JPH0745439B2 - トラン化合物および液晶組成物 - Google Patents

トラン化合物および液晶組成物

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JPH0745439B2
JPH0745439B2 JP63045501A JP4550188A JPH0745439B2 JP H0745439 B2 JPH0745439 B2 JP H0745439B2 JP 63045501 A JP63045501 A JP 63045501A JP 4550188 A JP4550188 A JP 4550188A JP H0745439 B2 JPH0745439 B2 JP H0745439B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はトラン化合物および該化合物を含有する液晶組
成物に関する。
[従来の技術] 従来、強誘電性を示すトラン化合物として、たとえば
4′−デシルオキシ−4−(2−メチルブチルオキシカ
ルボニル)トラン(たとえば特開昭62−228043号公報)
が知られている。
[発明の目的] 本発明者らは、前記従来の化合物よりも強誘電性を示す
温度範囲のさらに広いトラン化合物、あるいは液晶組成
物の構成成分として有用なトラン化合物、および該トラ
ン化合物を含有する液晶組成物について鋭意検討した結
果、本発明に到達した。
[発明の目的を達成するための手段] すなわち、本発明は一般式 R−X−A1−C≡C−A2−Y−R* (1) 〔式中、Rは3〜18のアルキル基である。Xは−O−ま
たは単結合(直接結合)である。A1、A2はA1でA2(該環状基は、F、Cl、Br、−CN、−NO2および−CF3
らなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよい。
またZは−CO−O−または−O−CO−である)である。
Yは−O−、−CO−O−または−O−CO−である。ただ
し、A1のとき、YとZは同時に−CO−O−となることはない。
R*は不斉炭素原子を有する炭素数4〜9のアルキル基で
ある。〕で示されるトラン化合物および一般式(1)で
示される化合物の少なくとも一種を配合成分として含有
することを特徴とするカイラルスメクチック相を呈する
液晶組成物である。
本発明のトラン化合物には、単独で液晶状態が観察でき
るものと、単独では液晶状態を観察できなくても液晶組
成物の構成成分として有用な物質が含まれる。
一般式(1)において、Rの炭素数3〜18のアルキル基
としては直鎖アルキル基(プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシ
ル基、オクタデシル基など)、分岐アルキル基、(1−
メチルプロピル基、1−メチルブチル基、1−メチルヘ
プチル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル
基、2−メチルヘキシル基、2−メチルペンチル基、2
−メチルオクチル基、3−メチルペンチル基、4−メチ
ルペンチル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘプ
チル基、6−メチルオクチル基、7−メチルノニル基、
8−メチルデシル基、9−メチルデシル基など)、置換
基を有するアルキル基〔たとえばClで置換されたアルキ
ル基(2−クロロプロピル基、2−クロロブチル基、2
−クロロペンチル基、2−クロロヘキシル基、2−クロ
ロヘプチル基、2−クロロオクチル基、1−クロロ−2
−メチルブチル基など)、Fで置換されたアルキル基
(2−フルオロプロピル基、2−フルオロブチル基、2
−フルオロペンチル基、2−フルオロヘキシル基、2−
フルオロヘプチル基、2−フルオロオクチル基、1−フ
ルオロ−2−メチルブチル基など)、アルキルオキシ基
