JPH074343Y2 - 油圧クラッチ - Google Patents

油圧クラッチ

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JPH074343Y2
JPH074343Y2 JP4795388U JP4795388U JPH074343Y2 JP H074343 Y2 JPH074343 Y2 JP H074343Y2 JP 4795388 U JP4795388 U JP 4795388U JP 4795388 U JP4795388 U JP 4795388U JP H074343 Y2 JPH074343 Y2 JP H074343Y2
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溥三宏 牛島
敏美 加藤
敏明 勝
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は油圧クラッチに関するものである。
従来の技術 駆動側回転体および従動側回転体を互いに摩擦係合させ
るために移動させられる移動部材と、その移動部材を直
接的に駆動するためにシリンダボア内に摺動可能に嵌合
されたピストンと、そのピストンに設けられ、常には閉
じられてそのシリンダボア内の圧力室とその圧力室内の
作動油を排出する排出油路との連通を阻止するが、その
ピストンが前記移動部材に対して予め定められた一定の
位置まで接近させられたとき、そのピストンと移動部材
との相対位置に関連して開かれてその圧力室と排出油路
とを連通させる開閉弁と、その排出油路とドレンとの間
に設けられ、アクセル操作に関連して開度が減少させら
れることによりその排出油路の流量を抑制する流量調節
弁と、供給油路から前記圧力室内へ供給される油圧を減
圧する一方、その排出油路に生じた油圧に従って減圧作
用を解くことによりその圧力室内へ供給される油圧を高
める減圧弁とを備えた形式の油圧クラッチが知られてい
る。たとえば、本出願人が先に出願した実願昭62−1627
83号に記載されたものがそれである。
斯かる油圧クラッチにおいては、供給油路から減圧弁を
介して前記圧力室内に油圧が供給されると、ピストンが
前進させられて移動部材が駆動されるとともに、ピスト
ンが移動部材に対して予め定められた一定の位置まで接
近させられたとき、ピストンと移動部材との相対位置に
関連して開閉弁が開かれて圧力室内の作動油が排出油路
および流量調節弁を経てドレンへ排出されることによ
り、ピストンのそれ以上の前進が阻止されてピストンが
待機位置に位置させられる。この状態においては所謂ク
リープトルクが発生している。そして、アクセル操作に
関連して流量調節弁により排出油路の流量が抑制されて
排出油路に油圧が生じた場合には、この排出油路の油圧
に従って減圧弁の減圧作用が解かれて供給油路から圧力
室へ供給される油圧が高められることにより、ピストン
が移動部材と共に更に前進させられて駆動側回転体およ
び従動側回転体が係合させられる。
考案が解決しようとする課題 しかしながら、斯かる油圧クラッチにおいては、通常、
ピストンを前進させるために圧力室に供給すべき作動油
の量が比較的多いことや、圧力室に供給する油圧は減圧
弁により減圧されるとともに供給油路の管路抵抗が比較
的大きいために作動油の流量を充分に確保し難いことな
どに起因して、圧力室への油圧の供給が開始されてから
ピストンが前記待機位置まで前進させられて開閉弁が開
かれるまでに比較的長い時間(たとえば1秒程度)を要
し、この間は圧力室から排出油路に作動油が排出されな
い。このため、ピストンが待機位置に達する前、すなわ
ち圧力室から排出油路に作動油が排出される前にアクセ
ルの踏込み操作に関連して流量調節弁の開度が減少させ
られた場合には、排出油路に油圧が生ぜず、減圧弁の減
圧作用が解かれなくて圧力室の油圧が増大しないため、
油圧クラッチの係合が遅れ、シフトレバーをたとえばN
レンジからDレンジ等に切り換えて直ぐに発進操作する
とエンジンが吹き上がったり、あるいは、自動変速時に
おいて動力再伝達までに比較的時間を要するという問題
があった。
これに対し、前記供給油路の径を大きくして管路抵抗を
低減したり、或いは減圧弁の設定圧を大きくすること等
により、圧力室に供給する作動油の流量を大きくすれ
ば、ピストンが待機位置に達するまでの時間を短縮し得
て上記のような問題が発生するのを抑制し得ると考えら
れるが、前者の場合には実用上限度がある一方、後者の
場合には、前記クリープトルクが増大するとともに、こ
