JP5867527B2 - ボイラの薬品注入制御装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ボイラの薬品注入制御装置及び方法に係り、特に多缶設置の小型貫流ボイラへの給水ラインに対して薬液を注入するのに好適な薬品注入制御装置及び方法に関する。
小型貫流ボイラの給水ポンプは、通常の場合、ボイラ水位が設定下限値以下になった場合に作動開始し、ボイラ水位が設定上限値に達すると停止するように制御される。従って、この給水ポンプは、ボイラの燃焼状態に応じて不定期に稼動することになる。小型貫流ボイラを複数設置して運転している場合は、それぞれのボイラの給水ポンプが不定期に稼動するため、その給水母管の給水流量は大きく変動する。
小型貫流ボイラの薬液注入の制御には、マイコン制御や、給水ポンプのON/OFF信号に基づく制御、又は流量計のパルス信号やアナログ信号による制御が一般的である。
マイコン制御では、ボイラの燃焼状態と燃焼時間に応じた量の給水がボイラに供給されたものと判断し、それに応じて薬注ポンプの稼動時間が決定される。このマイコン制御では、薬注ポンプは給水ポンプの稼動と必ずしも連動しておらず、給水ポンプが動いていないときに薬注ポンプが動いたり、反対に給水ポンプが動いていても薬注ポンプが稼動しないこともある。そのため、マイコン制御では、給水中の薬品濃度が大幅に変動し易い。
給水ポンプのON/OFF信号により薬注ポンプを制御する方法では、給水ポンプが稼動している時に薬注ポンプが稼動するため、マイコン制御より給水中での薬品濃度の変動は小さくなる。しかし、給水流量は給水ポンプの起動直後や起動終わりではやや少なくなるため、起動直後や起動終わりでは薬注量が多くなる。
給水流量計のパルス信号またはアナログ信号により薬注ポンプを制御する方法では、給水流量に比例して薬注ポンプのストローク数が決定されるため、給水中の薬品濃度を目標濃度に近いものとすることができる。ただし、給水流量計のパルス信号またはアナログ信号により薬注ポンプを制御して給水するのみでは、給水ポンプまたは薬注ポンプの能力低下があった場合に実際の薬注量と目標薬注量との誤差が大きくなる。給水中の薬品濃度が目標濃度よりも低いと、ボイラ缶内に入る前の設備(給水配管またはエコノマイザ等)において防食剤の効果が不十分となったり、脱酸素剤による脱酸素効果が小さくなる等の問題がある。逆に、薬品を過剰に添加した場合には、不経済になる。
薬注量を補正する方法として、特許4390473(特開2004−321860)には、薬注量を薬注配管に設置した流量計により検出し、その値を用いてリアルタイムに演算し、補正する方法が提示されている。しかし、この方法は、流量の変化が小さい場合に流量の測定値から薬注ポンプの流量をフィードバック制御するものであり、小型貫流ボイラが多缶設置された給水設備の場合のように流量の変動が大きい設備では、流量計の検出のタイミングおよび演算・制御のタイムラグなどにより、制御信号が大きく変動し、薬注量を適正に保つことが難しいという課題があった。
特許4390473号
本発明は、短期間に流量が大きく変動するボイラ給水設備においても、目標通りの薬品濃度となるように薬注量を制御することができるボイラの薬品注入制御装置及び薬注方法を提供することを目標とする。
本発明のボイラの薬品注入制御装置は、給水ポンプを備えた給水配管を介して給水タンクからボイラに給水を供給するための給水ラインと、前記給水配管を流れる給水流量を測定する給水流量測定手段と、薬品タンクに貯留したボイラ水処理薬品の含有液(以下、薬液という。)を前記給水ラインに注入するための薬注ポンプと、前記薬品タンク内に貯留された薬液の量を計測する薬液量計測手段と、前記給水流量測定手段の測定流量に比例して前記薬注ポンプの吐出量を制御する制御手段と、を備えたボイラの薬品注入制御装置であって、前記給水流量測定手段によって求められる所定期間当たりの給水量と、前記薬液量計測手段によって求められる該所定期間当たりのタンク内薬液の減少量とから給水中の平均薬品濃度を算出し、予め設定しておいた給水中の目標薬品濃度と算出された前記平均薬品濃度に基づいて平均薬品濃度が目標薬品濃度の範囲内に収まるように前記制御手段が前記薬注ポンプを制御し、前記制御手段は、前記給水流量測定手段の測定流量に対して比例係数を乗じて得た目標吐出量となるように薬注ポンプを制御するものであって、前記予め設定しておいた給水中の目標薬品濃度と算出された前記平均薬品濃度との差に基づいてこの比例係数を補正することを特徴とするものである。
