JPH074405B2 - 変性ポリシロキサン被覆衛生ゴム製品及びその製造方法 - Google Patents

変性ポリシロキサン被覆衛生ゴム製品及びその製造方法

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JPH074405B2
JPH074405B2 JP62154272A JP15427287A JPH074405B2 JP H074405 B2 JPH074405 B2 JP H074405B2 JP 62154272 A JP62154272 A JP 62154272A JP 15427287 A JP15427287 A JP 15427287A JP H074405 B2 JPH074405 B2 JP H074405B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はゴム成形品の表面に変性したオルガノポリシロ
キサン組成物を架橋接着することにより被覆して、その
表面性質を改善した衛生ゴム製品に関する。本発明の衛
生ゴム製品は、医療用器具器械のゴム部分、医薬用ゴム
製品として利用するに優れている。
〔従来の技術〕
成形ゴム材料の表面特性を改善して、例えば表面摩擦抵
抗を減少させる、耐溶剤性,撥水性,耐オゾン性を付与
する、粘着性を除去する等の夫々の効果を得る手段とし
て、従来種々の方法が提案されている。例えば塩素ガ
ス,臭素ガス又はスルホン酸ソーダ溶液中に保持する方
法(特公昭57-3807号公報参照)、フツ素ガス雰囲気中
に保持する方法(特公昭58-19464号公報、特開昭59-218
830号公報参照)、1分子中に2個以上のケイ素原子に
結合した水酸基を含むポリオルガノシロキサン,両末端
水酸基閉塞ポリジオルガノシロキサン,ポリオルガノハ
イドロジエンシロキサン,エポキシ基含有シロキサン,
アミノ基又はアルコキシ基を有するシロキサンとからな
るポリオルガノシロキサン組成物をゴム表面に塗布し硬
化させる方法(特公昭56-47864号公報参照)、ゴム中で
少しづつ移動することのできる有機ケイ素化合物を0.1
〜10重量%ゴム中に含有させて医学用または衛生用ゴム
製品を製造する方法(特公昭47-30089号公報参照)、分
子内に水酸基又はメトキシ基を含有するシリコン生ゴム
を架橋してゴム成形品表面を被覆する方法(特開昭57-9
6837号公報参照)、さらにはポリジメチルシロキサン又
はそのジメチル基の一部をフエニル基,ビニル基,アミ
ノ基,弗素含有基,ポリエーテル基,アルキルアリル基
又は脂肪酸基で置換したジメチルシロキサンを架橋被覆
したゴム栓の製法(特開昭57-182418号公報)等があ
る。本発明者らもすでに特開昭56-104672号公報におい
て、アミノ基を含有するシランカツプリング剤にてゴム
表面を被覆することを提案している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、従来技術により衛生ゴム製品を製造した
場合粘着性,吸着性が残存するか又は塗布したポリシリ
コン組成物が医薬品や食品中に異物として混入して、人
体内に入る等の問題があり、衛生上優れたゴム製品とは
言い難かつた。
衛生ゴム製品の表面にポリシロキサンにて薄く被覆する
ことは良好な方法ではあるが、被覆の厚さむら、膜むら
以外に被覆品の剥離による異物、微粒子の発生、摩擦抵
抗の不充分さ等の欠点があり、また機械器具への取付け
不適等の点でも問題があつた。しかも最近は自動操業を
する上で、取扱いが容易な衛生ゴム栓が切望されてい
る。
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであつ
て、ゴム表面との接着性に優れた被覆を有して剥離物の
発生等がなく衛生上優れており、しかも耐熱性,潤滑性
を有し、機械器具への取り付け容易で自動化にも充分に
対応できる衛生ゴム製品及びその製法を提供するもので
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはシリコーン油すなわち直鎖状ポリシロキサ
ンが生体系における組織反応が最低であり不活性で非常
に低毒性であり、その摩擦係数は0.23〜0.3(25℃)
と、スピンドル油には及ばぬものの最良の潤滑性を有す
るに加えて耐熱性に優れている点に注目して、これらの
好ましい特性は保持できるようにポリシロキサンの基本
構造の 結合についてはこれをそのまま保持しておき、オルガノ
ポリシロキサンの分子内に一部置換基を導入して変性オ
ルガノポリシロキサンとし、被覆として強固でゴム表面
との付着性を向上したこの変性ポリオルガノシロキサン
を含有する変性ポリシロキサン組成物をゴム表面に塗布
し、次に架橋せしめてゴム表面と接着した被覆を形成す
る本発明の方法に到達したのである。
すなわち本発明は分子内にアクリロイル基,ビニルオキ
シ基,マレイミド基及びフエニルケトン基からなる群の
うちから選ばれる1種又は2種以上の基を有する変性オ
ルガノポリシロキサンを含む変性ポリシロキサン組成物
がゴム表面に架橋接着されてなる変性ポリシロキサン被
覆衛生ゴム製品に関する。
本発明の変性ポリシロキサン被覆衛生ゴム製品は、変性
ポリシロキサン組成物の分子量が5,000〜5,000,000の範
囲にあることが好ましく、該変性オルガノポリシロキサ
ンの1分子に含まれるアクリロイル基、ビニルオキシ基
又はマレイミド基の含有量が0.0001〜2.5モル%の範囲
にあることが好ましい。また変性ポリシロキサン組成物
は分子内にビニル基,水酸基,水素基,アセチル基,ア
セトキシ基,エポキシ基,エステル基,エーテル基,ア
ルケニル基,アルコキシ基,アミノ基,メルカプト基を
