JPH0745563B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0745563B2
JPH0745563B2 JP23432286A JP23432286A JPH0745563B2 JP H0745563 B2 JPH0745563 B2 JP H0745563B2 JP 23432286 A JP23432286 A JP 23432286A JP 23432286 A JP23432286 A JP 23432286A JP H0745563 B2 JPH0745563 B2 JP H0745563B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
parts
acid
tertiary amino
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP23432286A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6389522A (ja
Inventor
伸夫 春井
肇 熊田
章夫 東海林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP23432286A priority Critical patent/JPH0745563B2/ja
Publication of JPS6389522A publication Critical patent/JPS6389522A/ja
Publication of JPH0745563B2 publication Critical patent/JPH0745563B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規にして有用なる硬化性性樹脂組成物に関
する。さらに詳細には、本発明は、一分子中に少なくと
も1個の3級アミノ基を有する、特定のビニル系重合体
(イ)と、ポリエポキシ化合物(ロ)と、脂環式ポリカ
ルボン酸ないしは脂環式ポリカルボン酸無水物(ハ)と
を、必須の皮膜形成成分として含有することから成る、
極めて実用性の高い硬化性樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年、耐候性が良好な常温乾燥型塗料としてアクリルラ
ツカーあるいはポリイソシアネート硬化型のウレタン塗
料が広く使用されつつあるが、前者アクリルラツカーの
場合、低価格であるという利点はあるが、架橋型塗料に
比して塗膜物性が劣る。一方後者の場合にはイソシアネ
ート化合物に起因する毒性あるいは価格の点に欠点があ
り、いずれも好ましいものとは言い難い。そのために新
しい硬化システムの開発が望まれている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、上述した如き実状に鑑みて、鋭意、検討
を重ねた結果、それぞれ、特開昭59−56423号公報なら
びに同59−142220号公報に開示されているような、常温
硬化性を有し、しかも、高性能なる樹脂組成物を開発し
た。
かかる樹脂組成物は、(A)カルボン酸無水基また必要
とあらばカルボキシル基を含有するビニル系重合体(a
−1)と1分子中にそれぞれ1個の上記カルボン酸無水
基と反応しうる活性水素を有する基および3級アミノ基
を有する化合物(a−2)とを反応させて得られる3級
アミノ基含有ビニル系共重合体(I)と(B)ポリエポ
キシ化合物とを必須の成分として含んで成る常温硬化型
樹脂組成物である。また一方、上記樹脂組成物とは3級
アミノ基のビニル系重合体への導入方法が異なるが、ポ
リエポキシ化合物を硬化剤に用いる樹脂組成物として特
開昭52−76338号公報に発表された如く、常温硬化性を
有する樹脂組成物がある。かかる樹脂組成物としては、
(1)塩基性窒素含有アクリル系単量体0.2〜30重量
%、(2)(メタ)アクリル酸と脂肪族1価アルコール
とのエステルまたはそれらの混合物35〜99.8重量%、
(3)その他共重合可能な単量体0〜60重量%からなる
ビニル系共重合体(II)にポリエポキシ化合物を配合し
て成るものである。これらの樹脂組成物は上述した如
く、新規にして常温硬化性を有するものである。しか
し、これら3級アミノ基とエポキシ化合物により架橋す
る樹脂組成物を塗料として実用化した時、硬化物が黄変
着色するという欠点が判明した。
すなわち、かかる組成物を短時間で充分硬化させるため
に100℃を越える温度で加熱すると著しく黄変する欠点
があつた。このため上述した樹脂組成物を塗料用樹脂組
成物として、好適に使用するには黄変着色を改良しなけ
ればならない。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで本発明者らは問題の解決につきさらに鋭意検討し
た結果、上述した欠点を解消しすぐれた硬化物を与える
ことのできる樹脂組成物が得られることを見出して本発
明を完成させるに到つた。
すなわち、本発明は必須の成分として(イ)1分子中に
少なくとも1個以上の3級アミノ基を有するビニル系重
合体と、(ロ)ポリエポキシ化合物と、(ハ)脂環族ポ
