JP3358523B2 - 水処理薬剤の濃度演算方法および自動管理方法 - Google Patents

水処理薬剤の濃度演算方法および自動管理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業用・空調用等開
放循環冷却水系の水処理薬剤の濃度演算方法および水処
理薬剤濃度自動管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業用・空調用等の開放循環冷却水系で
は、通常、熱交換器や冷凍機等で熱交換により温度が上
昇した水を冷却塔で蒸発させ、蒸発潜熱の放出によって
再冷却して循環使用する。この型式は、石油精製産業、
石油化学産業、化学産業、電気電子産業、食品産業等製
造業における製品の冷却や空調分野に多くみられる冷凍
機媒体の冷却などに広く使用されている。淡水を用いた
冷却水系では、この型式のものがもっとも多く使用され
ている。
【0003】開放循環冷却水系は、水を循環利用してい
るため、蒸発による水の濃縮が生じ、腐食障害・スケー
ル障害・スライム障害が発生しやすい。これらの障害を
防止するために、開放循環冷却水系の冷却水には、種々
の水処理薬剤(以下、薬剤)が添加されている。このよ
うな薬剤の例としては、腐食防止を目的とした各種リン
酸塩、スケール防止を目的とした各種水溶性ポリマー、
スライム付着防止を目的とした各種殺菌剤を挙げること
ができる。
【0004】これらの薬剤は、常時一定濃度以上を維持
しなければ十分な効果を発揮しない。一方、過剰注入は
経済的に無駄であると共に、弊害をもたらすこともあ
る。従って、薬剤を使用する場合は、使用目的が最も効
果的かつ経済的に達成されるように、冷却水中の薬剤濃
度を管理することが望ましい。具体的には、通常、定期
的(1週間あるいは1ヶ月、3ヶ月毎)に冷却水を採取
して薬剤濃度を測定し、測定値と維持管理目標濃度とを
比較し、冷却水中の薬剤濃度が維持管理目標値の範囲外
であれば、その注入量を調節して目標の範囲内に復元さ
せるという方法がとられている。
【0005】冷却水中の薬剤濃度を測定する方法として
は、従来から各薬剤毎に種々の方法が行われて来た。し
かし薬剤濃度を簡単かつ迅速に知り、かつ、薬剤注入量
を自動的に調節する便利な濃度管理方法はまだ知られて
いない。
【0006】実開平2−45380号公報(実用新案登
録第2540386号)には、電気伝導度計の計測値の
変化から補給水量を求め、電気伝導度計の計測値から濃
縮倍数を求め、これらの補給水量、濃縮倍数から薬液注
入量を求め最適な薬剤注入処理を行うことが記載されて
いる。本実用新案では薬剤の注入量が実測されていない
ため、薬剤注入装置の故障や薬剤タンクが空になり、実
際には薬剤が注入されていない場合であっても、異常信
号を発することができず、薬剤の濃度自動管理装置とし
ての信頼性が乏しいという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の薬剤
濃度測定技術上の問題点を解決し、簡単かつ迅速に冷却
水中の薬剤濃度を知る方法を提供することを目的とする
ものである。また、本発明は、この濃度に基づいて冷却
水系への薬剤注入量を調節する濃度自動管理方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の水処理薬剤の濃
度演算方法は、冷凍機に冷却水を循環供給すると共にこ
の冷却水を冷却塔で冷却し、循環冷却水に注入量可変の
水処理薬剤注入装置によって水処理薬剤を注入し、且つ
循環冷却水に補給水を供給するようにした開放循環冷却
水系における該循環冷却水中の水処理薬剤の濃度を演算
する方法において、 該水処理薬剤の注入量を計測す
る流量計と、 補給水用の電気伝導度計と、 循環
冷却水用の電気伝導度計と、 冷凍機の運転時間を計
測する手段とを設置し、水処理薬剤の合計添加量をの
流量計計測値から求め、冷却水の濃縮倍数をの補給水
の電気伝導度との循環冷却水の電気伝導度から求め、
冷却水の蒸発水量を冷凍機の冷凍能力、冷凍機の運転
負荷と、の運転時間との積を使って求め、補給水量を
