JP5182553B2 - ボイラの水質管理装置及びボイラの水質管理方法 - Google Patents

ボイラの水質管理装置及びボイラの水質管理方法 Download PDF

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Description

この発明は、ボイラ給水中への薬液の注入とボイラ水のブローとを適正に行わせることによって、ボイラ水の水質を適正に管理するボイラの水質管理装置及びボイラの水質管理方法に関するものである。
ボイラ給水の水質項目には、不純物の濃度と、気体(特に酸素)の溶存濃度とがあるが、これらの不純物や溶存気体には、ボイラを安全に運転するのに必要な物質(例えば、Mアルカリ(酸消費量(pH4.8)成分)と、有害な物質(例えば、酸素、酸化鉄や酸化銅といった腐食生成物、塩化物イオン、硫酸イオン、シリカ)とがある。そして、必要な物質が不足している場合には、不足している物質を薬液としてボイラの給水系統に補充するとともに、有害な物質については、無害化するような物質を薬液としてボイラの給水系統中に注入する。また、ボイラ水(缶水)中の不純物濃度が適切な範囲になるように、ボイラ給水流量に対して所定の割合(ブロー率)のボイラ水を、ボイラ本体外に放出(ブロー)することが行われている。
一方、最近の工場では、蒸気発生コストを削減するため、蒸気の熱エネルギーを利用した後の凝縮水(復水、ドレン)をできるだけ回収し、ボイラ給水を純水から軟水に変更している。そして、かかるボイラでは、回収した凝縮水に軟水を加えたものが、ボイラ給水として使用される。
ところで、凝縮水は、蒸留水であり、含まれる不純物量が軟水に比べて著しく少ない。ただし、凝縮水中の不純物は、ほとんどのものが、有害な物質(腐食生成物)であって、軟水のように、ボイラを安全に運転するために必要な物質をほとんど含んでいない。また、凝縮水の回収割合は、工場の操業状況によって大きく変化し、このため、ボイラ給水として再利用される凝縮水の割合も、大きく変化する。
したがって、凝縮水に軟水を加えてボイラ給水としているボイラでは、ボイラ給水中の凝縮水の割合によってボイラ給水の水質が大きく変動しやすく、ボイラ給水の平均的な水質に対して、薬液注入濃度を一定にした運転やブロー率を一定にしたボイラの運転では、有害物質の無害化が充分に図れず、ボイラ本体内のボイラ水の不純物濃度が適切な範囲を超えてしまう場合も生じる。そこで、かかるボイラでは、ボイラ給水中の有害物質の量が最も高くなる場合(最悪時の場合)でも、これらを無害化できるように、かつ、ボイラ水の不純物濃度が大きく増大しないように、ボイラ給水への薬液注入濃度やボイラ本体からのブロー率を高く設定した運転がなされる。
しかしながら、薬液注入濃度を最悪時を見込んで高めに設定したり、ブロー率を最悪時を見込んで高めに設定することは、有害物質が最大である時点以外では、過剰な薬液注入が行われ、過剰なボイラ水のブローが行われていることになる。すなわち、ブロー率の過剰な設定により、熱及び給水の無駄な廃棄を生じさせ、過剰な薬液注入濃度の設定により、無駄な薬品の使用を生じさせるとともに、排水処理の負荷を高めることになって、最終的に、蒸気発生コストの上昇を招いてしまう。
この発明は、以上の点に鑑み、凝縮水の使用によってボイラ給水の水質に大きな変動があっても、ボイラの運転状態に合わせて、簡単に、最適な薬液注入濃度や最適なブロー率を設定できるボイラの水質管理装置及び水質管理方法を提供することを目的とする。
この発明の請求項1記載の発明は、ボイラの給水系統に水処理薬品を注入する薬液注入装置と、ボイラ本体中のボイラ水を連続的にブローするブローダウン装置とを備えるとともに、回収した蒸気の凝縮水に軟水を加えた水がボイラ給水として使用されているボイラの水質管理装置であって、前記ボイラ給水と前記軟水と前記凝縮水の、温度、電気伝導度、又は使用流量の何れかから、前記ボイラ給水のうち前記凝縮水が占める割合である凝縮水使用率を算出する凝縮水使用率演算手段と、前記軟水及び前記凝縮水の水質を基準として、前記凝縮水使用率毎に定められる、前記ボイラ給水への最適薬液注入濃度、又は、前記ボイラ給水への最適薬液注入濃度及び前記ボイラ給水に対する前記ボイラ水の最適ブロー率を、前記凝縮水使用率毎に示すテーブルとして、又は、前記凝縮水使用率を関数とした式として記憶する水質管理値記憶手段と、前記凝縮水使用率演算手段からの出力と前記水質管理値記憶手段中の前記テーブル又は式に基づき、前記最適薬液注入濃度、又は、前記最適薬液注入濃度及び最適ブロー率を算出する水質管理量演算手段と、前記水質管理量演算手段からの出力に基づく情報を、前記薬液注入装置、又は前記薬液注入装置及びブローダウン装置に伝達する出力伝達手段とを有することを特徴とする。
