JPH0743991Y2

JPH0743991Y2 - 面状発熱体の電極構造

Info

Publication number: JPH0743991Y2
Application number: JP1986135357U
Authority: JP
Inventors: 浩北垣; 勝馬品川; 清一高川
Original assignee: Daikin Industries Ltd
Current assignee: Daikin Industries Ltd
Priority date: 1986-09-02
Filing date: 1986-09-02
Publication date: 1995-10-09
Anticipated expiration: 2001-09-02
Also published as: KR920004512Y1; KR880007239U; JPS6341893U; US4792662A

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は耐折強度が大きい織電極を一体的に備えて柔軟
性にすぐれた面状発熱体の電極構造に関する。

（従来の技術）従来の面状発熱体における織電極は特公昭56−16954号
公報に開示されるように、重ね織りさせて導電線を織布
の厚み方向に対向させると共に対向する導電線間に直交
差する導電線を織り込んで、対向する導電線を織布の厚
み方向に連結固定した構造のものがあり、電極の電極容
量の増大をはからせる点で有効とされている。

（考案が解決しようとする問題点）上述する従来のものは、これをカーペットなど室内暖房
用の敷材として利用しようとすると、電極部が厚くて、
柔軟性に欠けるためにゴワゴワした感じがして好ましく
なかった。

さらに、従来のこの種発熱体の電極構造は、織組織が平
織組織であって地合いはしっかり締めつけられた丈夫な
織構造であるのと、電極に使用される導電線は錫鍍金線
のより線や１重巻きの銅箔糸で折れ易いのとによって、
全体として耐折強度が弱く、従って畳んだり、移動して
使用することが多い敷材用としては不適当である。

このように、従来のものが耐折強度の点で問題を有して
いる実状に鑑みて本考案はその改善をはかるべく成され
たものであって、特に発熱部となる導電糸（５）とし
て、細巾の導電性樹脂テープを用い、この発熱部となる
導電糸（５）を含む経糸（２）と組織する緯糸（３）の
うち電極部となる電導糸（８）として、極細巾の銅箔
（10）を芯糸（11）の周りに該芯糸（11）の全面を覆い
２重交差らせん巻きしてなる銅箔糸を用いると共に、該
電極部の経緯両糸による織組織を綾織組織となすことに
よって織電極の耐折強度の増大をはからせ、長期安定給
電を実現しながら、電極部と発熱部との接触部分での電
気的抵抗を小さくして、発熱部に十分な電流を流すこと
を目的とする。

（問題点を解決するための手段）本考案は、繊維糸（４）中に１本又は複数本置きに発熱
部となる導電糸（５）が配列されてなる経糸（２）と、
繊維糸（６）中に所定間隔を存して複数本の電極部とな
る導電糸（８）が配列されてなる緯糸（３）との織成に
よる面状発熱体において、前記電極部となる導電糸
（８）は極細巾の銅箔（10）を芯糸（11）の周りに該芯
糸（11）の全面を覆い２重交差らせん巻きしてなる銅箔
糸であり、前記発熱部となる導電糸（５）は細巾の導電
性樹脂テープであって、前記電極部となる導電糸（８）
は前記発熱部となる導電糸（５）を含む経糸（２）と変
化綾織組織による織電極（７）を形成していることを特
徴とする。

（作用）電極部となる導電糸（８）が２重交差らせん巻きの銅箔
糸であるので、耐折強度及び電流容量が１重らせん巻き
の銅箔糸に比して倍増する結果、電極部となる導電糸
（８）の数が小さくなって織電極（７）の巾を狭めるこ
とが可能で柔軟性を持たせ得る。

さらに綾織組織としたことによって経糸（２）と緯糸
（３）との間で上と下の並びの繰り返しが少なくなって
平滑になると共に、地合いがゆるまってしなやかな組織
となり柔軟性に富む。

かくして経糸（２）と緯糸（３）とによって織成された
面状発熱体の織組織による織電極全体として柔軟性に富
み耐折強度が増大する。

また、電極部となる導電糸（８）を、極細巾の銅箔（1
0）を芯糸（11）の周りに該芯糸（11）の全面を覆い２
重交差らせん巻きしてなる銅箔糸とし、発熱部となる導
電糸（５）を、細巾の導電性樹脂テープとして、電極部
となる導電糸（８）を緯方向に、発熱部となる導電糸
（５）を経方向に織り込むことにより、電極部となる導
電糸（８）は、発熱部となる導電糸（５）の導電性樹脂
テープと、そのテープ面の巾方向に沿って面接触するの
で、両導電糸（５）（８）の接触面積が広く、接触部分
での電気抵抗が小さくなる。