リカルボン酸(無水物)を含んで成る硬化性の樹脂組成
物を提供するものである。
ここにおいて1分子中に少なくとも1個以上の3級アミ
ノ基を有するビニル系重合体(イ)として次の様なもの
がある。そのうちの一つとして特開昭59−56423号、及
び特開昭59−142220号公報に発表されたものである。す
なわち、無水マレイン酸または無水イタコン酸などの酸
無水基を有する単量体と必要とあらばアクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸もしく
はフマル酸:マレイン酸モノアルキルエステル、フマル
酸モノアルキルエステルもしくはイタコン酸モノアルキ
ルエステル:または水酸基を有するビニル系単量体と無
水コハク酸もしくは無水トリメリツト酸などの酸無水物
との付加物の如きカルボキシル基を有する単量体と、さ
らにこれら上記の各単量体と共重合性を有する他のビニ
ル系単量体とを共重合させることにより得られる重合体
を(a−1)とする。上記の共重合性を有する他のビニ
ル系単量体として代表的なものを挙げればメチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレートなどのメタクリル酸
エステル類;メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ベン
ジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの
アクリル酸エステル類;イタコン酸、マレイン酸、フマ
ル酸などの不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類;ま
たはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンな
どの芳香族不飽和炭化水素類;あるいは酢酸ビニル、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドンま
たは塩化ビニルなどである。そして、上記したカルボン
酸無水基を有する単量体および必要により使用されるカ
ルボキシル基を有する単量体の使用量は硬化性、耐水性
および耐アルカリ性などの点から、前者が1〜20重量%
で、後者が0〜15重量%の範囲が好ましく、他方の共重
合性単量体の使用量としては99〜65重量%なる範囲が好
ましい。
これら前述した如き各単量体から重合体(a−1)を調
製するには、公知慣用のいずれの方法によつても可能で
あるが、とくに溶液ラジカル重合法によるのが最も好ま
しく、それにはトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの芳香族
炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコー
ル、モノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶
剤;あるいはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤
と、さらにアゾ系または過酸化物系の如き公知慣用の重
合開始剤とを用いて常法により重合を遂行すればよい。
このさい、t−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカ
プタン、チオグリコール酸アルキルエステル、β−メル
カプトプロピオン酸の如きメルカプタン類やα−メチル
スチレン・ダイマーなどの分子量調節剤を用いて行なう
こともできる。次にビニル系重合体(a−1)に3級ア
ミノ基を導入する方法としてビニル系重合体(a−1)
中のカルボン酸無水基と反応しうる活性水素を有する基
および3級アミノ基を併せ有する化合物(a−2)と該
ビニル系重合体(a−1)とを反応させアミノ基含有ビ
ニル系重合体(I)を得る。
前記したカルボン酸無水基と反応しうる活性水素を有す
る基(以下、活性水素含有基と略記する。)および3級
アミノ基を併有する化合物(a−2)とは、この活性水
素含有基として水酸基、1級もしくは2級のアミノ基、
またはチオール基の如き各基を有する化合物を指称する
ものであるが、それらのうちでも最も好ましい化合物と
しては3級アミノ基を有するアルコール類および3級ア
ミノ基を有する1級または2級アミン類などが挙げられ
る。そのうち前者アミノアルコール類として代表的なも
のには2級アミン類とエポキシ化合物との付加物などが
あるが、ここに用いられる2級アミン類として代表的な
ものにはジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピル
アミン、ジブチルアミン、エチレンイミン、モルホリ
ン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジンなどがある
し、さらにはメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミ
ンの如き1級アミン類とモノもしくはポリエポキシ化合
物との付加によつて得られる2級アミノ基含有アミノア
ルコール類などがあるし、他方、エポキシ化合物の代表
的なものにはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、
ブチレンオキシド、ドデセンオキシド、スチレンオキシ
ド、シクロヘキセンオキシド、ブチルグリシジルエーテ
ルもしくはフエニルグリシジルエーテル;またはp−t
−ブチル安息香酸グリシジルエステルもしくは「カーデ
ユラE−10」(オランダ国シエル社製の分岐脂肪酸のグ
リシジルエステル)などのモノエポキシ化合物;あるい
はエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペン
チルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサン
ジオールジグリシジルエーテル、ビスフエノールAのジ
グリシジルエーテルもしくはグリセリンのトリグリシジ
ルエーテルの如き多価アルコールのポリグリシジルエー
テル類;フタル酸のジグリシジルエステル、イソフタル
酸のジグリシジルエステルもしくはアジピン酸のジグリ
シジルエステルの如き多価カルボン酸のポリグリシジル
エステル類;またはビスフエノールAないしはビスフエ
ノールFのジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ノボ
ラツク型エポキシ樹脂もしくはヒダントイン環含有エポ
キシ樹脂の如き各種エポキシ樹脂などのポリエポキシ化
合物などがあるし、さらにはp−オキシ安息香酸のグリ
シジルエステルエーテルまたは側鎖にエポキシ基を有す
る各種ビニル系重合体などがある。
かかる2級アミン類とエポキシ化合物とを反応させて得
られる前記3級アミノ基含有アルコール類の代表的なも
のにはジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタ
ノール、ジn−プロピルアミノエタノール、ジイソプロ
ピルアミノエタノール、ジn−ブチルアミノエタノーテ
ル、ジメチルアミノブタノール、ジメチルアミノヘキサ
ノール、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N
−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、N−(2−ヒ
ドロキシエチル)ピロリジン、N−(2−ヒドロキシエ
チル)アジリジン、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプ
ロピルアミン、N,N−ジエチル−2−ヒドロキシプロピ
ルアミン、トリエタノールアミンまたはトリプロパノー
ルアミンなどがあるが、さらに当該3級アミノ基含有ア
ルコール類としては、以上に掲げられたもののほかに
も、エタノールアミン、プロパノールアミンの如きアミ
ノアルコール類と、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート
の如き3級アミノ基を有する(メタ)アクリレート系単
量体との付加物、あるいは該3級アミノ基含有(メタ)
アクリレート系単量体とβ−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートの如き水酸基含有単量耐などとの共重合に
よつて得られる側鎖に3級アミノ基と水酸基とを併有す
るビニル系重合体もまた使用できる。
別に、前記した3級アミノ基含有の1級または2級アミ
ン類として代表的なものにはN,N−ジメチルエチレンジ
アミン、N,N−ジエチルエチレンジアミンの如きN,N−ジ
アルキルエチレンジアミン類、N,N−ジメチル−1,3−プ
ロピレンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロピレンジ
アミンの如きN,N−ジアルキル−1,3−プロピレンジアミ
ン類;またはN,N−ジメチル−1,6−ヘキサメチレンジア
ミン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジンの
如きN−アルキルピペラジン類;あるいは上記3級アミ
ノ基含有(メタ)アクリレート系単量体と、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ピペラジン、メチルアミン、エチルアミン、ブチル
アミンまたはアンモニアなどとの付加物などがある。
硬化性などの点からすれば、とくにN,N−ジアルキルア
ミノエタノールやN,N−ジアルキルアミノプロピルアミ
ンが好ましい化合物(a−2)として挙げられる。
そして、前記した化合物(a−1)と化合物(a−2)
とから本発明組成物におけるベース樹脂成分たるビニル
系重合体(I)を得るには、化合物(a−1)中の酸無
水基の1当量に対して化合物(a−2)中の活性水素含
有基が0.5〜3当量程度となるような比率で両者化合物
を混合し、室温から120℃程度までの温度範囲で反応さ
せればよい。
また別法の3級アミノ基含有ビニル系重合体の製造法と
して特開昭52−76338号公報に発表されたものがある。
すなわち(I)塩基性窒素含有アクリル系単量体0.2〜3
0重量%(2)アクリル酸あるいはメタクリル酸と脂肪
