JPH0745563B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JPH0745563B2
JPH0745563B2 JP23432286A JP23432286A JPH0745563B2 JP H0745563 B2 JPH0745563 B2 JP H0745563B2 JP 23432286 A JP23432286 A JP 23432286A JP 23432286 A JP23432286 A JP 23432286A JP H0745563 B2 JPH0745563 B2 JP H0745563B2
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polymer
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伸夫 春井
肇 熊田
章夫 東海林
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規にして有用なる硬化性性樹脂組成物に関
する。さらに詳細には、本発明は、一分子中に少なくと
も1個の3級アミノ基を有する、特定のビニル系重合体
(イ)と、ポリエポキシ化合物(ロ)と、脂環式ポリカ
ルボン酸ないしは脂環式ポリカルボン酸無水物(ハ)と
を、必須の皮膜形成成分として含有することから成る、
極めて実用性の高い硬化性樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年、耐候性が良好な常温乾燥型塗料としてアクリルラ
ツカーあるいはポリイソシアネート硬化型のウレタン塗
料が広く使用されつつあるが、前者アクリルラツカーの
場合、低価格であるという利点はあるが、架橋型塗料に
比して塗膜物性が劣る。一方後者の場合にはイソシアネ
ート化合物に起因する毒性あるいは価格の点に欠点があ
り、いずれも好ましいものとは言い難い。そのために新
しい硬化システムの開発が望まれている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、上述した如き実状に鑑みて、鋭意、検討
を重ねた結果、それぞれ、特開昭59−56423号公報なら
びに同59−142220号公報に開示されているような、常温
硬化性を有し、しかも、高性能なる樹脂組成物を開発し
た。
かかる樹脂組成物は、(A)カルボン酸無水基また必要
とあらばカルボキシル基を含有するビニル系重合体(a
−1)と1分子中にそれぞれ1個の上記カルボン酸無水
基と反応しうる活性水素を有する基および3級アミノ基
を有する化合物(a−2)とを反応させて得られる3級
アミノ基含有ビニル系共重合体(I)と(B)ポリエポ
キシ化合物とを必須の成分として含んで成る常温硬化型
樹脂組成物である。また一方、上記樹脂組成物とは3級
アミノ基のビニル系重合体への導入方法が異なるが、ポ
リエポキシ化合物を硬化剤に用いる樹脂組成物として特
開昭52−76338号公報に発表された如く、常温硬化性を
有する樹脂組成物がある。かかる樹脂組成物としては、
(1)塩基性窒素含有アクリル系単量体0.2〜30重量
%、(2)(メタ)アクリル酸と脂肪族1価アルコール
とのエステルまたはそれらの混合物35〜99.8重量%、
(3)その他共重合可能な単量体0〜60重量%からなる
ビニル系共重合体(II)にポリエポキシ化合物を配合し
て成るものである。これらの樹脂組成物は上述した如
く、新規にして常温硬化性を有するものである。しか
し、これら3級アミノ基とエポキシ化合物により架橋す
る樹脂組成物を塗料として実用化した時、硬化物が黄変
着色するという欠点が判明した。
すなわち、かかる組成物を短時間で充分硬化させるため
に100℃を越える温度で加熱すると著しく黄変する欠点
があつた。このため上述した樹脂組成物を塗料用樹脂組
成物として、好適に使用するには黄変着色を改良しなけ
ればならない。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで本発明者らは問題の解決につきさらに鋭意検討し
た結果、上述した欠点を解消しすぐれた硬化物を与える
ことのできる樹脂組成物が得られることを見出して本発
明を完成させるに到つた。
すなわち、本発明は必須の成分として(イ)1分子中に
少なくとも1個以上の3級アミノ基を有するビニル系重
合体と、(ロ)ポリエポキシ化合物と、(ハ)脂環族ポ