（実施例）以下、本考案の一実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。

（１）は織布になる面状発熱体であって、経糸（２）と
緯糸（３）とを有する柔軟なシートに形成している。

上記面状発熱体（１）において、たすき掛けの斜線を施
した部分は織電極（７）であって、例えば織巾1610mmで
連続して織成される面状発熱体（１）中に、全巾に亘ら
せて経糸方向の長さが10mm程度となる細条をなして、35
mmの長さの切断部（９）に挟んで平行に２条設けると共
に、所定間隔例えば810mmのピッチで繰り返して面状発
熱体（１）中に配列せしめている。

しかし経糸（２）は、ポリエチレンヤーン等からなる繊
維糸（４）中にその１本又は複数本置きに、本実施例に
おいては第３図に示す如く２本置きに、発熱部となる導
電糸（５）を配列してなり、発熱部となる導電糸（５）
としては、４フッ化エチレン樹脂と導電性カーボンとの
複合材料になり、厚さ0.12mm、巾2mmの極細テープ状に
形成した導電性樹脂テープを使用している。

一方、緯糸（３）はポリエチレンヤーン等からなる繊維
糸（６）を主材として、前記織電極（７）の個所の緯糸
（３）には電極部となる導電糸（８）を用いているが、
この電極部となる導電糸（８）は第４図に示す如く、極
細巾の銅箔（10）を芯糸（11）の周囲に２重交差らせん
巻きさせた構造の糸であって、例えばポリエステル糸を
５〜10本集束してなる200〜250デニール相当の芯糸（1
1）に対して、0.3mm巾、25μ厚の銅箔又は錫鍍金銅箔
（10）を1cm当り20回程度の巻きピッチで２重交差らせ
ん巻きしたものが挙げられ、芯糸（11）が引張力に対し
十分な抗張力を有する共に可撓性にすぐれており、一
方、らせん巻きした銅箔（10）が屈曲に対して順応する
柔軟性を有しながら導電面を糸の全表面に露出してい
て、経糸（２）中の発熱部となる導電糸（５）である導
電性樹脂テープに対し接触面積が大きいために、接触部
分での電気的抵抗が小さく、かつ２重構造で電流流通面
積も大きいために、電極容量の大きい織電極（７）を提
供し得るものとして好適な糸構造となっている。

以上述べた構造の経糸（２）、緯糸（３）からなる面状
発熱体（１）は、織電極（７）を除いた大半の部分を平
織りによって織成し、一方、織電極（７）の部分は綾織
りによって織成せしめるが、特に織電極（７）は、第５
図に組織図で示すように緯糸（３）の電極部となる導電
糸（８）に対して経糸（２）が上に２つ並んで経糸
（２）の下面で接触すると次に下に２つ並んで経糸
（２）の上面で接触するというように、この上と下の並
びを繰り返し、しかも各経糸（２）が緯糸（３）と交錯
する位置が１本ずつ順次ずれて、さらにずれる方向が所
定ピッチで正逆反転する状態となることによって杉綾模
様の組織となっている。

かかる組織織となしたことによって、経糸（２）と電極
部となる導電糸（８）よりなる緯糸（３）との間で上と
下の並びの繰り返しが平織りに比して少なく、地合いが
ゆるまった織構造となる。

叙上の構成を有する面状発熱体（１）は前記切断部
（９）において織り巾方向に切断することによって四方
形の織布になる面状発熱体が得られ、対向する両辺部に
細条の織電極（７）が織り込みになる一体となって形成
される。

この場合、電極部となる導電糸（８）を、極細巾の銅箔
（10）を芯糸（11）の周りに該芯糸（11）の全面を覆い
２重交差らせん巻きしてなる銅箔糸とし、発熱部となる
導電糸（５）を、細巾の導電性樹脂テープとして、電極
部となる導電糸（８）を緯方向に、発熱部となる導電糸
（５）を経方向に織り込むことにより、電極部となる導
電糸（８）は、発熱部となる導電糸（５）の導電性樹脂
テープと、そのテープ面の巾方向ち沿って面接触するの
で、両導電糸（５）（８）の接触面積が広く、接触部分
での電気抵抗が小さくなり、接触部分で異常発熱を来す
ことなく、しかも織布の全面に均一に分散した導電糸
（５）の配列態様によって、温度分布が一様で安定した
性能を持つ面状発熱体（１）が得られる。