凝縮水に軟水を加えた水をボイラ給水として使用する場合、凝縮水と軟水との水質が明らかであれば、凝縮水使用率によって、ボイラ給水の水質を容易に決定できる。この場合、水道水のような原水を軟化処理した軟水の水質は、原水の取水場所が変わらない限り、原水の季節的な水質変動による影響を除けば、大きく変化しない。また、ボイラ自身で発生した蒸気の凝縮水の水質も、蒸気や凝縮水の経路が一定であれば、大きく変動することはなく、かつ、凝縮水に含まれる不純物濃度も小さい。したがって、軟水と凝縮水の水質は、ある程度の期間(場合によっては1年中)ほぼ一定と見なすことができ、一度、軟水と凝縮水の水質を明らかにしておけば、ボイラ給水の水質は、凝縮水使用率によって容易に推定できる。すなわち、軟水と凝縮水との水質が明らかであれば、凝縮水使用率によって、ボイラ給水の水質が推定できるので、ボイラ給水に対する最適薬液注入濃度やボイラ水の最適ブロー率も容易に決定できる。
この発明では、水質が明らかな軟水と凝縮水とを基準として、凝縮水使用率が分かれば、ボイラ給水に対する最適薬液注入濃度やボイラ水の最適ブロー率が分かるテーブル又は式を水質管理値記憶手段中に記憶させている。また、この発明では、凝縮水使用率を、ボイラ給水、軟水、及び凝縮水の、温度等から凝縮水使用率演算手段により算出している。したがって、この発明では、水質管理量演算手段が、水質管理値記憶手段中のテーブルの一部や式を読み出し、凝縮水使用率演算手段により算出された凝縮水使用率を用いて、この凝縮水使用率時のボイラ給水やボイラ水に合った最適薬液注入濃度や最適ブロー率を算出することにより、薬液注入装置やブローダウン装置は、水質管理量演算手段からの情報が出力伝達手段により与えられて、ボイラの運転状態に追従するように(合わせて)、薬液注入やブローを行うことができる。
この発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の場合において、前記水質管理値記憶手段は、前記軟水の水質の変化、又は前記軟水及び前記凝縮水の水質の変化に対応させて、前記テーブル又は式を記憶しているとともに、前記水質管理量演算手段は、現在使用している軟水の水質、又は、現在使用している軟水及び凝縮水の水質に基づいて、前記水質管理値記憶手段中から必要なテーブル又は式を選択することを特徴とする。
この発明では、水質管理量演算手段は、現在使用している軟水等の水質に対応するように、水質管理値記憶手段中から最適なテーブル又は式を選択するとともに、凝縮水使用率演算手段により算出された凝縮水使用率を使用して、最適薬液注入濃度や最適ブロー率を算出する。
この発明の請求項3記載の発明は、ボイラの給水系統に水処理薬品を注入する薬液注入装置と、ボイラ本体中のボイラ水を連続的にブローするブローダウン装置とを備えるとともに、回収した蒸気の凝縮水に軟水を加えた水がボイラ給水として使用されているボイラの水質管理方法であって、前記ボイラ給水と前記軟水と前記凝縮水の、温度、電気伝導度、又は使用流量の何れかから、前記ボイラ給水のうち前記凝縮水が占める割合である凝縮水使用率を算出する凝縮水使用率演算ステップと、前記軟水及び前記凝縮水の水質を基準として、前記凝縮水使用率毎に定められる、前記ボイラ給水への最適薬液注入濃度、又は、前記ボイラ給水への最適薬液注入濃度及び前記ボイラ給水に対する前記ボイラ水の最適ブロー率を、前記凝縮水使用率毎に示すテーブル、又は、前記凝縮水使用率の関数として示す式と、前記凝縮水使用率演算ステップからの出力とにより、前記最適薬液注入濃度、又は、前記最適薬液注入濃度及び最適ブロー率を算出する水質管理量演算ステップと、前記水質管理量演算ステップからの出力に基づく情報を、前記薬液注入装置、又は前記薬液注入装置及びブローダウン装置に伝達する出力伝達ステップとを有することを特徴とする。
この発明の請求項1及び3記載の発明によれば、凝縮水使用率によってボイラ給水の水質を容易に推定できるので、凝縮水の使用によってボイラ給水の水質に大きな変動があっても、ボイラの運転状態に合わせて、簡単に、最適な薬液注入濃度や、最適な薬液注入濃度及び最適なブロー率を設定できる。
この発明の請求項2記載の発明によれば、軟水等の水質が大きく変化することにより、凝縮水の使用以外の理由でボイラ給水の水質に変化が生じても、ボイラの運転状態に合わせて、簡単に、最適な薬液注入濃度や、最適な薬液注入濃度及び最適なブロー率を設定できる。
以下、この発明の最良の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1はこの発明に係る水質管理装置を備えたボイラ装置を示している。