のクリープトルクの増大に起因してシフトレバーをたと
えばNレンジからDレンジ等にシフトした際に所謂エン
ジンストールを生ずる虞があるのである。
本考案は以上の事情を背景にして為されたものであっ
て、その目的とするところは、圧力室への油圧の供給が
開始されてから開閉弁が開かれる前に流量調節弁の開度
が減少させられた場合においても、減圧弁の減圧作用を
速やかに解除し得る油圧クラッチを提供することにあ
る。
課題を解決するための手段 斯かる目的を達成するために、本考案は、前記のような
形式の油圧クラッチであって、前記供給油路と前記排出
油路との間に設けられて前記開閉弁をバイパスするバイ
パス油路と、そのバイパス油路に設けられた絞りとを含
むことを特徴とする。
作用および考案の効果 このように構成された油圧クラッチによれば、供給油路
と排出油路との間に開閉弁をバイパスするバイパス油路
が設けられているとともに、そのバイパス油路には絞り
が設けられているので、供給油路から減圧弁を介して圧
力室に油圧が供給されてピストンが前進させられるとと
もに、それと並行して、供給油路からバイパス油路を経
て比較的少量の作動油が排出油路に供給されることとな
る。このように、ピストンが待機位置まで前進させられ
て開閉弁が開かれる前に既に排出油路にはバイパス油路
から作動油が供給されているため、開閉弁が開かれる前
に流量調節弁の開度が減少させられた場合においても、
排出油路に油圧が発生させられることにより、減圧弁の
減圧作用の解除を速やかに開始し得、油圧クラッチを速
やかに係合させるべく圧力室の油圧を高め得る。この結
果、シフトレバーをたとえばNレンジからDレンジ等に
切り換えて直ぐに発進操作してもエンジンが吹き上がる
のを効果的に防止し得るとともに、自動変速時において
動力再伝達までに要する時間を好適に短縮し得るのであ
る。
実施例 以下、本考案の一実施例を示す図面に基づいて詳細に説
明する。
第1図において、車両のエンジン10の出力トルクは湿式
の油圧クラッチ12、図示しない有段変速機および差動歯
車装置などを経て駆動輪へ伝達されるようになってい
る。油圧クラッチ12は、エンジン10のクランク軸である
入力軸14と、有段変速機の入力軸を兼ねる出力軸16との
間においてエンジン10の出力トルクを伝達したり或いは
遮断したりするものである。入力軸14には、リングギヤ
18を外周部に備えた円板20が固定されており、その円板
20にはクラッチケース22が固定されている。クラッチケ
ース22は、円板状部24およびその円板状部24の外周縁か
ら軸心と平行な方向へ延びる円筒部26を有して前記円板
20に固定された第一部材28と、第一部材28と組み合わさ
れた状態で固定された皿状の第二部材30と、第二部材30
の中央部内に一体的に嵌着された円筒状の第三部材32と
から成り、位置固定の変速機ハウジング34によりベアリ
ング36を介して回転可能に支持されている。このクラッ
チケース22の第三部材32は、変速機ハウジング34に形成
された円筒状の突起38の外周面に相対回転可能に嵌合さ
れている。クラッチケース22内には環状のピストン40が
摺動可能に嵌合されている。ピストン40は、小径の第一
ピストン部42と、その第一ピストン部42に固定された大
径の第二ピストン部44とを有して構成されている一方、
第一ピストン部42は、第二部材30の内周面と前記第三部
材32の外周面との間の環状のシリンダボア46において摺
動可能且つ油密に嵌合されているとともに、第二ピスト
ン部44は前記第一部材28の円筒部26内に摺動可能且つ油
密に嵌合されている。これにより、クラッチケース22内
がピストン40によりディスク室48とシリンダボア46内の
圧力室50とに分割されている。
第二ピストン部44の内側には、円板状を成す押圧プレー
ト52が軸心と平行な方向において所定量移動可能な状態
で設けられている。また、変速機ハウジング34から突き
出した出力軸16はピストン40を貫通して上記ディスク室
48内に到達しており、その出力軸16の軸端にはハブ58が
スプライン嵌合されている。ハブ58にはクラッチダンパ
54を介してクラッチディスク56が支持されており、この
クラッチディスク56は、前記第一部材28の円板状部24と
押圧プレート52との間に位置させられている。これによ
り、前記圧力室50に後述のクラッチ油圧が作用させられ
るこよにより、ピストン40が前進させられ、押圧プレー
ト52はこのピストン40によって直接的に駆動されるよう
になっているとともに、押圧プレート52と第一部材28の
