JPH0743585Y2 - 油圧回路用短絡通路付セルフシールカツプリング - Google Patents

油圧回路用短絡通路付セルフシールカツプリング

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JPH0743585Y2
JPH0743585Y2 JP1989034092U JP3409289U JPH0743585Y2 JP H0743585 Y2 JPH0743585 Y2 JP H0743585Y2 JP 1989034092 U JP1989034092 U JP 1989034092U JP 3409289 U JP3409289 U JP 3409289U JP H0743585 Y2 JPH0743585 Y2 JP H0743585Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、油圧装置のメイン回路の途中部にサブ回路を
直列状に接続したり、分離したりするために用いるセル
フシールカップリングにおいて、 接続した状態では、セルフシールカップリング内の短絡
通路を閉止させて、メイン回路の途中部を遮断すること
により、油圧をサブ回路に迂回させるのに対し、 分離した状態では、短絡通路を開通させて、メイン回路
の途中部を迂回させずに直通させるように構成したもの
に関し、 構造が簡単で且つ耐久性に優れるうえ、サブ回路への切
り換え、即ち、カップリングの接続間違えがなく、接続
そのものが非常に楽に行えるものを提供する。
〈考案の背景〉 例えば、農用トラクタに農用ローダを着脱する場合に
は、農用トラクタ側に設けた油圧装置のメイン回路の途
中部に農用ローダ側のサブ回路を直列状に接続し、この
接続部に上記油圧回路用短絡通路付きセルフシールカッ
プリングを介装させる。
即ち、農用トラクタを耕耘作業に使用するときには、農
用ローダを農用トラクタから取り外すことが多く、この
場合には、セルフシールカップリング内の短絡通路を開
いて、トラクタ自体の3点リンクヒッチを圧油駆動す
る。
また、農用ローダ等のような油圧駆動のトラクタ外部作
業機を装着して使用したいときには、短絡通路を遮断し
て、メイン回路内を流れるオイルをサブ回路へ迂回させ
るようにしてある。
〈従来技術1〉 本考案の対象となる油圧回路用短絡通路付セルフシール
カップリングの基本構造は、 カップリング本体1に導入側通路2と導出側通路3とを
互いに独立させて設け、導入側通路2の出口側部分4と
導出側通路3の入口側部分5とに夫々メイン側自封弁6
・6を設け、 上記各自封弁6は、各自封弁体7が各閉弁用押圧手段8
で外向きに押し出されて各自封弁口14を閉じるととも
に、外力で内向きに押し戻されて自封弁口14を開くよう
に構成し、 導入側通路2と導出側通路3とを短絡通路10を介して短
絡させ、短絡通路10を短絡弁11で開閉可能に構成した形
式のものである。
この形式の従来技術1としては、実開昭62−163688号公
報の第1図〜第2図に示すように(本案の第8図〜第9
図参照)、ブロック状のカップリング本体1の上方に自
封弁6・6を2列並行に螺合固定し、自封弁6の内部に
設けた閉弁用押圧バネ8で自封弁体7を閉弁付勢し、カ
ップリング本体1の一側面に導入側通路2を、また、他
側面に導出側通路3を各々水平段違い状に空け、垂直状
に空けた短絡通路10で当該導入側・導出側通路2・3を
連通し、カップリング本体1の中央上下に亘って付設し
た円柱状の短絡弁11を上下摺動自在に短絡通路10に貫通
し、 同カップリング本体1の下方に取り付けた開弁用押圧バ
ネ13で短絡弁11を上方に押圧して短絡通路10を開弁付勢
するように構成したものがある。
〈従来技術1の課題〉 上記従来技術1では、自封弁6と短絡弁11とをカップリ
ング本体1に別々に取り付け、しかも自封弁体7の付勢
手段である閉弁押圧バネ8と短絡弁体11の付勢手段であ
る開弁押圧バネ13をも別々に設けねばならないので、全
体の構造が大型化し、且つ、複雑になってしまう。
しかも、当該メイン回路側のカップリング接続部は導入
側及び導出側で同じ形態の自封弁6・6を取り付けてい
るので、サブ回路側の自封弁を当該メイン回路側自封弁
6・6に接続するときに、サブ回路側とメイン回路側と
で夫々導出側と導入側を接続間違いして、サブ回路の出
