JP4711187B2 - 水処理薬剤の注入方法及びその注入システム - Google Patents

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Description

本発明は、空調用、各種工業用等の開放循環冷却水系に添加する水処理薬剤の注入方法及び水処理薬剤の注入システムに関するものである。
開放循環冷却水系に添加される水処理薬剤には、防食剤、スケール防止剤、スライム防除剤、及びこれらの各種成分を配剤し複数の効果を持たせた薬剤等がある。ここで、スライム防除剤は分解が早く、実質的に濃度不足現象が起こる。また防食剤にも、金属の腐蝕に伴い消費され、濃度不足現象の見られるものがある。
水処理薬剤の機能を十分発揮させる為には、開放循環冷却系で一定量以上の濃度を維持、管理することが必要である。そこで、開放循環冷却水系には、不足した水処理薬剤を適宜補充する必要が生じる。
開放循環冷却水系への水処理薬剤の注入方法として、タイマーによって薬注ポンプを制御する方法がある。また、パルス発信式流量計等で補給水の補給量を測定し、補給水に対して一定量の水処理薬剤を比例注入する方法が知られている。
タイマーによって薬注ポンプを制御する水処理薬剤の注入方法では、一定時間の経過後、一定量の水処理薬剤を投入するため、常に、水処理薬剤を投入することができるが、一定以上の濃度を確保するため、過剰に添加するしかなく、経済的でなかった。
補給水に対して水処理薬剤を比例注入する水処理薬剤の注入方法では、補給水の補給量に対して常に一定以上の新鮮な水処理薬剤が注入されるため、水処理薬剤の消費、分解には対応することができる。
しかし、開放循環冷却水系が何らかの理由で低濃度になった場合、補給水の補給量に対する注入量×冷却水の濃縮倍率で決定される開放循環冷却水系の薬剤濃度が、最低維持濃度に達せずに水処理薬剤の濃度不足がやはり起こる。つまり、負荷変動、濃縮倍率の変動に対応できない。特に、冬場などは、運転・停止を繰り返すことから、冷却水の濃縮倍率が安定せず、水処理薬剤の濃度不足がよく起こる。
また、トレーサー物質を用いた水処理薬剤の注入方法が開発されている。トレーサー物質として、蛍光物質、臭化物イオン、沃化物イオン、リチウムイオン、カリウムイオンなどがある。
特許文献1には、カリウムトレーサー法が開示されている。この方法では、迅速且つ簡便な測定方法として、イオン電極法の適用が示唆されている。
特開平4−296652号公報
また、特許文献2には、リチウムトレーサー法が開示されている。特許文献2記載の水処理薬剤の注入方法は、水処理薬剤と共にトレーサー物質としてのリチウムの水溶性塩を循環水系の被処理水中に添加し、リチウムイオン濃度により循環水系水中に添加した前記水処理薬剤の濃度管理を行う方法において、リチウムイオン電極の応答電位と、循環水系水の濃縮倍率及び/又は該濃縮倍率を求めるのに用い得る指標類の1つ以上の測定値から、循環水系水のリチウムイオン濃度を算出することを特徴とする。
特開2004−322058号公報
しかし、特許文献1、2記載の水処理薬剤の注入方法では、水処理薬剤濃度の測定方法としてイオン電極を使用するが、イオン電極の測定値の精度が低く正確な水処理薬剤の注入を行うことができなかった。
しかも、開放循環冷却水系の水処理薬剤濃度を一定に保とうとする従来の方法では、濃縮倍率が高く、水の入れ替わりが少ない水系では、水処理薬剤の入れ替わりも少なく、開放循環冷却水系内で水処理薬剤が消費、分解されてしまい、実質的に水処理薬剤の濃度不足が起きることがある。
そこで、本発明は、経済的で、冷却水の濃縮倍率に変動がある場合でも精度良く、濃度不足を起こすことなく、実質的な水処理薬剤の濃度を維持することができる開放循環冷却水系に添加される水処理薬剤の注入方法及びその注入システムを提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、第1に、熱交換器3cに冷却水2aを循環供給すると共にこの冷却水2aを冷却塔2で冷却し、且つ冷却水2aに補給水4aを供給するようにした開放循環冷却水系1への水処理薬剤の注入方法であって、注入する水処理薬剤5aの特性に応じて、該水処理薬剤5aの前記開放循環冷却水系1における最低維持濃度A及び前記補給水4aの補給量に対する最低注入量Bを設定し、前記最低維持濃度Aを前記最低注入量Bで割った値を基準濃縮倍率Nsとし、前記冷却水2aの電気伝導率Cvを常時測定し、前記冷却水2aの電気伝導率Cvを前記補給水4aの電気伝導率Cmで割った値である濃縮倍率Ncを前記基準濃縮倍率Nsと比較して、NcがNs以上の場合には、前記開放循環冷却水系1に注入される水処理薬剤5aの注入量を前記補給水4aの補給量に対してB以上とし、NcがNs未満の場合には、前記開放循環冷却水系1に注入される水処理薬剤5aの注入量を前記補給水4aの補給量に対してA/Nc以上とするように水処理薬剤5aを注入する薬注ポンプ5cを制御することを特徴とする水処理薬剤5aの注入方法の構成とした。