で置換されたアルキル基(2−メトキシプロピル基、2
−エトキシプロピル基、2−プロピルオキシプロピル
基、3−メトキシブチル基、3−エチキシブチル基、3
−プロピルオキシブチル基、4−メトキシペンチル基、
4−エチキシペンチル基、4−プロピルオキシペンチル
基など)など〕が挙げられる。これらのアルキル基(分
岐、置換アルキル基)は光学活性な基でも光学活性でな
い基でもよい。これらのうち、好ましくは炭素数6〜18
の直鎖アルキル基である。
Xは−O−または単結合(直接結合)であり、好ましく
は−O−である。
A1、A2としては、1〜4個までのFで置換されていても
よい、またはCl、Br、−CN、−NO2および−CF3からなる
群より選ばれる基で置換されていてもよい、A1である環状基が挙げられる。ここで、Zは−CO−O−ま
たは−O−CO−である。A1、A2のうち好ましくは、1〜
4個までのFにより置換されていてもよいA1である環状基である。Zは好ましくは−CO−O−であ
る。
Yは−O−、−CO−O−または−O−CO−であり、好ま
しくは、−O−または−CO−O−である。
A1、A2、YおよびZは、A1のとき、YとZが同時に−CO−O−となることはない。
R*の不斉炭素原子を有する炭素数4〜9のアルキル基と
しては、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、
2−メチルヘキシル基、2−メチルヘプチル基、2−メ
チルオクチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルヘ
キシル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルオクチル
基、1−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、1−
メチルヘプチル基などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、2−メチルブチル基、1
−メチルプロピル基、1−メチルブチル基および1−メ
チルブチル基である。
一般式(1)で示される化合物の具体例としては、表−
1に示すような基を有する化合物が挙げられる。
一般式(1)で示される化合物は単独で使用してもよい
が、二種以上の混合物として使用するのが好ましい。
一般式(1)の化合物は、たとえば次の工程を経て合成
できる(特願昭62−210719号明細書参照)。(下記式
中、R、X、YおよびR*は一般式(1)の場合と同一で
ある。l、m、n、p、qは0〜4の整数、但しp+q
≦4である。) 本発明の液晶組成物は、一般式(1)で示される化合物
の少なくとも一種を配合成分として含有する。液晶化合
物には、本発明の一般式(1)の化合物以外のカイラル
スメクチック液晶、たとえば特開昭62−135449号公報記
載の一般式(1)の化合物、特開昭62−228043号公報記
載の一般式(1)の化合物、4−n−アルキルオキシ−
4′−ビフェニルカルボン酸−p′−(2−メチルブト
キシカルボニル)フェニルエステル、4−n−アルキル
オキシ−4′−ビフェニルカルボン酸−2−メチルブチ
ルエステル、p−アルキルオキシベンジリデン−p′−
アミノ−2−クロロ−プロピルシンナメート、p−アル
キルオキシベンジリデン−p′−アミノ−2−メチルブ
チルシンナメートなどの強誘電性液晶、および/または
4−(p−アルキルオキシビフェニル−p′−オキシカ
ルボニル)−4′−(2−メチルブチルオキシカルボニ
ル)−シクロヘキサン、p−n−アルキルオキシベンジ
リデン−p′−(2−メチルブチルオキシカルボニル)
アニリンなどの通常のカイラルスメクチック液晶、およ
び/または4−n−アルキルオキシ−4′−ビフェニル
カルボン酸−p′−(n−アルキルオキシカルボニル)
フェニルエステル、4−n−アルキルオキシ−4′−ビ
フェニルカルボン酸−n−アルキルエステルなどのスメ