力部であるローダなどが逆方向に駆動されて事故を引き
起こす危険がある。
〈従来技術2〉 そこで、構造をより簡略化した従来技術2として、上記
公報の第5図〜第6図に示すようなものがある(本案の
第10図〜第11図参照)。
即ち、従来技術2は、カップリング本体1の上下に亘り
導入側通路2と導出側通路3とを空け、当該導入・出側
通路2・3に上方から並列状に配置した2連の自封弁6
・6のうち、導入側通路2に嵌入する方を上下摺動自在
に設け、弁の円柱状下部100を水平に空けた短絡通路10
に臨ませるとともに、導出側通路3の方の弁6をカップ
リング本体1に螺合固定することにより、 油圧装置のメイン回路のみを使用するカップリング分離
・自封状態では、導入側通路2の油圧によって自封弁6
が押し上げられて短絡通路10が開き、 サブ回路を使用するカップリング接続・自封解除状態で
は、当該サブ回路の先端に設けられた2連のカップリン
グを、カップリング本体1側の2連の自封弁6・6に押
し込み嵌着し、導入側自封弁6を下降操作して短絡通路
10を閉じることを特徴とする。
本従来技術2では、導入側自封弁6の円柱状下部100が
短絡弁体12を兼ね、しかも、導入側の油圧が短絡弁体12
の開弁用押圧手段13になるので、いわば自封弁6が短絡
弁11をも兼ねて短絡弁11を別途設ける必要はなく、装置
全体の構造を簡略にできる。
〈従来技術2の課題〉 しかしながら、上記従来技術2では、導入側自封弁6は
上下に進退するので、サブ回路を使用する場合、当該サ
ブ回路側の2連の接続用継ぎ手101は、カップリング本
体1側の導出側自封弁6でのみ片持ち状に不安定に固定
されることになる。
従って、オイル流通用ホースからの引っ張り力や押し込
み力等の外力のために導入側自封弁6が伸縮すると、こ
の導入側弁6にかかる力が導出側自封弁6を曲げる力と
して働く結果、導出側自封弁6に応力が集中して変形
し、オイルの漏洩が生じたり、長期使用の間に弁の破損
を起こしたりする虞れがある。
しかも、当該第2従来技術では、接続前の導入側自封弁
6は導出側に比べて外方に突出しており、導入側と導出
側との区別は明瞭であるが、同じ形態の自封弁6・6を
使用していることから、サブ回路側の導入側及び導出側
自封弁のどちらとも接続可能なので、やはり接続間違い
する虞れは前記従来技術1と同様にある。
〈考案が解決しようとする課題〉 本考案は、従来技術1と2との欠点をともに解消して、
構造を簡単にし、且つ、カップリングの接続間違いをな
くし、接続を強固にすることを技術的課題とする。
〈課題を解決するための手段〉 上記課題を達成する手段を、実施例に対応する図面を用
いて以下に説明する。
即ち、本第1考案は、カップリング本体1に導入側通路
2と導出側通路3とを互いに独立させて設け、導入側通
路2の出口側部分4の弁筒20と導出側通路3の入口側部
分5の弁筒20とに夫々メイン側自封弁6・6を設け、各
自封弁6は、閉弁用押圧手段8で外向きに押し出されて
自封弁口14を閉じる自封弁体7を備え、導入側通路2と
導出側通路3とを短絡通路10を介して短絡可能に構成
し、短絡通路10を短絡弁11で開閉可能に構成した油圧回
路用短絡通路付セルフシールカップリングにおいて、 導入側通路2と導出側通路3とのいずれか一方の通路の
内部で往復摺動可能に内嵌した筒型弁体12と、この筒型
弁体12に空けた連通口15とから短絡弁11を構成し、 筒型弁体12を導入側通路2と導出側通路3とのいずれか
一方の通路側の自封弁体7と同行移動可能に構成し、 サブ側セルフシールカップリング60の自封弁30の弁筒31
が夫々嵌合される嵌合部21を導入側及び導出側の各メイ
ン側弁筒20に形成し、 導入側及び導出側のいずれか一方の通路側のメイン側弁
筒20の嵌合部21を他方の通路側のメイン側弁筒20の嵌合
部21よりも長く設定するとともに、この長い方のメイン
側弁筒20の嵌合部21が嵌合されるサブ側自封弁30の弁筒
31の嵌合部を他方のサブ側自封弁30の弁筒31の嵌合部よ
りも長く設定し、 筒型弁体12を設けた通路側の自封弁体7と、この自封弁
体7に嵌合する通路側のサブ側自封弁体34との少なくと
も一方の先端を対応する他方の通路側の自封弁体7・34
の先端よりも長く延出し、 筒型弁体12を設けた通路側の自封弁体7が自封弁口14を
閉じる自封弁閉弁状態では、連通口15が短絡通路10に連