第2に、濃縮倍率として、前記濃縮倍率Ncに、前記冷却水2aの実際の濃縮倍率と濃縮倍率Ncとの違いを補正する補正係数αを乗じた濃縮倍率Ncαを採用し、前記基準濃縮倍率Nsと比較することを特徴とする請求項1記載の水処理薬剤5aの注入方法の構成とした。第3に、熱交換器3cに冷却水2aを循環供給すると共にこの冷却水2aを冷却塔2で冷却し、且つ冷却水2aに補給水4aを供給するようにした開放循環冷却水系1に注入する水処理薬剤の注入システムであって、注入する水処理薬剤5aの特性に応じた、該水処理薬剤5aの前記開放循環冷却水系1における最低維持濃度A及び前記補給水4aの補給量に対する最低注入量Bを記憶する基礎データ記憶部と、前記冷却水2aの電気伝導率を測定する冷却水濃度測定手段によって検出された前記冷却水2aの電気伝導率Cv、及び、前記冷却水2aに補給される補給水4aの電気伝導率を測定する補給水濃度測定手段によって検出された前記補給水4aの電気伝導率Cm又は予め測定された前記冷却水2aに補給される補給水4aの電気伝導率Cm’を記憶する濃度記憶部と、前記基礎データ記憶部に記憶された最低維持濃度Aを前記基礎データ記憶部に記憶された最低注入量Bで割る演算部と、前記演算部で計算された値を基準濃縮倍率Nsとして記憶する基準濃縮倍率記憶部と、前記濃度記憶部に記憶された電気伝導率Cvを前記濃度記憶部に記憶された電気伝導率Cm又はCm’で割る濃縮倍率計算部と、前記濃縮倍率計算部で計算された値を濃縮倍率Ncとして記憶する濃縮倍率記憶部と、前記濃縮倍率記憶部に記憶された濃縮倍率Ncと前記基準濃縮倍率記憶部に記憶された基準濃縮倍率Nsを比較し、NcがNs以上の場合には、前記補給水4aの補給量に対する水処理薬剤5aの注入量を基礎データ記憶部に記憶された最低注入量B以上とし、NcがNs未満の場合には、前記補給水4aの補給量に対する水処理薬剤5aの注入量を最低維持濃度A/濃縮倍率Nc以上とするように水処理薬剤5aの開放循環冷却水系1への注入量を制御する注入手段を有した薬注制御装置6からなることを特徴とする水処理薬剤の注入システムの構成とした。第4に、前記注入手段が、前記補給水4aの補給量に対する水処理薬剤5aの注入量をパルスポンプにおけるパルス当たりの水処理薬剤5aの注入量Dで割って、必要パルス数Pを算出するパルス演算部と、前記必要パルス数Pをパルスポンプに出力し、パルスポンプの駆動を制御するパルスポンプ制御部からなるパルスポンプによる水処理薬剤5aの注入手段であることを特徴とする請求項3に記載された水処理薬剤の注入システムの構成とした。第5に、濃縮倍率として、記憶装置に、基礎データとして補正係数テーブルが記憶され、制御部が、濃縮倍率Ncに対応する補正係数αを、前記補正係数テーブルから抽出し、濃縮倍率に該補正係数αを乗じて、補正された濃縮倍率Ncαを採用することを特徴とする請求項3乃至請求項4の何れかに記載された水処理薬剤の注入システムの構成とした。第6に、前記冷却水2aの電気伝導率Cvを予め設定した設定電気伝導率Cbと比較するか、或いは、前記濃縮倍率Nc又はNcαを予め設定した設定濃縮倍率Nbと比較し、電気伝導率或いは濃縮倍率の値が大きかった場合に強制ブローを行って、開放循環冷却水系1の冷却水2aを置換する手段を備えたことを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れかに記載された水処理薬剤の注入システムの構成とした。
本発明は、以上の構成であるから、何らかの要因で、冷却水の濃縮倍率が低倍率になってしまった場合でも、水処理薬剤の濃度不足を起こすことが無く、及び、冷却水が濃縮過剰になってしまった場合でも、水処理薬剤の分解・消費よる実質的な水処理薬剤の濃度不足を回避することができる。また、パルスポンプを使用することで、薬注ポンプの制御が容易であり、精度良く水処理薬剤の注入ができる。さらに、補正係数αを利用することで、より正確な濃縮倍率が求められる。加えて、ブロー制御を実施することで濃縮倍率がほぼ一定になるよう管理され、より精度よく水処理薬剤の注入が可能になる。
