JP2019098331A - 薬注制御装置、薬剤管理装置、水処理システム、薬注制御方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の目的は、水系統への薬剤の注入量を適正化する薬注制御装置、薬剤管理装置、水処理システム、薬注制御方法、およびプログラムを提供することにある。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、一実施形態に係る水処理システムの構成を示す概略ブロック図である。
第1の実施形態に係る水処理システム100は、発電プラント10に設けられる。水処理システム100は、発電プラント10の循環水系統に薬剤を注入することで、循環水系統に生じる複数の障害因子(例えば、腐食、スケーリング、ファウリングなど)を抑制する。
ボイラ11は、水を蒸発させて蒸気を発生させる。蒸気タービン12は、ボイラ11が発生させた蒸気により回転する。発電機13は、蒸気タービン12の回転エネルギーを電力に変換する。復水器14は、蒸気タービン12から排出される蒸気と冷却水とを熱交換させ、蒸気を水に戻す。純水装置15は、純水を生成する。冷却塔16は、復水器14で熱交換された冷却水を冷却する。
第1薬注ライン104は、蒸気循環ライン101に防食剤、防スケール剤、スライムコントロール剤などの薬剤を供給するためのラインである。第1薬注ライン104は、薬剤を貯留する第1薬剤タンク1041と、第1薬剤タンク1041から蒸気循環ライン101へ薬剤を供給する第1薬注ポンプ1042とを備える。
第2排水ライン107は、冷却水循環ライン105を循環する水の一部を排水処理装置109へ排出するためのラインである。第2排水ライン107には、ブロー弁1071および排水質センサ1072が設けられる。ブロー弁1071は、冷却水循環ライン105から排水処理装置109へブローする排水の量を制限する。排水質センサ1072は、第2排水ライン107から排出される排水の水質を検出する。排水質センサ1072は、検出した水質を示す排水質指標値を薬注制御装置110に出力する。
薬注制御装置110は、循環水質センサ1052、補給水質センサ1062、および排水質センサ1072が検出した水質、および環境測定装置111が測定する発電プラント10周辺の環境データに基づいて、第4給水ポンプ1061の動力、ブロー弁1071の開度、および第2薬注ポンプ1082の注入量(プランジャのストローク量またはストローク数)を決定する。
運転監視装置112は、発電プラント10の運転データを測定し、運転データを生成する。運転データの例としては、発電プラント10の出力、各種(蒸気、水、冷却水、薬品など)流量、ボイラの温度や圧力、冷却水温度、冷却塔の風量などが挙げられる。
各第2薬剤タンク1081には、上述したように、循環水系統である冷却水循環ライン105の複数の障害因子の少なくとも1つに作用する薬剤が貯留される。
薬剤の例としては、防食剤、防スケール剤、スライムコントロール剤などが挙げられる。防食剤の例としては、リン酸塩、ホスホン酸塩、二価金属塩、カルボン酸系低分子ポリマー、亜硝酸塩、クロム酸塩、アミン・アゾール類などが挙げられる。防スケール剤の例としては、塩酸、硫酸、ホスホン酸、酸性ポリマーなどが挙げられる。スライムコントロール剤の例としては、次亜塩素酸塩、クロラミン、ハロゲン化合物などが挙げられる。
図2は、一実施形態に係る薬注制御装置の構成を示す概略ブロック図である。
第1の実施形態に係る薬注制御装置110は、水質指標値取得部1101、環境データ取得部1102、運転データ取得部1103、モデル記憶部1104、決定部1105、制御部1106を備える。
運転データ取得部1103は、運転監視装置112から発電プラント10の運転データ(発電プラント10の出力、ボイラの温度や圧力など)をプラントデータとして取得する。
薬注モデルは、例えばニューラルネットワークなどの機械学習モデルである。薬注モデルは、予め、各水質指標値とプラントデータと、このときの各薬剤の注入量との組み合わせを教師データとして学習されたものである。図3は、薬注モデルの学習に用いられる教師データの一例である。教師データは、例えば、予め技術者によって作成される。また、教師データは、既知の情報から自動的に生成されたものであってもよい。例えば、予め機械学習等により、水質指標値とプラントデータと一定時間後の水質指標値との関係を表す負荷変動モデルを求めておくことで、水質指標値と各薬剤の注入量との既知の関係と、負荷変動モデルとに基づいて教師データを自動的に生成することができる。具体的には、水質指標値とプラントデータを乱数によって求め、これらを負荷変動モデルに入力することで一定時間後の水質指標値を得て、水質指標値に対する各薬剤の注入量を既知の計算式に当てはめて求めることで、水質指標値とプラントデータと各薬剤の注入量との組み合わせを得ることができる。