通する短絡弁開弁状態となり、筒型弁体12を設けた通路
側の自封弁体7がサブ側自封弁体34で内向きに押されて
自封弁口14を開く自封弁開弁状態では、連通口15が短絡
通路10から外れる短絡弁閉弁状態となるように構成した
ものである。
また、第2考案は、第1考案において、導入側及び導出
側の各通路2・3の各接続先端側開口面72・73を各メイ
ン自封弁6の自封弁口14に夫々接近させて位置させたこ
とを特徴とするものである。
〈作用〉 上記第1考案のセルフシールカップリングは次のとおり
作用する。
(1)押圧装置のメイン回路のみを使用するカップリン
グ分離・自封状態では、第1図に示すように、両方の通
路2・3の自封弁6の自封弁体7が閉弁用押圧手段8の
押圧力で自封弁口14を閉じるとともに、短絡弁11の筒型
弁体12が連通口15を開いて、上記一方の通路2(3)が
短絡通路10に開通する。
従って、オイルは、カップリング本体1の導入側通路2
→短絡通路10→導出側通路3に短絡してメイン回路のみ
に流通する。
(2)カップリング本体1側の自封弁6にサブ回路側の
カップリングを接続して、油圧装置のメイン回路にサブ
回路をつなぐカップリング接続・自封解除状態では、第
2図に示すように、閉弁用押圧手段8の押圧力に抗する
当該サブ回路側カップリングの内向きへの押し込み外力
により、両方の通路2・3の自封弁口14が開口するとと
もに、短絡弁11の筒型弁体12が連通口15を閉じて一方の
通路2(3)と短絡通路10との連通を遮断する。
従って、オイルは、カップリング本体1の導入側通路2
→導入側通路の出口側部分4(自封弁口14)→サブ回路
→導出側通路の入口側部分5(自封弁口14)→導出側通
路3を通って、メイン回路及びサブ回路に直列状に流通
する。
(3)カップリングを接続していく過程においては、第
3図に示すように、一方の自封弁体7が大きく内向きに
押し戻されて最初に当該一方の自封弁口14が開口し、そ
のあと、他方の自封弁口14が開口する。
このとき、例えば、 メイン回路側が流通可能なフリー状態にあってオイル
が流通可能になっている場合には、少なくともメイン回
路側の油路に、 メイン回路側が油圧ポンプと方向切り換え弁でブロッ
クされてオイルが流通せず、サブ回路側がフリーになっ
ている場合には、サブ回路側の油路に、 導入側通路2内と導出側通路3内とのオイルは、まず一
方の自封弁口14から、ついで他方の自封弁口14からも逃
げるので、各自封弁体7はスムーズに押し戻され、サブ
回路側のカップリングをメイン回路側に軽い力で容易に
接続できる。
また、上記第2考案では、導入側及び導出側の各通路2
・3の各接続先端側開口面72・73を各メイン自封弁6の
自封弁口14に夫々接近させて位置させるので、 例えば、サブ回路からカップリングを切り離してメイン
回路だけで農作業などに使用する場合に、メイン自封弁
6は先端の自封弁口14で内部を閉じられた状態にあるの
で、藁くずや汚泥などの塵埃が自封弁6の接続先端側開
口面72・73に付着堆積し難いうえ、これを拭えば塵埃を
迅速容易に除去できる。また、たとえ自封弁6内に塵埃
が侵入することがあっても少量に止どめられる。
〈考案の効果〉 (1)第1及び第2考案では、自封弁が短絡弁体を兼用
し、また、自封弁の閉弁用押圧手段が、短絡通路の開閉
手段を兼用するので、従来技術1のように自封弁と短絡
弁との二つの弁を別々に設ける必要はなく、セルフシー
ルカップリング全体をコンパクトにできるとともに、構
造を簡単にできる。
(2)第1及び第2考案では、サブ回路側のカップリン
グが接続すべき、自封弁口や導入側(或いは導出側)通
路はともに固定的であって、接続に伴って変移すること
はないので、従来技術2のように片持ち状に固定する一
方の自封弁に応力が集中して変形を生じオイルの漏洩や
破損を起こすという虞れはなく、カップリング同士を強
力、確実に接続できる。
(3)第1及び2考案では、カップリングを接続してい
く過程では、筒型弁体を設けた通路側のメイン側自封弁
体がサブ側の自封弁体によって押し下げられるに伴い、
自封弁口が次第に開くとともに、短絡通路が次第に閉じ
られる。従って、この過程で導入側通路及び導出側通路
に夫々残留しているオイルは、上記筒型弁体を設けた通
路側の自封弁口及び短絡通路を通ってメイン回路側或い
はサブ回路側の油路に速やかに逃げ、自封弁体がスムー