円板状部24との間でクラッチディスク56が狭圧されるよ
うになっている。本実施例においては、クラッチケース
22等が駆動側回転体を、クラッチディスク56が従動側回
転体を、押圧プレート52が移動部材をそれぞれ構成して
いる。なお、60は、ピストン40を圧力室50側へ付勢する
ためのリターンスプリングである。
ピストン40の第一ピストン部42には、圧力室50と後述の
第一排出油路66との間を開閉する開閉弁62が設けられて
いる。すなわち、第一ピストン部42の圧力室50に対向す
る受圧面には比較的浅い円穴64が形成されているととも
に、この円穴64の底面には、第一排出油路66が開口させ
られており且つ第一ピストン部42を貫通する貫通穴68が
開口させられている。この貫通穴68には、円穴64に遊嵌
する円板状のフランジ部70を備えた弁子72の軸部が軸方
向の移動可能かつ油密に嵌合されている。一方、変速機
ハウジング34には、クラッチ油圧が導かれるクラッチ圧
油路76、および第二排出油路78がそれぞれ形成されてお
り、クラッチ圧油路76を介して前記圧力室50内へクラッ
チ油圧が供給されるとともに、その圧力室50内の作動油
は、前記開閉弁62が開かれることにより第一排出油路66
および第二排出油路78から流量調節弁80およびドレン82
を経てオイルタンク86へ戻されるようになっている。こ
れら第一排出油路66および第二排出油路78が本実施例の
排出油路を構成する。弁子72は板ばね84によってフラン
ジ部70が第一排出油路66の開口を塞ぐ閉弁方向へ常時付
勢されており、これにより、開閉弁62は、常には閉じら
れて圧力室50と第一排出油路66との間の連通を阻止する
が、ピストン40が前記弁子72を介して押圧プレート52を
駆動してその押圧プレート52の移動が停止させられた後
更に押圧プレート52に向って接近させられることによ
り、この押圧プレート52によって弁子72が板ばね84の付
勢力に抗して開弁方向に押されることにより開かれて、
圧力室50と第一排出油路66とが連通させられるように構
成されている。
上記流量調節弁80は、常には全開状態とされているが、
たとえば、後述の切換弁94がON状態であるときに後述の
コントローラ108から出力される制御信号に基づいてア
クセルペダル(図示せず)の操作量に応じて開度が減少
させられることにより、第二排出油路78の流量を抑制し
てその第二排出油路78の油圧Pcを増大させる。なお、前
記ディスク室48には、図示しない流入ポートを介して潤
滑油が供給されるとともに、ドレンに連通する図示しな
い流出ポートからディスク室48内の潤滑油が流出させら
れるようになっており、ディスク室48内は比較的低圧に
維持されている。
オイルタンク86に還流した作動油はエンジン10などによ
って駆動される油圧ポンプ88により第一油路90へ圧送さ
れ、リリーフ弁92により一定のライン圧Pに制限され
るとともに、切換弁94および第二油路96を経て減圧弁98
に供給され、この減圧弁98により調圧されることにより
クラッチ油圧が発生させられるようになっている。切換
弁94は、図示しないシフトレバーの操作や自動変速操作
などに関連してON・OFFさせられ、ON状態(第1図の状
態)においては、第二油路96、減圧弁98、およびクラッ
チ圧油路76を経て圧力室50へ作動油を供給する一方、OF
F状態においては、作動油を圧力室50へ供給することを
阻止すると同時に第二油路96内の作動油をオイルタンク
86へ戻す。本実施例においては、第一油路90、第二油路
96、およびクラッチ圧油路76が供給油路を構成してい
る。
上記減圧弁98は、ライン圧Pを流量調節弁80の開度に
応じて減圧し、流量調節弁80の全開状態においては後述
のクリープトルクを好適な大きさに確保するとともに、
流量調節弁80の開度が減少させられるに従って減圧作用
を少なくすることにより、流量調節弁80の全閉状態にお
いては第一油路90内のライン圧Pをそのまま圧力室50
へ供給して油圧クラッチ12を係合させるために設けられ
たものである。減圧弁98は、第二油路96とクラッチ圧油
路76との間を開閉するスプール弁子100と、このスプー
ル弁子100を開弁方向へ常時付勢するスプリング102とを
備えており、スプール弁子100の一端面に出力油圧Pout
(クラッチ油圧)が作用させられるとともに他端面(ス
プリング102側の端面)に第二排出油路78内の油圧Pcが
作用させられるようになっている。このため、スプール
弁子100の一端面および他端面の受圧面積をそれぞれS
