JP4375524B2 - 水質管理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイラや冷却塔、或いは冷凍機等の循環水系を有する水処理設備に組み込まれて当該水処理設備への給水および水処理薬品の注入を制御して、上記循環水系の水質を管理するに好適な水質管理装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
ボイラや冷却塔、或いは冷凍機等の循環水系を有する水処理設備においては、腐食・スケール・ファウリング等の発生を防いで設備機器の高寿命化を図り、安定した運転状態を保つことが重要である。これ故、この種の水処理設備においては、専らその循環水系を流れる水の質(例えば導電率やpH,イオンメータを用いて計測されるイオン濃度等)に応じて新たな水(補給水)を供給したり、更にはスケール防止剤等の水処理薬品を注入することで、その循環水系の水質を所定の条件下に保つことが行われる(例えば特許文献1,2を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−113649号公報
【特許文献2】
特開平8−159690号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで水処理設備に対する給水制御装置は、専ら、個々の水処理設備の種類とその仕様に応じて個別に設計された専用機器として実現されている。換言すれば水処理設備の種別(ボイラ、冷却塔、または冷凍機)によってその循環水系の構成が大きく異なり、また循環水の通流形態(気液の態様やその温度)が本質的に異なることから、制御対象とする水処理設備の種別とその仕様に応じて給水制御装置が設計されている。
【0005】
これに対して薬注装置については、専ら、水処理装置の種別および水処理薬品の種別に応じた専用機器として実現されている。そして制御対象とする水処理設備の付帯機器として組み込まれるものとなっている。
しかしながらこのような薬注装置を組み込んで水処理設備を構築した場合、水処理設備の種別とその仕様に応じて設計された給水制御に対する制御系と、該薬注装置による薬注制御に対する制御系とが個別に存在することになる。またその監視制御ユニットも別個に設けられるので、設備機器の構成が大掛かりなものとなることが否めない。そして給水制御装置での制御および薬注装置での制御が、互いに関連付けられることなくそれぞれ独立に実行されるので、循環水系の水質を一元的に管理することが非常に困難である。更には前述したように給水制御装置は、制御対象とする水処理設備の種別とその仕様に応じて個別に設計されるのでその製造コストが高く、ひいては水処理設備の機器コストや設置コストが高くなることが否めないと言う問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、循環水系を有する各種の水処理設備に容易に組み込むことができ、その水処理設備への給水および水処理薬品の注入を互いに関連させて制御して当該水処理設備における循環水系の水質を安定に維持するに好適な水質管理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明に係る水質管理装置は、循環水系を有する各種の水処理設備に組み込むことができ、その水処理設備における循環水系の水質を管理するに好適なものであって、
(1) 前記水処理設備に設けたセンサを介して当該水処理設備の循環水系に流れる水の水質、例えば導電率を計測する水質計測手段と、
(2) この水質計測手段にて計測される水質が、予め設定された水質となるように前記水処理設備の補給水弁またはブロー弁を開閉制御して前記水処理設備に対する給水を制御する給水管理手段と、
(3) 前記水質計測手段にて計測される水質または前記補給水弁/ブロー弁の開閉動作に応じて前記循環水系に流れる水の水質が予め設定された水質となるように前記水処理設備に対する水処理薬品の注入を制御する薬注管理手段と、
(4) 前記給水管理手段の制御対象を補給水弁またはブロー弁の一方に決定すると共に、前記薬注管理手段の動作態様を流量比例注入またはタイマ注入の一方に決定する設定器設定器と
を備えたことを特徴としている。
【0008】
ちなみに前記循環水系を有する水処理設備は、ボイラ、冷却塔、および冷凍機等からなる。そしてこの発明に係る水質管理装置は、これらの複数種の水処理設備の種別に拘わることなく、その制御対象とする任意の水処理整備に組み込んで用いられる。