ズに上記両通路に押し戻されるので、同通路内の残留オ
イルが自封弁体の押し戻しの抵抗力になることはなく、
カップリング同士の接続をきわめて楽に行える。
(4)第1及び2考案では、導入側及び導出側のいずれ
か一方の通路側のメイン側弁筒の嵌合部を他方の通路側
のメイン側弁筒の嵌合部よりも長く設定するとともに、
この長い方のメイン側弁筒の嵌合部が嵌合されるサブ側
自封弁の弁筒の嵌合部を他方のサブ側自封弁の弁筒の嵌
合部よりも長く設定し、更に筒型弁体を設けた通路側の
自封弁体と、この自封弁体に嵌合する通路側のサブ側自
封弁体との少なくとも一方の先端を対応する他方の通路
側の自封弁体の先端よりも長く延出したことにより次の
効果を有する。即ち、誤って他方の通路側の自封弁体を
一方の通路側の自封弁体に接続しても、他方の通路側の
自封弁体の先端の長さでは一方の通路側の自封弁体を十
分に押し込めず、しかも、導入側と導出側とで弁筒の嵌
合部の形態も異なるので、両セルフシールカップリング
は導入側と導出側との正しい組み合わせでなければ適正
に接続して自封弁を開くことができず、両回路間におけ
る導入側と導出側との接続間違いを円滑に防止できる。
(5)第2考案では、例えば、サブ回路からカップリン
グを切り離してメイン回路だけで農作業などに使用する
場合に、藁くずや汚泥などの塵埃が自封弁の接続先端側
開口面に付着堆積し難いし、これを拭えば塵埃を迅速容
易に除去できるうえ、たとえ自封弁内に塵埃が侵入する
ことがあっても少量に止どめられるので、再びメイン回
路側のセルフシールカップリングにサブ回路側のカップ
リングを接続した場合にも、油圧回路中への塵埃の悪影
響を最小限に抑えて、自封弁及び短絡弁などの作動を円
滑に保持できる。
〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基づいて述べる。
第1図は第1実施例を示す接続解除状態の油圧回路用短
絡通路付セルフシールカップリングの縦断正面図、第2
図は接続状態を示す同セルフシールカップリングの縦断
正面図、第3図は接続過程状態を示す同セルフシールカ
ップリングの縦断正面図、第4図は同セルフシールカッ
プリングを使用した概略油圧系統図であって、当該油圧
回路用短絡通路付セルフシールカップリングは、ブロッ
ク状のカップリング本体1に2連の自封弁6・6を固定
して構成される。
上記カップリング本体1の左・右の上下に亘り2本の弁
筒20・20を嵌着固定し、左側の弁筒20の中央通路を導入
側通路2に、また、右側弁筒20の中央通路を導出側通路
3に各々設定し、両通路2・3を水平に空けた短絡通路
10で連通する。
上記左側の弁筒20を長く形成して、導入側通路2内に自
封弁6と短絡弁11とを同行移動可能に配置する。
当該自封弁6は、導入側通路2の出口側部分4に摺動自
在に接当されて閉弁用押圧バネ8で上方に弾圧付勢され
る弁支持部17と、弁支持部17から上方に立設固定される
軸型の自封弁体7と、自封弁体7が着座するように弁筒
20の内壁を縮径させて形成した自封弁座18とから構成さ
れる。
また、上記短絡弁11は、上記弁支持部17に上部が外嵌固
定された筒型弁体12と、筒型弁体12に空けた連通口15と
から構成され、筒型弁体12は導入側通路2に往復摺動可
能に内嵌される。
従って、上記自封弁6と短絡弁11との弁の開閉動作は逆
になる。
即ち、閉弁用押圧バネ8の付勢力で自封弁体7が弁座18
に着座して、自封弁体7と弁座18との間の自封弁口14が
閉じる自封弁閉弁状態では、短絡弁11の筒型弁体12が上
方に摺動して連通口15が短絡通路10に連通する短絡弁開
弁状態になる。
逆に、外力(例えば、サブ回路側の自封弁の押圧力)で
自封弁体7が内向きに押し戻されて、自封弁口14が開く
自封弁開弁状態では、筒型弁体12が下方に摺動して連通
口15が短絡通路10から外れる短絡弁閉弁除隊になる。
一方、右側の弁筒20を短く形成して、自封弁6を単独配
置するとともに、自封弁6は、導出側通路3の入口側部
分5に接当固定される弁支持部17と、弁支持部17に摺動
自在に内嵌されて閉弁用押圧バネ8で上方に弾圧付勢さ
れる軸型の自封弁体7と、弁筒20の内壁を縮径させて形
成され自封弁体7が着座する自封弁座18とから構成され
る。
但し、この場合、導入側の自封弁体7の先端は長く延出