図4は、水質指標値とプラントデータとある薬剤の注入量と一定時間後の水質指標値の関係を示す負荷変動モデルの例を示すグラフである。図4に示すような負荷変動モデルが既知である場合、水質指標値とプラントデータの値が与えられたときに、一定時間後の水質指標値(すなわち一定時間後のリスク)を一定値以下に抑えるために必要なある薬剤の注入量を決定することができる。つまり、プラントデータと水質指標値を乱数によって決定し、負荷変動モデルに代入することで、必要な薬剤の注入量を得ることができる。これにより、負荷変動モデルを用いて水質指標値とプラントデータと薬剤の注入量との組み合わせである教師データを自動的に生成することができる。
次に、本実施形態に係る薬注制御装置110の動作について説明する。
図5は、一実施形態に係る薬注制御装置の動作を示すフローチャートである。
薬注制御装置110が起動すると、薬注制御装置110は、以下に示す処理を一定時間ごとに実行する。
このように、第1の実施形態によれば、薬注制御装置110は、循環水系統である冷却水循環ライン105の水の障害因子毎の水質指標値に基づいて、成分の異なる複数の薬剤それぞれの水系統への注入量を決定する。これにより、調合された1種類の薬剤を用いて水質を調整する場合と比較して、複数の障害因子のそれぞれに作用する成分の量を、必要最小限な量まで、低減することができる。
すなわち、防食剤と防スケール剤とスライムコントロール剤とを所定の割合で配合した1種類の薬剤を用いる場合、薬剤の注入量は、最もリスクが高い障害因子によって決定される。例えば、1種類の薬剤を用いる場合、腐食リスクが高く、スケーリングリスクが低いときに、腐食リスクに合わせて薬剤の注入量が決定されるため、スケーリングリスクが小さいにも関わらず多量の防スケール剤が注入されることとなる。
他方、第1の実施形態によれば、薬注制御装置110が異なる成分の複数の薬剤それぞれの注入量を決定することで、各障害因子に応じた各薬剤の最小限の注入量を決定することができる。例えば、第1の実施形態によれば、防食剤と防スケール剤の注入量を異ならせることができるため、薬注制御装置110は、腐食リスクが高く、スケーリングリスクが低いときに、防スケール剤が多量に注入されることを防ぐことができる。
薬剤の種類によっては、他の特定の薬剤と混ぜることで、障害因子を誘発するものがある。例えば、混ぜることで沈殿が生じ、スケーリングの発生に寄与する薬剤の組み合わせがある。したがって、薬注制御装置110は、このような薬剤の組み合わせを避けるように各薬剤の注入量を決定することが好ましい。
第2の実施形態に係る薬注制御装置110は、これに鑑みて、禁止される薬剤の組み合わせを含む制約条件に基づいて、複数の薬剤それぞれの注入量を決定する。
他方、モデル記憶部1104が記憶する薬注モデルの学習方法が、第1の実施形態と異なる。具体的には、第2の実施形態に係る薬注モデルは、学習課程において、制約条件に基づくペナルティが加味される。
一般的なニューラルネットワークモデルにおいては、教師データに含まれる入力値から得られた出力値(暫定出力値)と教師データに含まれる出力値(正解出力値)とを比較し、その差が大きいほど大きくなるペナルティ値(回帰ペナルティ値)を算出し、これを最小化するように学習がなされる。
これに対し、第2の実施形態に係る薬注モデルの学習課程においては、上記の回帰ペナルティ値に加え、制約条件に基づく制約ペナルティ値を算出し、回帰ペナルティ値と制約ペナルティ値の和が最小になるように学習を行う。制約ペナルティ値は、例えば、暫定出力値が制約条件を満たさない場合(制約条件に含まれる薬剤の組み合わせに係る注入量が一定量以上である場合など)に正数をとり、暫定出力値が制約条件を満たす場合にゼロをとる。なお、教師データに含まれる出力値は制約条件を満たすものである。
これにより、第2の実施形態に係る薬注モデルは、制約条件に基づいて複数の薬剤それぞれの注入量を出力するものとなる。したがって、決定部1105は、当該薬注モデルを用いることで、制約条件に基づいて複数の薬剤それぞれの注入量を、複数の薬剤それぞれの水系統への注入量を、障害因子毎の水質指標値が障害因子毎の水質目標値に近づくように決定することができる。