ボイラ装置1は、図1で示されるように、ボイラ本体2と、給水タンク3と、軟水タンク4と、薬液注入装置である清缶剤注入装置5Aと、脱酸素剤注入装置5Bと、ブローダウン装置6と、給水流量計7a、給水温度計7b及び電気伝導度計7cからなる計測機器類と、給水配管8a、補給水配管8b、薬注配管8c,8d、及びブローダウン配管8eからなる配管類と、水質管理装置9と、計測機器類から水質管理装置9までの入力信号配線10と、水質管理装置9から清缶剤注入装置5A、脱酸素剤注入装置5B、及びブローダウン装置6等までの出力信号配線11等とから構成されている。
ボイラ本体2は、例えば圧力が0.7MPaで、定格蒸発量が数トン/hの蒸気Gを発生させる小型貫流ボイラであり、気水分離器下部のボイラ水B1の貯留部に、ブローダウン配管8eと給水配管8aの一端側が連結されている。ボイラ本体2には、給水配管8aを介して、給水タンク3からボイラ給水B2が供給されるとともに、ボイラ本体2で発生した蒸気Jは、蒸気配管12を通って熱交換器13に入り、この熱交換器13で放熱して凝縮水Gとなる。そして、この凝縮水Gの一部は、凝縮水回収配管14を通って、給水タンク3に集められる。
給水タンク3は、ボイラ本体2に、その定格蒸発量の30分ぶん以上のボイラ給水B2を供給できる容量を有している。給水タンク3には、凝縮水回収配管14を介して凝縮水Gが供給されるとともに、凝縮水Gの不足分を補うように、軟水タンク4から軟水Nが供給される。なお、軟水タンク4には、原水である水道水を軟化処理した軟水Nが貯められている。
清缶剤注入装置5Aは、ボイラ水B1のpHを調整してボイラ本体2内の腐食等を防止するアルカリ剤と、ボイラ本体2内で生じたかまどろ等がスケールとして付着するのを防止するスケール分散剤からなる清缶剤W1を、一定濃度の薬液にして、ボイラ給水B2中に注入するものである。この清缶剤注入装置5Aは、薬注配管8cの上流側に設けられており、薬液タンク5aと、薬液ポンプ5cと、コントローラ5eとから構成されている。脱酸素剤注入装置5Bは、腐食の原因となる溶存酸素を除去する脱酸素剤W2を、一定濃度の薬液として、ボイラ給水B2中に注入するものである。この脱酸素剤注入装置5Bは、薬注配管8dの上流側に設けられており、薬液タンク5bと、薬液ポンプ5dと、コントローラ5fとから構成されている。両装置5A,5Bのコントローラ5e,5fは、水質管理装置9から出力信号配線10を介して伝えられる清缶剤注入信号P1と脱酸素剤注入信号P2とに基づき、それぞれ必要な量の清缶剤W1と脱酸素剤W2とが供給できるように、互いの薬液ポンプ5c,5dのストローク等を調整する働きを有している。
ブローダウン装置6は、ボイラ本体2内で濃縮されたボイラ水B1を、ボイラ給水流量に見合った量だけボイラ系外に連続的に排出(連続ブロー)し、ボイラ本体2内のボイラ水B1中の不純物濃度を規定値内に調整するものである。このブローダウン装置6は、ブローダウン配管8c中に設けられる流量調整弁6aと、水質管理装置9から出力信号配線11を介して伝えられるブロー信号P3に基づき、流量調整弁6aが必要な量のボイラ水B1を排出できるように、流量調整弁6aの開度等を調整するコントローラ6bとから構成されている。
給水流量計7aは、ボイラ本体2に供給されるボイラ給水B2の流量を計測し、その流量信号P4を入力信号配線10を介して水質管理装置9に伝達するものである。また、給水温度計7bは、凝縮水Gと軟水Nとが混ぜられたボイラ給水B2の温度を測定し、その温度信号P5を入力信号配線10を介して水質管理装置9に伝達するものである。なお、電気伝導度計7cは、ボイラ給水B2の電気伝導度を計測するものである。
図2はこの発明の一実施の形態にかかる水質管理装置9を示している。
水質管理装置9は、凝縮水Gの使用によってボイラ給水B2の水質に大きな変動が生じる場合でも、ボイラ装置1の運転状態に合わせて、清缶剤注入装置5Aや脱酸素剤注入装置5Bに最適な薬液注入量を伝達するとともに、ブローダウン装置6に最適なブロー量を伝達するものである。この水質管理装置9は、図2で示されるように、不図示のケーシング内に納められたコンピュータ部20と、作業者がコンピュータ部20への入力を行うためのキーボード40、スタートボタン41、及び記憶内容書換ボタン42と、作業者がコンピュータ部20からの出力を認識するためのディスプレイ43と、コンピュータ部20からの警報信号P6によって警報を発する警報装置44とを有している。
コンピュータ部20は、種々の情報を記憶するメモリと、入力情報とメモリ内の記憶情報に基づいて、情報を演算処理するCPU(中央処理ユニット)と、入力手段40や計測機器(給水温度計7bや給水流量計7a)からの入力情報をCPUに伝えるための入力インターフェイス21と、CPUによる演算処理結果を出力情報として、ディスプレイ43、警報機44、及び外部機器(清缶剤注入装置5A、脱酸素剤注入装置5B、やブローダウン装置6)に伝えるための出力インターフェイス22とを有している。