これによって、水処理薬剤の効果が十分発揮され、開放循環冷却水系の各種装置の稼働年数が伸び、経済的である。
水処理薬剤5aの注入を最適に制御する目的を、熱交換器3cに冷却水2aを循環供給すると共にこの冷却水2aを冷却塔2で冷却し、且つ冷却水2aに補給水4aを供給するようにした開放循環冷却水系1への水処理薬剤5aの注入方法であって、注入する水処理薬剤5aの特性に応じて、該水処理薬剤5aの前記開放循環冷却水系1における最低維持濃度A及び前記補給水4aの補給量に対する最低注入量Bを設定し、前記最低維持濃度Aを前記最低注入量Bで割った値を基準濃縮倍率Nsとし、前記冷却水2aの電気伝導率Cvを常時測定し、前記冷却水2aの電気伝導率Cvを前記補給水4aの電気伝導率Cmで割った値であるNcに、前記冷却水2aの実際の濃縮倍率とNcとの違いを補正する補正係数αを乗じた濃縮倍率Ncαを前記基準濃縮倍率Nsと比較して、NcαがNs以上の場合には、前記開放循環冷却水系1に注入される水処理薬剤5aの注入量を前記補給水4aの補給量に対してB以上とし、NcαがNs未満の場合には、前記開放循環冷却水系1に注入される水処理薬剤5aの注入量を前記補給水4aの補給量に対してA/Nc以上とするように水処理薬剤5aを注入する薬注ポンプ5cを制御することを特徴とする水処理薬剤5aの注入方法の構成とすることで実現した。
以下、添付図面に基づいて、本発明である水処理薬剤の注入方法及び水処理薬剤の注入システムについて詳細に説明する。
図1は、本発明である水処理薬剤の注入システムが適用される開放循環冷却水系(一例)の概略図である。
開放循環冷却水系1は、冷却水2aを溜める水槽2dに冷却水2aを空冷するファン2eを取り付けた冷却塔2と、前記冷却塔2に連結し、前記冷却水2a(循環水3a)を循環ポンプ3bの駆動により冷凍機等の熱交換器3cに循環供給させ、前記冷却塔2に戻す循環ライン3と、前記冷却塔2に連結し、前記冷却水2aが減少したときに前記水槽2dの水位を保つために、又は前記冷却水2aの濃縮倍率が上昇したときに強制ブローを行うために補給水4aを注入する補給ライン4と、前記冷却水2aに水処理薬剤5aを注入する薬注装置5と、前記水処理薬剤5aの注入量を制御する薬注制御装置6と、前記冷却水2aの電気伝導率を測定する電気伝導率計7と、前記補給水4aの電気伝導率を測定する電気伝導率計8とからなる。
なお、水処理薬剤5aの濃度異常や冷却水2aの濃縮異常等を知らせるブザー音、通信信号を発生、送信する外部警報装置9を取り付けてもよい。
また、水槽2dには、水槽2dの水位が一定以上にならないように冷却水2aをオーバーフロー水2bとして排出するオーバーフロー機構が備えられている。また、冷却水2aをブロー水2cとして排出することができるブロー機構が備えられている。
補給ライン4は、水槽2dの水面の高さに連動するボールタップ4eが連結し、冷却水2aが減少したとき補給水4aを適宜補給するラインと、冷却水2aの濃縮倍率が上昇したときに強制ブローを行うために、補給水4aを強制的に補給する強制補給ライン4fと、水槽2dに補給された補給水4aの流量を測定する流量計4cを備え、地下水、水道水などである補給水4aを補給ポンプ4bで注入する。なお、強制補給ライン4fには、普段は閉鎖し、冷却水2aの濃縮倍率が上昇したときに開放することができる強制補給弁4gが備えられている。
また、流量計4cは、補給された補給水4aの補給量を測定し、薬注制御装置6に補給量を補給水量シグナル4dとして出力し、水処理薬剤の注入の基礎データとなる。
薬注装置5は、水処理薬剤5aを常時貯留するタンク5bと、水処理薬剤5aを冷却水2aに注入するための薬注ポンプ5cと、薬注ライン5dからなる。
薬注ポンプ5cは、流体を移送することができるポンプであれば、特に限定されないが、特にパルスポンプが望ましい。ここでは、パルスポンプである薬注ポンプ5cが、薬注制御装置6から薬注ポンプ5cの必要パルス数である薬注ポンプ運転シグナル5eを受けて、駆動する。
電気伝導率計7は、冷却水2aの電気伝導率を常時測定し、冷却水2aの電気伝導率を電気伝導率シグナル7aとして薬注制御装置6に出力する。電気伝導率シグナル7aは、水処理薬剤の注入量を決定する際の基礎データである冷却水2aの濃縮倍率の演算に利用される。
電気伝導率計8は、補給水4aの電気伝導率を定期的、或いは常時測定し、補給水4aの電気伝導率を電気伝導率シグナル8aとして薬注制御装置6に出力する。電気伝導率シグナル8aは、水処理薬剤の注入量を決定する際の基礎データである冷却水2aの濃縮倍率の演算に利用される。
