JPH0744626Y2 - 液体塗布具用容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、インクを使用する筆記具や、マニキュア液等
の化粧液を使用する化粧具等を包含する液体塗布具で、
液吐出用の蛇腹部を液体タンクの一部に設けた液体塗布
具用容器の改良に関する。

（従来の技術） 液を吐出させるために液体タンクの一部に蛇腹部を設け
た容器は周知であるが、この種の容器は外圧を受けた場
合に誤って圧縮して不本意にも液を吐出してしまう欠点
があった。そこで第２図のように、液体タンク１におけ
る蛇腹部２の前方部位に突条３を設けて、この突条３と
係止せしめた状態で液体タンク１の外周部にスリーブ４
を被着して、蛇腹部２の誤動作を防止する手段が採られ
るようになった。然しながら、液体タンク１はその蛇腹
部２において曲りやすく、不本意に曲がった場合に、簡
単にスリーブ４が外れてしまう欠点があった。そこで更
に第２図に示すように、スリーブ４と液体タンク１の継
目を覆うように補強用チューブ５を被着するような手段
が講じられるようになっている。

（考案が解決しようとする課題） 上記の従来例のように、スリーブ４の上に更に補強用チ
ューブ５を被着すると外径が増大して然も外面部に段差
が生じるので、握りにくくなるばかりか外観が損われる
問題があり、また、スリーブ４を外して使用したい場合
に、スリーブ４が外しにくく不便であるという問題があ
った。また、液体タンクの胴体の一部に蛇腹部を設けた
ものは、その液体タンクを後方から押圧したときに、胴
体における蛇腹部の前後箇所の変形によって押圧力が吸
収され、蛇腹部に作用する力が緩められるので、蛇腹部
の収縮が不十分となってバルブが十分に開口せず、液体
タンクからの液の吐出が劣るという問題がある。そこで
本考案は、かかる問題を解決できる液体塗布具用容器の
提供を目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案の液体塗布具用容器
は、前端内面部にバルブ装置を装着した液体タンク１に
おける前端近傍の胴体の一部に蛇腹部２を設けるととも
に、その蛇腹部２のすぐ前方箇所の外面にネジ部７を設
け、前端内面にネジ部10を形成したスリーブ４を液体タ
ンク１の蛇腹部２を含む外周部にその後端縁12が液体タ
ンク１の後端面13より後方に位置するように嵌装して該
スリーブ４のネジ部10と液体タンク１のネジ部７とを螺
着せしめたことを特徴とする構成としたものである。

（実施例） 第１図は本考案の一実施例を示したものである。容器本
体は液体タンク１と先軸６から成り、液体タンク１は樹
脂製でその前端外面部にネジ部７設けると共にそのすぐ
後方位置に蛇腹部２を設けている。また、先軸６は同じ
く樹脂製でその後端部を螺着や圧入等の方法により液体
タンク１の前端部に接合してその内部にはペン芯８を保
持している。液体タンク１の前端内面部にはバルブ装置
（図示せず）が装着されていて、そのバルブ装置におけ
る弁棒の後端は液体タンク１の後端面に当接している。
液体タンク１の後端面を押圧すると蛇腹部２の収縮によ
って後端面が前進し、それによって弁棒が押されて弁を
開口し液体を吐出させるようになっている。スリーブ４
は先軸６の鍔９と同一の外径を有してその前端内面部に
ネジ部10を設けると共に後端縁には切欠部11を設けてい
る。スリーブ４はその前端内面部のネジ部10を先軸６の
鍔９より後方の液体タンク１の前端外面部に設けたネジ
部７に螺着することによって液体タンク１と一体化して
いる。尚、スリーブ４の後端縁12は液体タンク１の後端
面13より僅かに後方に位置し、また切欠部11は液体タン
ク１の後端面13より所要量前方に位置して液体タンク１
の後端面13の一部を露出状態となし、スリーブ４を被着
した状態でも液体タンク１の後端面13を押圧可能として
いる。尚、図中14はキャップである。

（作用） スリーブ４は液体タンク１のネジ部７と螺着することに
より液体タンク１に対する固定力が強化され、たとえ液
体タンク１に曲げ力が作用した場合でも外れることはな
い。液体タンク１がその後端面13を下にして落下したよ
うな場合、スリーブ４の後端縁12が液体タンク１の後端
面より後方に位置しているので衝撃力はスリーブ４の後
端縁12に作用するが液体タンク１の後端面13には作用し
ないので不本意なる液の吐出が防止される。また、液体
タンク１の蛇腹部２のすぐ前方箇所にネジ部７を設けて
スリーブ４のネジ部10と螺着させることによって、蛇腹
部２の前方箇所が変形しにくくなるので、液体タンク１
に対し後方から押圧力が加えられたときに蛇腹部２が十
分に収縮するようになる。

（考案の効果） 本考案の液体塗布具用容器は以上のように構成され、ス
リーブ４を取り付けることにより外径が増大することも
また外面部に段差が生ずることもないので、握りやすく
て使い勝手が良くまた外観が損われることがない。ま
た、液体タンク１とスリーブ４の固定力が強化されたの
で、液体タンク１に曲げ力が作用した場合でもスリーブ
４の脱落を防止することができる。もちろんスリーブ４
によって液体タンク１の後端面に対する意図しない外圧
を阻止して不本意なる液の吐出を防止することができ
る。更に、液体タンク１における蛇腹部２の前方箇所が
変形しにくくなって、液体タンク１に対し後方から押圧
力が加えられたときに、蛇腹部２が十分に収縮してバル
ブも十分に開口するようになるので、液体タンク１から
の液の吐出が良好になる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は従来例の
断面図である。 １……液体タンク、２……蛇腹部、３……突条、４……
スリーブ、５……補強用チューブ、６……先軸、７……
ネジ部、８……ペン芯、９……鍔、10……ネジ部、11…
…切欠部、12……後端縁、13……後端面、14……キャッ
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前端内面部にバルブ装置を装着した液体タ
   ンク１における前端近傍の胴体の一部に蛇腹部２を設け
   るとともに、その蛇腹部２のすぐ前方箇所の外面にネジ
   部７を設け、前端内面にネジ部10を形成したスリーブ４
   を液体タンク１の蛇腹部２を含む外周部にその後端縁12
   が液体タンク１の後端面13より後方に位置するように嵌
   装して該スリーブ４のネジ部10と液体タンク１のネジ部
   ７とを螺着せしめたことを特徴とする液体塗布具用容
   器。