本発明のボイラの薬品注入制御方法は、給水ポンプを備えた給水配管を介して給水タンクからボイラに給水を供給するための給水ラインと、前記給水配管を流れる給水流量を測定する給水流量測定手段と薬品タンクに貯留した薬液を前記給水ラインに注入するための薬注ポンプと、前記薬品タンク内に貯留された薬液の量を計測する薬液量計測手段と、前記給水流量測定手段の測定流量に比例して前記薬注ポンプの吐出量を制御する制御手段と、を備えたボイラの薬品注入制御装置によって薬注を制御する方法であって、前記給水流量測定手段によって求められる所定期間当たりの給水量と、前記薬液量計測手段によって求められる該所定期間当たりのタンク内薬液の減少量とから給水中の平均薬品濃度を算出し、予め設定しておいた給水中の目標薬品濃度と算出された前記平均薬品濃度に基づいて平均薬品濃度が目標薬品濃度の範囲内に収まるように前記制御手段が前記薬注ポンプを制御し、前記制御手段は、前記給水流量測定手段の測定流量に対して比例係数を乗じて得た目標吐出量となるように薬注ポンプを制御するものであって、前記予め設定しておいた給水中の目標薬品濃度と算出された前記平均薬品濃度との差に基づいてこの比例係数を補正することを特徴とするものである。
前記薬液量計測手段としては、薬品タンク中の薬液による圧力を検出する圧力センサー、薬品タンク中の薬液の水位高さを検出する水位計(電極式、超音波式又は光検出式)又は薬品タンク中の薬液重量を検出する重量計のいずれかが好ましい。
本発明では、前記ボイラが複数個設けられており、前記給水管は、前記給水タンクに連なる給水母管と、該給水母管から分岐した複数の給水分岐管とを有しており、各給水分岐管が各ボイラに接続され、該給水分岐管にそれぞれ給水ポンプが設けられており、前記薬注ポンプは、該給水母管に薬注することが好ましい。
本発明では、基本的には、給水流量測定値に基づいて薬注ポンプを比例制御する。そして、所定期間すなわち所定時間が経過した時点または給水流量の積算値が所定の値に達した時点でその期間の給水中の平均薬品濃度を演算する。この平均薬品濃度は、薬品タンク内の薬液の減少量と給水流量積算値により求められる。
演算した薬品濃度があらかじめ設定した目標濃度の範囲に入っているかどうか判定し、範囲外であった場合は目標値に合うように薬注量を補正する。例えば、給水流量計の出力信号に比例係数を乗じてから薬注ポンプに信号を入力することで薬注量を制御する。
このように薬注ポンプを給水流量にリアルタイムに比例させる制御と、所定期間における実際の平均薬品濃度を確認して薬注ポンプによる薬注量を微調整するフィードバック制御とを組み合わせることにより、多缶設置の小型貫流ボイラの給水配管のように短期間で流量が大きく変動する系においても給水中の薬品濃度を目標範囲内に安定して維持することができる。本発明によると、薬注ポンプまたは給水ポンプの能力低下等が原因で薬注量が目標値を外れることがあっても、自動補正をおこない目標値通りに薬注をおこなうことができる。これにより、水処理薬品の効果を十分に発揮させてボイラプラントを保守し、スケール防止やブロー適正管理が達成できることで省エネ運転することができる。また、薬注量の過剰によるブロー水量の増加や薬品代の増加による不経済も防止できる。
実施の形態に係るボイラの薬品注入制御装置を示すブロック図である。 実験結果を示すグラフである。 実験結果を示すグラフである。 実験結果を示すグラフである。 実験結果を示すグラフである。 実験結果を示すグラフである。
以下、図1を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係るボイラの薬品注入制御装置を備えたボイラ給水設備のブロック図であり、給水タンク1内の給水が給水母管2、該給水母管2から分岐した複数の給水分岐管3、及び各給水分岐管3に設けられた給水ポンプ4を介して各ボイラ5に供給される。薬品タンク6内の薬液すなわち薬品含有液(例えば水溶液)は、薬注ポンプ7及び薬注ノズル8によって給水母管2に注入される。
薬品タンク6には薬液量を計測するための薬液量センサー9が設けられている。給水母管2には超音波流量計などの流量計10と、温度センサー(図示略)とが設けられ、これらの検出信号が制御器12に入力される。制御器12には、給水中の目標薬品濃度等を入力するためのタッチパネル、キーボード等の入力手段13が接続されている。