また前記設定器は、好ましくは前記給水管理手段の制御対象を補給水弁またはブロー弁の一方に決定すると共に、決定した制御対象に応じてその弁開閉制御条件を設定する給水条件設定手段と、前記薬注管理手段の動作態様を流量比例注入またはタイマ注入の一方に決定すると共に、決定した動作態様に応じてその注入制御条件を設定する薬注条件設定手段とを備えたものとして実現される。
【0009】
このように構成された水質管理装置によれば、内蔵した給水管理手段および薬注管理手段の各動作条件を、設定器を用いて制御対象とする水処理設備の種別や仕様に合わせて調整することができるので、水処理設備の種別や該水処理設備における補給水の供給方式を示す仕様に応じて給水制御装置を個別に設計する必要がなく、複数種の水処理設備および水処理設備における補給水供給方式の異なりに対して汎用性を持たせることができる。また水処理設備の循環水系に流れる水の水質を、例えば当該水処理設備に設けたセンサを介して導電率として計測し、この導電率に従って給水制御と薬注制御とをそれぞれ実行させるので、そのセンシング系の共用化を図ることができる。更には水処理設備に対する給水制御と薬注制御とを容易に一元管理することが可能となる。
【0010】
この結果、水質管理装置自体の汎用化によりその製造コストの低減を図ると共に、この水質管理装置を組み込んで構築される水処理設備の機器コスト・設置コスト・運用コストの低減を図り、更にはその操作性や管理の容易化を図ることができる等の効果を奏することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る水質管理装置について説明する。
本発明に係る水質管理装置は、図1にその概要を示すようにその種別や仕様を異にする冷却塔A1,〜Ak、ボイラB1,〜Bm、および冷凍機C1,〜Cn等の循環水系を備えた水処理装置1に組み込まれる汎用型のものであって、制御対象とする水処理装置1に対して1対1に設けられる。
【0012】
この水質管理装置は、基本的には水処理設備1に設けたセンサ2を介して当該水処理設備1の循環水系に流れる水(循環水)の導電率を計測する導電率計測手段11と、この導電率計測手段11にて計測される循環水の導電率に応じて前記水処理設備1に対する給水を制御する給水管理手段12と、前記導電率計測手段11にて計測される循環水の導電率に応じて前記水処理設備1に対する水処理薬品の注入を制御する薬注管理手段13とを備える。更にこの水質管理装置は、前記水処理整備1の種別およびその仕様に合わせて前記給水管理手段12および前記薬注管理手段13の各動作条件を調整する設定器14を備えたことを特徴としている。
【0013】
ちなみに給水管理手段12は、循環水の導電率に応じて循環水の塩類濃度を管理し、循環水の塩類濃度がその設定値以下となるように前記水処理設備1の後述する補給水弁またはブロー弁を開閉制御して該水処理設備1に対する補給水の供給(給水)を制御するものである。また薬注管理手段13は、流量比例制御またはタイマ制御により水処理設備1に対する水処理薬品の注入(薬注)を制御するものである。尚、流量比例制御により薬注制御する場合には、前記給水管理手段12の管理の下で水処理設備1に供給される補給水の流量を、その補給水系に設けた流量計を用いて検出しながら実行される(流量検出手段15)。
【0014】
更に水質管理装置は、上述した各機能に加えて前述した導電率計測手段11にて計測される循環水の導電率や薬注量等を表示したり、その計測値や制御量等を外部出力する為の表示・出力手段16を備える。この表示・出力手段16による表示データの種別は、例えば前記設定器14からの指示により選択的に切り換えられる。またこの表示・出力手段16を用いて水処理設備1の運転状態や、この水処理設備1に対する当該水質管理装置の制御状態等が表示・出力される。
【0015】
さて基本的には上述したように構成される水質管理装置において、特にこの水質管理装置が特徴とするところは、前述した給水管理手段12および薬注管理手段13を備えると共に、制御対象とする水処理整備1の種別とその仕様とに合わせて前述した設定器14を用いて前記給水管理手段12および前記薬注管理手段13の各動作条件を調整し得るように構成している点にある。
【0016】