（考案の効果）本考案の効果を挙げると下記の通りである。

（イ）電極部となる導電糸（８）を、極細巾の銅箔（1
0）を芯糸（11）の周りに該芯糸（11）の全面を覆い２
重交差らせん巻きしてなる銅箔糸とし、発熱部となる導
電糸（５）を、細巾の導電性樹脂テープとして、電極部
となる導電糸（８）を緯方向に、発熱部となる導電糸
（５）を経方向に織り込むことにより、電極部となる導
電糸（８）は、発熱部となる導電糸（５）の導電性樹脂
テープと、そのテープ面の巾方向に沿って面接触するの
で、両導電糸（５）（８）の接触面積が広く、接触部分
での電気抵抗が小さくなり、接触部分で異常発熱を来す
ことなく、発熱部となる導電糸（５）に十分な電流を流
すことができる。しかも発熱部となる導電糸（５）は織
布全面に分散して配列されているため温度分布が一様で
安定した性能をもつ面状発熱体を得ることができる。

（ロ）電極部となる導電糸（８）を、極細巾の銅箔（1
0）を芯糸（11）の周りに該芯糸（11）の全面を覆い２
重交差らせん巻きしてなる銅箔糸とすることにより、電
極部となる導電糸（８）は、柔軟性を有するものとな
り、さらに、この電極部となる導電糸（８）と発熱部を
含む経糸（２）との織組織を、平織りでなく、綾織りと
することにより、表面が平滑でゴワゴワした感じがなく
なり、さらに、平織りに比較して地合いがゆるまりしな
やかな組織となるために柔軟性に富み、組織の点からも
耐折強度が増大するので、電極部全体として屈曲に対し
耐性が強く、長期に亘って安定した導電性能を発揮す
る。

（ハ）発熱部となる導電糸（５）と、電極部となる導電
糸（８）とは織成時、後者の導電糸（８）が断面丸線で
なく扁平な銅箔（10）であるので、表面導電面積が大き
く、従って電流容量を大巾に増加させ得ると共に、銅箔
（10）は芯糸（11）の周りに該芯糸（11）の全面を覆い
２重交差らせん巻きにより巻かれているので、２重構造
で電流流通面積も大きいため、電極部となる導電糸
（８）の数を少なくして織電極（７）の経糸方向の巾を
狭めても電極容量を十分、持たせることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及至第３図は本考案の実施例に係る全体平面図、
織電極部拡大平面図及び一部切欠示経糸構成図、第４図
は同じく織電極における導電糸の拡大斜視図、第５図は
同じく織電極の組織図である。（１）……面状発熱体、（２）……経糸、（３）……緯
糸、（４）……繊維糸、（５）……発熱部となる導電
糸、（６）……繊維糸、（７）……織電極、（８）……
電極部となる導電糸。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き審判の合議体審判長篠崎正海審判官樋口靖志審判官奥村忠生 (56)参考文献実公昭38−28383（ＪＰ，Ｙ１) 実公昭59−19745（ＪＰ，Ｙ２) 実願昭47−86604号（実開昭49−45132 号）の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム（ＪＰ, Ｕ) 実願昭59−124207号（実開昭61−38792 号）の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム（ＪＰ, Ｕ)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】繊維糸（４）中に１本又は複数本置きに発
熱部となる導電糸（５）が配列されてなる経糸（２）
と、繊維糸（６）中に所定間隔を存して複数本の電極部
となる導電糸（８）が配列されてなる緯糸（３）との織
成による面状発熱体において、前記電極部となる導電糸
（８）は極細巾の銅箔（10）を芯糸（11）の周りに該芯
糸（11）の全面を覆い２重交差らせん巻きしてなる銅箔
糸であり、前記発熱部となる導電糸（５）は細巾の導電
性樹脂テープであって、前記電極部となる導電糸（８）
は前記発熱部となる導電糸（５）を含む経糸（２）と綾
織組織による織電極（７）を形成していることを特徴と
する面状発熱体の電極構造。