本発明は、小型貫流ボイラが多缶設置された給水設備の薬品注入制御装置として適しているが、小型貫流ボイラの給水設備以外の、短期間で流量が大きく変動するボイラ給水設備にも好適である。
給水ポンプ4は、ボイラ5の水位に応じてON/OFF制御で運転してもよく、インバータ制御で運転するものであってもよく、特に制御方式は限定されない。
薬品の注入箇所は、小型貫流ボイラの多缶設置の場合は給水タンク1または給水母管2であることが望ましい。これは個別のボイラに給水が入るまでになるべく距離をとることで薬品をより均一に添加することができるためである。給水母管2に薬注することにより、給水中の薬品濃度を迅速に制御することができる。薬注ポンプ7の吐出側には、接続する給水タンクまたは給水配管の圧力に応じた逆止弁を設置するのが好ましい。
使用する薬品は液体品または粉体を溶解して液体にしたものを用いる。その他の条件(pH、比重等)は特に問わない。
薬品タンク6は、水平断面積が上部から下部まで均一であるものが望ましい。薬液減量検出値の分解能を高くするために、薬品タンク6として、使用上問題ない範囲でなるべく容量および水平断面積の小さいものを選択するのが好ましい。
薬品タンク6は、薬注制御装置による制御が不可能となる緊急事態に備えてアラーム機能を備えることが好ましい。緊急事態の例としては、薬品タンク6や薬注ポンプ7からの液漏れ等が原因で複数回薬注量目標範囲に入らなかった場合や、薬液がなくなってしまった場合、信号線の断線などが考えられる。また、薬液の減量を薬液量センサー9によって監視しているため、事前にある水位以下になった場合に制御器12及び通信装置を通じて作業者に連絡できるような機能を備えておくのが好ましい。
薬品タンク6に薬液が追加されて薬品タンク6の薬液量センサー9の検出値が急激に上昇した場合は、薬注量演算のための給水流量および薬液減量の積算値を自動的にリセットすることで、薬注量の演算が正しくおこなわれるようにすることができる。
薬品タンク6の薬液量を測定するためのセンサー9としては例えば圧力センサーを用いることができる。圧力センサーはセンサー位置から水面までの薬液の水頭圧を検知するものであるため、薬品タンク6の最下部側面に穴を開けて水平方向に設置されるのが好ましい。圧力センサーで検知した水位と、あらかじめ求めた薬品タンク6の水平断面積とを乗算することにより、タンク6内の薬液量が求まる。従って、圧力センサーとしては、測定できる圧力範囲が薬品タンク6の最高水位における水圧よりも大きいものを用いる。また、圧力センサーとしては、薬液に耐性があるものを用いる。なお、圧力範囲の上限値が薬品タンクの最高水位における水圧より過剰に大きいと薬液減量の分解能が大きくなるため、過剰に圧力範囲の大きいものを選択しないほうがよい。
流量計10は瞬間流量と積算流量のいずれも信号として出力できるものが望ましいが、瞬間流量のみ信号出力できる場合でも構わない。その場合は演算部で瞬間値を累積していくことにより積算流量を算出する。
制御器12は、流量計10からの流量信号に比例して薬注ポンプ7の吐出流量を制御する機能を有するものを使用する。制御器12の演算手段としては市販のPLC(プログラマブルロジックコントローラ)などを用いることができる。入力ユニットおよび出力ユニットとしては、分解能が出来る限り小さく、演算スピードが速いものが望ましい。
以下に、この制御器12による薬注制御方法の一例について説明する。
この薬注制御方法では、基本的には、給水流量計10の出力信号に基づいて薬注ポンプ7を比例制御する。具体的には、給水流量計10の検出流量信号に対して比例係数を乗じて薬注量信号を生成させ、この薬注量信号を薬注ポンプ7の駆動回路に与え、薬注を行わせる。
そして、所定期間経過時点、すなわち所定時間が経過した時点または給水流量の積算値が所定の積算流量値に達した時点で、この所定期間の給水中の平均薬品濃度を演算する。所定時間または所定の積算流量値としては、その間の薬品タンク内の減少量分の水位差が50mm以上となる条件で決定するのが好ましい。
この平均薬品濃度は、予め入力しておいた薬品の比重と薬品タンク6内の薬液の減少量と流量計10による給水流量の積算値とにより求める。薬品タンク6内の薬液減少量は、薬液量センサー9が水位検知方式のものである場合、検出した水位差に薬品タンク6の水平断面積を乗じることにより求めることができる。
