JPH0745429B2 - バルプロ酸の製造法 - Google Patents

バルプロ酸の製造法

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JPH0745429B2
JPH0745429B2 JP26794286A JP26794286A JPH0745429B2 JP H0745429 B2 JPH0745429 B2 JP H0745429B2 JP 26794286 A JP26794286 A JP 26794286A JP 26794286 A JP26794286 A JP 26794286A JP H0745429 B2 JPH0745429 B2 JP H0745429B2
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恵治 石崎
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裕一 吉田
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、医薬品を始めとして各種の用途に有用なバル
プロ酸の製造法に関するものである。
[従来の技術] バルプロ酸の製造法としては従来4−ヒドロキシヘプ
タン法、シアノ酢酸法マロン酸エステル法等が知ら
れている。しかしながらこれらの方法はいずれも収率が
70%程度であるので工業的規模での実施に当っては必ず
しも満足出来るものではない。その上の方法はグリニ
ヤー試薬や青酸ナトリウム等の高価でかつ取り扱いに細
心の注意が必要とされる試薬を用いねばならなかった
り、の方法では反応条件がかなり苛酷であったり、又
の方法では高価な原料が必要である等の欠点がある。
上記手段の改良手段として、本出願人は前に特願昭59−
12297号(特開昭60−156638号公報)を出願していると
ころである。
該出願は (1)アセト酢酸エステルとアリルハライドを反応させ
て2,2−ジアリルアセト酢酸エステルを得る工程、 (2)2,2−ジアリルアセト酢酸エステルをアルコール
と反応させてジアリル酢酸エステルを得る工程、 (3)ジアリル酢酸エステルを加水分解してジアリル酢
酸とした後還元するか、又は (3)′ジアリル酢酸エステルを還元してバルプロ酸エ
ステルとした後、加水分解する工程 の組合せからなることを特徴とするものである。
[発明が解決しようとする問題点] 上記出願は安価な原料を用いて、かつ容易な方法で目的
物が得られるという点で非常な長所を有するものであ
る。しかしながら、本発明者らがその後更に研究を続け
たところ、該出願の方法では(3)又は(3)′の工
程、即ち「ジアリル酢酸エステルを加水分解してジアリ
ル酢酸とした後還元する」、「ジアリル酢酸エステルを
還元してバルプロ酸エステルとした後、加水分解する」
工程において副生物としてα−プロピル−β−エチル−
アクリル酸エステルが生成することが判明した。該副生
物は、その生成量は数%程度であるものの、通常の精製
処理では容易に除去できないため、医薬品としての品質
を大きく低下させてしまうのである。そのため、該方法
によって得られたバルプロ酸は再度別工程で副生物を除
去するための後処理が必要となり、工業化に当っては不
利を避けられないのである。
[問題点を解決するための手段] しかして本発明者らは上記欠点のないより工業的に優れ
たバルプロ酸の製造工程フローを確立すべく更に検討を
重ねた結果、 (I)アセト酢酸エステルとプロピルハライドを反応さ
せて2,2−ジプロピルアセト酢酸エステル得る工程、 (II)2,2−ジプロピルアセト酢酸エステルをアルコー
ルで脱アセチル化してバルプロ酸エステルを得る工程、 (III)バルプロ酸エステルを加水分解する工程、 よりなるフローでバルプロ酸を製造する場合、その目的
が達成できることを見出し本発明を完成するに到った。
以下、本発明の方法を順次説明する。
第(I)工程; アセト酢酸エステルとプロピルハライドを反応させて2,
2−ジプロピルアセト酢酸エステルを製造する。
反応式は で示される。
アセト酢酸エステルとしてはアセト酢酸メチル、アセト
酢酸エチル等が用いられる。
プロピルハライドとしてはプロピルブロマイド、プロピ
ルクロライドが使用可能である。
反応は通常塩基触媒の存在下で行うが、相間移動触媒を
共存させることが好ましく、かかる触媒としては四級ア
ンモニウム塩、例えばベンジルトリメチルアンモニウム
クロライド(又はブロマイド)、ベンジルトリエチルア
ンモニウムクロライド(又はブロマイド)、テトラメチ
ルアンモニウムクロライド(又はブロマイド)、テトラ
エチルアンモニウムクロライド(又はブロマイド)、テ
トラプロピルアンモニウムクロライド(又はブロマイ
ド)、テトラブチルアンモニウムクロライド(又はブロ
マイド)、ドデシルメチルアンモニウムクロライド(又
はブロマイド)、ドデシルトリエチルアンモニウムクロ
ライド(又はブロマイド)、セチルトリメチルアンモニ
ウムクロライド(又はブロマイド)、セチルトリエチル
アンモニウムクロライド(又はブロマイド)等が挙げら
れる。又塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムアル
コラート、カリウムアルコラート等のアルカリ金属アル
コラート、その他アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸
塩、アルコラート等が用いられる、とりわけテトラブチ
ルアンモニウムクロライド(又はブロマイド)と上記ア
ルカリ金属水酸化物(水溶液)を並用する場合が収率、
取扱い易さ、入手のし易さなどから総合的に最も好まし
い。
溶媒は必ずしも必要でないが、必要であればトルエン、