なお、補給水4aの水質変動が少ない場合には、補給水4aの電気伝導率を定期的、或いは常時測定することなく、予め測定した補給水4aの電気伝導率を薬注制御装置6に入力しておき、その値を冷却水2aの濃縮倍率の演算に利用しても良い。
薬注ポンプ5cの運転制御は、薬注制御装置6によって行われる。薬注制御装置6は、薬注制御装置6に入力された、冷却水2aの電気伝導率である電気伝導率シグナル7aと、補給水4aの電気伝導率である電気伝導率シグナル8a、開放循環冷却水系1に補給された補給水4aの補給量である補給水量シグナル4dとを用いて、薬注ポンプ5cの必要パルス数を演算し、薬注ポンプ5cの必要パルス数である薬注ポンプ運転シグナル5eを薬注ポンプ5cに出力する。
薬注ポンプ5cは、薬注ポンプ運転シグナル5eに基づき駆動し、必要な量の水処理薬剤5aを冷却水2aに注入する。その結果、開放循環冷却水系1の水処理薬剤濃度が至適濃度に維持、管理されることとなる。
さらに、薬注制御装置6は、予め入力された設定電気伝導率Cbと冷却水2aの電気伝導率Cvとを比較して、CbがCvより大きかった場合、或いは、予め入力された設定濃縮倍率Nbと冷却水2aの濃縮倍率Ncとを比較して、NbがNcより大きかった場合に強制補給シグナル4hを強制補給弁4gに出力し、強制補給弁4gの開閉を制御する。
図2は、薬注制御装置のブロック図である。薬注制御装置6は、少なくとも入力装置6a、記憶装置6b、出力装置6c及び中央処理装置(CPU)などの制御部6dからなる。
入力装置6aは、薬注制御装置6に水処理薬剤5aの冷却水2a中の最低維持濃度A、補給水4aの補給量に対する最低注入量B、予め測定した補給水4aの電気伝導率Cm’など設定値(データ)を入力し、プログラムの実行指令を与える装置であり、マウス、キーボード又はタッチパネル等が該当する。尚、入力されたデータ等は記憶装置6bに記憶される。
記憶装置6bは、薬注制御装置6(コンピュータ)読み取り可能な記憶媒体であり、作業領域となる主記憶装置(メモリ)と、保存領域となる補助記憶装置とからなる。補助記憶装置には、ハードディスクやデータベース等があるが、フレキシブルディスクやコンパクトディスク等の記憶媒体も含めるものとする。
また、記憶装置6bには、少なくとも、水処理薬剤5aの特性に応じて決定される、開放循環冷却水系1に対する水処理薬剤5aの最低維持濃度A及び補給水4aの補給量に対する水処理薬剤5aの最低注入量Bである基礎データを記憶する基礎データ記憶部と、冷却水2aの電気伝導率Cvを測定する冷却水濃度測定手段によって検出された電気伝導率Cv、及び補給水4aの電気伝導率Cmを測定する補給水濃度測定手段によって検出された電気伝導率Cmまたは予め測定された補給水4aの電気伝導率Cm’を記憶する濃度記憶部と、演算部で計算された値を基準濃縮倍率Nsとして記憶する基準濃縮倍率記憶部と、濃縮倍率計算部で計算された値を濃縮倍率Ncとして記憶する濃縮倍率記憶部とがある。
最低維持濃度Aとは、水処理薬剤5aが効果を発揮するために冷却水2a中で最低限維持すべき濃度であり、水処理薬剤5a中の有効成分の種類、濃度、効能、要求される効果等に応じて適宜決定される。
また、最低注入量Bとは、水処理薬剤5aが効果を発揮するために補給水4aに対して注入すべき最低濃度であり、水処理薬剤5a中の有効成分の種類、濃度、効能、要求される効果、および分解または消費速度等に応じて適宜決定される。
また、記憶装置6bには、流量計4cから補給水量シグナル4dとして出力された開放循環冷却水系1に補給された補給水4aの補給量データ、電気伝導率計7から電気伝導率シグナル7aとして出力された冷却水2aの電気伝導率Cv、及び電気伝導率計8から電気伝導率シグナル8aとして出力された補給水4aの電気伝導率Cm、或いは予め測定された冷却水2aに補給される補給水4aの電気伝導率Cm’も記憶される。
さらに、必要に応じて、強制ブローを行うための設定電気伝導率Cb又は設定濃縮倍率Nb、及び補正係数テーブルを記憶する。
補正係数テーブルとは、電気伝導率から計算される冷却水2aの濃縮倍率を実際の冷却水2aの濃縮倍率に補正するための値で、例えば、補給水4aを実験的に濃縮し、水の収支や塩化物イオン濃度等から求めた実際の濃縮倍率を電気伝導率から求めた濃縮倍率で除した値を、電気伝導率から計算した各濃縮倍率に対応する補正係数として採用することが出来る。
出力装置6cは、記憶装置6bに記憶されているデータ等を出力する装置であり、ディスプレイ(モニタ)又はプリンタ等が該当する。