有するオルガノポリシロキサンを含有するものであるこ
とが好ましい。
また、本発明は分子内にアクリロイル基,ビニルオキシ
基,マレイミド基及びフエニルケトン基からなる群のう
ちから選ばれる1種又は2種以上の基を有する変性オル
ガノポリシロキサンを含む変性ポリシロキサン組成物を
ゴム表面に塗布して、該ゴム表面に架橋接着することを
特徴とする変性ポリシロキサン被覆衛生ゴム製品の製造
方法に関する。
本発明の製造方法においては分子量5,000〜5,000,000の
オルガノポリシロキサン組成物を溶媒と共にゴム表面に
塗布した後、乾燥して溶媒を除去し、次に架橋接着処理
を行うことが好ましい。また架橋接着の手段として、電
子線,紫外線もしくはレーザ線照射又は加熱を行うこと
が好ましい実施態様である。上記製造方法においてオル
ガノポリシロキサンとしては、上記変性オルガノポリシ
ロキサンと分子内にビニル基,水酸基,水素基,アセチ
ル基,アセトキシ基,エポキシ基,エステル基,アルケ
ニル基,アルコキシ基,アミノ基,メルカプト基を有す
るオルガノポリシロキサンとの混合物又は縮合物からな
る変性ポリシロキサン組成物を用いることが好ましい。
本発明において変性オルガノポリシロキサンを得るため
に、オルガノポリシロキサンの分子内に導入される置換
基は、アクリロイル基,ビニルオキシ基(この両者をま
とめてアクリロイル基等ともいう),マレイミド基及び
フエニルケトン基である。
アクリロイル基,ビニルオキシ基,マレイミド基及びフ
エニルケトン基は一種を導入してもよいし、2種以上併
用してもよい。何れにしても導入された基の総和が変性
オルガノポリシロキサン分子中0.0001〜2.5モル%であ
ることが好ましい。変性のために導入された基の総和が
2.5モル%を越えるとポリシロキサンの滑性に欠けた物
質となるに加え、衛生上でも不適格となつてくる。又、
0.0001モルに満たないと成形ゴム表面との架橋接着力が
弱く、ゴム表面から変性ポリシロキサンが剥離し、薬品
や人体中に異物として入る。
本発明の変性オルガノポリシロキサンは、さらに3,3,3-
トリフルオロブロキル基、4,4,4-トリフルオロ‐3,3−
ジフルオロブチル基、(CF31〜3基等のフツ素
(F)を含有する基を導入してもよく、これによりポリ
シロキサンの滑性が向上して好結果を得られる。
本発明におけるアクリロイル基とは、未置換又は置換ア
クリロイル基及びこれらの誘導体であつて、例えばアク
リル基(CH2=CH‐CO‐)、メタクリル基(CH2=C・CH
3‐CO‐)、アルキルアクリロイル基(CnH2n-1-CH=CH
‐CO‐)ヒドロキシメチルアクリロイル基(OH-CH2-CH
=CH-CO-)、メタクリルオキシ基(CH2=C・CH3‐CO2
‐)、メタクリルオキシアルキル基(CH2=C・CH3‐CO
2‐CnH2n-1‐)等が挙げられる。
本発明におけるビニルオキシ基とは未置換又は置換ビニ
ルオキシ基であつて、例えばビニルオキシ基(CH2=CH
‐O-)、アルキルビニルオキシ基(RCH=CH-O-)が挙げ
られる。
これらのアクリロイル基等はポリシロキサンの硅素原子
Siと直接結合したものでもよいし、シロキサン結合を介
してSiと結合したものでもよい。
本発明のアクリロイル基等を分子内に有する変性オルガ
ノポリシロキサンを得るには、アクリロイル化合物とポ
リシロキサン化合物との付加反応又は脱ハロゲン化金属
塩との反応(特公昭52-35718号公報参照)、脱アルコー
ル反応、平衡化反応、加水分解反応、縮合反応、脱酢酸
反応(特公昭52-35719,52-35720,53-43560号公報参
照)、付加反応、置換反応、脱水反応、重合反応(特公
昭53-2911,55-46650,53-36515,55-46649各号公報参照)
等の公知技術を応用できるが、これ等の公報に記載され
る方法そのままでは、反応生成物は高分子の固体となり
ポリシロキサンに滑性がなくなり、又衛生面でも不満足
なものである。従つて本発明においてはこのような公知
技術を応用しながら、高温に加熱して白金糸又は錫系の
触媒を不用として低毒性触媒(鉄塩、有機物)で反応さ
せる又は脱白金、又は脱錫などして、ゴム表面に塗布で
きて、しかも架橋、接着後には表面滑性と衛生性を満足
できる変性オルガノポリシロキサンを得るのであるが、
その詳細は後述の実施例にて説明する。
本発明においてポリシロキサンに導入されるマレイミド
基としては、フエニルマレイン酸、トリルマレイン酸、
α−フエニル−β−メチルマレイン酸等の無水マレイン
酸誘導体とアミンとの反応により生成するマレイミド基
が好ましく、このマレイミド基はポリシロキサンの硅素
(Si)と直接結合したものでもよいし、エチル基、プロ
ピル基、フエニル基等のアルキル基又はアリル基、エチ
ルアミノプロピル基、プロピルアミノプロピル基等のア
ルキルアミノプロピル基、ジエチルエーテル基、ジエチ
ルアミン基等を介して硅素と結合してもよい。このよう
なマレイミド基を導入したポリシロキサンの合成は、特
公昭53-5302,57-21199,58-69229号公報等の公知技術を
応用して、短時間の反応でできるが、詳細は実施例にて
説明する。
本発明において、アクリロイル基等又はマレイミド基を
持つ変性ポリシロキサン組成物には光重合増感剤(光開
始剤ともいう)を併用することが好ましい。光開始剤は
これらの変性ポリシロキサンの重合速度を高め効果的重
合を行わせるので、ゴム製品に未縮合物、オリゴマー等
の衛生性を低下させる物質が残存することを防止でき
る。
本発明において光開始剤の添加量は、アクリロイル基又
はマレイミド基を持つポリシロキサンに対して0.01〜10
重量%、好ましくは0.1〜5重量%、特に好ましくは0.1
〜3重量%の範囲である。0.01%未満では効果が期待で