クチック液晶を含有していてもよい。また2色性色素、
たとえばアントラキノン系色素、アゾ系色素などを含ん
でいてもよい。
液晶組成物の配合例を示せば下記の通りである。
(I)一般式(1)の化合物:30〜100重量%(好ましく
は40〜80重量%) (II)他のカイラルスメクチック液晶:0〜70重量%(好
ましくは30〜60重量%) (III)他のスメクチック液晶:0〜60重量%(好ましく
は30〜50重量%) (IV)2色性色素:0〜5重量% 本発明の液晶組成物は、カイラルスメクチック相、たと
えばカイラルスメクチックC相(以下、Sc*相と略記)
を示す温度範囲の上限(すなわちSc*相からスメクチッ
クA相またはカイラルネマチック相または等方性液体相
に変わる温度)が通常80〜90℃、また、その下限(すな
わち固体からSc*相に変わる温度)が通常−10〜0℃で
あり、この範囲において強誘電性を示す。強誘電性を示
す液晶は、電圧印加により光スイッチング現象を起こ
し、これを利用した応答の速い表示素子を作製できる
〔たとえば特開昭56−107216号公報、特開昭59−118744
号公報、エヌ エー クラーク(N.A.Clark)、エヌ
ティー ラガウォール(S.T.Lagerwall);アプライド
フィジックス レター(Applied Physics Letter)3
6,899(1980)など〕。
本発明の液晶組成物は、セル間隔0.5〜10μm、好まし
くは0.5〜3μmの液晶セルに真空封入し、両側偏光子
を設置することにより光スイッチング素子(表示素子)
として使用できる。
上記液晶セルは透明電極を設け、表面を配向処理した2
枚のガラス基板をスペーサーを挟んで貼り合わせること
によって作製することができる。上記スペーサーとして
は、アルミナビーズ、ガラスファイバー、ポリイミドフ
ィルムなどが挙げられる。配向処理方法としては、通常
の配向処理、たとえばポリイミド膜、ラビング処理、Si
O斜め蒸着などが適用できる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により更に説明するが、本発明は
これに限定されない。
以下の実施例において、%は重量%を示す。
以下の説明における、相転移温度およびPsの値は測定方
法や純度により若干の変動を伴うものである。
実施例1 (1)p−n−デシルオキシフエニルアセチレンの合成 (i)ジメチルスルホキシド60ml中にp−ヨードフェノ
ール8.8g、n−デシルブロマイド9gおよび水酸化カリウ
ム2.7gを加え、室温にて一昼夜攪拌後、水中に投じ、ト
ルエン100mlで抽出した。水洗、乾燥後、シリカゲルを
詰めた短いカラムを通し、ヘキサンを留去して、液状の
下記化合物13gを得た。
(ii)この化合物10.8gをプロパギルアルコール1.7gと
ともにトリエチルアミン30mlに溶解し、ヨウ化銅114m
g、ジクロロビス(トリフエニルホスフイン)パラジウ
ム(II)210mgを加え二昼夜攪拌後、水中に投じ、エー
テル120mlで抽出した。希塩酸、水、炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で洗浄、乾燥後、エーテルを留去した。ヘキサ
ンに溶解し、活性アルミナの短いカラムを通し、ヘキサ
ンを留去後、ヘキサンで再結晶し、下記化合物4.2gを得
た。
(iii)この化合物4.0gをベンゼン30mlに溶解し、二酸
化マンガン2.4g、水酸化カリウム1.0gを加え1時間攪拌
した。固形物を別し、ベンゼンを留去した後、ヘキサ
ンに溶解し、活性アルミナの短いカラムを通し、ヘキサ
ンを留去して、液状のp−n−デシルオキシフエニルア
セチレン2.6gを得た。
(2)光学活性p−ヨード安息香酸−p′−(1−メチ
ルプロピオキシ)フェニルエステルの合成 (i)光学活性1−メチルプロパノール3.0gをピリジン
20mlに溶かしたものを氷冷しておき、そこへp−トルエ