制御部6dは、薬注制御装置6の中枢となる装置(CPU)であり、プログラムの実行を行う。実行に際しては、プログラムを解析し、データに対して計算を行う演算命令や、入力装置6a、記憶装置6b、出力装置6c、薬注ポンプ5c、各種ポンプ、弁の開閉に対する制御命令を出す。
具体的には、制御部6dには、基礎データ記憶部に記憶された最低維持濃度Aを基礎データ記憶部に記憶された最低注入量Bで割る演算部と、濃度記憶部に記憶された電気伝導率Cvを前記濃度記憶部に記憶された電気伝導率Cm又はCm’で割る濃縮倍率計算部と、があり前記濃縮倍率記憶部に記憶された濃縮倍率Ncと前記基準濃縮倍率記憶部に記憶された基準濃縮倍率Nsを比較し、NcがNs以上の場合には、前記補給水4aの補給量に対する水処理薬剤5aの注入量を基礎データ記憶部に記憶された最低注入量B以上とし、NcがNs未満の場合には、前記補給水4aに対する水処理薬剤5aの注入量を最低維持濃度A/濃縮倍率Nc以上とするように水処理薬剤5aの開放循環冷却水系1への注入量を制御する注入手段を有する。
注入手段は、前記補給水4aの補給量に対する水処理薬剤5aの注入量をパルスポンプにおけるパルス当たりの水処理薬剤5aの注入量Dで割って、必要パルス数Pを算出するパルス演算部と、前記必要パルス数Pをパルスポンプに出力し、パルスポンプの駆動を制御するパルスポンプ制御部からなる。
図3は、薬注制御装置によって制御される水処理薬剤の注入システムを示すフローチャートである。枠の中に、ある種の水処理薬剤5aを注入する場合について、具体的な数値を示した。ここでは、薬注ポンプ5cとして、パルスポンプを使用した場合について説明する。
入力ステップ11は、まず、入力装置6aを介して管理者によって、各水処理薬剤5aに対応した開放循環冷却水系1に対する水処理薬剤5aの最低維持濃度A及び補給水4aの補給量に対する水処理薬剤5aの最低注入量Bである基礎データを基礎データ記憶部に記憶するステップである。
ここでは、下記の条件が基礎データとして記憶されているとして、以下説明する。
最低維持濃度A : 250mg/l
最低注入量B : 50mg/l
基準濃縮倍率Ns: 5(A/B)
また、パルス当たりの薬剤注入量D=2[g/P]とする。なお、単位のPはパルス数である。これら、基礎データは、注入する水処理薬剤5aの特性、使用するパルスポンプの性能によって、適宜決定される。また、強制ブローを行うための設定電気伝導率Cb又は設定濃縮倍率Nbも入力される。
補給ステップ12は、入力ステップ11を経た後に、冷却水2aが蒸発による自然減少、何らかのトラブルによる減少により補給水4aを補給すること、又は、強制ブローにより強制補給弁4gを開放することで、補給水4aが補給されるステップである。このように補給水4aが補給された後、即ち流量計4cが補給を感知し、補給水4aの補給量を補給水量シグナル4dとして、薬注制御装置6に出力し、薬注制御装置6が受けとったことにより、水処理薬剤5aの注入が開始される。
Nc値算出ステップ13は、制御部6dが、記憶装置6bに記憶された電気伝導率Cv、電気伝導率Cm(Cm’)を読み込み、演算部でCv/Cm(Cm’)を演算し、濃縮倍率Ncを求め、基準濃縮倍率記憶部に記憶されていた基準濃縮倍率Nsと比較する。
なお、演算の結果求められた濃縮倍率Ncは、一時記憶装置6bに記憶してもよい。濃縮倍率Ncが、基準濃縮倍率Nsより小さければ、次の注入係数算出ステップ14に進む。例えば、Nc=3であった場合である。
一方、求められた濃縮倍率Ncと、基準濃縮倍率記憶部に記憶されていた基準濃縮倍率Nsと比較した結果、濃縮倍率Ncが、基準濃縮倍率Ns以上の値であったならば、必要パルス数算出ステップ17に進む。例えば、Nc=6であった場合である。なお、必要パルス数算出ステップ17については、後述する。
ここで、必要に応じて、補正係数αを用いて濃縮倍率を補正することができる。補正係数αによる濃縮倍率の補正は、制御部6dが、基礎データ記憶部に記憶された補正係数テーブルを読み込み、電気伝導率から求めた濃縮倍率Ncに対応する補正係数αを抽出し、電気伝導率から求めた濃縮倍率Ncに、前記補正係数αを乗じて、基準濃縮倍率Nsと比較する補正後の濃縮倍率Ncαとする。この後、上記各ステップを実行する。
これにより、より正確な冷却水2aの濃縮倍率が得られ、より的確な水処理薬剤5aの注入が可能となる。なお、補正後の濃縮倍率Ncαは、一時記憶装置6bに記憶してもよい。