このコンピュータ部20は、メモリとして、プログラム内容を記憶したプログラムROM23と、CPUに対する作業メモリを提供するRAM24と、書き換え可能なROMに運転データの一部を記憶する第1データメモリ25と、ROMに、凝縮水使用率X(ボイラ給水B2のうち凝縮水Gが占める割合であり、図4参照)に対応させて、ボイラ給水B2に対する清缶剤W1の注入濃度とボイラ水B1のブロー率(ボイラ給水流量に対する、ボイラ水B1の連続ブローの割合)とを定める式Y1,Y2(図4参照)を記憶するとともに、給水温度Zに対応させて、ボイラ給水B2に対する脱酸素剤W2の注入濃度を定める式Y3(図4参照)を記憶する第2データメモリ26とを有している。
第1データメモリ25には、図3で示されるように、運転データのうち変動の少ない軟水温度T1と凝縮水温度T2とが、それぞれ、25℃、100℃として記憶されているとともに、同様に運転データのうち変動の少ない、現在使用している軟水Nの使用水質Us(例えば図8において示されるようなもの)が記憶されている。
第2データメモリ26は、図4で示されるように、種々の軟水水質U毎に、凝縮水使用率Xを関数とした清缶剤注入濃度の式Y1とブロー率の式Y2とを記憶するとともに、給水温度Zを関数とした脱酸素剤注入濃度の式Y3を記憶している。清缶剤注入濃度の式Y1(例えば、図9で示される、Y1=0.0003X3−0.0306X2+0.3056X+45)は、所定水質の軟水Nと所定水質(純水と仮定)の凝縮水G(図9で示される式Y1,Y2の場合には、軟水水質は、図8で示されるものが使用されている)を使用した場合に、図9で示されるように、凝縮水使用率Xが、例えば、0,30,60,90(%)における最適清缶剤注入濃度(mg/L)を試験で求め、これらの4点間を凝縮水使用率Xの3次式で補間するようにして定めたものである。また、ブロー率の式Y2(例えば、図9で示される、Y2=0.0011X2−0.18X+12.1)も、同様にして求められた最適ブロー率(%)の4点間を、凝縮水使用率Xの2次式で補間するようにして定めたものである。なお、式Y1,Y2は、凝縮水使用率Xの関数で表されておれば、どのようなものであってもよい。
なお、最適清缶剤注入濃度や最適ブロー率は、ボイラ水B1の水質を図7で示される管理目標値にできるだけ近づけさせるようにして決定される。
さらに脱酸素剤注入濃度の式Y3(例えば、図10で示される、Y3=−0.0001Z3+0.0187Z2−2.0252Z+140.86)は、給水温度Zが25〜90℃までの、例えば、20ポイントにおける飽和溶存酸素濃度を基準として、かかる溶存酸素濃度がボイラ水B1において0となるような、各ポイントにおける最適脱酸素剤注入濃度(mg/L)を試験で求め、これらの20ポイント間を給水温度Zの3次式で補間するようにして定めたものである。なお、清缶剤W1や脱酸素剤W2には、広く市場に流通している入手容易なものが使用される。また、式Y3は、凝縮水使用率Xの関数で表されておれば、どのようなものであってもよい。
このコンピュータ部20は、CPUの演算処理機能の一部をなす、凝縮水使用率演算手段27と、第1水質管理量演算手段28と、第2水質管理量演算手段29と、警報発信手段30と、出力伝達手段31と、記憶内容変更手段32とを有している。
凝縮水使用率演算手段27は、給水温度計7bから伝えられる給水温度Zと、第1データメモリ25から読み出された軟水温度T1と凝縮水温度T2とから、ボイラ給水B2中の凝縮水Gの占める割合、すなわち、凝縮水使用率Xを算出する。この凝縮水使用率Xは、例えば、給水温度Zが50℃であれば、軟水温度T1と凝縮水温度T2とは、それぞれ、25℃と100℃であるから、水の比熱を一定とすれば、100X/100+25(100−X)/100=50であるから、X=33.3(%)と算出される。
第1水質管理量演算手段28は、第1データメモリ25から読み出された軟水Nの使用水質Usから、第2データメモリ26中の最適な清缶剤注入濃度を定める式Y1、及び最適なブロー率を定める式Y2を選択し、これらの式Y1,Y2と凝縮水使用率演算手段27からの出力である凝縮水使用率Xを用いて、最適な清缶剤注入濃度と最適なブロー率を算出する。また、この第1水質管理量演算手段28は、給水温度計7bから伝えられる給水温度Zと、第2データメモリ27から読み出された脱酸素剤注入濃度を定める式Y3とから、最適な脱酸素剤注入濃度を算出する。