きず10%を越えると引張強度、弾性率等が低下し衛生性
も低下する。
本発明における光開始剤としてはアセトフエノン系、ベ
ンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、芳香族ケト
ン系化合物等の公知の光開始剤を用いればよく、例えば
アセトフエノン、p-t-ブチルトリクロロアセトフエノ
ン、2,2-ジエトキシアセトフエノン、ベンゾフエノン、
4,4′‐ビスジメチルアミノベンゾフエノン、4-メチル
‐4′‐トリメチルシロキシジメチルシリルベンゾフエ
ノン、p-メトキシ‐4′‐トリメチルシロキシジメチル
シリルベンゾフエノン、4-メトキシ‐4′‐トリメチル
シリルベンゾフエノン、4-ジメチルアミノ‐4′‐ジメ
チルビニルシリルベンゾフエノン、4-メチル‐4′‐ト
リメチルシリルベンゾフエノン、4-トリメチルシリルベ
ンゾフエノン、2,5-ジメチル‐2,5-ジ(3-メチルベンゾ
イルペルオキシ)ヘキサン、3,3′,4,4′‐テトラ(t-
ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフエノン、ベンジ
ルベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
‐t-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、
両末端がベンゾインのポリジメチルシロキサン、ベンジ
ルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフエ
ニルケトン、2-ヒドロキシ‐2-ジメチル‐1-フエニルプ
ロパン‐1-オン、1-(4-イソプロピルフエニル)‐2-ヒ
ドロキシ‐2-メチルプロパン‐1-オン、ベンゾイルパー
オキサイド、2-クロロチオキサントン等が挙げられる。
このような化合物による活性化は、特公昭50-1597号公
報、特開昭50-138081号公報或いは公知技術(光放射線
硬化技術大系、大成社編 昭和60年発行 p276〜281)
に記載の技術を用いて行なえる。
しかしながら、前記のようにこれらの光開始剤はポリシ
ロキサンに対し0.1〜3重量%という少量を配合したい
ので、これらの光開始剤とポリシロキサンを公知技術、
例えば特開昭54-48854,57-207622,57-131230各号公報、
特公昭51-48794,52-32913,58-25679各号公報等により縮
合させた縮合物として用いることが好ましい。このよう
な縮合反応の詳細は後記の実施例にて説明する。
本発明に係わる変性ポリシロキサン組成物は以上説明し
たアクリロイル基等(ビニルオキシ基を含む)、マレイ
ミド基及び光重合開始剤のフエニルケトン基から選ばれ
る1種又は2種以上の基を有する変性ポリシロキサンに
加えて、さらに公知の置換基を導入したポリシロキサン
を混合して用いることができる。このような公知の置換
基としては、水素基、水酸基、アセチル基、アセトキシ
基、アルコキシ基、エステル基、エポキシ基、ビニル
基、アルケニル基、末端ブロツク化合物、アミノ基、メ
チル又はジメチルアミノ基、メルカプト基、シクロヘキ
サノイルエチル基、アニリノプロピル基、アミノプロパ
ニル基、ベンジル基、シクロプロピルメトキシプロピル
基、ビニルメチル酢酸メチル基及び次の構造の基‐(C
H2)3‐O-CH2‐O-CH2‐が挙げられる。これらのうち特に
水素基又はビニル基をアクリロイル基及び/又はマレイ
ミド基と併用すると相乗効果を奏して光重合性を高め反
応を短時間にできる。従つて水素基及び/又はビニル基
を分子内に1〜20モル%有する変性ポリシロキサン組成
物を本発明に用いることができる。また、本発明におい
て、ゴム素体に塗布される変性ポリシロキサン組成物と
しては、メチル基、エチル基又はフエニル基を有するポ
リシロキサンが好ましく、そのメチル基、エチル基又は
フエニル基の総和が25〜80モル%であり、フエニル基は
15モル%以下であり、さらに該組成物は粘度10〜10,000
cpsで分子量5,000〜5,000,000であることが好ましい。
この限定は光架橋や被覆を行なうのに好都合だからであ
る。
本発明においてゴム製品の素体を構成し、その表面に変
性ポリシロキサン組成物を塗布されるゴムとしては、例
えばイソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ス
チレンブタジエンゴム(SBR)等のジエン系ゴム、ブチ
ルゴム類(IIR,BIIR,CIIR)、エチレンプロピレンゴム
及びエチレンプロピレンターポリマー(EPM及びEPDM)
等のオレフイン系ゴム、熱可塑性エラストマー、天燃ゴ
ム等の公知のゴムに公知の架橋剤、架橋活性剤、補強剤
等の添加剤を配合して加熱・架橋して成形したものが用
いられる。
本発明において、変性ポリシロキサン組成物は溶剤に希
釈して成形ゴム表面に塗布することが好ましい。この溶
剤としては例えばn-ヘキサン、ガソリン、トルエン、ベ
ンゼン、イソプロピルアルコール、メチルエチルケト
ン、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、メ
タノール、エタノール、アセトン、メチルイソブチルケ
トン、テトラヒドロフラン、トリクロロトリフルオロエ
タン等を単独で又は2種類以上を混合して用いることが
できる。このときの変性オルガノポリシロキサン組成物
濃度は0.01〜5重量%の範囲が適当である。
変性ポリシロキサン組成物溶液のゴム表面への塗布方法
は、噴霧、刷毛塗り又は該溶液中に短時間ゴム製品を浸
漬後引き上げる等のいずれによつてもよく、その他ゴム
表面に該溶液を適用できる適当な手段をとれる。次に、