注入係数算出ステップ14は、制御部6dが、薬注ポンプ5cの駆動に必要なパルス数を求めるための注入係数Xを、基礎データ記憶部から、注入する水処理薬剤5aに対応する最低維持濃度Aを読み出し、最低維持濃度Aを前記Nc値算出ステップ13で得られた濃縮倍率Nc又は補正後の濃縮倍率Ncαで割り、求める。なお、求められた注入係数Xは、一時記憶装置6bに記憶してもよい。
ここでは、最低維持濃度A=250mg/l、濃縮倍率Nc=3であるから、注入係数Xは、250[mg/l]/3=約83mg/lとなる。
必要パルス数算出ステップ15は、制御部6dが、薬注ポンプ5cの駆動に必要な補給水4aの補給量1m当たりのパルス数Pを、基礎データ記憶部に記憶された薬注ポンプ5cの性能によって決定されるパルス当たりの薬剤注入量Dを読み込み、薬剤注入量Dで、前記注入係数算出ステップ14で得られた注入係数Xを割り、求める。なお、求められた必要パルス数Pは、一時記憶装置6bに記憶してもよい。
ここでは、注入係数X=83mg/l、パルス当たりの薬剤注入量D=2[g/P]、であるから、必要パルス数P[P/m]は、83[mg/l]/2[g/P]=約42P/mとなる。
薬注ポンプ運転シグナル出力ステップ16は、制御部6dが、薬注ポンプ運転シグナル5e、即ち前記求められた必要パルス数Pを、薬注ポンプ5cに出力する。
薬注ポンプ運転ステップ19は、薬注ポンプ5cが、薬注ポンプ運転シグナル5eを受けて、必要パルス数Pに応じて駆動する。これにより、タンク5bに貯留されている水処理薬剤5aが薬注ライン5dを通り、冷却水2aに注入される。
この後、補給水4aが注入されるまで、水処理薬剤の注入システムは、一時待機状態となり、再度補給水4aが補給され、流量計4cから補給水量シグナル4dが、薬注制御装置6に入力され、記憶装置6bに補給量が記憶される補給ステップ12に戻り、再び水処理薬剤5aの注入が開始される。
このように、本発明である水処理薬剤の注入方法、及びその注入システムでは、補給水4aの注入を契機に繰り返し、リアルタイムで水処理薬剤5aを注入することができる。
加えて、冷却水2aの電気伝導率Cv、または電気伝導率から求めた濃縮倍率Ncを基に、開放循環冷却水系1の水を常時、ある一定の濃縮倍率以下に保持・調整することができる。
濃縮倍率の調整は、制御部6dが、測定された冷却水2aの電気伝導率Cvと基礎データとして基礎データ記憶部に記憶された設定電気伝導率Cbを比較するか、或いは、濃縮倍率Ncと、基礎データとして基礎データ記憶部に記憶された設定濃縮倍率Nbを比較し、設定電気伝導率Cb或いは設定濃縮倍率Nbより、電気伝導率Cv或いは濃縮倍率Ncの値が大きければ、強制補給弁4gを開放する指示である強制補給シグナル4hを強制補給弁4gに出力し、補給水4aを水槽2dに強制補給することで行う。
補給水4aを水槽2dに強制補給すると、水槽2d内の水位が上昇し、冷却水2aの一部がオーバーフロー水2bとして排出(ブロー)され、補給水4aと置換されることで冷却水2aが希釈され、冷却水2aの濃縮倍率が低下する。
なお、ここでは、補給水4aを強制補給した場合の強制ブローについて説明したが、ブロー水2cの排出ラインに自動弁を設け、その自動弁の開閉を制御することで強制ブローを行うこともできる。
以下、Nc値算出ステップ13で、濃縮倍率Ncが、基準濃縮倍率Ns以上の場合にいて説明する。ここでは、濃縮倍率Nc=6とする。Nc値算出ステップ13で、求められたNcが6であるので、必要パルス数算出ステップ17に進む。
必要パルス数算出ステップ17は、制御部6dが、必要パルス数Pを、基礎データとして基礎データ記憶部に記憶された最低注入量B、及びパルス当たりの薬剤注入量Dを読み込み、最低注入量Bを薬剤注入量Dで割り、求める。求められた必要パルス数Pは、一時記憶装置6bに記憶してもよい。
ここでは、最低注入量B=50mg/l、薬剤注入量D=2[g/P]であるから、必要パルス数P[P/m]は、50[mg/l]/2[g/P]=25[P/m]となる。
薬注ポンプ運転シグナル出力ステップ18は、制御部6dが、薬注ポンプ運転シグナル5e、即ち前記求められた必要パルス数Pを、薬注ポンプ5cに出力する。続いて、薬注ポンプ運転ステップ19に移行し、上記同様補給ステップ12に戻り、冷却水2aの濃縮度合いに応じて、水処理薬剤5aの注入量を制御する。
図4は、補正係数αの説明図である。ここで補正係数αとは、冷却水2aの電気伝導率Cvと、補給水4aの電気伝導率Cm(Cm’)の比から求めた計算上の冷却水2aの濃縮倍率Ncを、実際の濃縮倍率に近づけるための係数である。