即ち、冷却塔A1,〜Ak、ボイラB1,〜Bm、および冷凍機C1,〜Cn等の水処理装置1は、その種別や仕様を異にするといえども循環水系を備えていることに変わりはなく、循環水の塩類濃度が高くなった場合には、補給水を供給することでその塩分濃度を低減し、また循環水の塩類濃度(導電率)に応じて水処理薬品を注入する点では共通している。しかし水処理装置1の種別や仕様によって、循環水の塩類濃度(導電率)の検出仕様、具体的には検出対象とする循環水の温度や導電率の値(範囲)が大きく異なったり、また補給水の供給の仕方(方式)やその供給流量等が異なることも事実である。
【0017】
そこで本装置においては各種の水処理装置1における補給水の供給の仕方(方式)が、補給水弁を開けることによって水処理装置(冷却塔/ボイラ/冷凍機)1に補給水を供給し、これによって生じる循環水の余剰分をオーバーフローさせて自動的に排出する方式(給水制御)と、水処理装置(冷却塔/ボイラ/冷凍機)1のブロー弁を開けて循環水を排出し、これに伴う循環水の不足分を補給水の自動供給によって賄う方式(ブロー制御)との2つに大別されること、また上記補給水弁またはブロー弁の開閉制御を、循環水の塩類濃度(導電率)に応じて行えば良く、弁の開閉制御形態には本質的な変わりがないことに着目し、その制御系自体を共有した1つの給水管理手段12として実現している。
【0018】
また各種の水処理装置1に対する水処理薬品の注入の制御が、専ら、所定時間毎に一定量の薬液を注入するか(タイマー制御)、或いは補給水の供給量に応じた量だけ水処理薬品を注入するか(流量比例制御)に大別されることに着目し、本装置においてこれらの制御の一方を選択的に実行する薬注管理手段13として実現している。
【0019】
そして前述した設定器14を用いて給水管理手段12の動作条件を、制御対象とする水処理装置1の仕様に応じて、具体的には補給水弁またはブロー弁を開として補給水を供給する上での循環水の導電率に対する動作条件を設定し、更に補給水弁またはブロー弁の開時間を補給水供給流量またはブロー流量に応じて設定している。また薬注管理手段13の動作条件を、制御対象とする水処理装置1の仕様に応じて、具体的には薬注を実行する上での循環水の導電率に対する動作条件を設定し、更に単位時間当たりの薬注量や補給水供給量や、ブロー弁または給水弁の開閉動作に対する薬注量を、水処理設備1における循環水量等の運転条件に応じて設定している。
【0020】
尚、循環水の導電率を計測する為の前述したセンサ2としては、通常、温度補償用センサ(温度センサ)を備えた3〜5電極型の導電率センサ、好ましくは4電極型の導電率センサが用いられるので、導電率計測手段11については、センサ2を介して検出される導電率の温度に対する補償を行う機能を備えたものとして実現すれば十分である。しかし循環水の温度によってはセンサ2としての機能が損なわれる場合も想定される。従って導電率計測手段11に、上記温度補償用センサ(温度センサ)を介して検出される循環水の温度に応じて上記センサ2を介して検出される導電率の計測値を無効化するような保護手段を組み込んでおくことも好適である。
【0021】
この水質管理装置について図2を参照して今少し詳しく説明する。
水処理装置1は、例えばボイラ/冷却塔1aと所定の熱交換器1bとの間に設けた循環水系を介して、熱の移送媒体としての水(蒸気)を循環させるように構成される。そして上記循環水系には、具体的にはボイラ/冷却塔1aには補給水弁1cを介して適宜補給水が供給され、また薬注ポンプ1dを介して所定の水処理薬品が注入されるようになっている。尚、図中1eは水処理薬品を貯留する薬液槽(薬液タンク)を示しており、1fはボイラ/冷却塔1aに設けられたブロー弁を示している。ちなみにボイラ/冷却塔1aへの補給水の供給は、前述したように前記補給水弁1cを開けて給水することによって、或いは前記ブロー弁1fを開けてその貯留部から循環水を排出することによって行われる。
【0022】
一方、水質管理装置は、前記水処理装置1に組み込まれたセンサ2を介して検出される循環水の導電率(電気伝導率)等に従って前記補給水弁1cまたはブロー弁1fの開閉を制御する給水管理手段12と、前記薬注ポンプ1dの作動を制御する薬注管理手段13とを備える。循環水の導電率の計測は、ボイラ/冷却塔1aに設けられた導電率センサ2aと、この導電率センサ2aと一体に設けられた温度センサ2bとを用い、循環水の温度を計測しながら上記導電率センサ2aを介して検出される導電率を温度補正することによって行われる。
【0023】
