JPH0743818B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0743818B2
JPH0743818B2 JP10412786A JP10412786A JPH0743818B2 JP H0743818 B2 JPH0743818 B2 JP H0743818B2 JP 10412786 A JP10412786 A JP 10412786A JP 10412786 A JP10412786 A JP 10412786A JP H0743818 B2 JPH0743818 B2 JP H0743818B2
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宏 鈴木
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、磁気テープやフロッピーディスクとして用い
られる磁気記録媒体に関し、特に磁性粉の分散性、非磁
性支持体(ベースフィルム)に対する接着力、及び塗膜
強度の改良された磁気記録媒体に関するものである。
従来の技術 近年、磁気記録装置の小型,軽量化に伴ない磁気記録媒
体は一層の高記録密度化を要求されている。また一方で
はその使用環境も広範囲に拡大しつつあり、磁気記録媒
体に良好な耐久性を付与する技術はますます高度化して
いる。上記の高記録密度化に対応して、塗布型磁気記録
媒体(磁性粉,結合剤樹脂及び溶剤を主体とする磁性塗
料をベースフィルム上に塗布,乾燥して磁性層を形成す
る磁気記録媒体)においては、使用される磁性粉は更に
微細なものとなって来ている。ところで一般に、磁性粉
が微細になるに伴い、その結合剤樹脂への分散性は低下
し、その結果塗膜形成後の出力特性やS/N比が悪化する
などの問題が発生する。
上記の問題を解決するために、(1) 結合剤樹樹脂中
に親水性基を導入する、(2) 種々の表面改質剤によ
り磁性粉表面を親油性に改質する、等の手段により磁性
粉の分散性を改善する方法が従来より知られている。以
下、上述した従来の技術について説明する。
一般に磁性粉表面は極めて稀な状況下を除くと酸化物層
により覆われている。この表面酸化物層上には通常水分
子が吸着し、表面酸化物層上で解離して水酸基となる。
第1の方法は、結合剤樹脂中に親水性基を導入すること
により、この磁性粉表面に存在する水酸基との相互作用
を増し、磁性粉の分散性を改善しようとするものであ
る。結合剤樹脂中に導入する親水性基としては、スルホ
ン酸基(例えば特公昭57−3134,特公昭58−41564)、カ
ルボキシル基(例えば特開昭58−137133,特開昭59−282
21)、リン酸基(例えば特開昭57−92422,特開昭59−54
23)等が知られている。一方第2の方法は、表面改質剤
と磁性粉表面の水酸基とを反応させることにより、磁性
粉表面を親油性に改質し、結合剤樹脂中への分散性を改
善しようとする方法である。使用される表面改質剤とし
てはシランカップリング剤(例えば、特開昭58−17752
6,特開昭59−22228)、チタネートカップリング剤(例
えば特開昭56−58135,特開昭60−66135)等が知られて
いる。
また、磁気記録媒体に要求されるもう一方の重要な特性
である耐久性については、各種潤滑剤を使用することに
より磁性層表面の摩擦係数を下げ、走行性を改善する方
法が従来より知られている。使用される潤滑剤として
は、高級脂肪酸,脂肪酸エステル,流動パラフィン,シ
リコン誘導体,含ふっ素化合物等の有機系潤滑剤やグラ
ファイト等の無機系潤滑剤が公知である。これらの潤滑
剤は磁性塗料中に分散させるか、磁性層表面に極薄に塗
布して利用されている。なお、前述の磁性粉の分散性を
改善する方法によっても、磁性粉と結合剤樹脂との相互
作用が強化されることにより耐久性を改善することがで
きる。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような方法には種々の問題が存在し
た。第1の結合剤樹脂中に親水性基を導入する方法で
は、過量の親水性基を導入した場合、磁性塗料を調製す
る際に用いる溶剤との相溶性が悪化し、ベースフィルム
との接着力も弱くなる。また第2の表面改質剤により磁
性粉表面を親油性に改質する方法では、表面改質の工程
が入るため工程が複雑になり、また表面改質剤の最適な
種類,量を決定することが難かしい。更に磁性粉と結合
剤樹脂との相互作用を強化させることにより耐久性を改
善しようとする従来の方法では、得られる耐久性にも限
界が存在する。