ンスルホン酸クロリド7.8gをトルエン20mlに溶かした溶
液を攪拌下に10℃以下で滴下し、室温で1時間攪拌した
後、更に50℃の湯浴で2時間攪拌した。冷却後、2N塩酸
水を加えて酸性とし、分液して有機層を取り、水洗、2N
水酸化ナトリウム水による洗浄、水洗を経てからトルエ
ンを除去して、油状の光学活性p−トルエンスルホン酸
1−メチルプロピルエステルを得た。このものは特に精
製せずそのまま使用した。次にハイドロキノンモノベン
ジルエーテル4.1gと水酸化カリウム1.5gを100mlのエタ
ノールに溶解させ、そこへ上記の光学活性p−トルエン
スルホン酸1−メチルプロピルエステル4.5gを加えて、
60℃で1時間、還流下に5時間加熱した。溶媒を除去
後、トルエン、2N水酸化ナトリウム水を加えて有機層を
とり、水洗後、溶媒を除去した後、ヘキサン可溶物をシ
リカゲルカラムで精製して、光学活性p−ベンジルオキ
シフエノール−1−メチルプロピルエーテル4.8gを得
た。
(ii)上記光学活性p−ベンジルオキシフエノール−1
−メチルプロピルエーテル3.8gをエタノール70mlに溶解
後、水素雰囲気下、5%−pd/C(パラジウム/カーボ
ン)0.5gを用いて脱ベンジル化した。pd/Cを別後、エ
タノールを留去し、光学活性p−ヒドロキシフエノール
−1−メチルプロピルエーテル2.2gを得た。
(iii)p−ヨード安息香酸1.3gと塩化チオニル5mlを還
流下に6時間加熱し、過剰の塩化チオニルを留去して、
p−ヨード安息香酸塩化物を得た。このものは特に精製
せず、トルエン溶液として次の段階で使用した。一方、
光学活性p−ヒドロキシフエノール−1−メチルプロピ
ルエーテル0.8gとピリジン0.8gをトルエン20mlに溶かし
たものを氷冷しておき、そこへ上記の酸塩化物のトルエ
ン溶液を攪拌下に約30分で滴下し、更に90℃の湯浴上で
5時間攪拌した。冷却後、6N塩酸および水を加えて酸性
とし、分液して有機層を取り、水洗、飽和炭酸水素ナト
リウム水による洗浄、水洗を経てからトルエンを減圧で
除去した後、ヘキサン可溶部をシリカゲルカラムで精製
して、光学活性p−ヨード安息香酸−p′−(1−メチ
ルプロピオキシ)フェニルエステル1.7gを得た。
(3)表−1のNo.2の化合物の合成 p−n−デシルオキシフエニルアセチレン0.8gを、光学
活性p−ヨード安息香酸−p′−(1−メチルプロピオ
キシ)フェニルエステル1.3gと共にトリエチルアミン15
mlに溶解し、窒素置換後、ヨウ化銅(I)10mg、ジクロ
ロビス(トリフエニルホスフイン)パラジウム(II)18
mgを加え、一昼夜攪拌後、溶媒を除去し、トルエン50ml
で抽出した。希塩酸、水で洗浄し、トルエンを除去し
た。トルエン溶解後、活性アルミナの短いカラムを通
し、トルエンを留去後、エタノールで再結晶し、表−1
のNo.2の化合物1.4g(収率84%、p−n−デシルオキシ
フエニルアセチレン基準)を得た。
実施例2 (1)(p−n−デシルオキシ−o−フルオロフエニ
ル)−アセチレンの合成 (i)脱水ベンゼン200ml中に、m−フルオロフェノー
ル20g、ピリジン20gを溶かし、氷冷下でベンゾイルクロ
ライド28gを2時間にわたって滴下した。滴下後、室温
に戻し、2時間還流を行った後、水中に投じ、水、希塩
酸、水、炭酸水素ナトリウム水溶液、水と順次洗浄後、
ベンゼンを留去することにより、液状のmーフルオロフ
エノール安息香酸エステル35gを得た。
(ii)この化合物10.0gを酢酸、水、硫酸の混合溶媒(1
00:20:3)60ml中でヨウ素5.1gおよび過ヨウ素酸2.3gと7
5〜85℃で8時間反応させた。反応終了後、水中に投
じ、トルエン抽出した後、水、チオ硫酸ナトリウム水溶
液、水で洗浄し、トルエンを留去することにより、オイ
ル状のヨウ素化物を得た。
(iii)この生成物を水酸化カリウム12gとともに95%エ
タノール100mlに溶かし、2時間還流させた後、溶媒を