上記濃縮倍数と上記蒸発水量とから求め、これらの値か
ら冷却水中の水処理薬剤濃度を演算することを特徴とす
るものである。
【0009】本発明の自動管理方法は、本発明の水処理
薬剤の濃度演算方法を演算機能を有する制御器で行い、
維持管理目標濃度範囲内となるように水処理薬剤の注入
量を制御するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態に係る
水処理薬剤の濃度演算方法及び自動管理方法が適用され
た冷却塔設備の要部を示したものである。冷却塔1の散
水装置2からは冷凍機3で昇温した冷却水(循環水)が
散水され、ファン4の駆動による取入れ外気と気液接触
して冷却され、下部水槽5に溜まる。下部水槽5内の冷
却水は循環ポンプによって冷凍機3に循環される。
【0011】冷却塔1における蒸発量及び飛沫の飛散量
並びにブロー弁7からのブロー水に見合う量の新たな水
を補給水管路8から補給する。なお、どのように蒸発量
や飛沫の飛散量が変動し、またブローが適宜行われたと
しても、冷却塔の下部水槽5の水面を一定とするように
補給水が供給され、冷却水系の水量はほぼ一定に保持さ
れる。この水面制御はボールタップ弁等を用いて自動的
に行われる。なお、ブローは冷却水系の水質が劣化した
さいに適宜行われる。
【0012】本発明においては、冷却水による配管や機
器類の防食その他の目的で、下部水槽5に戻る冷却水の
循環配管に設けられた薬注点10において、薬注タンク
11内の水処理薬剤が薬注ポンプ12を介して薬注され
る。この薬注量は吐出量センサ13で出される。
【0013】前記補給水管路8と下部水槽5にそれぞれ
電気伝導度計15,16が設けられており、これらの電
気伝導度計15,16及び前記吐出量センサ13の検出
信号並びに循環ポンプ6の作動信号が制御器20に入力
されている。この制御器20は演算部と制御部とを有し
ており、この制御部から薬注ポンプ12に薬注ポンプ制
御信号が出力される。
【0014】次に、本発明の水処理薬剤の濃度演算方法
の計測原理について説明する。
【0015】開放循環冷却水系の蒸発量は近似的に対象
となる冷凍設備の冷凍能力、冷凍設備の運転時間及び運
転負荷に比例する。
【0016】また、開放循環冷却水系の蒸発水量と濃縮
倍数とから補給水量を求めることにより、冷却水中の薬
剤濃度は薬剤の注入量、冷凍設備の冷凍能力及び冷却水
の濃縮倍数から演算できる。
【0017】本発明の水処理薬剤の濃度演算方法におい
ては、冷却水中の薬剤濃度は、対象とする開放循環冷却
水系に存在する冷凍設備の冷凍能力、冷凍設備の運転時
間及び運転負荷、冷凍設備の運転T時間当たりの薬剤合
計注入量G(T)、薬剤の比重、冷却水の濃縮倍数よ
り、例えば次の(1)式を用いて演算することができ
る。なお、以下の式においてmlはミリリットルを示
す。
【0018】
【数1】
【0019】即ち、開放循環冷却水系の薬剤濃度Cは、
次の(2)式より求めることができる。
【0020】 薬剤濃度 C=(βx/M)・N …(2) ここで前記の通り、C:薬剤濃度(g/m3) x:薬剤注入量(ml/Hr) β:薬剤の比重(g/ml) N:濃縮倍数(−) であり、M:補給水量(m3/Hr)である。
【0021】この補給水量Mは、次の(3)式で表わす
ことができる。
【0022】 補給水 M=E+B+W …(3) ここで E:蒸発量(m3/Hr) B:ブロー水量(m3/Hr) W:飛散損失量(m3/Hr) さらに、このブロー水量Bは、次の(4)式で表わすこ
とができる。
【0023】 ブロー水量 B=E/(N−1)−W …(4) ()・()式を()式に代入すると 薬品濃度 C=(βx/E)・(N−1) …(5) 冷却水系の蒸発量Eは、対象設備の冷凍能力R及び対象
設備の運転時間Tと運転負荷αに比例する。すなわち蒸
発量Eは、次の(6)式で表わされる。
【0024】 蒸発量 E=k・RαT …(6) ここで k:比例定数 冷凍設備の運転と冷却水系の運転とが連動している系の
T時間の稼動をとった場合、このT時間の総薬注量は前
記G(T)となる。従って、(6)式を(5)式に代入