本発明はこれらの問題点に鑑み、より良好な分散性,ベ
ースフィルムとの接着力,及び耐久性(塗膜強度)を有
する磁気記録媒体を提供するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の磁気記録媒体は、
磁性粉末を結合剤樹脂中に分散させた磁性層を非磁性支
持体上に設け、かつ前記結合剤樹脂の全部もしくはその
一部として分子量が5,000〜100,000であり、かつ分子中
に水酸基及びスルホン結合を含有するポリエステルポリ
ウレタンポリオールを使用したものである。
作用 ウレタン樹脂は分子中に複数の水酸基を持つポリエーテ
ル,ポリエステル等とイソシアネート類との反応によっ
て得られる三次元ポリマーであり、原料の組み合わせに
よって物性,加工性,形態などを広範囲に変えることが
できる。特に塗料の結合剤樹脂として使用した場合に
は、柔軟性,耐摩耗性,耐屈曲性,耐薬品性等に優れた
塗膜を提供することができる。
特に本発明におけるウレタン樹脂はポリエステルポリウ
レタンポリオールで、その分子量は5,000〜100,000であ
り、分子中に水酸基とスルホン結合とを含有している概
略の構造式の一例を次に示す。
ウレタン樹脂は、ポリエステル等の分子内水酸基とイソ
シアネート類との反応により架橋され三次元ポリマーと
なる。従来のポリエステルは通常分子鎖の両端にのみ水
酸基を持つジオール構造であるが、本発明のポリエステ
ルポリウレタンポリオールは分子鎖中にも多数の水酸基
を含有するポリオール構造である。従ってイソシアネー
ト類で架橋させた際、従来のポリエステルに比較して架
橋点間距離が短くなり、高強度の塗膜を得ることができ
る。また架橋反応により生成するウレタン結合は比較的
親水性の基であるため、分子鎖中に特に親水性基を導入
しなくとも磁性粉表面との強い相互作用が得られ、磁性
粉の分散性が良好になる。更にウレタン結合は、従来用
いられて来たスルホン酸基,カルボキシル基,リン酸基
等と比較して親水性が弱いため、ウレタン樹脂分子中の
ウレタン基濃度が高い場合にも溶剤との相溶性が悪化し
たり、ベースフィルムとの接着力が弱くなるなどの現象
が発生し難い。
一方、本発明のポリエステルポリウレタンポリオールは
分子中にスルホン結合を含有しているために、ポリスル
ホンの特性を合わせ持つ。従って機械的強度が大きく、
塗膜化した時に高い塗膜強度を得ることができる。更に
スルホン結合は親水性基であるため、磁性粉表面との相
互作用が増加し、磁性粉の分散性が良好になる。
本発明におけるポリエステルポリウレタンポリオール
は、ポリイソシアネートによる架橋反応前の分子量が5,
000〜100,000のものが良好な結果を与える。分子量が5,
000以下のものでは塗膜強度が低下する。逆に分子量が1
00,000以上のものでは磁性粉の分散性が悪化する。
実 施 例 本発明において、上述のポリエステルポリウレタンポリ
オールを架橋させる際に用いるポリイソシアネートとし
て、トリレンジイソシアネート,ジフェニルメタンジイ
ソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,m−キ
シリレンジイソシアネート,1.5−ジイソシアネートナフ
タリン,クルードジフェニルメタンジイソシアネート等
従来公知のものが使用可能である。
本発明の磁気記録媒体においては、より良好な特性を得
るために上述のポリエステルポリウレタンポリオールと
共に他の結合剤樹脂を使用してもよい。使用可能な結合
剤樹脂として例えばポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体,塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−ビニルアルコール共重合体,ポリアクリル酸エス
テル,ポリメタクリル酸エステル,ポリエチレン,ポリ
プロピレン,ポリスチレン,ポリフッ化エチレン,ポリ
アセタール,ポリブタジエン,ポリアミド,セルロース
誘導体,ポリエステル樹脂,フェノール樹脂,エポキシ
樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂等,或いはこれらの混合
物が挙げられる。
本発明の磁気記録媒体を構成する磁性粉,研摩剤,帯電
防止剤,分散剤,潤滑剤,可塑剤,ベースフィルム等に
ついては、従来より塗布型磁気記録媒体において採用さ
れている公知のものが使用可能である。また、磁性塗料
を調製する際の溶剤,磁気記録媒体の作成工程について
も従来公知のものが使用できる。