溶剤を80℃以下の低温にて乾燥し、架橋させて、ゴム製
品の表面に変性オルガノポリシロキサン組成物被覆を強
固に付着させる。被覆の厚さは0.1〜30μmにし、斑が
ないようにする。
ゴム表面に架橋接着させる方法としては熱又は光エネル
ギー等による処理が好ましく、特に光エネルギーを利用
して2分以内程度の短時間の照射処理を行なうと、変性
オルガノポリシロキサン組成物の付着が強固になる。光
エネルギーとしては紫外線、電子線、レーザ光(YAGレ
ーザ波長10.6μ)等が用いられるが、設備コスト等を考
慮すると、低圧,高圧又は超高圧水銀灯、アルゴン,ネ
オン,水素又は窒素等の放電管、キセノンランプ、キセ
ノン‐水銀ランプの使用が簡単である。例えば石英ガラ
ス管内に水銀とアルゴンガスを封入したランプでは360n
mを中心として220〜400nmの紫外線、400〜800nmの可視
光線、800nm以上の赤外線(熱線)を出すが、紫外線発
生効率は10%以下であるので2〜60秒で変性ポリシロキ
サン組成物がゴム表面に架橋接着することができる。
〔実施例〕
以下にまず本発明に用いられる変性オルガノポリシロキ
サンの例とその合成方法から説明する。
A.アクリレート基を含有するポリシロキサン(A-1〜A-1
7) A-1)直鎖状のヒドロキシジメチルポリシロキサン(シ
ロキサン結合の重合度n=700、平均分子量53,000)53
g、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.3g
を、撹拌及び冷却装置付き反応容器中に入れ、窒素を通
じながら80℃に撹拌しつつ加熱し、生成するメタノール
を冷却装置付きエステルアダプターにて除去する。生成
物52gを得たが、粘度13cs(25℃)、下記の化学構造の
ものであつた。本発明に用いるにはイソプロピルアルコ
ール溶液(11.5重量%)として使用する。
A-2)直鎖状のジメチルポリシロキサン(n≒1500、1
分子中ヒドロキシル基約1個)110g、γ−メタクリロキ
シプロピルトリヒドロキシシラン0.2g、キシレン100g及
びo-チタン酸イソプロピルエステル0.1gを反応容器に入
れ、約130℃で10時間加熱撹拌し、生成する水は除去し
た。生成物を温水にて洗浄し、下記の化学構造で示され
る粘性物を得た。用時はトルエン:ベンゼン(5:3)の
混合溶媒にて11重量%溶液とした。
A-3)ジエトキシ‐メチル−γ−トリフルオプロピルポ
リシロキサン(平均分子量54,000)59g、ジエチレング
リコールモノアクリレート1.6g、酢酸カリウム0.1gを反
応容器に入れて、110℃で加熱撹拌し、生成するエタノ
ールは窒素ガスを通じて系外に排出した。生成物を温水
洗浄して、下記の化学構造で示される淡黄色透明液状物
(アクリル量0.1モル%)61gを得た。用時にはトルエ
ン:イソプロピルアルコール(1:1)混合溶媒にて約11
重量%溶液とした。
A-4)水25g、トルエン5g及びイソプロピルアルコール0.
5gを反応容器中に入れ、温度5〜8℃に保つたところ
へ、ジメチルジクロロシラン1.3g、モノフエニルトリク
ロロシラン1.1g及びγ−メタクリロキシプロピルトリク
ロロシラン5.2gの混合シランを1時間かけて滴下した
後、30分間撹拌した。次にジクロロ−γ−トリフルオロ
プロピルメチルポリシロキサン(平均分子量50,000)55
3g、ピリジン8g及びテトラヒドロフラン10gを加えて80
〜85℃で4時間撹拌した後に、ピリジン塩酸塩を除去
し、水洗し、次にテトラヒドロフランを減圧蒸留により
除去した後、生成物を温水洗浄した。得られた510gの粘
稠物は下記の化学構造(メタクリロ量0.12モル%)で表
されるもので、用時にはイソプロピルアルコールを溶媒
として10.0重量%溶液として用いられる。
A-5)α−ωジヒドロキシポリジメチルシロキサン(n
=500)223gとピリジン0.8gをジエチルエーテル400mlに
溶解した溶液にγ−メタクリロキシプロピルジメチルク
ロロシラン0.4g(0.0015モル)の10重量%ジエチルエー
テル溶液を室温で20分間かけて徐々に滴下した。室温で
更に1時間撹拌し、反応終了後ピリジン塩酸塩の白色結
晶を過し、水500mlにてよく振とうし、水洗を行なつ
た。無色透明なアクリル変性ポリシリコーン(アクリル
基0.05モル%)205gが得られた。
イソプロピルアルコールを溶媒として約20重量%溶液と
する。
A-6)メチルフエニル・水素ポリシロキサンポリマー(S
i‐H基0.07モル%、CH3基47.5モル%、分子量約4万)
200g及びγ−メタクリロキシプロピルトリメチルシラン
1.2gにメチルフエニルビニルポリシロキサンポリマー
(ビニル基は分子中に0.01モル%、分子量約1万)7.6g
を加え、トリクロロトリフルオロエタン300gを加えて1
時間撹拌して均一にした。メタアクリレート0.1モル%
でポリシロキサン11.5重量%の溶液が得られる。
A-7)粘度20cpsのメチル水素・ポリシロキサン25g、sym
‐テトラメチル・テトラビニルシクロテトラシロキサン
30g、オクタメチルシクロテトラシロキサン445g及び酸
性白土5g(触媒)を撹拌下窒素ガスを流しつつ、85℃で
20時間縮合した。反応物にジ‐t-ブチル・4メチルフエ
ノール0.05g、と共にメタクリレート・プロピル‐メチ
ル‐ジクロルシラン1gを添加し、混合物を85℃で5時間
反応する。次に水1.5gを添加し、30〜35℃で30分間撹拌
した。反応生成物を5重量%NaHCO3水溶液50mlで3回洗
浄した。下記の化学構造と想定される化合物(メタクリ
ル量0.14モル%)を12g得た。イソプロピルアルコール
を溶媒として約12%溶液とする。