し、(5)式のxをG(T)とおくことにより薬剤濃度
Cを次の(7)式とすることができる。
【0025】 薬剤濃度 C=(βG(T)/kαR)・(N−1) …(7) この(7)式において、1/kをKとすることにより、
前記(1)式が得られる。
【0026】冷却水の濃縮倍数Nは、冷却水中での塩類
濃度が補給水に比較して何倍になっているかを示す指標
であり、次の(8)式で定義される。
【0027】 N=CR/CM …(8) CR:冷却水中の塩類濃度(mg/m3) CM:補給水中の塩類濃度(mg/m3) 一般的に水中の塩類濃度と電気伝導度は比例関係にある
ので、冷却水系の濃縮倍数は次の(9)式で表すことも
できる。
【0028】 N=μSR/μSM …(9) μSR:冷却水中の電気伝導度(μS/cm) μSM:補給水中の電気伝導度(μS/cm) (1)以外に微少時間における冷却水中の薬剤濃度を計
算するための補正項を含む演算式もあるが、多くの場
合、設備運転時間の演算単位を適当に選定すれば、
(1)式でも実用上の目的を達成することができる。
【0029】対象冷却水系の設備の冷凍能力Rは、冷却
水系毎に異なる固有の値である。なお、開放循環冷却水
系に冷凍設備が複数個存在する場合には、これら設備の
冷凍能力Rは、これら全設備の冷凍能力の総和とする。
【0030】また、冷却水の濃縮倍数Nは、冷却水と補
給水の電気伝導度をそれぞれ測定して上記(9)式より
決定する。
【0031】電気伝導度の測定は簡単かつ迅速に行え、
かつ、電気伝導度センサーの測定値は電気信号として処
理することができる。補給水の水質変動が小さい場合に
は、既知の値を使用し、補給水の測定を省略することも
できる。
【0032】冷凍設備の運転負荷αは、設備毎に異なる
値であるが、気温が高い場合はほぼ1.0、気温の低い
場合はおよそ0.5となる。日本の場合の運転負荷の目
安は、夏0.9〜1.0、中間期0.7〜0.8、冬
0.5〜0.6である。概ね季節により変動するので、
日常的には定数として取り扱い、季節毎に数回値を変更
すればよい。
【0033】冷凍設備の運転T時間当たりの薬剤の合計
注入量G(T)は、薬剤注入ラインに設置した流量計や
薬剤タンクのレベルから実測した値である。薬剤の比重
βは定数であり、使用する薬剤の固有値である。
【0034】冷凍設備の運転時間Tは、冷凍設備の運転
信号から実測した値である。
【0035】定数Kは冷却水系の型式や滞留時間によっ
て異なった値になるが通常10から5000の範囲の値
をとる。Kの値は、(1)式を変形した次の(10)
より、以下の方法で冷却水系毎に実験的に決定すること
ができる。
【0036】すなわち、実際に冷却水中の薬剤濃度C1
を定量分析などの従来の測定方法で実測し、同時に冷凍
設備の運転時間(T1:たとえば1時間)当たりの薬剤
合計注入量Σx1dt(≡G(T1))、及び、循環冷却
水と補給水の電気伝導度から濃縮倍数N1を実測する。
冷凍設備の冷凍能力R1と運転負荷α1、薬剤の比重β1
は、冷却水系、設備、あるいは薬剤に固有の定数であ
る。
【0037】これらの値を(10)式に代入し演算する
ことにより、冷却水系毎に固有のKを決定することが
できる。
【0038】
【数2】
【0039】本発明の方法においては、あらかじめKの
値を定め、(1)式に冷凍設備の冷凍能力R、冷凍設備
の負荷α、薬剤の比重β、および冷凍設備運転時間の演
算単位Tをあらかじめ設定しておくと共に、循環水と補
給水の電気伝導度(μS、μS)、設備の運転T時
間当たりの薬剤注入量(G(T))を、それぞれ電気伝
導度計、流量計(吐出量センサー)にて測定して(1)
式に代入することにより、冷却水中の薬剤濃度Cを、直
接冷却水の分析をすることなく、簡単、迅速に演算する
ことができる。
【0040】なお、補給水の電気伝導度μSMの変動が
少なければ、μSMもあらかじめ設定値として取り扱
い、残る項目だけで演算を実施しても良い。
【0041】本発明に係る薬剤の濃度演算システムは、
図1に示す如く、次の流量計又はセンサ等を備えてい
る。
【0042】 薬剤注入装置の注入量を測定するため
