JPH0745031U - カメラ用三脚における脚伸縮固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 脚パイプの締結ナットの回動操作を片手によ
って確実に行う。 【構成】 大径側脚パイプ４と小径側脚パイプ５間に環
状楔部材６を介挿して楔状締結手段を構成し、大径側脚
パイプ４端に螺合した締結ナット１６を回動して両脚パ
イプ４，５を長さ調整する。大径側脚パイプ４の内面に
パイプ方向に延びる摺動溝１２を条設すると共に、小径
側脚パイプ５の外周面端部に摺動溝１２と摺動自在に係
合する摺動突起１５，２０，２２，２３を突設し、長さ
調節操作時に大径側脚パイプ４が締結ナット１６に追従
回動しないようにしたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、カメラ用三脚の脚伸縮固定装置の改良に関するものであり、殊に ナット回動締結式固定装置の操作性を改善したカメラ用三脚における脚伸縮固定 装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

順次径を異にする脚パイプを内挿したカメラ用三脚の伸縮固定装置として、従 来より図９に示すように、各大径側脚パイプ５０と小径側脚パイプ５１間にリン グ状の楔環５２を介挿し、大径側脚パイプ５０端に螺合した締結ナット５３の回 動に伴う軸方向の進退によって、該楔環５２を緊締または釈放して脚の長さを調 節する楔式緊締構造のものが知られている。即ちこの種の構成では、締結ナット ５３を廻すことにより、楔環５２を該楔環５２と締結ナット５３のテーパ面によ って内径方向に押し付け、締結または釈放の操作を行うものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、この種の楔式緊締構造のものでは緊締部において内外挿する脚パイプ ５０，５１相互の回動方向の規制がないため、締結ナット５３を締める際、該締 結ナット５３が螺合している大径側脚パイプ５０を必ず回動固定する必要があり 、片手で締結または釈放操作することができず、操作性に問題があった。

【０００４】 本考案は上記問題に鑑みてなされたものであり、楔式緊締手段を持つ丸パイプ を使用したカメラ用三脚において、伸縮操作した脚パイプを締結ナットの回動操 作を片手によって行うことができる新規構成の脚伸縮固定装置を提供することを 目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るカメラ用三脚における脚伸縮固定装置は、順次径を異にする脚パ イプを内挿し、各大径側脚パイプと小径側脚パイプ間に楔状締結手段を構成する と共に、大径側脚パイプ端に螺合した締結ナットを回動して該楔状締結手段を緊 締または釈放する脚伸縮固定装置において、前記大径側脚パイプの内面にパイプ 方向に延びる摺動溝を条設すると共に、小径側脚パイプの外周面端部に前記摺動 溝と摺動自在に係合する摺動突起を突設してなり、前記楔状締結手段の操作時に おける前記大径側の脚パイプの締結ナットに対する追従回動を阻止したことを要 旨とするものである。

【０００６】 そして上記摺動突起は、小径側脚パイプの抜落を当突阻止するために、小径側 脚パイプの端部外周に環着したストップリングの外周に突設してなる小突起によ り構成し、該ストップリングを小径側脚パイプに対して回り止め係合してなるこ とが好ましい。

【０００７】

【作用】

上記構成では、小径側脚パイプの端部外周に突設した摺動突起が大径側脚パイ プの内壁に条設した摺動溝とパイプ方向摺動自在に係合しているため、順次内挿 する脚パイプは回動方向の位置が規制されるようになり、最大径の脚パイプが三 脚の基台に枢着してあるため、各脚パイプは締結ナットの回動方向に固定され、 該締結ナットを回動したとき追従回動することがない。従って、締結ナットを回 動操作するとき大径側脚パイプの回動を抑えるように把持する必要がなく、片手 で操作することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案に係るカメラ用三脚における脚伸縮固定装置の第一の実施例を図 １乃至図３に従って説明する。 符号１，１，１は基台２に対して拡縮自在に枢設したカメラ用三脚の伸縮脚で あり、各伸縮脚１は順次小径になる複数の丸パイプを内挿した繰り出し式脚を構 成してなる。該伸縮脚１の各接続部には、所望の繰り出し位置で固定するための 公知の楔式伸縮固定装置３が構成してある。該楔式固定装置３は、丸パイプによ って構成した大径側脚パイプ４に小径側脚パイプ５を内挿し、大径側脚パイプ４ 端にフランジ部７を突き当てるように環状楔部材６のカラー部８を両脚パイプ４ ，５間に介在したもので、各脚パイプ４，５内端部外周に周設した周溝１０には 後述するストップリング１１を外挿環着し、上記環状楔部材６のカラー部８端と 当突せしめて脚パイプの抜落を阻止してなる。

【０００９】 上記各脚パイプ４，５の内面にはパイプ方向に延びる摺動溝１２を条設し、該 摺動溝１２と前記周溝１０によって嵌合孔１３を構成してなる。上記脚パイプ４ ，５の周溝１０に環着したストップリング１１には該内周に回り止め突起１４、 外周に摺動突起１５をそれぞれ突設すると共に、周り止め突起１４を上記嵌合孔 １３と嵌合した状態で環着し、摺動突起１５を大径側脚パイプ４の摺動溝１２と 摺動自在に内挿してなる。