リカルボン酸(無水物)を含んで成る硬化性の樹脂組成
物を提供するものである。
ここにおいて1分子中に少なくとも1個以上の3級アミ
ノ基を有するビニル系重合体(イ)として次の様なもの
がある。そのうちの一つとして特開昭59−56423号、及
び特開昭59−142220号公報に発表されたものである。す
なわち、無水マレイン酸または無水イタコン酸などの酸
無水基を有する単量体と必要とあらばアクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸もしく
はフマル酸:マレイン酸モノアルキルエステル、フマル
酸モノアルキルエステルもしくはイタコン酸モノアルキ
ルエステル:または水酸基を有するビニル系単量体と無
水コハク酸もしくは無水トリメリツト酸などの酸無水物
との付加物の如きカルボキシル基を有する単量体と、さ
らにこれら上記の各単量体と共重合性を有する他のビニ
ル系単量体とを共重合させることにより得られる重合体
を(a−1)とする。上記の共重合性を有する他のビニ
ル系単量体として代表的なものを挙げればメチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレートなどのメタクリル酸
エステル類;メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ベン
ジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの
アクリル酸エステル類;イタコン酸、マレイン酸、フマ
ル酸などの不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類;ま
たはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンな
どの芳香族不飽和炭化水素類;あるいは酢酸ビニル、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドンま
たは塩化ビニルなどである。そして、上記したカルボン
酸無水基を有する単量体および必要により使用されるカ
ルボキシル基を有する単量体の使用量は硬化性、耐水性
および耐アルカリ性などの点から、前者が1〜20重量%
で、後者が0〜15重量%の範囲が好ましく、他方の共重
合性単量体の使用量としては99〜65重量%なる範囲が好
ましい。
これら前述した如き各単量体から重合体(a−1)を調
製するには、公知慣用のいずれの方法によつても可能で
あるが、とくに溶液ラジカル重合法によるのが最も好ま
しく、それにはトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの芳香族
炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコー
ル、モノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶
剤;あるいはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤
と、さらにアゾ系または過酸化物系の如き公知慣用の重
合開始剤とを用いて常法により重合を遂行すればよい。
このさい、t−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカ
プタン、チオグリコール酸アルキルエステル、β−メル
カプトプロピオン酸の如きメルカプタン類やα−メチル
スチレン・ダイマーなどの分子量調節剤を用いて行なう
こともできる。次にビニル系重合体(a−1)に3級ア
ミノ基を導入する方法としてビニル系重合体(a−1)
中のカルボン酸無水基と反応しうる活性水素を有する基
および3級アミノ基を併せ有する化合物(a−2)と該
ビニル系重合体(a−1)とを反応させアミノ基含有ビ
ニル系重合体(I)を得る。
前記したカルボン酸無水基と反応しうる活性水素を有す
る基(以下、活性水素含有基と略記する。)および3級
アミノ基を併有する化合物(a−2)とは、この活性水
素含有基として水酸基、1級もしくは2級のアミノ基、
またはチオール基の如き各基を有する化合物を指称する
ものであるが、それらのうちでも最も好ましい化合物と
しては3級アミノ基を有するアルコール類および3級ア
ミノ基を有する1級または2級アミン類などが挙げられ
る。そのうち前者アミノアルコール類として代表的なも