このように、第2の実施形態に係る薬注制御装置110は、禁止される薬剤の組み合わせを含む制約条件に基づいて、複数の薬剤それぞれの注入量を決定する。これにより、薬注制御装置110は、障害因子を誘発する組み合わせに係る薬剤の注入を抑制することができる。
なお、第2の実施形態に係る薬注制御装置110は、薬注モデルの学習課程において制約条件に鑑みた学習がなされるが、他の実施形態においてはこれに限られない。例えば、他の実施形態に係る決定部1105は、薬注モデルに基づいて複数の薬剤の注入量の候補を生成し、このうち制約条件を満たすものを特定するものであってもよい。
薬剤の種類によっては、他の特定の薬剤と混ぜることで効果が相殺されるものや、相乗されるものがある。したがって、効果が相殺される組み合わせを避け、効果が相乗される組み合わせを採用することで、1つの薬剤を冷却水循環ライン105に注入する場合と比較してコストを抑えることができる可能性がある。
また、薬剤の種類によっては、単一の成分によって2つ以上の障害因子に作用するものや、一の障害因子に作用する一方で、副作用として他の障害因子を誘発するものがある。薬剤A(特に単一成分の薬剤)が例えば腐食とスケーリングに作用する場合、当該薬剤を冷却水循環ライン105に注入することで、防食剤として作用する薬剤Bと防スケール剤として作用する薬剤Cとをそれぞれ冷却水循環ライン105に注入する場合と比較してコストを抑えることができる可能性がある。
また例えば、スケーリングに作用する一方で腐食を誘発しうる薬剤Dが、スケーリングに作用し腐食を誘発しない薬剤Eより安価である場合において、腐食のリスクが十分に小さい場合には、薬剤Eの注入量を減らし薬剤Dの注入量を増加させることでコストを抑えることができる可能性がある。
図6は、一実施形態に係る薬注制御装置の構成を示す概略ブロック図である。
第3の実施形態に係る薬注制御装置110は、図6に示すように第1の実施形態の構成に加え、さらに更新部1107を備える。
図7は、一実施形態に係る薬注制御装置の動作を示すフローチャートである。
水質指標値取得部1101、環境データ取得部1102、運転データ取得部1103は、それぞれ水質指標値、環境データ、および運転データを取得する。(ステップS31)。次に、決定部1105は、水質指標値と環境データと運転データとをモデル記憶部1104が記憶する薬注モデルに代入することで、各薬剤の注入量を決定する(ステップS32)。制御部1106は、決定部1105が決定した注入量に基づいて、各第2薬注ポンプ1082に制御命令を出力する(ステップS33)。
このように、第3の実施形態に係る薬注制御装置110は、一定時間後の水質に基づいて薬注モデルを更新する。これにより、薬注制御装置110は、薬剤の組み合わせによる相乗効果または相殺効果や、薬剤が有する副作用の影響を加味して薬剤の注入量を制御することができる。以下に、第3の実施形態により、相乗効果、相殺効果、および副作用の影響を加味して薬剤の注入量を制御することができる理由を説明する。
薬剤のコストは、常に同じではなく、原油価格などの情勢等に応じて変化する可能性がある。第4の実施形態に係る薬注制御装置110は、薬剤のコストが変化する場合に、これに鑑みてコストが小さくなるように薬剤の注入量を決定する。
図8は、一実施形態に係る薬注制御装置の構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態に係る薬注制御装置110は、図8に示すように第1の実施形態の構成に加え、さらにコスト記憶部1108、候補特定部1109、コスト特定部1110を備える。
候補特定部1109は、薬注モデルに基づいて、複数の薬剤の注入量の候補を特定する。
コスト特定部1110は、コスト記憶部1108が記憶する情報に基づいて、各候補について薬剤の総コストを算出する。
図9は、一実施形態に係る薬注制御装置の動作を示すフローチャートである。
水質指標値取得部1101、環境データ取得部1102、運転データ取得部1103は、それぞれ水質指標値、環境データ、および運転データを取得する。(ステップS41)。次に、候補特定部1109は、水質指標値と環境データと運転データとをモデル記憶部1104が記憶する薬注モデルに代入することで、各薬剤の注入量に係る複数の候補を生成する(ステップS42)。