第2水質管理量演算手段29は、給水流量計7aから伝えられる給水流量と、第1水質管理量演算手段28にて算出された清缶剤注入濃度、脱酸素剤注入濃度及びブロー率とから、清缶剤注入装置5Aが注入する清缶剤量(g/h)、脱酸素剤注入装置5Bが注入する脱酸素剤量(g/h)を算出するとともに、ブローダウン装置6がブローするボイラ水B1のブロー流量(Kg/h)を算出する。
警報発信手段30は、第2水質管理量演算手段29の出力値が、想定外の値や実行不可能な値など異常値である場合に、例えば、ブザーやランプからなる警報装置44に警報信号P6を発し、この警報装置44に警報音の発生やランプの点滅等を行わせるものである。なお、警報信号P6は、出力信号配線11を介して、作業者が常駐するオペレータルームに設けられた警報装置にも伝えられる。
出力伝達手段31は、第2水質管理量演算手段29の出力値である、清缶剤量に関する清缶剤注入信号P1を清缶剤注入装置5Aに、脱酸素剤量に関する脱酸素剤注入信号P2を脱酸素剤注入装置5Bに、ブロー量に関するブロー信号P3をブローダウン装置6に、それぞれ伝達して、これらの装置5A,5B,6を信号値通りに作動させるものである。また、出力伝達手段31は、警報発信手段30が警報信号をP6を発する場合には、第2水質管理量演算手段29からの出力の伝達を取りやめ、警報信号P6を警報装置44等の機器に伝達する。
記憶内容変更手段32は、ボイラ装置1の運転状態に変更があった場合や水質管理装置9の使い始め(記憶内容変更手段31中には、事前に代表的な軟水温度T1や軟水Nの使用水質Us等が入力されている)に、第1データメモリ25中の記憶内容を書き換える必要がある場合に、その記憶内容を書き換えるためものである。記憶内容変更手段32は、作業者が記憶内容書換ボタン42を押して書き換えを要求した場合に作動し、例えば、ディスプレイ43に第1データメモリ25中の記憶内容を表示させて、作業者がキーボード40を使用して第1データメモリ25中の記憶内容を書き換えできるようにする。なお、水質管理装置9は、その後作業者がスタートボタン41を押すと、本来の作業に復帰する。
つぎに、この水質管理装置9のプログラム動作の主要部を、図6で示されるフローチャートを参照しつつ説明する。なお、水質管理装置9の第1データメモリ25中には、現在使用されている軟水Nの使用水質Us、軟水温度T1、凝縮水温度T2が書き込まれているものとする。
水質管理装置9は、電源が入れられ、スタートボタン41が押されると動作を開始する。まず、第1データメモリ25から、軟水温度T1と凝縮水温度T2のデータと、現在使用されている軟水Nの使用水質Usのデータが読み出され(ステップS1)、つづいて、給水温度計7bから伝えられる給水温度Zに関するデータと、第1データメモリ25から読み出された軟水温度T1と凝縮水温度T2のデータとから、凝縮水使用率Xが算出される(ステップS2)。つぎに、第1データメモリ25から読み出された軟水Nの使用水質Usを用いて、第2データメモリ26から、この使用水質Usに最も適する清缶剤注入濃度の式Y1とブロー率の式Y2とを読み出し(ステップS3)、この清缶剤注入濃度の式Y1及びブロー率の式Y2と、既に算出された凝縮水使用率Xとから、現在のボイラ装置1の運転状態に最も適した(最適の)清缶剤注入濃度とブロー率とを算出する(ステップS4)。
つぎに、脱酸素剤注入濃度の式Y3を第2データメモリ26から読み出し(ステップS5)、この式Y3と給水温度計7bから伝えられる給水温度Zに関するデータとを用いて、現在のボイラ装置1の運転状態に最も適した(最適の)脱酸素剤注入濃度を算出する(ステップS6)。つぎに、算出された、清缶剤注入濃度(mg/L)、ブロー率(%)、及び脱酸素剤注入濃度(mg/L)と、給水流量計7aから伝えられる給水流量に関するデータとから、最適清缶剤注入量(g/h)、最適ブロー量(Kg/h)、最適脱酸素剤注入量(g/h)を算出する(ステップS7)。つぎに、算出された、清缶剤注入量、ブロー量、脱酸素剤注入量が異常値であるか否かがチェックされ(ステップS8)、異常値でなくNOであれば、清缶剤注入量は清缶剤注入装置5Aに伝達され、脱酸素剤注入量は脱酸素剤注入装置5Bに伝達され、ブロー量はブローダウン装置6に伝達される(ステップS9)。そして、各装置5A,5B,6は、水質管理装置9からの出力値に基づき、現在のボイラ装置1の運転状態に最も適した状態で一定時間運転される。
ステップS8において、算出された、清缶剤注入量、ブロー量、脱酸素剤注入量のうち、1つにでも異常値があると、YESとなって警報信号P6が発せられ(ステップS10)、これによって警報装置44が警報を発するとともに、作業者が常駐する管理室の警報装置にも、出力信号配線11を介して警報信号P6が伝えられる。このことにより、水質管理装置9は、警報原因が究明され、再度スタートボタン41が押されるまで動作を中止する。以上、ステップS1からステップS9までの動作は、凝縮水使用率Xの変動周期や給水流量の変動周期を考慮して、例えば数分の時間間隔で繰り返される。もちろん、ステップ1からステップ9までの動作を、時間間隔なしに連続的に繰り返してもよい。