以下、本発明の実施例について比較例と比較しつつ説明
する。
本実施例においては、本発明の要件を具備するポリエス
テルポリウレタンポリオールとして武田薬品工業(株)
製のタケラックE−450を使用した。タクラックE−450
は分子量約10,000のポリエステルポリウレタンポリオー
ルであり、分子中に水酸基及びスルホン結合を含有す
る。一方比較例においては、武田薬品工業(株)製のタ
ケラックE−400を使用した。タケラックE−400は分子
量約9,000のポリエステルポリウレタンであり、分子鎖
の両端にのみ水酸基を有するジオール構造のものであ
る。また架橋反応用のポリイソシアネートとして、武田
薬品工業(株)製のタケネートD−103Hを使用した。
まずボールミルにより、下記の組成にて磁性塗料を作成
した。
Co被着γ−Fe2O3磁性粉 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 10重量部 ウレタン樹脂(タケラックE−450) 10重量部 アルミナ 5重量部 カーボンブラック 3重量部 オレイン酸 2重量部 オレイルオレート 8重量部 硬化剤(タケネートD−103H) 6重量部 メチルエチルケトン 150重量部 トルエン 150重量部 シクロヘキサノン 75重量部 上記の組成にて調製した磁性塗料を厚さ75μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に最終膜厚が4μmに
なるように塗布し、乾燥,表面平滑化処理,硬化の各工
程を経た後、5インチの円板状に打ち抜いてフロッピー
ディスクを得た。
比 較 例 実施例の組成において、ウレタン樹脂タケラックE−45
0の代わりにウレタン樹脂タケラックE−400を10重量部
加えて塗料化し、実施例と同様にしてフロッピーディス
クを得た。
以上の様にして作成した実施例及び比較例のフロッピー
ディスクについて、その磁気特性及び表面光沢度の測定
結果を第1表に、耐久性及びベースフィルムに対する接
着力の測定結果を第2表に示した。表面光沢度は磁性粉
の分散性を示す数値であり、この値が大きい程磁性粉の
分散性が優れていることを示す。また耐久性の測定は市
販の5インチのフロッピーディスクドライブ装置を用い
て以下の条件で行なった。ヘッド圧力40gで同一トラッ
クを回転させて、出力レベルが初期値の80%以下になる
パス回数をもってフロッピーディスクの耐久性の比較を
行なった。また測定環境の温度湿度条件は、5℃,10%R
H;25℃,60%RH;50℃,85%RHの3条件で行なった。一
方、ベースフィルムに対する接着力の測定はゴバン目試
験法により行なった。
第1表より、本発明の要件を具備したウレタン樹脂を使
用した場合には、従来のウレタン樹脂を使用した場合と
比較して、表面光沢度,抗磁力,角形比のどの値をとっ
ても磁性粉の分散性の改善が認められる。また、本発明
の方法により磁性層の飽和磁化が劣化することは認めら
れない。一方、第2表より、本発明の要件を具備したウ
レタン樹脂を使用した場合には、各環境下における磁性
層の耐久性及び磁性層とベースフィルムとの接着力の改
善が明確に認められる。
発明の効果 以上の様に本発明によれば、塗布型磁気記録媒体の結合
剤樹脂の全部もしくはその一部として、分子量が5,000
〜100,000でありかつ分子中に水酸基及びスルホン結合
を含有するポリエステルポリウレタンポリオールを使用
することにより、磁性粉の分散性,非磁性支持体(ベー
スフィルム)に対する接着力、及び塗膜強度の改良され
た磁気記録媒体を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性粉末を結合剤樹脂中に分散させた磁性
    層を非磁性支持体上に設けた磁気記録媒体において、前
    記結合剤樹脂の全部もしくはその一部が分子量5,000〜1
    00,000のポリエステルポリウレタンポリオールであって
    分子中に水酸基及びスルホン結合を含有することを特徴
    とする磁気記録媒体。
JP10412786A 1986-05-07 1986-05-07 磁気記録媒体 Expired - Lifetime JPH0743818B2 (ja)

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JPS62262220A JPS62262220A (ja) 1987-11-14
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