演算して求めた実際の給水中の平均薬品濃度があらかじめ設定した目標濃度の範囲に入っているかどうか判定し、範囲外であった場合は目標濃度に合うように前記比例係数を補正し、給水流量信号にこの補正した比例係数を乗じて得た薬注量信号を薬注ポンプの駆動回路に入力することにより薬注量を補正する。例えば、平均薬品濃度が目標範囲を下回るときには比例係数を大きくし、平均薬品濃度が目標範囲を上回るときには比例係数を小さくする。
例えば、実際の給水中の平均薬品濃度が目標範囲の下限値よりも低いときには、下限値と実際の平均薬品濃度との差に応じた補正係数を前記比例係数に乗じて比例係数を大きくするように補正する。逆に、実際の給水中の平均薬品濃度が目標範囲の上限値よりも高いときには、上限値と実際の平均薬品濃度との差に応じた補正係数を前記比例係数に乗じて比例係数を小さくするように補正する。なお、比例係数を補正する代わりに、比例係数を乗じた後の薬注量信号を補正してもよい。
このように薬注ポンプ7の吐出量を流量計10の検出給水流量にリアルタイムに比例させる制御と、所定期間において平均薬品濃度を確認して薬注ポンプ7への信号値を微調整するフィードバック制御とを組み合わせることにより、多缶設置の小型貫流ボイラの給水配管のように短期間で流量が大きく変動する系においても給水中の薬品濃度を目標範囲内に安定して維持することができる。
以下、実施例及び比較例について説明する。この実施例及び比較例では、薬液としてはpH調整剤として水酸化カリウム(5%品)、脱酸素剤としてヒドラジン一水和物(20%品)、及びスケール防止剤として分子量4000のポリアクリル酸を溶解させたものを用いた。
[実施例1]
小型貫流ボイラ(サムソン製NBO−500N)4台が設置されている図1に示す設備の給水母管2に給水中の目標薬品濃度を100mg/Lとして本発明方法により制御して薬注した。ただし、薬注制御機能がきちんと働くことを確認するために運転開始時は薬品濃度が50mg/Lとなるようにポンプのストローク数を設定しておき、運転開始1時間後に薬品濃度演算のフィードバック制御の補正がかかることにより、薬品濃度が100mg/Lとなるようにした。注入点は給水タンク出口から500mmの地点である。配管径40Aに対して内径6mm、外径8mmのSUS製のノズル8を給水母管2の中央まで差し込み、薬注した。
薬品タンク6としてダイライト株式会社のダイライトタンク(N型)50Lを用いた。タンク下部に圧力センサーをねじ込めるように加工を施した。
制御器12として株式会社キーエンス製のKV−1000、入力ユニットとしてKV−40DA、出力ユニットとしてKV−40ADを使用した。薬注ポンプ7として株式会社イワキ製EHN−B11VC1YN、給水流量計10として東京計装株式会社製のクランプオン式超音波流量計UL330、薬液量センサー(圧力センサー)として株式会社センシズ製HT1−020KP−02−Vを用いた。
給水流量計10の積算流量は1パルス/0.1Lのパルス信号により求めて、瞬間流量は0−3500L/hを4−20mAとしたアナログ信号より求めた。圧力センサーの検出圧力0−20kPaを4−20mAとして演算装置に入力した。薬注ポンプ7には0−38mL/minを4−20mAとして1分間あたりのストローク数を制御することにより注入量を調整した。
ボイラは高燃焼固定運転とした。給水量はボイラ1台あたり400L/h、給水ポンプ4の能力は1350L/hであった。給水タンク1内の温度は35℃に維持した。給水の溶存酸素濃度は7.0mg/Lであった。
運転開始時の比例係数(薬注ポンプアナログ値/給水流量アナログ値)は給水中の薬品濃度が50mg/Lになるように7.6%に設定した。
給水中の薬品濃度の目標値を100mg/Lとし、1時間後にこの濃度となるように給水流量計10のアナログ信号値に比例係数と補正係数を乗じて薬注ポンプ7の駆動回路に薬注量の制御信号を送った。薬品濃度の目標下限値を90mg/L、目標上限値を110mg/Lに設定し、所定期間として1時間ごとに薬注量を演算し、その結果が目標薬品濃度の範囲内(90〜110mg/L)に収まっていなかった場合に、給水流量計10のアナログ信号値に乗じる比例係数を補正した。具体的には、80mg/Lであった場合には目標値100mg/Lを80mg/Lで除した値である1.25を現在の比例係数に乗じ、120mg/Lであった場合には目標値100mg/Lを120mg/Lで除した値である0.83を現在の比例係数に乗じる。給水流量計のアナログ信号値にこの補正した信号変換率を乗じて薬注ポンプ7の駆動回路に薬注量信号を送った。