留去し、次いで、水に溶かし、炭酸ガスを吹き込み、生
成した固体を単離することにより、p−ヨード−m−フ
ロオロフェノール3.0gを得た。
(iv)この化合物3.0gをジメチルスルホキシド30mlに溶
かし、水酸化カリウム0.83g、n−デシルブロマイド2.7
gを加えて室温で一昼夜攪拌した後、水中に投じ、ヘキ
サン100mlで抽出した。水洗、乾燥後、シリカゲルカラ
ムを詰めた短いカラムを通し、ヘキサンを留去して、液
状のp−n−デシルオキシ−o−フルオロヨードベンゼ
ン4.0gを得た。
(v)この化合物2.0gを、プロパルギルアルコール0.4g
とともにトリエチルアミン10mlに溶解し、ヨウ化銅20.0
mg、ジクロロビス(トリフエニルホスフイン)パラジウ
ム(II)43.0mgを加え、一昼夜攪拌した後、水中に投
じ、エーテル50mlで抽出した。希塩酸、水、炭酸水素ナ
トリウム水溶液、水で洗浄、乾燥後、エーテルを留去
し、ヘキサンに溶かして、活性アルミナの短いカラムを
通し、ヘキサンを留去して、下記の化合物1.2gを得た。
(vi)この化合物1.2gをベンゼン15mlに溶解し、二酸化
マンガン1.2g、水酸化カリウム0.5gを加え、1時間攪拌
した。固形物を別し、ベンゼンを留去した後、ヘキサ
ンに溶解して活性アルミナの短いカラムを通し、ヘキサ
ンを留去して、液状の(p−n−デシルオキシ−o−フ
ルオロフエニル)−アセチレン1.0gを得た。
(2)光学活性p−ヨード安息香酸−p′−(2−メチ
ルブトキシカルボニル)フェニルエステルの合成 (i)p−ベンジルオキシ安息香酸2.28gと塩化チオニ
ル10mlを還流下に3時間加熱し、過剰の塩化チオニルを
留去してp−ベンジルオキシ安息香酸塩化物を得た。こ
のものは特に精製せず、トルエン溶液として次の段階で
使用した。一方、光学活性2−メチルブタノール0.9gと
ピリジン1.5gをトルエン20mlに溶かしたものを氷冷して
おき、そこへ上記の酸塩化物のトルエン溶液を攪拌下に
約30分で滴下し、更に90℃の湯浴上で5時間攪拌した。
冷却後、6N塩酸及び水を加えて酸性とし、分液して有機
層を取り、水洗、飽和炭酸水素ナトリウム水による洗
浄、水洗を経てからトルエンを減圧で留去して油状の物
質をを得た。ヘキサン可溶部をシリカゲルカラムで精製
して、光学活性p−ベンジルオキシ安息香酸−2−メチ
ルブチルエステル2.7gを得た。
(ii)上記光学活性p−ベンジルオキシ安息香酸−2−
メチルブチルエステル2.5gをエタノール50mlに溶解後、
水素雰囲気下、5%−pd/C(パラジウム/カーボン)0.
2gを用いて脱ベンジル化した。pd/Cを別後、エタノー
ルを留去し、光学活性p−ヒドロキシ安息香酸−2−メ
チルブチルエステル1.6gを得た。
(iii)p−ヨード安息香酸1.3gと塩化チオニル5mlを還
流下に6時間加熱し、過剰の塩化チオニルを留去して、
p−ヨード安息香酸塩化物を得た。このものは特に精製
せず、トルエン溶液として次の段階で使用した。一方、
光学活性p−ヒドロキシ安息香酸−2−メチルブチルエ
ステル1.1gとピリジン0.8gをトルエン20mlに溶かしたも
のを氷冷しておき、そこへ上記の酸塩化物のトルエン溶
液を攪拌下に約30分で滴下し、更に90℃の湯浴上で5時
間攪拌した。冷却後、6N塩酸および水を加えて酸性と
し、分液して有機層を取り、水洗、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水による洗浄、水洗を経てからトルエンを減圧で除
去した後、ヘキサン可溶部をシリカゲルカラムで精製し
て、光学活性p−ヨード安息香酸−p′−(2−メチル
ブトキシカルボニル)フェニルエステル1.9gを得た。
(3)表−1のNo.3の化合物の合成 (p−n−デシルオキシ−o−フロオロフエニル)−ア
セチレン1.0gを、光学活性p−ヨード安息香酸−p′−
(2−メチルブトキシカルボニル)フェニルエステル1.