n=約20,m=約1500,D=約10, 分子量:113,400 A-8)メタクリロキシプロピルトリメチルシラン0.2g
と、次の構造のポリシロキサン (o=約500)100g及び末端メチルハイドロポリシロキ
サン(Si-H基 1.0重量%)1.5g、を塩化白金酸の0.2重
量%、イソプロピルアルコール溶液0.02g混合し、常温
で約2時間撹拌混合した。次にイソプロピルアルコール
780gを混合して均一な混合液(メタクリロ量0.1モル
%)を得た。この混合液はそのままゴム表面に塗布でき
る。
A-9)下記の組成でポリシロキサンを混合物とした。
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 0.2g このポリシロキサン混合物に0.1重量%の塩化白金酸の
イソプロピルアルコール溶液0.1gを混合して撹拌しつ
つ、30℃で1時間反応させ、次に80℃に昇温し3時間撹
拌した。得られた粘稠物を温水で充分に洗浄した。この
粘稠物はイソプロピルアルコールを溶媒として約11重量
%(メタクリロ量0.1モル%)溶液とする。
A-10)ポリシロキサン(OH基 0.5重量%、CH3/C6H5
4)を70重量%含有するトルエン溶液170g、N-(2-アミ
ノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン1.5g、
トルエン87g及び苛性ソーダ0.1gの混合物を90℃で3時
間加熱して、生成するメタノール約4.5gを除去した。次
にグリシ gを加え70℃で3時間加熱してアミノ基とエポキシ基と
の付加反応により下記の構造で表わされるアクリロイル
オキシ基含有オルガノポリシロキサン(ポリシロキサン
中アクリレート基2.1モル%)溶液を得た。これを水で
中性になる迄充分洗浄した。
このポリシロキサンはイソプロピルアルコールを溶媒と
する。
A-11)末端にジメチル基、ビニルシリル基を有するジメ
チルポリシロキサン(n=100,粘度10,000cps)100g、
ジメチル‐メチルハイドロジエンシロキサン(トリメチ
ルシロキサン単位10モル%、ジメチルシロキサン単位70
モル%、ハイドロジエンシロキサン20モル%、n=15)
10g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2
g及び塩化白金酸の0.1重量%エタノール溶液0.01gを混
合し、約80℃に加熱し撹拌を1時間行つた。得られた混
合物にエタノール800g、ベンゾイルペルオキシド5gを添
加した液をゴム製品表面に使用する。
A-12)両末端に1,1,3,5,5,7,7-ヘプタメチルテトラヘキ
サンを有するジメチルポリシロキサン(n=700)53gに
塩化白金酸の0.1重量%エタノール溶液0.2mlを加え、撹
拌しつつさらにγ−メタクリロキシプロピルトリエチル
シラン2gを10分間かけて滴下し、滴下終了後110℃に徐
々に昇温し、その温度で1時間撹拌して反応させる。減
圧にて揮発物を除く。このもの25gにポリジメチルシロ
キサン(粘度10cps)50g、ポリオルガノハイドロジエン
シロキサン(粘度20cps)1g及び塩化白金酸オクテン錯
塩10ppmを溶液にて加え、イソプロピルアルコール・ト
ルエンの1:1溶液に溶解して10重量%溶液にする。
A-13)α−ω−ジヒドロキシジメチルポリシロキサン
(ヒドロキシル基0.23重量%、n=4,000、粘度100cp
s)191g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン4.6g及びテトライソプロピルチタネート0.1gを混合
し、撹拌しつつ20℃で10分間反応させ、次に150℃まで3
0分かけて昇温し、この際発生するメタノールは収集器
にて収集した。生成物を温水洗浄した。下記の化学構造
式で表されるポリシロキサン(メタアクリル含量1モル
%、粘度1000cps)が得られた。これにイソプロピルア
ルコールを溶媒として加え、約12重量%溶液としてゴム
製品表面に塗布する。
A-14)両末端がジメチルビニルシリル基のポリジメチル
シロキサン(分子量7,400,粘度3,000cps)100g、ポリオ
ルガノシロキサン〔(CH3)3SiO1/2:45モル%、SiO2:50モ
ル%、CH2=CH(CH3)SiO:5モル%〕5g、両末端がトリ
メチルシリル基のポリメチルハイドロジエンシロキサン
(粘度20cps)2g及び0.1重量%の塩化白金酸ヘキサノー
ル溶液2gからなる混合液(A液という)に、3メタクリ
ロキシプロピルトリアセトキシシラン0.2gとヘキサノー
ル0.5gとの混合液を、40℃で24時間撹拌しつつ加える。
この混成組成物はメメタクリレート含有量0.1モル%で
ある。この反応液にそのまま石油エーテルを溶媒として
加えて、13.2重量%溶液として、ゴム製品表面に使用す
る。
A-15)上記A-14)のA液に、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン0.2g及びヘキサノール0.5gの混合
液を加え、40℃で24時間撹拌する。この混成反応液にそ
のまま石油エーテルを溶媒として加えて13.2重量%溶液
とし、これをゴム製品表面に噴霧する。
A-16)直鎖状のジメチルポリシロキサン(シロキサン結
合の重合度約n=150、ヒドロキシル基30個)110g、γ
−メタクリオキシプロピルトリヒドロキシシラン22.5
g、キシレン100g及びオルソチタン酸イソプロピルエス
テル1gとを三口フラスコに入れ約130℃で4時間加熱撹
拌した。更に130℃で10時間加熱して副生成物の水を除
去する。(メタクリル量5.4モル%) 生成物をトルエン:イソプロピルアルコール=1:1混液
にて12重量%溶液にして使用する。