具体的には導電率検出器11aは前記導電率センサ2aを介して循環水の導電率を検出しており、また温度検出器11bは前記温度センサ2bを介して循環水の温度を検出している。そして温度補正部11cは、前記導電率センサ2aのセンシング特性が温度依存性を有することから、前記循環水の温度に応じて前記導電率検出器11aにより計測された導電率(生データ)を温度補正し、これによって循環水の導電率を精度良く求めるものとなっている。尚、温度管理部11dは、温度センサ2bを介して検出される循環水の温度を監視することで、前記導電率センサ2aを介して計測される導電率の信頼性を判定している。そして温度管理部11dは、例えば循環水の温度が導電率センサ2aの計測信頼性を損なう虞のある高温であるような場合、そのときに検出される循環水の導電率を無効化する等の対策を講じる機能を備えている。
【0024】
このような基本的な導電率検出手段11に加えて、この水質管理装置においては、水処理装置1の補給水系に設けられる導電率センサ2cを介して補給水の導電率を検出する第2の導電率検出器11eと、上記補給水系に設けられる流量センサ2dを介して補給水の流量を検出する流量検出器15を備えている。第2の補助導電率検出器11eは、循環水の導電率と補給水の導電率とから循環水の濃縮倍率を求め、この濃縮倍率に応じて補給水の供給を制御する場合に用いられるものである。また流量検出器15は、薬液の注入を流量比例制御により実行する場合に用いられるものである。
【0025】
水処理装置1の補給水系に導電率センサ2cが設けられない場合には、第2の導電率検出器11eが用いられないことは勿論のことである。そしてこの場合には、前述した循環水の導電率だけに従って補給水の供給制御が実行されることになる。また水処理装置1の補給水系に流量センサ2dが設けられない場合には、流量検出器15が用いられないことは言うまでもない。この場合には、薬液の注入が前述したタイマー制御によって実行されることになる。
【0026】
一方、水質管理装置の根幹をなす主制御部17は、所定の制御プログラムに従って前述した循環水の導電率に応じて給水制御および薬注制御をそれぞれ実行するものである。これらの各制御については互いに独立に実行させても良く、或いは相互に関連させながら実行させるようにしても良い。尚、給水制御および薬注制御の制御アルゴリズムについては、従来より種々提唱されているものを適宜用いるようにすれば良く、必要に応じてその制御アルゴリズムを修正・変更するようにしても良い。
【0027】
そしてこの主制御部17の制御の下で補給水制御部12aが駆動されて前記補給水弁1cまたはブロー弁1fに対する弁開放信号が発せられ、ボイラ/冷却塔1aに対する補給水の供給が実行される。また主制御部17の制御の下で薬注制御部13aが駆動されて薬注ポンプ1dに対する駆動信号が発せられ、ボイラ/冷却塔1aに対する水処理薬品の注入が実行される。尚、薬注制御部13aは薬注量積算器13bを備えている。この薬注量積算器13bは、例えば薬注ポンプ1dの駆動時間から水処理設備1に注入される水処理薬品の注入量を積算してモニタする役割を担う。
【0028】
設定器14は、上述した如くして水処理装置1に対する補給水の供給および水処理薬品の注入を実行する主制御部17に対して、その動作制御条件を設定する役割を担っている。この設定器14による動作制御条件の設定処理は、水処理設備1の種別および仕様に応じて、例えば水処理設備1の設置時に初期設定処理として実行される。即ち、設定器14は、例えば図3に水質管理装置の表面パネルの構成例を示すように、タッチ式の複数のモード切替スイッチ(操作釦)14aと、データ入力スイッチ(アップ・ダウン釦)14bとを備えて構成される。そして上記表面パネルに組み込まれた複数桁の数字表示器からなる表示部16bを用いて前記主制御部17における給水制御および薬注制御の制御値(管理値)等を表示しながら、データ入力スイッチ(アップ・ダウン釦)14bの選択的な操作によってその動作制御条件を設定するものとなっている。
【0029】
尚、図3において、16bは水質管理装置における動作モードや、制御対象とする水処理装置1の運転状態等を表示する動作表示器である。また水質管理装置には、図2に示すように前記導電率検出手段11により計測された循環水の導電率や、水質管理装置による水処理設備1に対する動作制御情報等を外部出力するデータ出力部16cや、これらのデータを所定の中央監視装置等に送信する通信機(モデム)16dが設けられる。このような機能を設けると、集中管理要求にも即時対応することができるので、実用上極めて好ましい。
【0030】