6gと共にトリエチルアミン30mlに溶解し、ヨウ化銅17.0
mg、ジクロロビス(トリフエニルホスフイン)パラジウ
ム(II)35.0mgを加え、一昼夜攪拌した後、水中に投
じ、エーテル100mlで抽出した。希塩酸、水、炭酸水素
ナトリウム水溶液、水で洗浄、乾燥後、エーテルを留去
した。トルエンに溶かして、活性アルミナの短いカラム
を通し、トルエンを留去した後、エタノールで再結晶し
て、表−1のNo.3の化合物1.7g〔収率82%、p−n−デ
シルオキシ−o−フルオロフエニル)アセチレン基準〕
を得た。
上記化合物のIRスペクトルおよびH−NMRスペクトルを
それぞれ第1図および第2図に示す。
実施例3 (1)(p−n−デシルオキシ−o−フルオロフエニ
ル)−アセチレンの合成 (i)水350ml中に、o−フルオロフェノール24.5g、お
よび水酸化カリウム14.4gを加え、10℃以下に冷却した
後、ヨウ素55.6gを加えて一昼夜攪拌した。
精製したオイルをエーテル抽出した後、チオ硫酸ナトリ
ウム水溶液および水で洗浄したのち、エーテルを留去
し、次いで減圧蒸留(155−157℃/5mmHg)して、液状の
p−ヨード−o−フルオロフェノール16gを得た。
(ii)この化合物3.0gをジメチルスルホキシド30mlに溶
かし、水酸化カリウム0.83g、n−デシルブロマイド2.7
gを加えて室温で一昼夜攪拌した後、水中に投じ、ヘキ
サン100mlで抽出した。水洗、乾燥後、シリカゲルカラ
ムを詰めた短いカラムを通し、ヘキサンを留去して、液
状のp−n−デシルオキシ−m−フルオロヨードベンゼ
ン3.9gを得た。
(iii)この化合物3.9gを、プロパルギルアルコール0.7
gとともにトリエチルアミン10mlに溶解し、ヨウ化銅40.
0mg、ジクロロビス(トリフエニルホスフイン)パラジ
ウム(II)85.0mgを加え、一昼夜攪拌した後、水中に投
じ、エーテル50mlで抽出した。希塩酸、水、炭酸水素ナ
トリウム水溶液、水で洗浄、乾燥後、エーテルを留去
し、トルエンに溶かして、活性アルミナの短いカラムを
通し、ヘキサンを留去して、下記の化合物2.4gを得た。
(iv)この化合物2.4gをベンゼン30mlに溶解し、二酸化
マンガン2.4g、水酸化カリウム1.0gを加え、1時間攪拌
した。固形物を別し、ベンゼンを留去した後、ヘキサ
ンに溶解して、活性アルミナの短いカラムを通し、ヘキ
サンを留去して、液状の(p−n−デシルオキシ−m−
フルオロフエニル)−アセチレン2.0gを得た。
(2)表−1のNo.4の化合物の合成 (p−n−デシルオキシ−m−フルオロフエニル)−ア
セチレン2.0gを、実施例2で得た光学活性p−ヨード安
息香酸−p′−(2−メチルブトキシカルボニル)フェ
ニルエステル3.4gとともにトリエチルアミン60mlに溶解
し、ヨウ化銅34.0mg、ジクロロビス(トリフエニルホス
フイン)パラジウム(II)70.0mgを加え、一昼夜攪拌し
た後、水中に投じ、エーテル100mlで抽出した。希塩
酸、水、炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、乾燥
後、エーテルを留去した。トルエンに溶かして、活性ア
ルミナの短いカラムを通し、トルエンを留去した後、エ
タノールで再結晶して、表−1のNo.4の化合物3.6g〔収
率84%、p−n−デシルオキシ−m−フルオロフエニ
ル)アセチレン基準〕を得た。
実施例1〜3に示した化合物および従来のトラン化合物
の相転移温度を表−2に示す。また、下記の化合物を比
較例1として併せて示す。
比較例1の化合物(特開昭62−228043号公報記載)のSc
*相温度範囲は134〜148℃であり、かつモノトロピック
であるが、本発明の化合物(たとえば実施例3の化合
物)である。
のSc*相温度範囲は71〜120℃と非常に広く、かつエナン
チオトロピックであり、非常にすぐれた化合物である。
実施例4、5 実施例1〜3の化合物、公知のスメクチック液晶化合物
(下記化合物AおよびB)およびカイラルスメクチック
液晶化合物(下記化合物C)を表−3に示す割合で配合
して本発明の液晶組成物を得た。
組成物の調製法は表−3中の液晶化合物を所定の重量秤
量し、6種の化合物を試料ビン中で加熱、溶解しながら
混合した。このものは表−3に示されるような室温を含
む広い温度範囲でカイラルスメクチックC相を呈すると
ともに、化学的に安定であり、非常に有用な液晶組成物
である。
化合物A:光学活性p−n−デシルオキシ安息香酸−p′
−(2−メチルブトキシカルボニル)フェニルエステル 化合物B:光学活性4−n−オクチルオキシ−4′−ビフ
ェニルカルボン酸−2−メチルブチルエステル (注)化合物Cは実施例1〜3と同様にして合成した。
実施例6 前記表−1中の試料No.2、5、9および12の本発明の液
晶化合物および他の液晶化合物を用いて、下記の組成の
液晶組成物を調製した。