また、使用している軟水Nの使用水質Usに変更が生じたり、軟水Nや凝縮水Gの温度に変更が生じた場合には、記憶内容書換ボタン42を押して、水質管理装置9の動作を停止させ、必要事項の書換を行った後、スタートボタン41を押せば、水質管理装置9は、書き換え後のデータを基準にして動作する。
以上のように、この水質管理装置9では、軟水水質の変化に対応して、凝縮水使用率Xが分かれば、ボイラ給水B2に対する最適清缶剤注入濃度やボイラ水の最適ブロー率が分かる複数の式を記憶し、かつ、ボイラ装置1の運転状態に合わせて凝縮水使用率Xを算出しているので、使用している軟水Nの使用水質Usが分かれば、このボイラ装置1の運転状態に最適の清缶剤注入濃度やブロー率を算出でき、これらの算出値に基づいて、薬液注入装置5やブローダウン装置6を適正に運転することができる。
すなわち、この水質管理装置9では、凝縮水Gの使用によってボイラ給水B2の水質に大きな変動があっても、ボイラ装置1の運転状態に合わせて、簡単に、最適な清缶剤注入濃度や最適なブロー率を設定でき、このことによって、ボイラ装置1が過剰な薬液注入や過剰なボイラ水のブローを行うのを、簡単に防止できる。
また、この水質管理装置9では、給水温度Zが分かれば、ボイラ給水B2に対する最適脱酸素剤注入濃度が分かる式を記憶し、かつ、給水温度計7bから給水温度Zに関するデータを受領しているので、ボイラ装置1の運転状態に最適な脱酸素剤注入濃度を簡単に算出でき、このことによって、ボイラ装置1が過剰な薬液注入を行うのを簡単に防止することができる。
ここで、軟水Nの使用水質Usに大きな変化が生じない場合には、第2データメモリ26中には、軟水Nの平均的な使用水質Usに対する、凝縮水使用率Xを関数とした清缶剤注入濃度の式Y1とブロー率の式Y2とを1つずつ記憶させておけばよく、第1データメモリ25中に、軟水Nの使用水質Usに関するデータを記憶させる必要はない。
また、凝縮水Gの使用水質が無視できない場合には、第1データメモリ24中に凝縮水Gの使用水質に関するデータを記憶させるとともに、第2データメモリ25中の清缶剤注入濃度の式Y1とブロー率の式Y2も、例えば、図5で示されるように、1つの軟水水質Uに対して複数種の凝縮水水質Vが対応できるようにして、清缶剤注入濃度の式Y1とブロー率の式Y2を、軟水Nの使用水質Usと凝縮水Gの使用水質とを用いて選択するようにする。この場合、清缶剤注入濃度の式Y1やブロー率の式Y2を決定するに当たっては、凝縮水Gの水質を無視することなく(純水と考えることなく)、この凝縮水Gの水質もボイラ給水B2の水質に反映させるようにする必要がある。
なお、軟水タンク4に軟水温度計を設けるとともに、凝縮水回収配管14に凝縮水温度計を設け、これらの温度計からの温度信号を水質管理装置9に入力できるようにすれば、水質管理装置9は、より正確な凝縮水使用率Xを算出できる。もちろん、この場合、第1データメモリ25中には、軟水温度T1と凝縮水温度T2のデータを記憶させる必要は無い。
また、軟水Nの補給水配管8bに電気伝導度計を設け、この電気伝導度計と給水配管8a中の電気伝導度計7cからの電気伝導信号を水質管理装置9に入力して、軟水Nの電気伝導値とボイラ給水B2の電気伝導値とから凝縮水使用率Xを算出するようにしてもよい。この場合、凝縮水Gの電気伝導値は0として考える。凝縮水Gの電気伝導値が無視できない場合は、凝縮水回収配管中にも電気伝導度計を設け、これからの電気伝導度信号も水質管理装置9に入力するようにする。もちろん、軟水Nの補給水配管8bと凝縮水回収配管中とに流量計を設け、これらの流量計からの流量信号を水質管理装置9に入力して、ボイラ給水B2や軟水Nや凝縮水Gの流量から凝縮水使用率Xを算出するようにしてもよい。
さらに、給水配管8aにボイラ給水B2の溶存酸素濃度を計測する溶存酸素濃度計を設け、この溶存酸素濃度計からの溶存酸素濃度信号を水質管理装置9に入力するようにして、この水質管理装置9が、溶存酸素濃度計から伝えられる溶存酸素濃度に基づいて、脱酸素剤注入濃度を算出するようにしてもよい。この場合、第2データメモリ26中の脱酸素剤注入濃度を定める式Y3は、給水温度Zでなく、溶存酸素濃度を関数とする必要がある。