族1価アルコールとのエステルまたはそれらの混合物35
〜99.8重量%、(3)その他共重合可能な単量体0〜60
重量部からなるビニル系重合体(II)である。ここで用
いられる塩基性窒素含有アクリル系単量体としては、ジ
メチルアミノエチルアクリレート又はメタクリレート、
ジエチルアミノエチルアクリレート又はメタクリレー
ト、t−ブチルアクリレート又はメタクリレート等のア
クリル酸および/またはメタクリル酸誘導体が好ましく
使用されるがその他N−ジメチルアミノエチルアクリル
アミド又はメタクリルアミド、N−ジエチルアミノエチ
ルアクリルアミド又はメタクリルアミド等のアクリルア
ミド又はメタクリルアミド誘導体なども使用できる。こ
れらの使用量は0.2〜30重量%であるが、0.5〜15重量%
の範囲が性能ならびに価格的理由から好ましい。
また(2),(3)で用いられる単量体としては、製造
法の第一法で記載した共重合性を有する他のビニル系単
量体を用いれば良い。記載されなかつたそれ以外の単量
体として、2−ヒドロキシエチルあるいはプロピルアク
リレートあるいはエチルアクリルアミドおよびメチロー
ル化合物、グリシジルアクリレートまたはメタクリレー
ト、2−ビニルピリジンなども用いることができる。使
用量については(2)、(3)成分としてそれぞれ35〜
99.8重量%、好ましくは50〜80重量%および0〜60重量
%好ましくは20〜45重量%である。
上記単量体からビニル系重合体(II)を調製するには、
製造法の第一法で記載した如くの公知慣用の重合法で、
公知慣用の溶剤及び重合開始剤とを用いて常法により重
合を遂行すれば良い。ただし着色防止の効果のみを求め
る場合上記範囲に固執するものではない。
かくして各々の方法により1分子中に1個以上の3級ア
ミノ基を有するビニル系重合体(イ)が得られる。次に
ポリエポキシ化合物(ロ)としては、前述の公報に発表
されたポリエポキシ化合物(B)を用いれば良い。すな
わち前述のモノエポキシ化合物を除く前記したエポキシ
化合物が使用できる。
ビニル系重合体(イ)とポリエポキシ化合物(ロ)の配
合比は、ビニル系重合体の製造法第一法の場合ビニル系
重合体(I)に含まれるカルボキシル基と3級アミノ基
と未反応の酸無水基との合計1当量に対して、ポリエポ
キシ化合物(ロ)中に含まれるエポキシ基が0.5〜2当
量となるような割合であるのがよく、また一方別法によ
るビニル系重合体(II)とポリエポキシ化合物(ロ)の
配合比はビニル系重合体中の塩基性窒素原子(グラム原
子):ポリエポキシ化合物(ロ)中のエポキシ基の酸素
原子(グラム原子)の比が0.5〜3になるようにそれぞ
れポリエポキシ化合物(ロ)を配合すれば良い。
次に、必須成分(ハ)であるが脂環族ポリカルボン酸
(無水物)として、代表的なものを挙げればヘキサヒド
ロフタル酸(無水物)、4−メチル−ヘキサヒドロフタ
ル酸(無水物)の如きシクロヘキシル(無水)ジカルボ
ン酸類;1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸(無水物)、3,
4,5,6−テトラヒドロフタル酸(無水物)、メチルシク
ロ−5−ヘキセン−2,3−ジカルボン酸(無水物)、6
−メチル−4−シクロ−ヘキセン−1,2,3−トリカルボ
ン酸(同一−1,2−無水物)の如きシクロヘキセニル
(無水)ポリカルボン酸類;あるいは3,6−エンドメチ
レン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸(無水物)の如
きビシクロ(無水)ジカルボン酸類;さらには、(無
水)シヨウノウ酸の如きシクロペンチル(無水)ジカル
ボン酸類等がある。
脂環族ポリカルボン酸(無水物)としてはこれらの中の
1種でもあるいは2種以上を混合使用してもよい。
配合量としては、1分子中に1個以上の3級アミノ基を
有するビニル系重合体(イ)の固形分に対して0.1〜10
重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。添加量が0.1
%未満では黄変着色の改良にならず10重量%を越えて用
いると硬化性に悪影響を及ぼす。
かくして得られる本発明の組成物はそのまま塗料として
用いてもよいし、あるいは更に必要に応じて、顔料、溶
剤、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロー
スまたはケトン樹脂、塩素化ポリオレフイン、ポリイソ
シアネート、ブロツク化ポリイソシアネートなどの樹脂
類をも配合して調製された形で塗料として用いてもよ
い。
本発明組成物より得られる塗料は被塗物に塗布し、常温
にて1〜2日間放置し、あるいは必要ならば100℃を越
える条件下にて20〜40分間乾燥させることによつて充分
に硬化し、物性のすぐれた塗膜を与える。
このようにして本発明組成物から得られる塗料はクリヤ
ー塗料として使用した場合に、塗膜の黄変もなく、ウレ
タン塗料に比して著しく安価でもあるし、しかもウレタ
ン塗料においてはしばしば問題となつている毒性の懸念
もない。
したがつて、本発明組成物は従来のウレタン塗料が使用
されている自動車補修、木工、建材あるいはプラスチツ
クなどの各種の用途に有効に使用できる。