されるとともに、当該導出側の自封弁体7の先端は短く
形成される。
また、上記両弁筒20・20の上部を夫々細径の嵌合部21に
形成し、その途中部を膨出させてストッパ22に形成し、
その下方寄りに部分球面状の自封用凹溝23を周設する。
尚、符号24はカップリング本体1を例えばトラクタ本体
に固定するための支持孔である。
そこで、上記油圧回路用短絡通路付セルフシールカップ
リングの実際上の使用状態と使用に際する機能とを併せ
て述べる。
第4図はセルフシールカップリングを農用トラクタに適
用した場合の実際上の油圧概略系統図を示す。
即ち、農用トラクタの前半部には油圧ローダが着脱自在
に取り付けられ、その後半部にはトラクタ自体の作業機
が取り付けられる。
そして、油圧ローダをアームシリンダ及びダンプシリン
ダなどのローダ側アクチェータ51と方向切り換え弁52と
で駆動するとともに、トラクタ自体の作業機を作業機側
アクチェータ53とトラクタに装備された方向切り換え弁
54とで駆動する。
上記油圧ローダ及び作業機を駆動する油圧装置50は、第
4図に示すように、油圧ポンプP、ローダ側サブ油圧回
路56、作業機側のリリーフ弁57及びトラクタ自体のメイ
ン油圧回路58を直列状に接続して構成される。
尚、このとき、トラクタ側のリリーフ弁57が油圧ポンプ
Pとサブ油圧回路56との中間にある場合には、サブ油圧
回路56内のメインリリーフ弁は不要である。
そして、油圧ローダにローダ側サブ油圧回路56を形成
し、当該サブ回路を除く他の三者をトラクタ本体に形成
して、サブ回路56とメイン回路58との間に、上記油圧回
路用短絡通路付セルフシールカップリング40とローダ側
セルフシールカップリング60とから成るオイル入・切装
置59を介装する。
但し、上記セルフシールカップリング40は、弁筒20の下
端に形成した接続用ネジ孔25にトラクタ本体側からの配
管を接続して、トラクタ本体に固定される。
因みに、上記オイル入・切装置59の使用態様は下記の通
りである。
(1)トラクタからローダを取り外し、トラクタの後部
作業機を使用する場合には、ローダ側セルフシールカッ
プリング60を切り離して短絡弁付(即ち、作業機側)セ
ルフシールカップリング40を接続解除状態にする。
(2)ローダを使用したい場合には、ローダ側セルフシ
ールカップリング60を作業機側セルフシールカップリン
グ40に嵌着して、ローダをトラクタに装着し、もって当
該作業機側カップリング40を接続状態にする。
上記ローダ側セルフシールカップリング60は、導入側及
び導出側の2連の自封弁30を着脱操作ハンドル28で一体
化したものであり、 各自封弁30は、作業機側セルフシールカップリング40の
導出側の自封弁6と同様に、弁筒311の中央部の通油路
に接当固定される弁支持部32と、弁支持部32に摺動自在
に内嵌されて閉弁押圧バネ33で下方に弾圧付勢される軸
型の自封弁体34と、自封弁体34が着座する自封弁座35と
から構成される。
尚、符号29は、自封弁体34と自封弁座35との間の自封弁
口である。
上記弁筒31の先端寄りの周方向に複数個の横孔36を部分
的に空けて、この横孔36にボール37を径方向に進退自在
に嵌入するとともに、当該弁筒31の外周に円筒状のスリ
ーブ38を弾圧バネ39を介して上下進退自在に外嵌し、ス
リーブ38の先端部内周にテーパー部41を形成して、上記
ボール37をテーパー部41に沿って外径方向に退出可能に
構成する。
尚、符号44はスリーブ38の抜け外れ防止用のストッパ、
符号43はスリーブ38に固定した枠外し操作ハンドルであ
る。
この場合、第1図に示すように、導入側に配置される自
封弁体34の先端は長く延出されるとともに、右方の導出
側に配置される自封弁体34の先端は短く形成される。
この結果、このローダ側セルフシールカップリング60を
作業機側セルフシールカップリング40に接続するに際し
ては、導入側の自封弁体6・34の弁開閉ストロークが導
出側のそれらより大きく設定されるので、第3図に示す
ように、導入側の自封弁体7・34が先に接当し合って、
導入側の自封弁口14・29が早く開き、その後、作業機側
の筒型弁体12に空けた連通口15が短絡通路10との連通を
遮断され、最後に、導出側の自封弁体6・34が接当し合
って、導出側の自封弁口が開くのである。
以下、油圧回路用短絡通路付セルフシールカップリング