また、第2データメモリ25中に記憶される清缶剤注入濃度やブロー率に関する情報は、凝縮水使用率Xを関数とした式Y1,Y2ではなく、0,1,2,3,・・100と細分された凝縮水使用率Xに対応させて、清缶剤注入濃度やブロー率を定めたテーブルとしてもよい。この場合、第1水質管理量演算手段28は、算出された凝縮水使用率Xに最も近いテーブル中の凝縮水使用率Xに対応する清缶剤注入濃度やブロー率を選択するか、又は、テーブル中の隣接する2つの清缶剤注入濃度やブロー率を読み出して、これらを算出された凝縮水使用率Xに合うように補完して、最適な清缶剤注入濃度やブロー率を算出する。もちろん、このことは、第2データメモリ25中に記憶される脱酸素剤注入濃度に関する情報についても同様である。
さらに、この実施の形態では、水質管理装置9は、ボイラ装置1の運転状態にあった清缶剤注入濃度、脱酸素剤注入濃度、ブロー率を算出し、これらに基づくデータを、清缶剤注入装置5A、脱酸素剤注入装置5B、及びブローダウン装置6に伝達しているが、例えば、清缶剤注入濃度、脱酸素剤注入濃度、及びブロー率のうちの何れか1つ又は何れか2つの情報を算出し、これらの情報に関係する装置に、これらの情報に基づくデータを伝達するようにしてもよい。
また、清缶剤注入装置5Aを、アルカリ剤注入装置とスケール分散剤注入装置に分け、アルカリ剤とスケール分散剤とを別々にボイラ給水B2中に注入するようにしてもよい。この場合、第2データメモリ26中には、軟水水質U毎に、凝縮水使用率Xを関数としたアルカリ剤注入濃度の式と、同じく軟水水質U毎に、凝縮水使用率Xを関数としたスケール分散剤注入濃度の式とを記憶させておく必要があるとともに、第1水質管理量演算手段28は、第2データメモリ26中から、軟水Nの使用水質Usに合った上記2つの算出式を選択後、凝縮水使用率Xを使用して最適アルカリ剤注入濃度と最適スケール分散剤注入濃度とを算出する必要がある。
以上の説明は、ボイラ装置1の水質管理装置9についてのものであるが、凝縮水使用率演算ステップと、水質管理量演算ステップと、出力伝達ステップとを有するボイラ装置1の水質管理方法についても、同様のことが言える。この場合、ボイラ装置1は、ボイラ給水B2に、清缶剤W1を注入する清缶剤注入装置5Aと、ボイラ本体2中のボイラ水B2を連続的にブローするブローダウン装置6とを備えるとともに、このボイラ装置1には、蒸気の凝縮水Gに軟水Nを加えた水がボイラ給水B2として使用されている。
ここで、凝縮水使用率演算ステップでは、ボイラ給水B1と軟水Nと凝縮水Gの、温度、電気伝導度、又は使用流量の何れかから、ボイラ給水B2のうち凝縮水Gが占める割合である凝縮水使用率Xを算出する。また、次の水質管理量演算ステップでは、軟水N及び凝縮水Gの水質に基づいて、凝縮水使用率Xにより決定される、ボイラ給水B2への最適清缶剤注入濃度、ボイラ本体2からのボイラ水B1の最適ブロー率、又は、最適清缶剤注入濃度及び最適ブロー率の、何れかを算出するために記憶されたテーブル又は式Y1,Y2と、凝縮水使用率演算ステップの出力とにより、最適清缶剤注入濃度、最適ブロー率、又は、前記最適清缶剤注入濃度及び最適ブロー率の、何れかを算出する。さらに、次の出力伝達ステップでは、水質管理量演算ステップからの出力に基づく情報を、清缶剤注入装置5A、ブローダウン装置6、又は清缶剤注入装置5A及びブローダウン装置6の、何れかに伝達する。
ところで、本実施の形態では、例えば、図9で示されるような清缶剤注入濃度の式Y1を求めるに当たり、凝縮水使用率Xが、0,30,60,90(%)における最適清缶剤注入濃度(mg/L)を試験で求めているが、この場合の試験装置には、図1で示されるボイラ装置1等を試験用に小型化したもの、例えば、ボイラ本体2’の蒸気発生量を給水量換算で7.2L/h(圧力0.7MPa)としたものが使用される。この試験装置では、凝縮水使用率Xが0,30,60,90(%)におけるボイラ装置1’の運転条件において、最適な清缶剤供給濃度と最適なブロー率とが実測によって求められる。また、この試験装置では、給水温度Zにおいて溶存酸素が飽和しているボイラ給水B2についての、給水温度Zが25〜90℃までの20ポイントにおけるボイラ装置1’の運転条件において、最適な脱酸素剤注入濃度が実測によって求められる。
ここで、この試験装置の水質管理装置9’のコンピュータ部20’には、軟水Nの使用水質Usと凝縮水Gの使用水質とが既知の場合に、凝縮水使用率Xと、清缶剤注入濃度と、ブロー率が分かれば、ボイラ水B1の水質を算出するボイラ水水質算出手段が設けられている。図11は、このボイラ水水質算出手段が、凝縮水使用率Xとの関係で、図9で示される清缶剤注入濃度とブロー率とが用いられる場合(この場合、軟水Nの水質には図8で示されるものが使用され、凝縮水Gの水質は純水と仮定されている)の、ボイラ水B1の水質を、演算によって算出したものを示している。この演算結果は、図7で示される、ボイラ水の水質の上限値及び下限値内に納められている。
なお、図7や図11中の「分散剤濃度比」は、分散剤の所定基準濃度に対するボイラ水B1中の分散剤濃度の比であり、「P比」は、Pアルカリ濃度/シリカ濃度の値である。