また、本発明組成物は単に上述したような塗料のみに限
られずに接着剤またはシーリング剤などの用途にも使用
できる。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により具体
的に説明するが、特に断りのない限り、部および%はす
べて重量基準であるものとする。
参考例1〔ビニル系重合体(I)溶液の調製例〕 温度計、撹拌装置、滴下漏斗、窒素導入管および冷却管
を備えた反応器に、トルエンの300部および酢酸ブチル
の400部を仕込んで窒素雰囲気下に110℃に昇温した。次
いで、スチレン200部、メチルメタクリレート300部、n
−ブチルメタクリレート300部、n−ブチルアクリレー
ト130部、アクリル酸30部、無水マレイン酸40部、アゾ
ビスイソブチロニトリル10部、t−ブチルパーオキシオ
クトエート10部、t−ブチルパーオキシベンゾエート5
部およびトルエン300部から成る混合物を3時間に亘つ
て滴下し、しかるのち同温度に15時間保持して反応を続
行させ、不揮発分(NV)が50%で数平均分子量(n)
が10,000なる酸無水基とカルボキシル基とを有するビニ
ル系重合体(a−1)の溶液を得た。以下、これをビニ
ル系重合体(a−1−1)と略記する。
次いで、この重合体溶液を70℃に降温したのち、これに
N,N−ジメチルアミノエタノールの40部を添加してから
同温度に5時間保持し、さらにn−ブタノールの270部
を加えてNVが45%で、ガードナーカラーが1以下なる重
合体の溶液を得た。
以下、これを重合体(I−1)と略記するが、この重合
体(I−1)についてIRスペクトル分析により求めた酸
無水基の反応率は88%であつた。
参考例2(同上) 無水マレイン酸の代わりに同量の無水イタコン酸を用い
るように変更した以外は、参考例1と同様にしてNVが45
%でガードナーカラーが1以下なるカルボキシル基と3
級アミノ基とを有する重合体〔以下、これを重合体(I
−2)と略記する。〕の溶液を得た。
参考例3(同上) 共重合さすべき単量体としてスチレンの200部、メチル
メタクリレートの250部、n−ブチルメタクリレートの3
40部、n−ブチルアクリレートの130部、メタクリル酸
の50部および無水マレイン酸の30部を使用するように変
更した以外は、参考例1と同様にして酸無水基とカルボ
キシル基とを有するビニル系重合体(a−1)の溶液を
得た。
次いで、この重合体溶液を70℃に降温したのちN,N−ジ
エチルアミノエタノールの40部を添加してから同温度に
5時間保持し、さらにn−ブタノールの270部を添加し
てNVが45%で、ガードナーカラーが1以下なる重合体の
溶液を得た。以下、これを重合体(I−3)と略記する
が、この重合体(I−3)についてIRスペクトル分析に
より求めた酸無水基の反応率は85%であつた。
参考例4(同上) 参考例1で得られた酸無水基とカルボキシル基とを有す
るビニル系重合体(a−1−1)溶液の1000部を窒素気
流下に80℃に昇温してN,N−ジメチルアミノプロピルア
ミンの20部を添加し、同温度に3時間保持して反応を続
行させたのち、n−ブタノールの135部を加えてNVが45
%でガードナーカラーが1以下なる重合体(A)の溶液
を得た。以下、これを重合体(I−4)と略記する。
参考例5(同上) 参考例1で用いたビニル系単量体混合物および重合開始
剤をそれぞれスチレン200部、メチルメタクリレート300
部、n−ブチルメタクリレート300部、n−ブチルアク
リレート160部、無水マレイン酸40部およびアゾビスイ
ソブチロニトリル10部、t−ブチルパーオクトエート10
部、t−ブチルパーベンゾエート3部に代えて用いる以
外は参考例1と同様の操作を繰返してNVが45%でかつガ
ードナーカラーが1以下であるビニル系重合体の溶液を
得た。
以下これを重合体(I−5)と略記する。
参考例6〔ビニル系重合体(II)溶液の調製例〕 参考例1と同様の反応器にトルエン800部、イソブタノ
ール200部、ジメチルアミノエチルメタクリレート120
部、メチルメタクリレート580部、n−ブチルアクリレ
ート300部、n−ドデシルメルカプタン10部、アゾビス
イソブチロニトリル10部を仕込み80℃で2時間かきま
ぜ、その後2時間毎に3回アゾビスイソブチロニトリル
0.2部を加え12時間で重合を完了しビニル系重合体(以
下II−1と略記する)を得た。NVが50.3%でガードナー
カラー1であつた。
各参考例で得られた重合体溶液とポリエポキシ化合物
と、脂環族ポリカルボン酸(無水物)を第一表に示され
る配合組成比でクリアー塗料を調製し、トルエン/n−ブ
タノール=70/30(重量比)なる混合溶剤でスプレー可
能な粘度まで希釈し、燐酸亜鉛処理鋼板に膜厚約40μm
となるようにスプレー塗装した。
塗装鋼板は120℃10分焼付、硬化塗膜を得た。
〔発明の効果〕 第1表の結果からも明らかなように、本発明の組成物か
ら調製された塗料は優れた物性ならびに殆んど黄変着色
しない塗膜を与えるものである。
ここで塗膜の着色度(Δb値)は予め塗布しておいた白
色のウレタン塗膜の上に、前記それぞれのクリヤー塗料
を前記と同様の方法により塗布し、次いで80℃・30分間