の流量計(吐出量センサ13) 補給水の電気伝導度を測定するための電気伝導度計
15 循環冷却水の電気伝導度を測定するための電気伝導
度計16 設備の運転時間を測定するための運転信号ライン2
1 制御器20 上記〜の信号から得られた情報に基づき、冷却水中
の薬剤濃度Cを(1)式より演算し、表示する。
【0043】即ち、(1)式において、 K・(β/αR)は定数、 G(T)は設備運転T時間あたりの薬剤注入量、 (N−1)は電気伝導度より求めた濃縮倍数−1 であるから、設備運転T時間あたりの薬剤注入量G
(T)と、循環水及び補給水の電気伝導度μS・μS
がわかれば、薬剤濃度を計算で求めることができる。
【0044】具体的には、あらかじめ演算部に、K、
β、α、R及びTを入力・設定しておき、 吐出量センサー13からのx:薬注量データ、 循環ポンプ6の運転信号からのt:設備稼働時間デー
タ、 電気伝導度計15、16からのμSR、μSM:循環水、
補給水の電気伝導度データ の各データを演算部に逐次入力・演算することにより、
リアルタイムで薬剤濃度を演算することができる。即
ち、薬剤濃度を定量分析をすることなく、吐出量センサ
ー・設備稼働信号・電気伝導度計の電気的な信号からリ
アルタイムで演算し、求めることが可能である。
【0045】なお、補給水の水質変動が小さい場合に
は、補給水の電気伝導度を冷却水系毎の固有の定数(設
定項目)として取り扱い、補給水の電気伝導度を測定す
るための電気伝導度計を省略することもできる。
【0046】用いる流量計(吐出量センサー)および電
気伝導度センサーの種類は特に限定はないが、薬剤の注
入量は一般に少量であるから精度の良いものが望まし
い。粘度が小さい一般的な薬剤では容積式流量計を使用
するのが望ましく、薬剤の性質によっては圧力式流量計
や電磁式流量計を用いてもよい。
【0047】冷却水中の薬剤濃度を簡単迅速に演算でき
るかかる本発明の薬剤濃度演算方法を応用することによ
り、維持管理目標濃度に対する演算濃度の過不足に対し
て、迅速かつ円滑な注入量の調整ができるように薬剤濃
度の自動管理方法を構築することができる。
【0048】すなわち、本システムの薬剤濃度測定結果
に基づいて注入量を制御することにより、冷却水中の薬
剤濃度の自動制御が可能である。本発明の薬剤濃度の自
動管理方法によれば、目標とする薬剤濃度に対し、本発
明方法により演算した薬剤濃度値に応じて、注入装置の
注入量を可変させたり、あるいは注入装置の稼働時間を
可変させ目標の薬剤濃度を維持することができる。
【0049】注入装置の注入量を可変させる方法として
は、ポンプストロークを外部信号により制御する方法が
挙げられる。また、注入装置の稼働時間を可変させる方
法としては、タイマーの設定を外部信号により可変させ
る方法がある。
【0050】次に、本発明を現場で実施した結果を示
す。
【0051】[1] 図2に現場の循環開放冷却水系
(条件;設備対象:コンプレッサ、冷凍能力:100R
T、24時間連続運転)において、1年間にわたり本発
明の演算式(1)による薬剤濃度と従来法定量分析によ
る薬剤濃度を比較追跡した結果を示す。ここで冷凍設備
運転時間の演算単位は1時間に設定した。演算方式と従
来法は、良い相関がある。さらに、本発明演算方式の場
合、1〜2ヶ月に一回定量分析する従来法に比べ、迅速
かつ連続的な薬剤濃度の把握が可能である。
【0052】[2] 条件の異なる様々な開放循環冷却
水系(32現場、83サンプル)において、(1)式に
よる濃度演算方法を適用した。冷凍設備運転時間の演算
単位はいずれも1時間である。図3は演算方式による薬
剤濃度と従来法である定量分析による薬剤濃度の相関関
係を示している。本発明の演算結果は、従来法を基準と
した場合、プラスマイナス100mg/lの範囲内に8
2%がはいり、実用上十分な適用性を有する。したがっ
て(1)式を用いた本発明演算方式は、多くの開放循環
冷却水系で適用が可能である。
【0053】[3] 角形冷却塔を有し、24時間連続
運転している100RT(冷凍トン)の冷却水系で試験
を行った。冷凍設備運転時間の1時間毎に薬剤濃度を
(1)式により演算し、その結果に基づき注入ポンプの