ボイラ装置の一例を示す図である。 この発明の一実施の形態に係る水質管理装置の概要を示すブロック図である。 第1データメモリの記憶内容を示す図である。 第2データメモリの記憶内容を示す図である。 第2データメモリの他の記憶内容の一部を示す図である。 水質管理装置のプログラム動作の主要部を示すフローチャートである。 ボイラ水の水質管理基準値例を示す図である。 軟水の水質例等を示す図である。 図8で示される水質の軟水と純水水質の凝縮水とを使用した場合に、最適清缶剤注入濃度と最適ブロー率とを凝縮水使用率の関数として示した場合の、これらのグラフ及び式を示す図である。 給水温度で溶存酸素濃度が飽和するボイラ給水を使用した場合に、最適脱酸素剤注入濃度を給水温度の関数として示した場合の、そのグラフ及び式を示す図である。 凝縮水使用率Xとの関係で、図9で示される清缶剤注入濃度とブロー率とが用いられた場合に、ボイラ水の水質を演算により算出した結果を示す図である。
符号の説明
1 ボイラ装置(ボイラ)
2 ボイラ本体
5A 清缶剤注入装置(薬液注入装置)
6 ブローダウン装置
9 水質管理装置
26 第2データメモリ(水質管理値記憶手段)
27 凝縮水使用率演算手段
28 第1水質管理量演算手段(水質管理量演算手段)
31 出力伝達手段
B1 ボイラ水
B2 ボイラ給水
G 凝縮水
N 軟水
T1 軟水温度
T2 凝縮水温度
W1 清缶剤(水処理薬品)
Y1 清缶剤注入濃度を定める式(薬液注入濃度を定める式)
Y2 ブロー率を定める式
X 凝縮水使用率
Z 給水温度

Claims (3)

  1. ボイラの給水系統に水処理薬品を注入する薬液注入装置と、ボイラ本体中のボイラ水を連続的にブローするブローダウン装置とを備えるとともに、回収した蒸気の凝縮水に軟水を加えた水がボイラ給水として使用されているボイラの水質管理装置であって、
    前記ボイラ給水と前記軟水と前記凝縮水の、温度、電気伝導度、又は使用流量の何れかから、前記ボイラ給水のうち前記凝縮水が占める割合である凝縮水使用率を算出する凝縮水使用率演算手段と、
    前記軟水及び前記凝縮水の水質を基準として、前記凝縮水使用率毎に定められる、前記ボイラ給水への最適薬液注入濃度、又は、前記ボイラ給水への最適薬液注入濃度及び前記ボイラ給水に対する前記ボイラ水の最適ブロー率を、前記凝縮水使用率毎に示すテーブルとして、又は、前記凝縮水使用率を関数とした式として記憶する水質管理値記憶手段と、
    前記凝縮水使用率演算手段からの出力と前記水質管理値記憶手段中の前記テーブル又は式に基づき、前記最適薬液注入濃度、又は、前記最適薬液注入濃度及び最適ブロー率を算出する水質管理量演算手段と、
    前記水質管理量演算手段からの出力に基づく情報を、前記薬液注入装置、又は前記薬液注入装置及びブローダウン装置に伝達する出力伝達手段とを有することを特徴とするボイラの水質管理装置。
  2. 前記水質管理値記憶手段は、前記軟水の水質の変化、又は前記軟水及び前記凝縮水の水質の変化に対応させて、前記テーブル又は式を記憶しているとともに、
    前記水質管理量演算手段は、現在使用している軟水の水質、又は、現在使用している軟水及び凝縮水の水質に基づいて、前記水質管理値記憶手段中から必要なテーブル又は式を選択することを特徴とする請求項1記載のボイラの水質管理装置。
  3. ボイラの給水系統に水処理薬品を注入する薬液注入装置と、ボイラ本体中のボイラ水を連続的にブローするブローダウン装置とを備えるとともに、回収した蒸気の凝縮水に軟水を加えた水がボイラ給水として使用されているボイラの水質管理方法であって、
    前記ボイラ給水と前記軟水と前記凝縮水の、温度、電気伝導度、又は使用流量の何れかから、前記ボイラ給水のうち前記凝縮水が占める割合である凝縮水使用率を算出する凝縮水使用率演算ステップと、
    前記軟水及び前記凝縮水の水質を基準として、前記凝縮水使用率毎に定められる、前記ボイラ給水への最適薬液注入濃度、又は、前記ボイラ給水への最適薬液注入濃度及び前記ボイラ給水に対する前記ボイラ水の最適ブロー率を、前記凝縮水使用率毎に示す テーブル、又は、前記凝縮水使用率の関数として示す式と、前記凝縮水使用率演算ステップからの出力とにより、前記最適薬液注入濃度、又は、前記最適薬液注入濃度及び最適ブロー率を算出する水質管理量演算ステップと、
    前記水質管理量演算ステップからの出力に基づく情報を、前記薬液注入装置、又は前記薬液注入装置及びブローダウン装置に伝達する出力伝達ステップとを有することを特徴とするボイラの水質管理方法。
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