とし、スプリング102の付勢力をWとすると、次式
(1)に従って出力油圧Poutが調圧される。
Pout=Pc+W/S・・・・・(1) このように調圧された出力油圧Poutが圧力室50へ供給さ
れるとともに、開閉弁62が開かれると、圧力室50内の作
動油が、開閉弁62、第一排出油路66、第二排出油路78、
流量調節弁80、およびドレン82を経てオイルタンク86へ
排出されるのであるが、流量調節弁80の開度の減少に従
って第二排出油路78内の油圧Pcが増大させられることに
より、出力油圧Poutが増大させられるようになってい
る。
本実施例においては、更に、前記第二油路96と第二排出
油路78との間に、減圧弁98、圧力室50、開閉弁62等をバ
イパスするバイパス油路104が設けられている。このバ
イパス油路104には絞り106が設けられており、これによ
り、流量調節弁80が全開状態のときでも圧力室50にピス
トン40を駆動させ得るクラッチ油圧が発生させられるよ
うになっている。
コントローラ108は、所謂マイクロコンピュータを有し
て構成されており、予め定められた関係からシフトレバ
ーの操作位置、有段変速機の実際のギア段、スロットル
弁開度、車速、予め定められた変速図などに基づいて図
示しないシフトアクチュエータにより有段変速機のギア
段の自動切換操作を実行させるとともに、この自動切換
操作と関連して或いは車両の発進状態に関連して油圧ク
ラッチ12を係合制御する。
以下、コントローラ108による油圧クラッチ12の係合制
御作動を説明する。
油圧クラッチ12が開放状態であり且つ流量調節弁80が全
開状態である場合において油圧クラッチ12を係合直前の
状態とする場合、すなわちピストン40を待機位置に位置
させる場合には、コントローラ108は切換弁94をON状態
へ切り換えて油圧ポンプ88からの作動油を減圧弁98等を
介して圧力室50へ供給する。これにより、ピストン40が
前進させられて押圧プレート52に接近させられるととも
に、ピストン40が押圧プレート52に対して予め定められ
た一定の距離に到達する開閉弁62の弁子72が押圧プレー
ト52に接触し、それ以降はピストン40により弁子72を介
して押圧プレート52が駆動される。そして、クラッチデ
ィスク56との当接に基づいて押圧プレート52の移動が停
止させられた後更にピストン40が前進させられて押圧プ
レート52に対して接近させられることにより、押圧プレ
ート52により弁子72がピストン40に対して開弁方向へ相
対移動させられて開閉弁62が開かれる。これにより、圧
力室50内のクラッチ油圧が第一排出油路66へ排出されて
低下し、ピストン40の前進が停止させられる。これがク
リープトルクを発生する状態であり、この状態では、直
ちに油圧クラッチ12を係合させ得る待機位置にピストン
40が位置させられている。なお、切換弁94がON状態とさ
れてから圧力室50内の作動油が排出油路66,78に排出さ
れるまでには、たとえば1秒程度の時間を要する。
次いで、ピストン40が待機位置に位置する状態におい
て、アクセルペダルの操作等に関連して油圧クラッチ12
を係合させるためにコントローラ108により流量調節弁8
0の開度が減少させられると、第二排出油路78内に油圧P
cが発生することにより、第一排出油路66を介して圧力
室50内のクラッチ油圧が増大させられるとともに、減圧
弁98による減圧作用が流量調節弁80の開度に応じて解除
されて出力油圧Poutが増大させられることより圧力室50
への流量が増大させられる。これにより、ピストン40の
推力が増大して待機位置から更に前進させられるので、
クラッチディスク56が前記第一部材28の円板状部24と押
圧プレート52との間に狭圧されてそれらが摩擦係合させ
られることにより、入力軸14と出力軸16とが連結され
る。
そして、コントローラ108により流量調節弁80が全開状
態とされ且つ切換弁94がOFF状態に切り換えられると、
圧力室50内のクラッチ油圧が低下させられて、ピストン
40がリターンスプリング60の付勢力に従って戻されるこ
とにより、動力伝達状態にあった油圧クラッチ12が開放
されるとともに、開閉弁62の弁子72が板ばね84の付勢力
に従ってピストン40に対して閉弁方向へ相対移動させら
れることにより、開閉弁62が閉じられる。
ここで、従来においては、切換弁94がON状態に切り換え
られてから開閉弁62が開かれる前に流量調節弁80の開度
が減少させられた場合には、第二排出油路78に油圧Pcが