強制乾燥させたのちに塗膜の黄変度を測定し、ウレタン
塗膜単独との黄変度の差(Δb値)を調べることによつ
て評価したものであり、このΔb値が小さい程塗膜の着
色が少ないことを意味するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)一分子中に少なくとも1個の3級ア
    ミノ基を有するビニル系重合体と、(ロ)ポリエポキシ
    化合物と、(ハ)脂環式ポリカルボン酸(無水物)とを
    含有することを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記した一分子中に少なくとも1個の3級
    アミノ基を有するビニル系重合体(イ)が、カルボン酸
    無水基を有するビニル系重合体と、カルボン酸無水基と
    反応し得る活性水素を有する基および3級アミノ基を併
    せ有する化合物とを反応せしめて得られるものである、
    特許請求の範囲第1項に記載の組成物。
  3. 【請求項3】前記した一分子中に少なくとも1個の3級
    アミノ基を有するビニル系重合体(イ)が、塩基性窒素
    含有ビニル系単量体を含む単量体混合物を反応せしめて
    得られるものである、特許請求の範囲第1項に記載の組
    成物。
JP23432286A 1986-10-03 1986-10-03 硬化性樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0745563B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23432286A JPH0745563B2 (ja) 1986-10-03 1986-10-03 硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23432286A JPH0745563B2 (ja) 1986-10-03 1986-10-03 硬化性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6389522A JPS6389522A (ja) 1988-04-20
JPH0745563B2 true JPH0745563B2 (ja) 1995-05-17

Family

ID=16969191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23432286A Expired - Lifetime JPH0745563B2 (ja) 1986-10-03 1986-10-03 硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0745563B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6389522A (ja) 1988-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0123793B1 (en) Room temperature-curable resin composition
JPH0245577A (ja) 熱硬化性組成物
US4670521A (en) Process for producing tertiary amino group-containing vinyl polymers and curable resin compositions based on these polymers
JPH0781111B2 (ja) 常温硬化性上塗り塗料用樹脂組成物
JPS6231006B2 (ja)
JPH01266126A (ja) 硬化性樹脂組成物
JPH0745563B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JPH0655807B2 (ja) 樹脂組成物
JP2650285B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2712425B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JPS6310725B2 (ja)
JPS6254351B2 (ja)
JPH0791362B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JPS6250366A (ja) 密着性および保存安定性の優れた塗料用樹脂組成物
JP2508063B2 (ja) 常温硬化性樹脂組成物
JPS5829824B2 (ja) 紫外線硬化塗料用樹脂組成物
EP0237951A2 (en) Coating composition
JPS62184019A (ja) 硬化性樹脂組成物
JPH0430415B2 (ja)
JP2920994B2 (ja) 常温硬化性樹脂組成物
JPH0536443B2 (ja)
JPH0527645B2 (ja)
JPS61179222A (ja) 常温硬化性樹脂組成物
JPS62215623A (ja) 硬化性樹脂組成物
JPS60130656A (ja) 被膜の硬化方法