【００１０】 符号１６は上記大径側脚パイプ４端部に螺設した雄螺子１７と螺合してなる締 結ナットであり、雌螺子１８の一端には前記環状楔部材６のフランジ部７端に構 成した楔状端縁９と対向する傾斜面をもった楔状内縁１９を構成してなる。また 該締結ナット１６の外周には滑り止めローレット加工２０を施してなる。

【００１１】 上記構成の脚伸縮固定装置は、締結ナット１６を右または左に回動して雌雄螺 子１７，１８の螺子作用によって軸方向に進退させ、環状楔部材６の楔状端縁９ に締結ナット１６の楔状内縁１９を離接せしめ、両部材の楔作用によって小径側 脚パイプ５を締結または釈放する。このとき小径側脚パイプ５は大径側脚パイプ ４とストップリング１１を介して回動方向が摺動溝１２と摺動突起１５との関係 により係合されているため、基台２に最大径側脚パイプ４が枢着している伸縮脚 １は、全脚パイプ４，５が回動方向に固定され、締結ナット１６を回動したとき 追従回動することがない。従って、締結ナット１６を回動操作するとき大径側脚 パイプ４の回動を抑えるように把持する必要がなく、片手で操作することができ る。

【００１２】 次に図６及び図７は本考案の第二の実施例を示すものであり、前記第一の実施 例と異なる部分について構成を説明する。 符号２０は小径側脚パイプ４の内端部外周に膨出せしめた摺動打膨であり、前記 第一の実施例に示した摺動突起１５を廃止して、ストップリング１１を通常の円 環状ストップリング２１に変更すると共に、該摺動打膨２０を大径側脚パイプ５ の摺動溝１２に対して摺動自在且つ回動方向に連結する構成にしたものである。

【００１３】 更に図８は大径側脚パイプ４と小径側脚パイプ５の係合構造の他の実施例を示 すものであり、（ａ）は小径側パイプ５の内端に外径方向に切起した切起し摺動 突起２２を構成し、該切起し摺動突起２２を大径側脚パイプ４の摺動溝１２と係 合した構造、（ｂ）は小径側パイプ５の内端部外壁面にリベット２３を固着し、 該リベット２３の頭を摺動溝１２に係合した構造をを示す。

【００１４】 上記図８の（ａ）及び（ｂ）の構成でも小径側脚パイプ５は大径側脚パイプ４ に対して摺動溝１２に沿って摺動可能に且つ回動方向の自由度を阻止する構造に なるため、伸縮脚１は全脚パイプ４，５が回動方向に固定され、締結ナット１６ を回動したとき追従回動することがなく、片手操作が可能である。

【００１５】

【考案の効果】

以上述べたように本考案に係るカメラ用三脚における脚伸縮固定装置は、多段 式に挿入した脚パイプからなる伸縮脚を、回動方向に固定したことにより、該伸 縮脚の伸縮操作に際して締結ナットを回動するとき大径側の脚パイプの回動を止 めておく必要がない。従って、脚の伸縮操作を片手で行うことができ、而も締り 感が確実に得られる等の特徴を有するものであり、本考案実施後の実用的効果は 極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るカメラ用三脚における脚伸縮固定
装置の第一の実施例を示す一部切欠した要部断面図であ
る。

【図２】図１におけるII−II線断面図である。

【図３】図１における矢視III 部拡大図である。

【図４】同脚伸縮固定装置の分解斜視図である。

【図５】カメラ用三脚の正面略図である。

【図６】本考案の第二の実施例を示す脚伸縮固定装置の
要部断面図である。

【図７】図６におけるVII−VII線断面図である。

【図８】（ａ）及び（ｂ）はそれぞれ脚伸縮固定装置の
他の周り止め構造を示す小径側脚パイプ端の構造を示す
斜視図である。

【図９】従来の脚伸縮固定装置を示す要部断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 伸縮脚 ３ 伸縮固定装置 ４ 大径側脚パイプ ５ 小径側脚パイプ ６ 環状楔部材 １１ ストップリング １２ 摺動溝 １３ 嵌合孔 １４ 回り止め突起 １５ 摺動突起 １６ 締結ナット １９ 楔状内縁 ２０ 摺動打膨 ２１ 円環状ストップリング ２２ 切起し摺動突起 ２３ リベット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 順次径を異にする脚パイプを内挿し、各
   大径側脚パイプと小径側脚パイプ間に楔状締結手段を構
   成すると共に、大径側脚パイプ端に螺合した締結ナット
   を回動して該楔状締結手段を緊締または釈放する脚伸縮
   固定装置において、前記大径側脚パイプの内面にパイプ
   方向に延びる摺動溝を条設すると共に、小径側脚パイプ
   の外周面端部に前記摺動溝と摺動自在に係合する摺動突
   起を突設してなり、前記楔状締結手段の操作時における
   前記大径側の脚パイプの締結ナットに対する追従回動を
   阻止したことを特徴とするカメラ用三脚における脚伸縮
   固定装置。
2. 【請求項２】 前記摺動突起が、小径側脚パイプの抜落
   を当突阻止するために、小径側脚パイプの端部外周に環
   着したストップリングの外周に突設してなる小突起であ
   り、該ストップリングを小径側脚パイプに対して回り止
   め係合してなることを特徴とする請求項１記載のカメラ
   用三脚における脚伸縮固定装置。