小型貫流ボイラ5の個別給水配管3に電気伝導率計を設置して電気伝導率を経時的に連続して測定した。この結果を図2(a)に示す。また、ボイラの蒸気の一部を分岐して熱交換器で冷却し凝縮水を40℃にした後、テストピース(SPCC、#400研磨、エッチング処理済)を設置した合成樹脂製カラムに24h連続通水させて、浸水前後のテストピースの重量差より腐食速度を算出した。合成樹脂製カラムを通過した凝縮水はさらに熱交換器により25℃に冷却して溶存酸素濃度を連続モニタリングした。24hの凝縮水の溶存酸素濃度の平均値及びテストピースの腐食速度の測定結果を表1に示す。
[比較例1]
薬注量の補正を行わないこと以外は実施例1と同一条件にて運転を行った。電気伝導率の経時変化を図2(b)に示す。また、凝縮水の溶存酸素濃度及びテストピースの腐食速度の測定結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、薬注制御をボイラのマイコン制御機能による制御とした。この場合、高燃焼状態では500L/h、低燃焼状態では250L/hの蒸気発生能力があるとして、各燃焼状態の稼動時間から所定時間後の必要給水量を算出して薬注ポンプの稼働時間を決定することができる。今回は高燃焼固定状態で稼動させたため、500L/hの蒸気発生能力があると想定して、運転時間が3.6分、30L給水が入ったと判断された時点で薬注ポンプが3秒稼動するように設定した。
薬注ポンプ4としてボイラごとにタクミナ製定量ポンプPZD−30−VTCET−BWJを設置した。それ以外は実施例1と同一条件とした。電気伝導率の経時変化を図3に示す。また、凝縮水の溶存酸素濃度及びテストピースの腐食速度の測定結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、薬注制御を給水ポンプ4のON/OFFに連動させて薬注ポンプ7をON/OFFさせる方式とした。薬注ポンプ4としてボイラごとに株式会社タクミナ製定量ポンプPZD−30−VTCET−BWJを設置した。薬注量を100mg/Lとするために、ストローク長50%、ストローク数6%に設定した。それ以外は実施例1と同一条件とした。電気伝導率の経時変化を図4に示す。また、凝縮水の溶存酸素濃度及びテストピースの腐食速度の測定結果を表1に示す。
Figure 0005867527
[考察]
図2〜4に示したように、本発明方法による制御を用いると、最初の設定が目標値とずれていても1時間後には目標値に修正され、薬品より発生する電気伝導率は一定であったが、補正を行わない比較例1〜3は低い値のままとなり、給水ポンプON/OFF制御およびマイコン制御では電気伝導率の変動が大きかった。電気伝導率は給水中の薬品濃度に比例しており、本発明方法による制御をおこなうことで、配管内の流体流量が短時間で大きく変動する流体に対しても、水処理薬品を均一に注入できることがわかる。
また、表1に示したように、本発明方法による制御で薬注量を目標値通りに均一に注入できることにより、脱酸素剤の効果が十分働き、溶存酸素濃度の平均値を他の薬注制御方法よりも小さく抑えることができ、結果としてテストピースの腐食速度も他の薬注制御方法よりも小さく抑えることができた。
[実施例2,3]
薬注ポンプまたは給水ポンプの能力が低下した際に薬注量の自動補正機能が働くことを確認するために、実施例1の条件において薬注ポンプストローク長さを100%から50%に変更した条件(実施例2)および給水ポンプの出口バルブ開度を半減した条件(実施例3)において本発明方法を用いて薬注を実施した。結果を図5,6及び表2,3に示す。
Figure 0005867527
Figure 0005867527
[考察]
実施例2では、図5および表2に示したとおり、薬注ポンプストローク長を半減した直後は、薬注量も半減したことで電気伝導率も低くなったが、薬注量確認のタイミング(3)および(4)における薬注量補正のタイミングで薬注ポンプパルス数が補正されたことにより、電気伝導率が元の値まで回復していることがわかる。