のには2級アミン類とエポキシ化合物との付加物などが
あるが、ここに用いられる2級アミン類として代表的な
ものにはジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピル
アミン、ジブチルアミン、エチレンイミン、モルホリ
ン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジンなどがある
し、さらにはメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミ
ンの如き1級アミン類とモノもしくはポリエポキシ化合
物との付加によつて得られる2級アミノ基含有アミノア
ルコール類などがあるし、他方、エポキシ化合物の代表
的なものにはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、
ブチレンオキシド、ドデセンオキシド、スチレンオキシ
ド、シクロヘキセンオキシド、ブチルグリシジルエーテ
ルもしくはフエニルグリシジルエーテル;またはp−t
−ブチル安息香酸グリシジルエステルもしくは「カーデ
ユラE−10」(オランダ国シエル社製の分岐脂肪酸のグ
リシジルエステル)などのモノエポキシ化合物;あるい
はエチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペン
チルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサン
ジオールジグリシジルエーテル、ビスフエノールAのジ
グリシジルエーテルもしくはグリセリンのトリグリシジ
ルエーテルの如き多価アルコールのポリグリシジルエー
テル類;フタル酸のジグリシジルエステル、イソフタル
酸のジグリシジルエステルもしくはアジピン酸のジグリ
シジルエステルの如き多価カルボン酸のポリグリシジル
エステル類;またはビスフエノールAないしはビスフエ
ノールFのジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ノボ
ラツク型エポキシ樹脂もしくはヒダントイン環含有エポ
キシ樹脂の如き各種エポキシ樹脂などのポリエポキシ化
合物などがあるし、さらにはp−オキシ安息香酸のグリ
シジルエステルエーテルまたは側鎖にエポキシ基を有す
る各種ビニル系重合体などがある。
かかる2級アミン類とエポキシ化合物とを反応させて得
られる前記3級アミノ基含有アルコール類の代表的なも
のにはジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタ
ノール、ジn−プロピルアミノエタノール、ジイソプロ
ピルアミノエタノール、ジn−ブチルアミノエタノーテ
ル、ジメチルアミノブタノール、ジメチルアミノヘキサ
ノール、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N
−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、N−(2−ヒ
ドロキシエチル)ピロリジン、N−(2−ヒドロキシエ
チル)アジリジン、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプ
ロピルアミン、N,N−ジエチル−2−ヒドロキシプロピ
ルアミン、トリエタノールアミンまたはトリプロパノー
ルアミンなどがあるが、さらに当該3級アミノ基含有ア
ルコール類としては、以上に掲げられたもののほかに
も、エタノールアミン、プロパノールアミンの如きアミ
ノアルコール類と、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート
の如き3級アミノ基を有する(メタ)アクリレート系単
量体との付加物、あるいは該3級アミノ基含有(メタ)
アクリレート系単量体とβ−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートの如き水酸基含有単量耐などとの共重合に
よつて得られる側鎖に3級アミノ基と水酸基とを併有す
るビニル系重合体もまた使用できる。
別に、前記した3級アミノ基含有の1級または2級アミ
ン類として代表的なものにはN,N−ジメチルエチレンジ
アミン、N,N−ジエチルエチレンジアミンの如きN,N−ジ
アルキルエチレンジアミン類、N,N−ジメチル−1,3−プ
ロピレンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロピレンジ
アミンの如きN,N−ジアルキル−1,3−プロピレンジアミ
ン類;またはN,N−ジメチル−1,6−ヘキサメチレンジア
ミン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジンの
如きN−アルキルピペラジン類;あるいは上記3級アミ
ノ基含有(メタ)アクリレート系単量体と、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ピペラジン、メチルアミン、エチルアミン、ブチル
アミンまたはアンモニアなどとの付加物などがある。
硬化性などの点からすれば、とくにN,N−ジアルキルア
ミノエタノールやN,N−ジアルキルアミノプロピルアミ
ンが好ましい化合物(a−2)として挙げられる。
そして、前記した化合物(a−1)と化合物(a−2)
とから本発明組成物におけるベース樹脂成分たるビニル
系重合体(I)を得るには、化合物(a−1)中の酸無
水基の1当量に対して化合物(a−2)中の活性水素含
有基が0.5〜3当量程度となるような比率で両者化合物
を混合し、室温から120℃程度までの温度範囲で反応さ
せればよい。
また別法の3級アミノ基含有ビニル系重合体の製造法と
して特開昭52−76338号公報に発表されたものがある。
すなわち(I)塩基性窒素含有アクリル系単量体0.2〜3
0重量%(2)アクリル酸あるいはメタクリル酸と脂肪
族1価アルコールとのエステルまたはそれらの混合物35
〜99.8重量%、(3)その他共重合可能な単量体0〜60
重量部からなるビニル系重合体(II)である。ここで用
いられる塩基性窒素含有アクリル系単量体としては、ジ
メチルアミノエチルアクリレート又はメタクリレート、
ジエチルアミノエチルアクリレート又はメタクリレー
ト、t−ブチルアクリレート又はメタクリレート等のア
クリル酸および/またはメタクリル酸誘導体が好ましく
使用されるがその他N−ジメチルアミノエチルアクリル
アミド又はメタクリルアミド、N−ジエチルアミノエチ
ルアクリルアミド又はメタクリルアミド等のアクリルア
ミド又はメタクリルアミド誘導体なども使用できる。こ
れらの使用量は0.2〜30重量%であるが、0.5〜15重量%
の範囲が性能ならびに価格的理由から好ましい。
また(2),(3)で用いられる単量体としては、製造
法の第一法で記載した共重合性を有する他のビニル系単
量体を用いれば良い。記載されなかつたそれ以外の単量
体として、2−ヒドロキシエチルあるいはプロピルアク
リレートあるいはエチルアクリルアミドおよびメチロー
ル化合物、グリシジルアクリレートまたはメタクリレー
ト、2−ビニルピリジンなども用いることができる。使
用量については(2)、(3)成分としてそれぞれ35〜
99.8重量%、好ましくは50〜80重量%および0〜60重量
%好ましくは20〜45重量%である。
上記単量体からビニル系重合体(II)を調製するには、
製造法の第一法で記載した如くの公知慣用の重合法で、
公知慣用の溶剤及び重合開始剤とを用いて常法により重
合を遂行すれば良い。ただし着色防止の効果のみを求め
る場合上記範囲に固執するものではない。
かくして各々の方法により1分子中に1個以上の3級ア
ミノ基を有するビニル系重合体(イ)が得られる。次に
ポリエポキシ化合物(ロ)としては、前述の公報に発表
されたポリエポキシ化合物(B)を用いれば良い。すな
わち前述のモノエポキシ化合物を除く前記したエポキシ
化合物が使用できる。
ビニル系重合体(イ)とポリエポキシ化合物(ロ)の配
合比は、ビニル系重合体の製造法第一法の場合ビニル系
重合体(I)に含まれるカルボキシル基と3級アミノ基
と未反応の酸無水基との合計1当量に対して、ポリエポ
キシ化合物(ロ)中に含まれるエポキシ基が0.5〜2当
量となるような割合であるのがよく、また一方別法によ
るビニル系重合体(II)とポリエポキシ化合物(ロ)の
配合比はビニル系重合体中の塩基性窒素原子(グラム原
子):ポリエポキシ化合物(ロ)中のエポキシ基の酸素
原子(グラム原子)の比が0.5〜3になるようにそれぞ
れポリエポキシ化合物(ロ)を配合すれば良い。
次に、必須成分(ハ)であるが脂環族ポリカルボン酸
(無水物)として、代表的なものを挙げればヘキサヒド
ロフタル酸(無水物)、4−メチル−ヘキサヒドロフタ
ル酸(無水物)の如きシクロヘキシル(無水)ジカルボ