かくしてこのように構成された水質管理装置によれば、各種の水処理設備1において共通する補給水の供給と水処理薬品の注入とをそれぞれ制御するに必要な給水管理手段12と薬注管理手段13とを備えており、これらの給水管理手段12および薬注管理手段13の動作条件(制御条件)を、その制御対象とする水処理装置1の種別とその仕様、具体的には補給水の供給方式とに応じて設定器14を用いて設定し得るように構成されている。これ故、各種の水処理設備1の種別や仕様の異なりに拘わることなく、これらの水処理設備1に対して本装置(水質管理装置)を共通に使用することが可能となる。換言すれば本装置(水質管理装置)を、各種の水処理設備1に対して共通に使用可能な汎用性を持たせることができる。
【0031】
この結果、各種の水処理設備1毎に、その仕様に応じた制御装置を個別に設計・開発する必要がなくなる。従ってその設計・開発コストを抑えることができ、各種の水処理設備1に対する汎用性の高い水質管理装置を安価に提供することが可能となり、ひいては水処理設備自体の設備コストを大幅に低減することが可能となる。故に、その産業的利点が絶大である。
【0032】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば給水制御および薬注制御のアルゴリズム(制御プログラム)については、ROM等に登録しておくようにすれば良く、その制御パラメータ等を変更してその動作条件を設定・変更するようにすれば良い。また前述した表面パネルの構成(レイアウト)についても特に限定されるものでないことは言うまでもない。更にはその駆動源についても、例えばAC85〜250Vの入力電源に対して対応可能な電源回路を構築しておけば、各種の水処理設備に柔軟に対処することが可能となる。更に前述した各種のセンサ2については、水処理装置1に予め組み込まれているものを適宜利用しても良いことは勿論のことである。また水質については、前述した導電率のみならず、そのpH値やイオン濃度等を計測するようにすれば良い。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各種の水処理装置に対して共通に用いることのできる水質管理装置を安価に実現することができ、その実用的利点が絶大である。特に各種の水処理装置における基本的な水質管理の為の給水制御と薬注制御とを一元的に管理することができるので、その取り扱い性が非常に良好である等の効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水質管理装置の概略構成と水処理装置との関係を示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係る水質管理装置の概略的な構成を示す機能ブロック図。
【図3】図2に示す水質管理装置における表面パネルの構成例を示す図。
【符号の説明】
1 水処理設備
2 センサ
11 導電率検出手段
12 給水管理手段
13 薬注管理手段
14 設定器
15 表示・出力部
Claims (2)
- 循環水系を有する水処理設備に組み込まれて上記循環水系の水質を管理する水質管理装置であって、
前記水処理設備に設けたセンサを介して当該水処理設備の循環水系に流れる水の水質を計測する水質計測手段と、
この水質計測手段にて計測される水質が、予め設定された水質となるように前記水処理設備の補給水弁またはブロー弁を開閉制御して前記水処理設備に対する給水を制御する給水管理手段と、
前記水質計測手段にて計測される水質または前記補給水弁/ブロー弁の開閉動作に応じて前記循環水系に流れる水の水質が予め設定された水質となるように前記水処理設備に対する水処理薬品の注入を制御する薬注管理手段と、
前記給水管理手段の制御対象を補給水弁またはブロー弁の一方に決定すると共に、前記薬注管理手段の動作態様を流量比例注入またはタイマ注入の一方に決定する設定器と
を具備したことを特徴とする水質管理装置。 - 前記循環水系を有する水処理設備は、ボイラ、冷却塔、および冷凍機の中の1つの設備であって、
前記設定器は、前記給水管理手段の制御対象を補給水弁またはブロー弁の一方に決定すると共に、決定した制御対象に応じてその弁開閉制御条件を設定する給水条件設定手段と、前記薬注管理手段の動作態様を流量比例注入またはタイマ注入の一方に決定すると共に、決定した動作態様に応じてその注入制御条件を設定する薬注条件設定手段とを備える請求項1に記載の水質管理装置。
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