また、図6、表3に示したとおり、給水ポンプのバルブ開度を半減させた実施例3の場合は、薬注量が倍増したことで薬品から発生した電気伝導率が高くなったが、薬注量確認のタイミング(3)および(4)における薬注量補正のタイミングで薬注ポンプパルス数が補正されたことにより、電気伝導率が元の値に戻ったことがわかる。
以上の通り、本発明方法を用いて薬注制御をおこなうことにより、配管内の流体流量が短時間で大きく変動するボイラ給水設備において、薬注ポンプまたは給水ポンプの能力の低下等が原因で薬注量が目標値を外れることがあっても、自動補正をおこない目標値通りに薬注をおこなうことができる。
1 給水タンク
4 給水ポンプ
5 ボイラ
6 薬品タンク
7 薬注ポンプ
9 薬液量センサー
10 流量計

Claims (4)

  1. 給水ポンプを備えた給水配管を介して給水タンクからボイラに給水を供給するための給水ラインと、
    前記給水配管を流れる給水流量を測定する給水流量測定手段と、
    薬品タンクに貯留したボイラ水処理薬品の含有液(以下、薬液という。)を前記給水ラインに注入するための薬注ポンプと、
    前記薬品タンク内に貯留された薬液の量を計測する薬液量計測手段と、
    前記給水流量測定手段の測定流量に比例して前記薬注ポンプの吐出量を制御する制御手段と、
    を備えたボイラの薬品注入制御装置であって、
    前記給水流量測定手段によって求められる所定期間当たりの給水量と、前記薬液量計測手段によって求められる該所定期間当たりのタンク内薬液の減少量とから給水中の平均薬品濃度を算出し、予め設定しておいた給水中の目標薬品濃度と算出された前記平均薬品濃度に基づいて平均薬品濃度が目標薬品濃度の範囲内に収まるように前記制御手段が前記薬注ポンプを制御し、
    前記制御手段は、前記給水流量測定手段の測定流量に対して比例係数を乗じて得た目標吐出量となるように薬注ポンプを制御するものであって、
    前記予め設定しておいた給水中の目標薬品濃度と算出された前記平均薬品濃度との差に基づいてこの比例係数を補正することを特徴とするボイラの薬品注入制御装置。
  2. 前記薬液量計測手段が、薬品タンク中の薬液による圧力を検出する圧力センサー、薬品タンク中の薬品の水位高さを検出する水位計又は薬品タンク中の薬品重量を検出する重量計のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のボイラの薬品注入制御装置。
  3. 前記ボイラが複数個設けられており、
    前記給水管は、前記給水タンクに連なる給水母管と、該給水母管から分岐した複数の給水分岐管とを有しており、
    各給水分岐管が各ボイラに接続され、該給水分岐管にそれぞれ給水ポンプが設けられており、
    前記薬注ポンプは、該給水母管に薬注することを特徴とする請求項1又は2に記載のボイラの薬品注入制御装置。
  4. 給水ポンプを備えた給水配管を介して給水タンクからボイラに給水を供給するための給水ラインと、
    前記給水配管を流れる給水流量を測定する給水流量測定手段と
    薬品タンクに貯留した薬液を前記給水ラインに注入するための薬注ポンプと、
    前記薬品タンク内に貯留された薬液の量を計測する薬液量計測手段と、
    前記給水流量測定手段の測定流量に比例して前記薬注ポンプの吐出量を制御する制御手段と、
    を備えたボイラの薬品注入制御装置によって薬注を制御する方法であって、
    前記給水流量測定手段によって求められる所定期間当たりの給水量と、前記薬液量計測手段によって求められる該所定期間当たりのタンク内薬液の減少量とから給水中の平均薬品濃度を算出し、予め設定しておいた給水中の目標薬品濃度と算出された前記平均薬品濃度に基づいて平均薬品濃度が目標薬品濃度の範囲内に収まるように前記制御手段が前記薬注ポンプを制御し、
    前記制御手段は、前記給水流量測定手段の測定流量に対して比例係数を乗じて得た目標吐出量となるように薬注ポンプを制御するものであって、
    前記予め設定しておいた給水中の目標薬品濃度と算出された前記平均薬品濃度との差に基づいてこの比例係数を補正することを特徴とするボイラの薬品注入制御方法。
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