このように、第4の実施形態に係る薬注制御装置110は、コスト記憶部が記憶するコストに基づいて、コストが小さくなるように複数の薬剤それぞれの注入量を決定する。これにより、薬注制御装置110は、薬剤のコストの変化によらず、コストが小さくなるように薬剤の注入量を決定することができる。
第1から第4の実施形態に係る薬注制御装置110は、所定の目標水質になるように薬剤の注入量を決定する。他方、第5の実施形態に係る薬注制御装置110は、薬剤の費用対効果が大きくなるように、薬剤の注入量を決定する。
図10は、一実施形態に係る薬注制御装置の構成を示す概略ブロック図である。
第5の実施形態に係る薬注制御装置110は、図10に示すように第4の実施形態の構成に加え、さらに標準コスト特定部1111を備える。
第5の実施形態に係る決定部1105は、候補特定部1109が特定した複数の候補のうち、標準コスト特定部1111が特定した標準コストからコスト特定部1110が特定した総コストを減じたコスト差が最も大きいものを特定する。
図11に示すように、コストモデルMは、目標水質と標準コストとの関係を示すモデルである。ここで、候補特定部1109が目標水質別に候補Cを生成し、コスト特定部1110が各候補の総コストを算出することで、目標水質ごとの総コストが得られる。決定部1105は、目標水質ごとに、標準コストから総コストを減算することで、目標水質ごとのコスト差Dを算出する。決定部1105は、コスト差Dが最も大きい候補Cを、薬剤の注入量に決定する。
図12は、一実施形態に係る薬注制御装置の動作を示すフローチャートである。
水質指標値取得部1101、環境データ取得部1102、運転データ取得部1103は、それぞれ水質指標値、環境データ、および運転データを取得する。(ステップS51)。次に、候補特定部1109は、水質指標値と環境データと運転データとをモデル記憶部1104が記憶する薬注モデルに代入し、目標水質別に、各薬剤の注入量に係る候補を生成する(ステップS52)。
このように、第5の実施形態に係る薬注制御装置110は、コストモデルに基づいて複数の目標水質について標準コストを特定し、コスト差が最も大きい候補を、薬剤の注入量に決定する。これにより、薬注制御装置110は、薬剤の費用対効果が大きくなるように、薬剤の注入量を決定することができる。
第5の実施形態に係る薬注制御装置110は、薬剤の費用対効果が大きくなるように、薬剤の注入量を決定する。これに対し、第6の実施形態に係る薬剤管理装置は、薬剤の費用対効果が大きくなるように、薬剤の購入タイミングおよび購入量を決定する。
図13は、一実施形態に係る薬剤管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
第6の実施形態に係る発電プラント10は、第5の実施形態に係る構成に加え、図13に示す薬剤管理装置200を備える。薬剤管理装置200は、図13に示すように、環境予測データ取得部2001、運転計画取得部2002、水質指標値予測部2003、モデル記憶部2004、薬注量予測部2005、決定部2006、出力部2007を備える。
購入モデルは、例えばニューラルネットワークなどの機械学習モデルである。購入モデルは、強化学習により、所定期間の間の薬剤の使用量および保管量の推移と各薬剤のコストに関する情報との組み合わせから、薬剤の購入コストが最小となり、かつ所定期間内に薬剤が不足せず、かつ所定期間内に各薬剤の許容保管量を超えないように各薬剤の購入タイミングおよび購入量を出力するように学習されたものである。つまり、購入モデルは、所定期間の間の薬剤の購入コストが小さいほど報酬が高くなり、所定期間の間に薬剤が不足したとき、および許容保管量を超えたときにペナルティが与えられるように学習される。購入モデルの学習は、薬注モデルを用いて所定期間の間の薬注量を繰り返し計算することで所定期間の間の薬剤の使用量および薬剤の保管量を特定し、当該計算結果に基づいて報酬を計算することで行われる。
図14は、一実施形態に係る薬剤管理装置の動作を示すフローチャートである。
環境予測データ取得部2001および運転計画取得部2002は、それぞれ現在を起点とする所定期間の間の発電プラント10周辺の環境データの予測値および発電プラント10の運転計画を取得する(ステップS61)。水質指標値予測部2003は、ステップS61で取得した環境データの予測値および運転計画に基づいて発電プラント10の運転をシミュレートすることで、循環水、補給水、および排水の水質指標値を予測する(ステップS62)。