A-17)水2.5l、トルエン0.5l及びイソプロピルアルコー
ル50gを四口フラスコに入れ、温度5〜10℃で撹拌しつ
つ、該混合液中にモノメチルトリクロロシラン5g、ジメ
チルジクロロシラン75g、ジフエニルジクロロシラン126
g、モノフエニルトリクロロシラン105g及び3-メタクリ
ルオキシプロピルトリクロロシラン131gの混合物を1時
間かけて滴下し、更に20℃に昇温して30分間撹拌する。
次に中性になる迄水洗し、次にシロキサン濃度約50重量
%になる迄減圧下に濃縮する。次にα−ω−ジヒドロキ
シ‐トリフルオロプロピルメチルポリシロキサン(分子
量1600)800g、p-トルエンスルホン酸1g、メトール0.2g
を加え温度110℃で8時間撹拌しつつ、蒸留塔よりエタ
ノールを溜出する。反応終了後、Na2CO3粉末10g約80℃
で中和しスルホン酸Na塩として過して使用する。得ら
れた縮合物はトルエン12重量%溶液として使用する。
(メタクリルオキシ組成分の量3モル%) B.マレイミド基を含有するポリシロキサン(B-1〜B-3) B-1)N-プロピル‐2,3-ジメチルマレイミド50g(0.3モ
ル)及び0.05重量%の塩化白金酸イソプロピルアルコー
ル溶液0.8mlを混合して、窒素ガス雰囲気下60℃でテト
ラメチルジシロキサン20.2g(0.15モル)を滴下し、滴
下終了後140℃まで昇温した後冷却して、110℃にて1時
間保持する。得られた油状物は高真空蒸留することもで
きるが、そのままオクタメチル・シクロテトラシロキサ
ン1.8Kgとジメトキシエタン1700ml及び濃硫酸100gの混
合物を加えて24時間撹拌反応させた。生成した粘稠体を
エチルエーテル300mlで希釈して、水で中性になる迄洗
浄した後、無水Na2SO4を用いて乾燥した。下記の化学構
造式で表されるオルガノポリシロキサン(平均分子量38
00〜4200)が得られた。この変性ポリシロキサンは、ト
ルエン:イソプロピルアルコールの1:1混液を溶媒とし
て約13重量%溶液にして、ゴム製品表面に塗布する。
B-2)両末端に3-アミノプロピル基を有するオルガノポ
リシロキサン(n=160〜220)200gをトルエン200gに溶
解し、これにフエニルマレイン酸無水物1.7gをテトラヒ
ドロフラン25mlに溶解したものを20℃で滴下し、25℃で
1時間反応させ、更に100〜110℃で4時間反応させ生成
した粘稠物を水で洗浄した。下記の化学構造式で表され
るマレイミド基を含有する。オルガノポリシロキサンが
得られた。この変性ポリシロキサンは9重量%のイソプ
ロピルアルコール溶液にして、ゴム製品表面に使用す
る。
B-3)分子鎖の一端に水酸基を有するジメチルポリシロ
キサン(n=500)の15重量%トルエン溶液247g、フエ
ニルトリクロロシランの加水分解生成物の15重量%トル
エン溶液208g及びフエニルマレイミド基を含有するオル
ガノポリシロキサンの5重量%トルエン溶液8gを混合し
た後、該混合物にオクチル酸亜鉛0.3gを添加してトルエ
ンの還流下で8時間反応を行つた。下記の化学構造式で
表される変性ポリシロキサン34gを得た。この溶液のま
まゴム製品に噴霧した。
C.フエニルケトン基を含有するポリシロキサン(C-1〜C
-5) C-1)テトラヒドロフラン中で、4-トリメチルシリルク
ロロベンゼン0.2モルとマグネシウム0.2モルとからなる
グリニヤール試薬を調製し、これに4-メチルベンズアル
デヒド0.2モルを加えて、オツペナウアー酸化反応を行
なうことにより下記の化学構造式で表される4-メチル‐
4′‐トリメチルシリルベンゾフエノンを得た。
反応物をイソプロピルアルコールを加えて15重量%にし
て使用する。
C-2)ベンゾイン47g(0.22モル)、トリエチルアミン28
g(0.26モル)及びトルエン100mlを反応容器に仕込み、
撹拌しつつα‐ω‐ジクロロジメチルポリシロキサン13
3g(0.1モル)を滴下して反応させた。
昇温するので60℃以下にして行ない、滴下終了後60℃に
て60分間撹拌した。生成したトリエチルアミン塩酸塩を
別し、トルエンを留去して、下記の化学構造式で示さ
れる生成物すなわち両末端にベンゾイン基を有するジメ
チルポリシロキサン(粘度60cps)131gを得た。
該生成物をイソプロピルアルコール800gに溶かして約14
重量%溶液としてゴム製品に使用する。
C-3)下記の化学構造式で示される4-メトキシ‐4′‐
トリメチルシロキシジメチルシリルベンゾフエノンを、 イソプロピルアルコールを溶媒として13重量%溶液にし
て、ゴム製品表面に使用する。
C-4)4-アリロキシベンゾフエノン2gとテトラメチルテ
トラハイドロジエンシクロテトラシロキサン2gとを80℃
に加熱し、撹拌しつつ、塩化白金酸の1重量%テトラヒ
ドロフラン(THF)溶液を0.01g滴下した。そのまま1時
間撹拌した後に、ヘキサメチルジシロキサン1g、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン37gを加え、トリフルオ
ロメタンスルホン酸0.01gを共重合の触媒として加えて
上記化合物を80℃,5時間撹拌して共重合した。次に炭酸
ソーダ50重量%水溶液にて反応液を中和後温水洗浄し
た。下記の化学構造式で表される生成物40gを得た。
該生成物にイソプロピルアルコールを加えて、約12重量
%溶液としてゴム製品に使用する。
C-5)α−アリル−α−ヒドロキシ‐2-フエニルアセト
フエノン2.5gとジメチルジメトキシシラン1.1gを混合し
て60℃に加熱し、撹拌しながら、塩化白金酸の1重量%
テトラヒドロフラン溶液を0.01g滴下した。温度を徐々
に上昇し、90〜100℃で1時間反応させた後、一部末端