40の機能を述べる。
(1)押圧装置のメイン回路58だけを使用して、トラク
タ側作業機のみを操作する場合には、当該作業機側セル
フシールカップリング40はローダ側カップリングから外
れた接続解除状態なので、導入側通路2及び導出側通路
3ともに、閉弁用押圧バネ8の弾圧力で自封弁体7が外
向きに押し戻されて自封弁座18に着座し、自封弁口14を
閉弁する(第1図参照)。
しかも、上記閉弁用押圧バネ8の作用で筒型弁体12も外
向きに押し戻されて、連通口15が短絡通路10に開通する
ので、導入側通路2と導出側通路3とは短絡通路10を介
して連通する。
この結果、オイルは、導入側通路2→短絡通路10→導出
側通路3→メイン回路58を短絡して流れて、トラクタ作
業機のみが駆動される。
(2)ローダを操作するために、ローダ側セルフシール
カップリング60を作業機側セルフシールカップリング40
に接続すると、ローダ側セルフシールカップリング60の
弁筒31が作業機側セルフシールカップリング40の全筒20
先端の嵌合部21に外嵌したのち、ローダ側の自封弁体34
が閉弁用押圧バネ8の弾圧力に抗して作業機側の自封弁
体7を押し下げていき、弁筒31のボール37が上記嵌合部
21の自封用凹溝23に嵌入して、カップリング同士のセッ
ティングが完了する(第2図参照)。
このとき、筒型弁体12は導入側通路2の内向きに移動
し、連通口15と短絡通路10との連通が解除されて、導入
側通路2と導出側通路3とは遮断する。
さらに、上記ボール37は上記自封用凹溝23に嵌入して内
径方向に移動するので、ボール37を受け止めていたテー
パー部41とボール37との係合が解除されて、弾圧バネ39
によりスリーブ38は下方に押しやられる。
この結果、油圧ポンプPで圧送されたオイルは、作業機
側の導入側通路2→導入側出口4→ローダ側の導入側通
路→ローダ側サブ回路56→ローダ側の導出側通路→導出
側入口5→作業機側の導出側通路3→メイン回路58に流
れて、トラクタ作業機及びローダを同時に操作可能にす
る。
但し、前述したように、自封弁体7が押し下げられるに
伴い、短絡通路10が閉じる前に導入側の自封弁体7・34
が開くので、 導入側通路27内に貯留するオイルは、当該導入側の自
封弁口14・29を通って、 導出側通路3内に貯留するオイルは、短絡通路10を介
して導入側の自封弁口14・29を通って、 作業機側及びローダ側のどちら側にも逃げることができ
るので、通路2・3内のオイルが自封弁体7の押し下げ
操作の抵抗になることはなく、カップリング同士の接続
が楽に行える。
また、作業機側及びローダ側ともに、導入側と導出側で
自封弁の形態が相違し、導入側同士及び導出側同士でし
か円滑に接続できないので、カップリングの接続におい
ても、作業機側導入側自封弁にローダ側導出側自封弁を
接続する(或いは、作業機側導出側自封弁にローダ側導
入側自封弁を接続する)という接続間違いはなくなる。
(3)ローダ側セルフシールカップリング60を作業機側
から切り離す場合、ローダ側に設けられた抜き外し操作
ハンドル43を着脱操作ハンドル28に対して押し上げる
と、ローダ側の弁筒31に対してスリーブ38が上方に移動
するので、作業機側の弁筒20を介して閉弁用押圧バネ8
の押し上げ力を受けるボール37は、自封用凹溝23から外
れてスリーブ38のテーパー部41に受け止められて外径方
向に退出する。
この結果、ローダ側セルフシールカップリング60は、作
業機側セルフシールカップリング40から上方に抜け外れ
て自封状態に移行する。
但し、スリーブ38に取り付けた抜き外しハンドル43から
手を離すと、弾圧バネ39の作用でスリーブ38が下方に移
動し、ボール37は自封用凹溝23を内径方向に押し戻され
るので、接続操作時には、第1図に示すように、抜き外
しハンドル43を押し上げて、ボール37をテーパー部41に
受止めさせて外径方向に移動させておくのである。
一方、第5図は本考案の第2実施例であって、作業機側
の自封弁6を受け入れるローダ側弁筒31の先端寄りの支
持内壁46の最奥部に封止リング47を付設してある。
この第2実施例は、次のように作用する。
即ち、作業機側とローダ側のカップリング40・60を接続
するために、作業機側の嵌合部21の先端部21aをローダ
側弁筒31の先端部に差し入れると、まず、作業機側とロ