組成物の調製は実施例4、5と同様の方法で行った。
得られた組成物を、配向処理剤としてピリビニルアルコ
ールを塗布し、表面をラビングして平行配向処理を施し
た透明電極を備えたセル厚2μmのセルに注入して光ス
イッチング素子を作った。この素子を2枚の直交する偏
光子の間に設置し、電界を印加した。20Vの印加による
透明強度の変化から応答時間を求めると、25℃で約150
μsecであった。
なお、上記液晶組成物について、偏光顕微鏡によりテク
スチュアの温度変化を調べたところ、10℃から53℃の温
度範囲で強誘電性液晶となることが判明し、その自発分
極の大きさは25℃で13nC/cm2であり、チルト角は27°で
あった。
[発明の効果] 本発明の液晶化合物および液晶組成物は、次のような顕
著な特徴を有する。
(1)強誘電性を示すカイラルスメクチック相を呈する
温度範囲が広く、実用的な強誘電性液晶を得てゆく上
で、画期的な材料である。
(2)光、熱、水分に対する安定性が良い。
(3)従来の強誘電性を示す液晶組成物と同等またはそ
れ以上に応答が速い。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれ実施例2で得られた化合
物の赤外吸収スペクトルおよびH−NMRスペクトルを示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 博史 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 星野 博史 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 中村 豊一 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 加藤 裕司 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 苗村 省平 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 一ノ瀬 秀男 東京都港区芝5丁目33番1号 日本電気株 式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 R−X−A1−C≡C−A2−Y−R* (1) 〔式中、Rは3〜18のアルキル基である。Xは−O−ま
    たは単結合(直接結合)である。A1、A2はA1でA2(該環状基は、F、Cl、Br、−CN、−NO2および−CF3
    らなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよい。
    またZは−CO−O−または−O−CO−である)である。
    Yは−O−、−CO−O−または−O−CO−である。ただ
    し、A1のとき、YとZは同時に−CO−O−となることはない。
    R*は不斉炭素原子を有する炭素数4〜9のアルキル基で
    ある。〕で示されるトラン化合物。
  2. 【請求項2】一般式(1)におけるXが、−O−である
    請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】一般式(1)におけるA1がFで置換されて
    いてもよい でA2がFで置換されていてもよい でA2がFで置換されていてもよい (Zは−CO−O−または−O−CO−を表わす)である請
    求項1または2記載の化合物。
  4. 【請求項4】一般式(1)におけるYが−O−または−
    CO−O−である請求項1〜3のいずれか一項に記載の化
    合物。
  5. 【請求項5】一般式(1)におけるR*が不斉炭素原子を
    有する2−メチルブチル基、1−メチルプロピル基、1
    −メチルブチル基または1−メチルヘプチル基である請
    求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 【請求項6】一般式 R−X−A1−C≡C−A2−Y−R* (1) 〔式中、Rは3〜18のアルキル基である。Xは−O−ま
    たは単結合(直接結合)である。A1、A2はA1でA2(該環状基は、F、Cl、Br、−CN、−NO2および−CF3
    らなる群より選ばれる置換基で置換されていてもよい。
    またZは−CO−O−または−O−CO−である)である。
    Yは−O−、−CO−O−または−O−CO−である。ただ
    し、A1のとき、YとZは同時に−CO−O−となることはない。
    R*は不斉炭素原子を有する炭素数4〜9のアルキル基で
    ある。〕で示される化合物の少なくとも一種を配合成分
    として含有することを特徴とするカイラルスメクチック
    相を呈する液晶組成物。
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