がトリメチルシリル基で封鎖された両末端水酸基の直鎖
状ポリジメチルシロキサン〔(CH3)3Si含有量2重量%〕
5g、トルエン50g、KOHの10重量%エタノール溶液0.01g
を加えて加熱し、生成してくるアルコールと水を取り除
いた。次いで反応液をトリメチルクロロシランで中和し
て減圧下で溶媒を留去したところ、粘度250cpsの光増感
ポリシロキサン40gが得られた。このもの0.5gに、約90
モル%のジメチルシロキシ単位と10モル%のメチルビニ
ルシロキシ単位からなるジメチルビニルシロキシ末端封
鎖されたポリシロキサン5gとメチルハイドロジエンシロ
キシ単位がなるトリメチルシロキシ末端封鎖のポリシロ
キサン0.4gとの混合物を混和して完全に均一に溶解し
た。上記光増感ポリシロキサンにイソプロピルアルコー
ル360gを加えた液にしてゴム製造に使用する。
C-6)両末端にエトキシ基を有する直鎖状ジメチルポリ
シロキサン(n=15)100g、パラヒドロキシベンゾフエ
ノン30g、溶媒としてキシレン200g、無水トリフルオロ
酢酸2gを四ツ口フラスコに入れて還流冷却管を付けて撹
拌しつつ、130〜135℃で4時間加熱し、次にエチルアル
コールを蒸発させて除き、Na2CO3を加え加熱に中和し、
これを過して除きキシレンを減圧蒸留する。下記の化
学構造式のポリシロキサンが得られた。
D.ビニルオキシ基を有するポリシロキサン(D-1) D-1)以下の材料を反応させてビニルオキシム基を有す
るポリシロキサンを得た。
ジメチルポリシロキサン(両末端がOH基で封鎖された粘
度20,000cpsのもの)89.0g、ジメチルポリシロキサン
(両末端がトリメチルシリル基で封鎖された粘度100cps
のもの)10.7g、メチルトリスブタノキシシラン8g、γ
‐アミノプロピルトリエトキシシラン0.5g、次の構造式
の化合物0.3g 並びにトルエン・イソプロピルアルコール混液700g。得
られたポリシロキサン組成物中のビニルオキシ基は0.00
4重量%である。
実施例1〜28及び比較例1〜12 ゴム素体の成形・被覆形成 ゴム配合 IIR(日本ブチル製 商品名 JSR Butyl365、不飽和度
2.0モル%、ムーニー粘度 ML1+8 100℃ 44±1) 100部 活性亜鉛華(バイエル社製) 3部 ステアリン酸 1部 焼成クレー(バーケスピグメント社製、商品名バーケス
アイスバーグ) 60部 加工助剤(粉末ポリエチレン、製鉄化学製) 1.2部 酸化マグネシウム(協和化学製) 5部 ホワイトカーボン(塩野義製薬製、商品名カーブレツク
ス1120) 10部 酸化チタン(石原産業製) 3部 微粉末硫黄(細井化学製) 0.7部 ジ‐n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛 1.0部 ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛 0.6部 上記の原料のゴム配合物をSRIS日本ゴム協会標準規格36
03(1979)の11Rの試験方法に準拠して、二本ロール及
びインターナルミキサーを用いて配合した。得られたゴ
ム配合物を用いて、第1図に示すゴム栓1の脚部2の形
状の窪を持つ下金版と、栓頭部3の形状の窪を持つ上金
版とを160℃に加熱し、圧力50〜60kg/cm2にて25分間加
熱、加圧することにより架橋成形して、第1図の形状の
ゴム栓を、総数225個製造した。
又、同様の工程で、第2図に示す注射器用の滑栓を成形
した。
成形ゴム栓については、前項のA,B,C,Dに記載される各
種変性ポリシロキサン組成物の溶液を、さらに同種の溶
媒で10倍に希釈して、この希釈液を第1図のゴム栓足部
には2回、天面表面には1回噴霧した。次に温度40〜60
℃にて1〜5時間放置して溶媒を揮発させて、厚さ0.1
〜5μmの変性ポリシロキサン被覆を得た。
又第2図の注射器滑栓については、第1図と同じ希釈液
に1秒間浸漬し、次に乾燥して、架橋は夫々ゴム栓の場
合に準じて行つた。
接着・架橋 接着・架橋には熱空気中約90℃で3〜5時間架橋する方
法(実施例10)と、高圧水銀灯(H形出力400W)を用い
て、距離8〜10cmで、表1,2に示す短時間の照射により
光架橋する方法の二法によつた。
特性評価試験 ポリシロキサン剥離量試験:ゴム栓10個を特製500ml広
口瓶に入れ、無微粒子水300mlを加え、その容器ともに6
0秒間、手動で振動し、そのまま60分間静置し、その液
をハイアツク自動微粒子測定器で定流速を8ml/分に流
して水中の濁り程度を測定して剥離量とした。測定3回
の平均値を表1,2に示す。
滑動性:滑栓が注射筒内を移動する際の抵抗値をオート
グラフ(島津製作所製 DCS-100型)で測定した。測定
値を表1,2に示す 注微粒子量 粒子直径10μmの個数 滑栓の直径15.3mm、滑動する高さ7.7mm、その内凸凹
有り、(第2図参照)測定は注射筒を固定し、滑栓を移
動した抵抗値(kg)にて示す。
紫外線250〜450nm、効率10% 最適吸収波長域360nm、メタノールで1.2重量%、10部
量混合 ニツソキユアニ新日曹化工製 メチルシリコーンオイル TSF451(東芝シリコーン
製)イソプロピルアルコール1.2重量% イソプロピルアルコール1.2重量%混液にして使用、K
E530-U(ビニール量 約0.3モル% 信越シリコーン
製) ジt-ブチルペルオキシド(架橋剤)1重量部をKE530-
Uにゴムロールで混合し、次にイソプロピルアルコール
1.2重量%混合液にして使用した。
トルエン12重量%混液にて使用、KE42RTV(脱酢酸型
で約0.5モル%含む)信越シリコーン製 γ‐メタクリロプロピルメトキシシランをイソプロピ
ルアルコール1.2重量%混液にして使用した。