ーダ側の自封弁体7・34が互いに当接して、作業機側と
ローダ側の自封弁口14・29が開弁する(第5図の状
態)。このとき、上記嵌合部21の先端部21aは、封止リ
ング47に接触しておらず、作業機側の導入側通路2及び
導出側通路3に貯溜するオイルは、矢印Aに示すよう
に、作業機側の嵌合部21とローダ側の支持内壁46との嵌
め合い隙間から外部に円滑に排出される。
そして、第5図の状態から更に作業機側の嵌合部21の先
端部21aをローダ側弁筒31の支持内壁46の最奥側まで挿
入することで、嵌合部21の先端部21aが封止リング47に
接触してオイルが外部へ漏れることが防止される。
上記第2実施例では、作業機側とローダ側の油路がとも
にブロックされてオイルが流通しない状況でも、スムー
ズなカップリングの接続ができる。
第6図及び第7図は本考案の第3実施例を示し、前記第
1実施例を基本として、作業機側のセルフシールカップ
リング40の導入側(即ち、左側)の弁筒20と自封弁体7
との構造を改良したものである。
即ち、前記第1実施例においては、第1図に示すよう
に、作業機側のセルフシールカップリング40の導入側弁
筒20の接続先端側開口面72(即ち、嵌合部21)は自封弁
口14より遠く離れて上方に長く突出しているために、当
該セルフシールカップリング40をサブ油圧回路56から切
り離して、トラクタを農作業機などに使用する場合に
は、弁筒20の嵌合部21は上を向いて開放された形態にな
って、嵌合部21の内部空間に藁くずや汚泥などの塵埃が
付着堆積し易くなる。
この結果、ローダ側のセルフシールカップリング60を作
業機側カップリング40に接続した場合に、この堆積した
塵埃が油圧装置50の油中に侵入して自封弁6・30などに
噛み込み、セルフシールカップリングにトラブルが生じ
る虞れがある。
そのうえ、塵埃が一旦嵌合部21の奥まった弁筒内空間に
侵入すると、その除去も容易ではない。
これに対して、本第3実施例では、作業機側セルフシー
ルカップリング40の導入側の自封弁体7を弁支持部17か
ら長く突出して、導入側自封弁6の弁開閉ストロークを
導出側のそれより大きく確保するとともに、弁筒20の嵌
合部21の上端部に自封弁座18を形成し、導入側通路2の
接続先端側開口面72を自封弁口14に接近させて位置させ
たものである。
つまり、当該第3実施例は導入側の自封弁口14の上方に
内部開放空間を作らない点で上記第1実施例とは異な
り、塵埃が付着堆積し難いうえ、塵埃が付着することが
あっても自封弁6の接続先端側開口面72の周辺にしか堆
積しないので、拭えば容易に除去できる。
従って、接続解除状態にあった作業機側セルフシールカ
ップリング40をローダ側カップリング60に接続してロー
ダを使用する場合も、セルフシールカップリングのトラ
ブルの発生はない。
また、仮に、塵埃が自封弁6内に侵入することがあって
も、自封弁6の開口面72への堆積量が微量なので、その
侵入量はきわめて少量であって、カップリングの作動に
支障はない。
以上のように、本考案は、セルフシールカップリングの
自封弁を短絡弁に共通化させて全体の構造を簡略にする
ことを特徴とするので、短絡弁11を導入側通路2に付設
する構造に限定されず、導出側通路3に設けても差し支
えない。
また、上記実施例では、短絡弁11の連通口15は筒型弁体
12の途中部に空けた丸孔で構成されるが、筒型弁体12の
下部を切り落として短い筒体だけで構成して、 自封弁6の閉弁時には短絡通路10と連通し、 自封弁6の開弁時には短絡通路10との連通が解除され
るようにしても差し支えない。
他方、セルフシールカップリングは上記実施例のような
ワンタッチ式カップリングに限らず、ネジ込み式カップ
リングでも差し支えない。
但し、ワンタッチ式カップリングでも、上記実施例で
は、装着時にはフリーで、抜外し時にはスリーブを上方
に操作する形式のものであるが、本考案においてはこの
形式に限らず、用途に応じて種々のものを選択すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は本考案の実施例を示し、第1図は第1
実施例を示す接続解除状態の油圧回路用短絡通路付セル
フシールカップリングの縦断正面図、第2図は接続状態
を示す同セルフシールカップリングの縦断正面図、第3
図は接続過程状態を示す同セルフシールカップリングの