ベンゼン、キシレン、アセトニトリル、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等が使用される。
アセト酢酸エステル、プロピルハライドの使用量は前者
1モルに対し後者2〜10モルが適当である。
又、触媒はアセト酢酸エステル1モルに対して0.1モル
以上、好ましくは0.2〜0.4モルの量使用される。
溶媒はアセト酢酸エステルと等量あるいは50重量倍程度
までの範囲で用いるのが実用的である。
かかる薬剤の仕込み手段は任意であり、一括仕込み、分
割仕込み、連続仕込み等いずれも実施可能である。
反応温度は0℃〜沸点以下、好ましくは20〜70℃程度、
又反応時間は1〜24時間の範囲がいずれも有利である。
反応終了後は冷却し、水を添加して二層分離させ、油層
部を分取して未溶解分を別したり、濃縮して目的物を
得る。必要であれば、更に精製が行われる。
第(II)工程; 2,2−ジプロピルアセト酢酸エステルをアルコールで脱
アセチル化してバルプロ酸エステルを製造する アルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、ヘキサノール等の炭素数が1〜6程
度のアルコールが用いられる。
アルコールは反応薬剤と共に溶媒の作用も有しているの
で、かかる工程において特に他の溶媒を用いる必要はな
い。
この工程においても前記(I)工程で用いられたのと同
一の塩基性触媒が使用できるが、特にナトリウムアルコ
ラート、カリウムアルコラートが好ましい。
該触媒は2,2−ジプロピルアセト酢酸エステル1モルに
対し、0.01モル以上、好ましくは0.05〜1.0モルの範囲
内で用いられる。
又、アルコールは2,2−プロピルアセト酢酸エステル1
モルに対し3〜50モルの範囲で使用される。
かかる薬剤の仕込手段は第(I)工程と同じく特に制限
はない。反応時間は0.5〜10時間、反応温度は50〜沸点
が実用的である。
バルプロ酸エステルの収率は2,2−ジプロピルアセト酢
酸エステルに対して95%以上である。
第(III)工程 バルプロ酸エステルを加水分解してバルプロ酸を製造す
る。
反応式は で示される。
加水分解は第(II)工程で得られた反応液を濃縮した
後、アルカリ又は酸の存在下、水触媒中でバルプロ酸エ
ステルを還流しながら、温度50〜90℃に加熱して実施さ
れる。反応時間は2〜5時間程度である。反応液をpH9
〜10とし、含有される副生物をトルエン、ベンゼン等で
抽出、除去する。水層側のpHを2程度に調整した後、放
置しバルプロ酸を含有する有機層を分液する。
該液から目的とするバルプロ酸が得られる。勿論必要に
応じて精製処理を行うことができる。
[効果] 第(I)工程〜第(III)工程を採用することによって
前述したバルプロ酸との分離が容易でない副生物の生成
を未然に回避することが出来るので、本発明は工業化に
当っての後処理の負担を大きく軽減することを可能なら
しめた点で極めて有利なものである。勿論バルプロ酸の
収率も原料であるアセト酢酸エステルに対し、85%以上
と高収率である。
[実施例] 次に実施例を挙げて本発明を更に説明する。
実施例1 2,2−ジプロピルアセト酢酸メチルの製造 :第(I)工程 コンデンサー、攪拌機を備えた反応器にテトラブチルア
ンモニウムブロマイド32.3g(0.1モル)、35%水酸化ナ
トリウム水溶液114g(1モル)、プロピルブロマイド12
3g(1モル)を仕込み、攪拌しながらアセト酢酸メチル
58.1g(0.5モル)を70℃にて1時間かけて滴下した。そ
の後、75〜80℃に昇温し、2〜3時間熟成した。反応終
了後、冷却して水100gを加え、油層と水層とに二層分離
した。油層(約133g)を分取し、ロータリーエバポレー
ターを用いて濃縮し、残存プロピルブロマイドを追出し
たのち、減圧下で2,2−ジプロピルアセト酢酸メチルを
留出させた。
バルプロ酸メチルの製造:第(II)工程 コンデンサー、攪拌機を備えた反応器に2,2−ジプロピ
ルアセト酢酸メチル留出液90g、28%ナトリウムメチラ
ート−メタノール溶液6g、メタノール10gを仕込み2.5時
間還流下に反応した。
副生した酢酸メチルを2時間にわたり留出したのち、常
圧下に濃縮を行い黒褐色の濃縮液を得た。
バルプロ酸の製造:第(III)工程 上記濃縮液に25%の水酸化ナトリウム水溶液65gを加え
て100℃で2時間反応した後、常圧で濃縮した。
該濃縮液に130mlの水を加え、同量程度のトルエンで2
回洗浄した。分液後、水層に25%硫酸水溶液80gを加え
て生じる分離油層を分液し、これに硫酸マグネシウムを
加えて充分に攪拌し、その後該硫酸マグネシウムを別
した。
該液を精留して87℃/3mmHgの留分を捕集して純度99.9
%のバルプロ酸を得た。α−プロピル−β−エチル−ア
クリル酸、又はそのエステルは製品中には全く含有され
ていなかった。バルプロ酸の収率はアセト酢酸メチルに
対して85%であった。
実施例2 アセト酢酸メチルに代えてアセト酢酸エチルを用いた以
外は、実施例1と同一の方法を行ったところ、84.5%の
収率でバルプロ酸が得られた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I)アセト酢酸エステルとプロピルハラ
    イドを反応させて2,2−ジプロピルアセト酢酸エステル
    得る工程、 (II)2,2−ジプロピルアセト酢酸エステルをアルコー
    ルで脱アセチル化してバルプロ酸エステルを得る工程、 (III)バルプロ酸エステルを加水分解する工程よりな
    るバルプロ酸の製造法。
  2. 【請求項2】(I)の工程を四級アンモニウム塩触媒の
    存在下に行うことを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の製造法。
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