メタクリル量 分子中に5.4モル%、その外に水酸基
を含有 メタクリルオキシ量 組成物中に3モル%含有 表1の結果から明らかなように、アクリロイル基
(A)、マレイミド基(B)、ビニルオキシ基(D)に
て変性にしたポリシロキサンを被覆した実施例1、4、
8、9、10はシリコーンゴムを被覆した比較例3、4、
5、7、9と比較して滑動値が少ない。シリコーンオイ
ル(比較例2)は滑動値が少いが、シリコーンオイルの
剥離量が高く不適格である。処理方法は熱処理よりも光
処理の方が時間が短かくてすむ。特にアクリロイル基及
びマレイミド基による変性オルガノポリシロキサンとフ
エニルケトン基の開始剤の組合せ(実施例2)、特に開
始剤をシロキサンとの付加物にすると開始剤と変性シリ
コーンとの相溶性がよくなり好ましい(実施例6、7、
8)。変性シリコーン物の内とも導入した反応基モル%
の高い、比較例6、7、8、9、10は滑動値が高く不適
当である。
表2に示す如く、変性したポリシロキサンを用いた本発
明品(実施例11〜28)は比較例11、12に比べて、剥離
量、滑動値のいづれも少さい。衛生ゴム製品として優れ
ていることが明らかにわかる。
〔発明の効果〕
本発明のゴム製品は、ゴム素体の表面に被覆した変性ポ
リシロキサン組成物を該表面で架橋接着させるために、
強固でゴムとの接着性も向上した被覆を有し、これによ
り無毒で、滑性に優れ、変性ポリシロキサンの剥離がな
く、取扱かい容易であり、第11改正日本薬局法の医薬品
用ゴム栓の規格に合格する高度の衛生性を有するもので
ある。したがつて、本発明のゴム製品は、粉末製剤、凍
結乾燥製剤、液体注射薬等の医薬品用ゴム栓、注射器用
滑栓、例えば人工腎臓装置その他の人工内臓装置等の医
療器具用ゴム栓、シール材等に用いることができる。例
えば本発明による注射器用滑栓は、摺動性が良いため筒
内での移動が容易で、剥離しないために微粒子の発生が
ない。また、本発明のゴム栓を注射薬に適用することは
微粒子量が少なく好都合であるし、、例えば凍結乾燥製
剤のゴム栓に用いれば自動打栓も容易に行なえる。
さらに本発明のゴム製品の製造は、変性ポリシロキサン
の架橋接着処理工程が秒単位という短時間でかつ簡単な
装置で行なえるので、製造能率が高く低コストであると
いう利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係わる医療用ゴム栓(凍結乾
燥製剤用ゴム栓)の形状を示す断面図、第2図は本発明
の実施例に係わる注射器用シール滑栓の形状を示す断面
図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内にアクリロイル基、ビニルオキシ
    基、マレイミド基及びフエニルケトン基からなる群のう
    ちから選ばれる1種又は2種以上の基を有する変性オル
    ガノポリシロキサンを含む変性ポリシロキサン組成物が
    ゴム表面に架橋接着されてなる変性ポリシロキサン被覆
    衛生ゴム製品。
  2. 【請求項2】変性ポリシロキサン組成物の分子量が5,00
    0〜5,000,000である特許請求の範囲第1項に記載される
    変性ポリシロキサン被覆衛生ゴム製品。
  3. 【請求項3】変性オルガノポリシロキサンの1分子内に
    含まれるアクリロイル基、ビニルオキシ基又はマレイミ
    ド基の含有量が0.0001〜2.5モル%の範囲にある特許請
    求の範囲第1項又は第2項に記載される変性ポリシロキ
    サン被覆衛生ゴム製品。
  4. 【請求項4】変性ポリシロキサン組成物が、分子内にビ
    ニル基、水酸基、水素基、アセチル基、アセトキシ基、
    エポキシ基、エステル基、エーテル基、アルケニル基、
    アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基を有するオルガ
    ノポリシロキサンと変性オルガノポリシロキサンとの混
    合物又は縮合物である特許請求の範囲第1項ないし第3
    項のいずれかに記載される変性ポリシロキサン被覆衛生
    ゴム製品。
  5. 【請求項5】分子内にアクリロイル基、ビニルオキシ
    基、マレイミド基及びフエニルケトン基からなる群のう
    ちから選ばれる1種又は2種以上の基を有する変性オル
    ガノポリシロキサンを含む変性ポリシロキサン組成物を
    ゴム表面に塗布して、該ゴム表面に架橋接着することを
    特徴とする変性ポリシロキサン被覆衛生ゴム製品の製造
    方法。
  6. 【請求項6】分子量5,000〜5,000,000の変性ポリシロキ
    サン組成物を溶媒と共にゴム表面に塗布した後、乾燥し
    て溶媒を除去し、次に架橋接着処理を行なう特許請求の
    範囲第5項に記載される変性ポリシロキサン被覆衛生ゴ
    ム製品の製造方法。
  7. 【請求項7】架橋接着の手段として、電子線、紫外線も
    しくはレーザ線照射又は加熱を行なう特許請求の範囲第
    5項又は第6項に記載される変性ポリシロキサン被覆衛
    生ゴム製品の製造方法。
  8. 【請求項8】該変性オルガノポリシロキサンと分子内に
    ビニル基、水酸基、水素基、アセチル基、アセトキシ
    基、エポキシ基、エステル基、アルケニル基、アルコキ
    シ基、アミノ基、メルカプト基を有するオルガノポリシ
    ロキサンとの混合物又は縮合物からなる変性ポリシロキ
    サン組成物を用いて行なう特許請求の範囲第5項ないし
    第7項のいずれかに記載される変性ポリシロキサン被覆
    衛生ゴム製品の製造方法。
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