)。そして、取得された測定データは、判定部72Aに入力される。
次に、判定部72Aは、入力された測定データと記憶部72Cに格納された基準値データとの比較を行い、当該測定データが基準値の範囲内であるか否か(例えば、5〜10mg/Lの範囲内であるか否か)を判定する(S3)。そして、基準値の範囲外であると判定されると(S3:NO)、その判定結果が制御部72Bに入力される。そして、制御部72Bは、塩素濃度が基準値の範囲内となるように第1及び第2の流量調整弁71A,71Bの開度を調整する(S4)。
より具体的には、測定データが基準値の範囲よりも低く、塩素濃度を上げる必要がある場合には、バイパス配管4側への分流量を減らすために第1の流量調整弁71Aの開度を大きくするとともに第2の流量調整弁71Bの開度を小さくする。一方、測定データが基準値の範囲を超えており、塩素濃度を下げる必要がある場合には、バイパス配管4側への分流量を増やすために第2の流量調整弁71Bの開度を大きくするとともに第1の流量調整弁71Aの開度を小さくする。このようにして、バラスト水の塩素濃度が基準値の範囲内となるようにバイパス配管4側への分流量が調整される。また、塩素濃度の測定データが基準値の範囲内であると判定されると(S3:YES)、上述のような流量調整弁の開度調整は行われず、バイパス配管4側への分流量がそのまま維持される。
<バラスト水処理装置による作用効果>
次に、上記バラスト水処理装置1による作用効果について説明する。上記バラスト水処理装置1は、バラストタンク60にバラスト水を導く配管2と、配管2に配置されたイソシアヌル酸塩化物からなる固体状の殺菌剤3と、を備えている。上記バラスト水処理装置1では、バラスト水が配管2を経由してバラストタンク60に導かれる過程において、配管2に配置されたイソシアヌル酸塩化物からなる殺菌剤3が当該バラスト水中に溶け出す。これにより、殺菌性を有する次亜塩素酸が発生し、バラスト水を殺菌処理することができる。したがって、上記バラスト水処理装置1によれば、バラストタンクに繋がる主配管の途中において薬剤タンクに繋がる別の配管が接続され、当該薬剤タンクから殺菌用の薬液を主配管内のバラスト水に混合させる装置と比べて、より簡易な装置構成で効率的にバラスト水の殺菌処理を行うことができる。
上記バラスト水処理装置1は、薬品容器40から流出したバラスト水の塩素濃度を測定する濃度測定部42と、濃度測定部42による測定結果に基づいて、薬品容器40へ流入するバラスト水の流量を調整する流量調整手段70と、を備えている。これにより、薬品容器40から流出したバラスト水の塩素濃度を測定し、その測定結果を薬品容器40へ流入するバラスト水の流量にフィードバックすることにより、適正な塩素濃度に調整することができる。その結果、殺菌効果を維持するとともに、塩素濃度が過剰になることに起因した配管2やバラストタンク60の腐食を防止することができる。
上記バラスト水処理装置1は、薬品容器40をバイパスするバイパス配管4を備えている。また濃度測定部42は、配管2においてバイパス配管4が合流する合流部分2Dよりも下流側に配置されている。また流量調整手段70は、配管2からバイパス配管4側へ分流するバラスト水の流量を調整する。
これにより、バラスト水の塩素濃度の測定結果に基づいて配管2側からバイパス配管4側へ分流させるバラスト水の流量を調整し、その結果薬品容器40側へ流入するバラスト水の流量を調整することができる。その結果、適正な塩素濃度に調整することができる。またバイパス配管4側への分流量によって塩素濃度を調整し、バイパス配管4側に分流したバラスト水を合流部分2Dにおいて配管2を流れるバラスト水に合流させることにより、バラストタンク60へ供給されるバラスト水の流量を維持することができる。その結果、バラストタンク60の漲水が長時間化することを抑制することができる。
上記バラスト水処理装置1において、流量調整手段70は、配管2からバイパス配管4側へ流れるバラスト水の流量を調整する流量調整部71と、濃度測定部42による測定結果に基づいて流量調整部71を制御する流量制御部72と、を備えている。このように、流量制御部72を用いてバイパス配管4側へのバラスト水の分流量を調整することにより、塩素濃度の調整をより容易に行うことができる。
上記バラスト水処理装置1は、殺菌剤3が充填され、配管2に配置された薬品容器40を備えている。これにより、殺菌剤3を配管2内に直接配置する場合に比べて、殺菌剤3を安定に保持することができる。
上記バラスト水処理装置1は、薬品容器40に充填された殺菌剤3の残量を検知する検知部41を備えている。これにより、検知部41によって薬品容器40内の殺菌剤3の残量を確認し、当該残量が少なくなったときに殺菌剤3の補充をスムーズに行うことができる。
(実施形態2)
次に、本発明の他の実施形態である実施形態2に係るバラスト水処理装置について説明する。実施形態2に係るバラスト水処理装置は、基本的には上記実施形態1に係るバラスト水処理装置1と同様の構成を備え、かつ同様の効果を奏する。しかし、実施形態2に係るバラスト水処理装置は、殺菌剤が充填される薬品容器の構成において、上記実施形態1とは異なっている。以下、当該薬品容器の構成について詳細に説明する。
図5を参照して、実施形態2における薬品容器43は、実施形態1と同様に配管2に配置されており、容器本体43Aと、容器本体43A内に収容されるメッシュ状部材43Bと、を備えている。また薬品容器43は、第1の容器部分45と、第1の容器部分45から外側に延設された第2の容器部分46と、を含む。
第1の容器部分45は、配管2の一方の配管口2A側(図5左側)からバラスト水が流入する部分である。第1の容器部分45には、殺菌剤3が充填される第1の空間45Aが形成されている。