このように、第6の実施形態に係る薬剤管理装置200は、所定期間の間の薬剤の注入量を予測し、予測された薬剤の注入量の推移に基づいて、コストが低くなるように薬剤の購入量および購入タイミングを決定する。これにより、薬剤管理装置200は、薬剤の費用対効果が大きくなるように、薬剤の購入量および購入タイミングを決定することができる。なお、他の実施形態においては、薬剤管理装置200は、各薬剤の購入量を決定し、購入タイミングについて考慮しないものであってよい。また他の実施形態において、薬剤の保管量が規制されない場合、薬剤管理装置200は、許容保管量に鑑みずに各薬剤の購入量を決定してもよい。また、他の実施形態に係る薬剤管理装置200は、薬剤を保管するタンクまたは倉庫の増減にさらに鑑みて、各薬剤の購入量を決定してもよい。
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
上述した実施形態に係る薬注制御装置110は、発電プラントの循環水系統に薬剤を注入するが、これに限られない。他の実施形態に係る薬注制御装置110は、発電プラント以外の様々なプラント設備、例えば、石油、化学、製鉄プラントなどの各種産業用プラントに適用されるものであってもよい。
上述した実施形態に係る薬注制御装置110は、冷却水循環ライン105の薬剤の注入を制御するが、これに限られない。
図15は、一実施形態に係る水処理システムの構成を示す概略ブロック図である。
例えば、図15に示すように、他の実施形態に係る水処理システム100が複数の第1薬剤タンク1041と複数の第1薬注ポンプ1042を備える場合、薬注制御装置110は、循環水系統である蒸気循環ライン101への薬剤の注入を制御してもよい。また、他の実施形態に係る薬注制御装置110は、空調機などの水冷熱交換器などの水系統において薬剤の注入を制御してもよい。
図16は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、インタフェース904を備える。
上述の薬注制御装置110または薬剤管理装置200は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902および補助記憶装置903に確保する。
1101 水質指標値取得部
1102 環境データ取得部
1103 運転データ取得部
1104 モデル記憶部
1105 決定部
1106 制御部
1107 更新部
1108 コスト記憶部
1109 候補特定部
1110 コスト特定部
1111 標準コスト特定部
Claims (15)
- プラントの水系統への薬剤の注入を制御する薬注制御装置であって、
前記水系統の複数の障害因子毎の水質指標値を取得する水質指標値取得部と、
前記プラントに関する環境データを取得する環境データ取得部と、
前記プラントに関する運転データを取得する運転データ取得部と、
前記水質指標値、前記環境データ、及び前記運転データに基づいて、少なくとも一つの前記障害因子に作用し、且つ、互いに成分の異なる複数の薬剤それぞれの前記水系統への注入量を、前記障害因子毎の前記水質指標値が前記障害因子毎の水質目標値に近づくように決定する決定部と、
前記注入量に基づき、前記水系統への薬剤の注入命令を出力する制御部と、
を備える薬注制御装置。 - 薬注モデルを記憶するモデル記憶部を更に備え、
前記薬注モデルは、前記水質指標値、前記環境データ、及び前記運転データを入力データ、前記注入量を出力データとしたときの前記入力データと前記出力データとの関係性に基づいて、機械学習で生成されたものである
請求項1に記載の薬注制御装置。 - 前記決定部は、禁止される薬剤の組み合わせを含む制約条件に基づいて、前記複数の薬剤それぞれの注入量を決定する
請求項1または請求項2に記載の薬注制御装置。 - 前記複数の薬剤の少なくとも1つは、前記水系統の複数の障害因子に作用する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の薬注制御装置。 - 前記決定部は、コストが小さくなるように前記複数の薬剤それぞれの注入量を決定する
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の薬注制御装置。 - 前記水質指標値に基づいて、前記複数の薬剤それぞれの注入量の複数の候補を特定する候補特定部と、