縦断正面図、第4図は同セルフシールカップリングを使
用した概略油圧系統図、第5図は第2実施例を示す接続
過程状態のセルフシールカップリングの要部縦断正面
図、第6図は第3実施例を示す第1図相当図、第7図は
同実施例を示す第2図相当図、第8図は接続解除状態の
従来技術1を示す第1図相当図、第9図は接続状態の従
来技術1を示す第2図相当図、第10図は接続解除状態の
従来技術2を示す第1図相当図、第11図は接続状態の従
来技術2を示す第2図相当図である。 1……カップリング本体、2……導入側通路、3……導
出側通路、4……2の出口側部分、5……3の入口側部
分、6……自封弁、7……自封弁体、8……閉弁用押圧
手段、10……短絡通路、12……筒型弁体、14……自封弁
口、15……連通口。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】カップリング本体(1)に導入側通路
    (2)と導出側通路(3)とを互いに独立させて設け、
    上記導入側通路(2)の出口側部分(4)の弁筒(20)
    と上記導出側通路(3)の入口側部分(5)の弁筒(2
    0)とに夫々メイン側自封弁(6)(6)を設け、 上記各自封弁(6)は、閉弁用押圧手段(8)で外向き
    に押し出されて自封弁口(14)を閉じる自封弁体(7)
    を備え、 上記導入側通路(2)と上記導出側通路(3)とを短絡
    通路(10)を介して短絡可能に構成し、上記短絡通路
    (10)を短絡弁(11)で開閉可能に構成した油圧回路用
    短絡通路付セルフシールカップリングにおいて、 上記導入側通路(2)と上記導出側通路(3)とのいず
    れか一方の通路の内部で往復摺動可能に内嵌した筒型弁
    体(12)と、この筒型弁体(12)に空けた連通口(15)
    とから上記短絡弁(11)を構成し、 上記筒型弁体(12)を上記導入側通路(2)と上記導出
    側通路(3)とのいずれか一方の通路側の自封弁体
    (7)と同行移動可能に構成し、 サブ側セルフシールカップリング(60)の自封弁(30)
    の弁筒(31)が夫々嵌合される嵌合部(21)を導入側及
    び導出側の各メイン側弁筒(20)に形成し、 導入側及び導出側のいずれか一方の通路側のメイン側弁
    筒(20)の嵌合部(21)を他方の通路側のメイン側弁筒
    (20)の嵌合部(21)よりも長く設定するとともに、こ
    の長い方のメイン側弁筒(20)の嵌合部(21)が嵌合さ
    れる上記サブ側自封弁(30)の弁筒(31)の嵌合部を他
    方のサブ側自封弁(30)の弁筒(31)の嵌合部よりも長
    く設定し、 上記筒型弁体(12)を設けた通路側の自封弁体(7)
    と、この自封弁体(7)に嵌合する通路側のサブ側自封
    弁体(34)との少なくとも一方の先端を対応する他方の
    通路側の自封弁体(7)(34)の先端よりも長く延出
    し、 上記筒型弁体(12)を設けた通路側の自封弁体(7)が
    自封弁口(14)を閉じる自封弁閉弁状態では、上記連通
    口(15)が上記短絡通路(10)に連通する短絡弁開弁状
    態となり、上記筒型弁体(12)を設けた通路側の自封弁
    体(7)がサブ側自封弁体(34)で内向きに押されて上
    記自封弁口(14)を開く自封弁開弁状態では、上記連通
    口(15)が上記短絡通路(10)から外れる短絡弁閉弁状
    態となるように構成したことを特徴とする油圧回路用短
    絡通路付きセルフシールカップリング。
  2. 【請求項2】導入側及び導出側の各通路(2)(3)の
    各接続先端側開口面(72)(73)を各メイン側自封弁
    (6)の自封弁口(14)に夫々接近させて位置させたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の油圧回路用短絡通路付
    きセルフシールカップリング。
JP1989034092U 1988-08-11 1989-03-25 油圧回路用短絡通路付セルフシールカツプリング Expired - Lifetime JPH0743585Y2 (ja)

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