ン酸類;1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸(無水物)、3,
4,5,6−テトラヒドロフタル酸(無水物)、メチルシク
ロ−5−ヘキセン−2,3−ジカルボン酸(無水物)、6
−メチル−4−シクロ−ヘキセン−1,2,3−トリカルボ
ン酸(同一−1,2−無水物)の如きシクロヘキセニル
(無水)ポリカルボン酸類;あるいは3,6−エンドメチ
レン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸(無水物)の如
きビシクロ(無水)ジカルボン酸類;さらには、(無
水)シヨウノウ酸の如きシクロペンチル(無水)ジカル
ボン酸類等がある。
脂環族ポリカルボン酸(無水物)としてはこれらの中の
1種でもあるいは2種以上を混合使用してもよい。
配合量としては、1分子中に1個以上の3級アミノ基を
有するビニル系重合体(イ)の固形分に対して0.1〜10
重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。添加量が0.1
%未満では黄変着色の改良にならず10重量%を越えて用
いると硬化性に悪影響を及ぼす。
かくして得られる本発明の組成物はそのまま塗料として
用いてもよいし、あるいは更に必要に応じて、顔料、溶
剤、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロー
スまたはケトン樹脂、塩素化ポリオレフイン、ポリイソ
シアネート、ブロツク化ポリイソシアネートなどの樹脂
類をも配合して調製された形で塗料として用いてもよ
い。
本発明組成物より得られる塗料は被塗物に塗布し、常温
にて1〜2日間放置し、あるいは必要ならば100℃を越
える条件下にて20〜40分間乾燥させることによつて充分
に硬化し、物性のすぐれた塗膜を与える。
このようにして本発明組成物から得られる塗料はクリヤ
ー塗料として使用した場合に、塗膜の黄変もなく、ウレ
タン塗料に比して著しく安価でもあるし、しかもウレタ
ン塗料においてはしばしば問題となつている毒性の懸念
もない。
したがつて、本発明組成物は従来のウレタン塗料が使用
されている自動車補修、木工、建材あるいはプラスチツ
クなどの各種の用途に有効に使用できる。
また、本発明組成物は単に上述したような塗料のみに限
られずに接着剤またはシーリング剤などの用途にも使用
できる。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により具体
的に説明するが、特に断りのない限り、部および%はす
べて重量基準であるものとする。
参考例1〔ビニル系重合体(I)溶液の調製例〕 温度計、撹拌装置、滴下漏斗、窒素導入管および冷却管
を備えた反応器に、トルエンの300部および酢酸ブチル
の400部を仕込んで窒素雰囲気下に110℃に昇温した。次
いで、スチレン200部、メチルメタクリレート300部、n
−ブチルメタクリレート300部、n−ブチルアクリレー
ト130部、アクリル酸30部、無水マレイン酸40部、アゾ
ビスイソブチロニトリル10部、t−ブチルパーオキシオ
クトエート10部、t−ブチルパーオキシベンゾエート5
部およびトルエン300部から成る混合物を3時間に亘つ
て滴下し、しかるのち同温度に15時間保持して反応を続
行させ、不揮発分(NV)が50%で数平均分子量(n)
が10,000なる酸無水基とカルボキシル基とを有するビニ
ル系重合体(a−1)の溶液を得た。以下、これをビニ
ル系重合体(a−1−1)と略記する。
次いで、この重合体溶液を70℃に降温したのち、これに
N,N−ジメチルアミノエタノールの40部を添加してから
同温度に5時間保持し、さらにn−ブタノールの270部
を加えてNVが45%で、ガードナーカラーが1以下なる重
合体の溶液を得た。
以下、これを重合体(I−1)と略記するが、この重合
体(I−1)についてIRスペクトル分析により求めた酸
無水基の反応率は88%であつた。
参考例2(同上) 無水マレイン酸の代わりに同量の無水イタコン酸を用い
るように変更した以外は、参考例1と同様にしてNVが45
%でガードナーカラーが1以下なるカルボキシル基と3
級アミノ基とを有する重合体〔以下、これを重合体(I
−2)と略記する。〕の溶液を得た。
参考例3(同上) 共重合さすべき単量体としてスチレンの200部、メチル
メタクリレートの250部、n−ブチルメタクリレートの3