開放循環冷却水系1の冷却水2aが濃縮されると、濃縮倍率が高くなるにつれ、難溶解性の炭酸カルシウム等が析出し、電気伝導率から求めた濃縮倍率は、実際の濃縮倍率から乖離し、濃縮倍率に誤差を生じる。この誤差は、より高い濃縮倍率で顕著に表れる。濃縮倍率に誤差が生じると、当然に、水処理薬剤5aの濃度が規定の値になるように注入することができないこととなる。
そこで、電気伝導率から求められた濃縮倍率Ncの誤差を補正するため、予め補正係数αのデータテーブルである補正係数データテーブルを求め、基礎データとして、入力ステップ11において、管理者が、入力装置6aを介して、基礎データ記憶部に入力する。
以下、補正係数データテーブルの求め方を説明する。補正係数αは、予め、被処理水に使用される補給水4aを濃縮して、電気伝導率と指標となる溶解性の高いイオン、塩化物イオン、カリウムイオン、リチウムイオン等の濃度を測定することで実験的に求めることができる。
以下、補正係数αを決定するための実験方法について説明する。先ず、開放循環冷却水系1に使用される補給水4aを適宜濃縮し、電気伝導率基準で1〜10倍の濃縮水を作成した。次に、各濃縮倍率に対応する濃縮水中の塩化物イオン濃度をイオンクロマトグラフ法によって測定し、補正係数αを算出した。
補正係数αの算出方法を以下に説明する。図4のa.電気伝導率より計算した濃縮倍率とは、濃縮水の電気伝導率を補給水4aの電気伝導率で除して求めた値であり、各々が前記濃縮倍率1〜10倍の濃縮水に対応する。図4のb.塩化物イオン濃度より計算した濃縮倍率とは、前記濃縮倍率1〜10倍の濃縮水中の塩化物イオン濃度の測定値を補給水4a中の塩化物イオン濃度で除した値である。
上述のように計算した各濃縮倍率によって各濃縮倍率に対応する補正係数αを計算した。具体的には、c.補正係数α=b.塩化物イオン濃度より計算した濃縮倍率/a.電気伝導率より計算した濃縮倍率によって求められる。
このようにして求められた補正係数データテーブル(式としてもよい)から、リアルタイムに電気伝導率から求めた濃縮倍率Ncに対応する補正係数αを抽出し、電気伝導率から求めた濃縮倍率Ncに、前記補正係数αを乗じて、基準濃縮倍率Nsと比較する補正後の濃縮倍率Ncαとする。これにより、より正確な濃縮倍率が求められ、より正確な水処理薬剤5aの注入が可能となる。
なお、ここで決められた補正係数αは、開放循環冷却水系1の補給水4aの水質が日本の上水、地下水等の平均的な水質(標準的な水)と極端に異ならなければ、標準的な水を用いて求めた補正係数αの値を使用することもできる。したがって、標準的な水で一度補正係数αの値を決定すれば、必ずしも都度対象となる補給水4aを濃縮して補正係数αの値を決定する必要は無い。
しかし、硬度が極端に高い等、補給水4a水質が日本の平均的な水質と極端に異なる場合は、上述のような方法により改めて開放循環冷却水系1の補給水4aの濃縮を行い、補正係数αを決定することが、正確な濃縮倍率を求めるには必要である。
ここで、補正係数αとしては、特に開放循環冷却水系1の補給水4aの水質が極端に日本の平均的水質と異なることがなければ、図4の補正係数αをそのまま採用することができる。また、図4に合致する数値の無い中間的な濃縮倍率に対応する補正係数αについては、さらに細かく実験的に求めた値を採用しても良いし、図4において、近い濃縮倍率に対応する補正係数αの値を用いたり、その値から推定される値を用いることもできる。
本発明である水処理薬剤の注入システムが適用される開放循環冷却水系(一例)の概略図である。 薬注制御装置のブロック図である。 薬注制御装置によって制御される水処理薬剤の注入システムを示すフローチャートである。 補正係数αの説明図である。
符号の説明
1 開放循環冷却水系
2 冷却塔
2a 冷却水
2b オーバーフロー水
2c ブロー水
2d 水槽
2e ファン
2f 強制ブロー弁
3 循環ライン
3a 循環水
3b 循環ポンプ
3c 熱交換器
4 補給ライン
4a 補給水
4b 補給ポンプ
4c 流量計
4d 補給水量シグナル
4e ボールタップ
4f 強制補給ライン
4g 強制補給弁
4h 強制補給シグナル
5 薬注装置
5a 水処理薬剤
5b タンク
5c 薬注ポンプ
5d 薬注ライン
5e 薬注ポンプ運転シグナル
6 薬注制御装置
6a 入力装置
6b 記憶装置
6c 出力装置
6d 制御部
7 電気伝導率計
7a 電気伝導率シグナル
8 電気伝導率計
8a 電気伝導率シグナル
9 外部警報装置
11 入力ステップ
12 補給ステップ
13 Nc値算出ステップ
14 注入係数算出ステップ
15 必要パルス数算出ステップ