第2の容器部分46は、配管2の一方の配管口2A側からバラスト水が流入しないように第1の容器部分45から延設されている。より具体的には、第2の容器部分46は、第1の容器部分45よりも重力方向上側に位置するように第1の容器部分45から延設されている。第2の容器部分46には、殺菌剤3が充填される第2の空間46Aが形成されており、当該第2の空間46Aは第1の空間45Aと互いに連通している。そして、第1及び第2の空間45A,46Aの各々において殺菌剤3が充填されている。
図6を参照して、バラスト水中へ溶け出すことにより第1の容器部分45に充填された殺菌剤3が消費されると(図6中破線)、第2の容器部分46に充填された殺菌剤3が自重により第1の容器部分45側へ落下する。これにより、実施形態2に係るバラスト水処理装置では、殺菌剤3の補充をより容易に行うことができる。
また図5に示すように容器本体43Aから上側に延設された壁部43Cによって、第2の容器部分46においてバラスト水が外部に溢れ出ることが抑制されている。
また実施形態2では、図5に示すように殺菌剤3がメッシュ状部材43Bに充填される場合を一例として説明したがこれに限られず、バラスト水が流入可能な小さな丸穴が空けられた収容部材がメッシュ状部材43Bの代わりに用いられ、これに殺菌剤3が充填されてもよい。
(実施形態3)
次に、本発明のさらに他の実施形態である実施形態3に係るバラスト水処理装置について説明する。実施形態3に係るバラスト水処理装置は、基本的には上記実施形態1に係るバラスト水処理装置1と同様の構成を備え、かつ同様の効果を奏する。しかし、実施形態3に係るバラスト水処理装置は、薬品容器に充填される殺菌剤の量において、上記実施形態1とは異なっている。
図1及び図2を参照して、実施形態3では、バラストタンク60に貯留されるバラスト水の量に応じた量の殺菌剤3が薬品容器40のメッシュ状部材40Bに充填される。より具体的には、バラストタンク60に貯留されるバラスト水の量及びその塩素濃度が設定され、設定されたバラスト水量及び塩素濃度を確保するために必要な殺菌剤3の量が算出される。そして、算出された量以上の殺菌剤3が薬品容器40のメッシュ状部材40Bに充填される。これにより、実施形態3に係るバラスト水処理装置では、バラストタンク60への漲水において殺菌剤3の補充を行う必要がなくなるという利点がある。
バラストタンク60に貯留されるバラスト水の量に応じた殺菌剤3の量は、例えば以下のように算出される。バラストタンク60に貯留されるバラスト水量を1000トン、塩素濃度設定値を10mg/L、塩素濃度を10mg/Lにするために必要な殺菌剤3の濃度を12mg/Lとすると、12(mg/L)×1000(トン)×1000(L/トン)=12kg、のように殺菌剤3の量を算出することができる。
なお、実施形態3のようにバラスト水の量に応じた量の殺菌剤3を予め充填してもよいし、上記実施形態1のように殺菌剤3の残量が少なくなったときにメッシュ状部材40Bを交換して対応してもよい。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 バラスト水処理装置、2 配管、3 殺菌剤、4 バイパス配管、40,43 薬品容器、41 検知部、42 濃度測定部、45 第1の容器部分、45A 第1の空間、46 第2の容器部分、46A 第2の空間、60 バラストタンク、70 流量調整手段、71 流量調整部、72 流量制御部

Claims (8)

  1. バラストタンクに繋がれ、前記バラストタンクにバラスト水を導く配管と、
    前記配管に配置され、イソシアヌル酸塩化物からなる固体状の殺菌剤と、を備えた、バラスト水処理装置。
  2. 前記配管において前記殺菌剤の配置部分から流出したバラスト水の塩素濃度を測定する濃度測定部と、
    前記濃度測定部による測定結果に基づいて、前記配管において前記殺菌剤の配置部分へ流入するバラスト水の流量を調整する流量調整手段と、をさらに備えた、請求項1に記載のバラスト水処理装置。
  3. 前記殺菌剤をバイパスするように前記配管に接続されるバイパス配管をさらに備え、
    前記濃度測定部は、前記配管において前記バイパス配管が合流する合流部分よりも下流側に配置され、
    前記流量調整手段は、前記濃度測定部による測定結果に基づいて、前記配管から前記バイパス配管側へ分流するバラスト水の流量を調整する、請求項2に記載のバラスト水処理装置。
  4. 前記流量調整手段は、
    前記配管から前記バイパス配管側へ分流するバラスト水の流量を調整する流量調整部と、
    前記濃度測定部による測定結果に基づいて前記流量調整部を制御する流量制御部と、を有する、請求項3に記載のバラスト水処理装置。
  5. 前記殺菌剤が充填され、前記配管に配置された薬品容器をさらに備えた、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバラスト水処理装置。
  6. 前記薬品容器に充填された前記殺菌剤の残量を検知する検知部をさらに備えた、請求項5に記載のバラスト水処理装置。
  7. 前記殺菌剤が充填され、前記配管に配置された薬品容器をさらに備え、
    前記薬品容器は、
    前記殺菌剤が充填される第1の空間が形成され、前記配管側からバラスト水が流入する第1の容器部分と、
    前記第1の空間と連通し、前記殺菌剤が充填される第2の空間が形成され、前記第1の容器部分から延設された第2の容器部分と、を有し、
    前記第1及び第2の容器部分の各々に前記殺菌剤が充填されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバラスト水処理装置。
  8. 前記イソシアヌル酸塩化物は、トリクロロイソシアヌル酸である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のバラスト水処理装置。
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