注入量を制御するようにした。注入装置の制御方法は稼
働時間を可変する方法、すなわち注入装置を制御してい
るタイマーの設定を薬剤濃度演算値に基づいて外部信号
により変更する方法をとった。
【0054】なお、この冷却水系では補給水電気伝導度
の変動が小さかったため、補給水電気伝導度は実測せ
ず、従来からの測定平均値として演算器に設定し、もう
一方の循環冷却水の電気伝導度のみを実測する方式とし
た。
【0055】図4に、本発明演算方式による薬剤濃度自
動管理方法を現場適用した例を示す。
【0056】薬剤濃度自動管理方法の適用後は、冷却水
中の薬剤濃度が維持管理目標濃度範囲内で管理されるこ
とが定量分析によるクロスチェックにより確認され、本
自動管理方法の機能が実証された。すなわち、薬剤濃度
不足による冷却水系のトラブルと薬剤濃度過剰による経
済的な損失を未然に防止することができ、あわせて現場
における薬剤濃度管理の省力化が実現された。
【0057】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、開放循環
冷却水系の冷却水中の薬剤濃度が簡単迅速に演算でき、
薬剤濃度の維持管理目標値範囲内での円滑な管理が可能
となる。本発明によれば、薬剤濃度不足による対象冷却
水系のトラブルや薬剤濃度過剰による経済的な損失を未
然に防止できるとともに、薬剤の濃度管理を省力化でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬剤濃度自動管理方法が適用された循環冷却水
系と薬注系の系統図である。
【図2】演算薬剤濃度(本発明)の経時変化及び定量分
析濃度(従来法)の比較(1年間)図である。
【図3】演算方式(本発明)による薬剤濃度と定量分析
(従来法)による薬剤濃度の相関図である。
【図4】薬剤濃度自動管理方法の導入前・導入後の薬剤
濃度変化図である。
【符号の説明】
1 冷却塔 3 冷凍機 6 循環ポンプ 11 薬注タンク 12 薬注ポンプ 20 制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 努 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗 田工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−110198(JP,A) 特開 平8−309334(JP,A) 実用新案登録2540386(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28F 27/00 F28G 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍機に冷却水を循環供給すると共にこ
    の冷却水を冷却塔で冷却し、循環冷却水に注入量可変の
    水処理薬剤注入装置によって水処理薬剤を注入し、且つ
    循環冷却水に補給水を供給するようにした開放循環冷却
    水系における該循環冷却水中の水処理薬剤の濃度を演算
    する方法において、 該水処理薬剤の注入量を計測する流量計と、 補給水用の電気伝導度計と、 循環冷却水用の電気伝導度計と、 冷凍機の運転時間を計測する手段とを設置し、水処
    理薬剤の合計添加量をの流量計計測値から求め、 冷却水の濃縮倍数をの補給水の電気伝導度との循環
    冷却水の電気伝導度から求め、 冷却水の蒸発水量を冷凍機の冷凍能力と、冷凍機の運転
    負荷と、の運転時間との積を使って求め、 補給水量を上記濃縮倍数と上記蒸発水量とから求め、こ
    れらの値から冷却水中の水処理薬剤濃度を演算すること
    を特徴とする水処理薬剤の濃度演算方法。
  2. 【請求項2】 請求項記載の水処理薬剤の濃度演算方
    法を演算機能を有する制御器で行い、維持管理目標濃度
    範囲内となるように水処理薬剤の注入量を制御する冷却
    水系の水処理薬剤濃度自動管理方法。
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