16 薬注ポンプ運転シグナル出力ステップ
17 必要パルス数算出ステップ
18 薬注ポンプ運転シグナル出力ステップ
19 薬注ポンプ運転ステップ

Claims (6)

  1. 熱交換器に冷却水を循環供給すると共にこの冷却水を冷却塔で冷却し、且つ冷却水に補給水を供給するようにした開放循環冷却水系への水処理薬剤の注入方法であって、注入する水処理薬剤の特性に応じて、該水処理薬剤の前記開放循環冷却水系における最低維持濃度A及び前記補給水の補給量に対する最低注入量Bを設定し、前記最低維持濃度Aを前記最低注入量Bで割った値を基準濃縮倍率Nsとし、前記冷却水の電気伝導率Cvを常時測定し、前記冷却水の電気伝導率Cvを前記補給水の電気伝導率Cmで割った値である濃縮倍率Ncを前記基準濃縮倍率Nsと比較して、NcがNs以上の場合には、前記開放循環冷却水系に注入される水処理薬剤の注入量を前記補給水の補給量に対してB以上とし、NcがNs未満の場合には、前記開放循環冷却水系に注入される水処理薬剤の注入量を前記補給水の補給量に対してA/Nc以上とするように水処理薬剤を注入する薬注ポンプを制御することを特徴とする水処理薬剤の注入方法。
  2. 濃縮倍率として、前記濃縮倍率Ncに、前記冷却水の実際の濃縮倍率と濃縮倍率Ncとの違いを補正する補正係数αを乗じた濃縮倍率Ncαを採用し、前記基準濃縮倍率Nsと比較することを特徴とする請求項1記載の水処理薬剤の注入方法。
  3. 熱交換器に冷却水を循環供給すると共にこの冷却水を冷却塔で冷却し、且つ冷却水に補給水を供給するようにした開放循環冷却水系に注入する水処理薬剤の濃度を制御する水処理薬剤の注入システムであって、注入する水処理薬剤の特性に応じた、該水処理薬剤の前記開放循環冷却水系における最低維持濃度A及び前記補給水の補給量に対する最低注入量Bを記憶する基礎データ記憶部と、前記冷却水の電気伝導率を測定する冷却水濃度測定手段によって検出された前記冷却水の電気伝導率Cv、及び、前記冷却水に補給される補給水の電気伝導率を測定する補給水濃度測定手段によって検出された前記補給水の電気伝導率Cm又は予め測定された前記冷却水に補給される補給水の電気伝導率Cm’を記憶する濃度記憶部と、前記基礎データ記憶部に記憶された最低維持濃度Aを前記基礎データ記憶部に記憶された最低注入量Bで割る演算部と、前記演算部で計算された値を基準濃縮倍率Nsとして記憶する基準濃縮倍率記憶部と、前記濃度記憶部に記憶された電気伝導率Cvを前記濃度記憶部に記憶された電気伝導率Cm又はCm’で割る濃縮倍率計算部と、前記濃縮倍率計算部で計算された値を濃縮倍率Ncとして記憶する濃縮倍率記憶部と、前記濃縮倍率記憶部に記憶された濃縮倍率Ncと前記基準濃縮倍率記憶部に記憶された基準濃縮倍率Nsを比較し、NcがNs以上の場合には、前記補給水の補給量に対する水処理薬剤の注入量を基礎データ記憶部に記憶された最低注入量B以上とし、NcがNs未満の場合には、前記補給水の補給量に対する水処理薬剤の注入量を最低維持濃度A/濃縮倍率Nc以上とするように水処理薬剤の開放循環冷却水系への注入量を制御する注入手段を有した薬注制御装置からなることを特徴とする水処理薬剤の注入システム。
  4. 前記注入手段が、前記補給水の補給量に対する水処理薬剤の注入量をパルスポンプにおけるパルス当たりの水処理薬剤の注入量Dで割って、必要パルス数Pを算出するパルス演算部と、前記必要パルス数Pをパルスポンプに出力し、パルスポンプの駆動を制御するパルスポンプ制御部からなるパルスポンプによる水処理薬剤の注入手段であることを特徴とする請求項3に記載された水処理薬剤の注入システム。
  5. 濃縮倍率として、記憶装置に、基礎データとして補正係数テーブルが記憶され、制御部が、濃縮倍率Ncに対応する補正係数αを、前記補正係数テーブルから抽出し、濃縮倍率に該補正係数αを乗じて、補正された濃縮倍率Ncαを採用することを特徴とする請求項3乃至請求項4の何れかに記載された水処理薬剤の注入システム。
  6. 前記冷却水の電気伝導率Cvを予め設定した設定電気伝導率Cbと比較するか、或いは、前記濃縮倍率Nc又はNcαを予め設定した設定濃縮倍率Nbと比較し、電気伝導率或いは濃縮倍率の値が大きかった場合に強制ブローを行って、開放循環冷却水系の冷却水を置換する手段を備えたことを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れかに記載された水処理薬剤の注入システム。
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