40部、n−ブチルアクリレートの130部、メタクリル酸
の50部および無水マレイン酸の30部を使用するように変
更した以外は、参考例1と同様にして酸無水基とカルボ
キシル基とを有するビニル系重合体(a−1)の溶液を
得た。
次いで、この重合体溶液を70℃に降温したのちN,N−ジ
エチルアミノエタノールの40部を添加してから同温度に
5時間保持し、さらにn−ブタノールの270部を添加し
てNVが45%で、ガードナーカラーが1以下なる重合体の
溶液を得た。以下、これを重合体(I−3)と略記する
が、この重合体(I−3)についてIRスペクトル分析に
より求めた酸無水基の反応率は85%であつた。
参考例4(同上) 参考例1で得られた酸無水基とカルボキシル基とを有す
るビニル系重合体(a−1−1)溶液の1000部を窒素気
流下に80℃に昇温してN,N−ジメチルアミノプロピルア
ミンの20部を添加し、同温度に3時間保持して反応を続
行させたのち、n−ブタノールの135部を加えてNVが45
%でガードナーカラーが1以下なる重合体(A)の溶液
を得た。以下、これを重合体(I−4)と略記する。
参考例5(同上) 参考例1で用いたビニル系単量体混合物および重合開始
剤をそれぞれスチレン200部、メチルメタクリレート300
部、n−ブチルメタクリレート300部、n−ブチルアク
リレート160部、無水マレイン酸40部およびアゾビスイ
ソブチロニトリル10部、t−ブチルパーオクトエート10
部、t−ブチルパーベンゾエート3部に代えて用いる以
外は参考例1と同様の操作を繰返してNVが45%でかつガ
ードナーカラーが1以下であるビニル系重合体の溶液を
得た。
以下これを重合体(I−5)と略記する。
参考例6〔ビニル系重合体(II)溶液の調製例〕 参考例1と同様の反応器にトルエン800部、イソブタノ
ール200部、ジメチルアミノエチルメタクリレート120
部、メチルメタクリレート580部、n−ブチルアクリレ
ート300部、n−ドデシルメルカプタン10部、アゾビス
イソブチロニトリル10部を仕込み80℃で2時間かきま
ぜ、その後2時間毎に3回アゾビスイソブチロニトリル
0.2部を加え12時間で重合を完了しビニル系重合体(以
下II−1と略記する)を得た。NVが50.3%でガードナー
カラー1であつた。
各参考例で得られた重合体溶液とポリエポキシ化合物
と、脂環族ポリカルボン酸(無水物)を第一表に示され
る配合組成比でクリアー塗料を調製し、トルエン/n−ブ
タノール=70/30(重量比)なる混合溶剤でスプレー可
能な粘度まで希釈し、燐酸亜鉛処理鋼板に膜厚約40μm
となるようにスプレー塗装した。
塗装鋼板は120℃10分焼付、硬化塗膜を得た。
〔発明の効果〕 第1表の結果からも明らかなように、本発明の組成物か
ら調製された塗料は優れた物性ならびに殆んど黄変着色
しない塗膜を与えるものである。
ここで塗膜の着色度(Δb値)は予め塗布しておいた白
色のウレタン塗膜の上に、前記それぞれのクリヤー塗料
を前記と同様の方法により塗布し、次いで80℃・30分間
強制乾燥させたのちに塗膜の黄変度を測定し、ウレタン
塗膜単独との黄変度の差(Δb値)を調べることによつ
て評価したものであり、このΔb値が小さい程塗膜の着
色が少ないことを意味するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)一分子中に少なくとも1個の3級ア
    ミノ基を有するビニル系重合体と、(ロ)ポリエポキシ
    化合物と、(ハ)脂環式ポリカルボン酸(無水物)とを
    含有することを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記した一分子中に少なくとも1個の3級
    アミノ基を有するビニル系重合体(イ)が、カルボン酸
    無水基を有するビニル系重合体と、カルボン酸無水基と
    反応し得る活性水素を有する基および3級アミノ基を併
    せ有する化合物とを反応せしめて得られるものである、
    特許請求の範囲第1項に記載の組成物。
  3. 【請求項3】前記した一分子中に少なくとも1個の3級
    アミノ基を有するビニル系重合体(イ)が、塩基性窒素
    含有ビニル系単量体を含む単量体混合物を反応せしめて
    得られるものである、特許請求の範囲第1項に記載の組
    成物。
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