各薬剤の単位注入量あたりのコストである単位コストに基づいて、前記候補特定部が特定した前記複数の候補それぞれのコストを特定するコスト特定部と
をさらに備え、
前記決定部は、前記複数の候補のうち前記コストが最も小さい候補を、前記複数の薬剤それぞれの注入量に決定する
請求項5に記載の薬注制御装置。 - 水質の改善度と薬剤の標準コストとの関係を示す予め定められたコストモデルに基づいて、複数の目標水質について標準コストを特定する標準コスト特定部をさらに備え、
前記候補特定部は、前記水質に基づいて、前記目標水質別に、前記複数の薬剤それぞれの注入量の複数の候補を特定し、
前記決定部は、前記複数の候補のうち、前記標準コスト特定部が特定した標準コストから前記コスト特定部が特定したコストを減算した値が最も大きいものを、前記複数の薬剤それぞれの注入量に決定する
請求項6に記載の薬注制御装置。 - 前記決定部は、前記複数の障害因子のそれぞれに作用する成分の量が必要最小限となるように前記複数の薬剤それぞれの注入量を決定する
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の薬注制御装置。 - 前記複数の障害因子は、前記水系統の腐食、スケーリング、及びファウリングを含む
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の薬注制御装置。 - 水系統と、
成分の異なる薬剤を貯留する複数の薬剤タンクと、
前記複数の薬剤タンクそれぞれに貯留される前記薬剤を前記水系統に供給する複数の薬注ポンプと、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の薬注制御装置と
を備える水処理システム。 - プラントの水系統への薬剤の注入を制御する薬注制御方法であって、
前記水系統の複数の障害因子毎の水質指標値を取得するステップと、
前記プラントに関する環境データを取得するステップと、
前記プラントに関する運転データを取得するステップと、
前記水質指標値、前記環境データ、及び前記運転データに基づいて、少なくとも一つの前記障害因子に作用し、且つ、互いに成分の異なる複数の薬剤それぞれの前記水系統への注入量を、前記障害因子毎の前記水質指標値が前記障害因子毎の水質目標値に近づくように決定するステップと、
前記注入量に基づき、前記水系統への薬剤の注入命令を出力するステップと、
を含む薬注制御方法。 - プラントの水系統への薬剤の注入を制御する薬注制御装置のコンピュータに、
前記水系統の複数の障害因子毎の水質指標値を取得するステップと、
前記プラントに関する環境データを取得するステップと、
前記プラントに関する運転データを取得するステップと、
前記水質指標値、前記環境データ、及び前記運転データに基づいて、少なくとも一つの前記障害因子に作用し、且つ、互いに成分の異なる複数の薬剤それぞれの前記水系統への注入量を、前記障害因子毎の前記水質指標値が前記障害因子毎の水質目標値に近づくように決定するステップと、
前記注入量に基づき、前記水系統への薬剤の注入命令を出力するステップと、
を実行させるためのプログラム。 - プラントの水系統へ注入する薬剤の購入量を決定する薬剤管理装置であって、
所定期間の間の前記プラントに関する環境データの予測値を取得する環境予測データ取得部と、
前記所定期間の間の前記プラントの運転計画を取得する運転計画取得部と、
前記所定期間の間の前記水系統の水質指標値を予測する水質指標値予測部と、
前記環境データの予測値、前記運転計画、および予測された前記水質指標値に基づいて、前記所定期間の間の少なくとも一つの前記障害因子に作用し、且つ、互いに成分の異なる複数の薬剤それぞれの使用量の推移を予測する薬注量予測部と、
予測された前記薬剤の使用量の推移に基づいて、薬剤の購入コストが小さくなるように、前記複数の薬剤それぞれの購入量を決定する決定部と
を備える薬剤管理装置。 - 前記薬注量予測部は、前記所定期間の間の薬剤の保管量の推移をさらに予測し、
前記決定部は、薬剤の購入コストが小さくなり、かつ薬剤の保管量が許容保管量を超えないように、前記複数の薬剤それぞれの購入量を決定する
請求項13に記載の薬剤管理装置。 - 前記決定部は、薬剤の購入コストが小さくなるように前記複数の薬剤それぞれの購入量および購入タイミングを決定する
請求項13または請求項14に記載の薬剤管理装置。
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