直ちに発生せず減圧弁98の減圧作用が解除されないた
め、開閉弁62が開かれて圧力室50から排出油路66,78に
作動油が排出されるまでの間は、圧力室50内のクラッチ
油圧が増大せず、油圧クラッチ12の係合が速やかに行わ
れなかった。このため、シフトレバーをたとえがNレン
ジからDレンジ等に切り換えて発進すべく直ちにアクセ
ルペダルを踏み込むとエンジン10が吹き上がったり、或
いは自動変速時において動力再伝達までに比較的時間を
要するという問題があったのである。
これに対し、本実施例によれば、第二油路96と第二排出
油路78との間に絞り106を備えたバイパス油路104が設け
られており、切換弁94のON状態においてはバイパス油路
104から第二排出油路78に比較的少量の作動油が流され
るので、切換弁94がON状態とされて開閉弁62が開かれる
前にアクセルペダルの操作に関連して流量調節弁80の開
度が減少させられた場合においても、流量調節弁80の開
度の減少に従って第二排出油路78に油圧Pcが発生して減
圧弁98の減圧作用が速やかに解除されることにより、前
記出力油圧Poutおよび圧力室50内のクラッチ油圧が増大
させられて、油圧クラッチ12の係合が行われることとな
る。この結果、車両の発進時に従来のようにエンジン10
が吹き上がることが効果的に防止されるとともに、自動
変速時において動力再伝達までに要する時間が従来に比
べて一層短縮されるのである。この場合において、前記
供給油路の径を大きくしたり或いは減圧弁98のスプリン
グ102のばね力を大きくして設定圧を大きくしたりする
ことなく斯かる効果が得られるのである。
ここで、第2図は、自動変速時における圧力室50の実際
のクラッチ油圧の変化状態の一例を、目標とするクラッ
チ油圧と、入力軸14および出力軸16の回転速度と共に示
す図であり、第3図は、上記油圧クラッチ12においてバ
イパス油路104が設けられていない従来の油圧クラッチ
についての第2図に対応する図である。第3図に示す従
来の油圧クラッチにおいては、動力再伝達までの時間が
目標とするクラッチ油圧に比べて0.75秒遅れているのに
対し、第2図に示す本考案の油圧クラッチ12において
は、0.26秒の遅れであった。すなわち、バイパス油路10
4を設けたことにより、切換弁94がON状態に切り換えら
れた後直ちにコントローラ108により流量調節弁80の開
度を減少させても第二排出油路78の油圧Pcを速やかに増
大させることが可能となり、これによって、自動変速時
における動力再伝達までの時間が従来に比べて0.49秒も
大幅に短縮されたのである。このことは、車両の発進時
においても同様であり、アクセルペダルが踏み込まれて
から油圧クラッチ12が係合させられるまでの時間が短縮
されることとなり、これにより、上述のようにエンジン
10の吹き上がりが効果的に防止されるのである。
また、本実施例によれば、バイパス油路104に設けられ
た絞り106の絞り量を適宜決定することにより、第2図
に示すように動力再伝達時におけるクラッチ油圧の立ち
上がりを従来に比べて緩やかにし得て、実際のクラッチ
油圧を目標とするクラッチ油圧に一層近づけることがで
きるのである。
また、本実施例によれば、切換弁94および減圧弁98間の
第二油路96と第二排出油路78との間にバイパス油路104
が設けられているので、切換弁94がOFFのときにはバイ
パス油路104等を介して作動油が無駄に排出されること
が回避されるとともに、減圧弁98により減圧される前の
作動油がバイパス油路104を介して第二排出油路78に排
出されるため、バイパス油路104に絞り106が設けられて
いても第二排出油路78に排出される作動油の流量を好適
に確保して得る利点がある。
なお、前記のような絞り106を備えたバイパス油路104
は、たとえば第一油路90あるいはクラッチ圧油路76と第
二排出油路78との間に設けられても良く、このような場
合にも、本考案の一応を効果を得ることができる。
また、前記実施例のようにバイパス油路104に絞り106を
別個に設けることなく、バイパス油路用の配管として供
給油路用の配管よりも細いもの使用することにより絞り
106と同等の機能を設け得る。
また、前記実施例において、車両の発進に際してシフト
レバーがたとえがNレンジからDレンジにシフトされる
ことにより切換弁94がON状態に切り換えられた場合に
は、未だアクセルペダルが踏み込まれなくても、ピスト
ン40が待機位置に達するまでの所定時間の間だけコント
ローラ108により流量調節弁80の開度を減少させるよう
にしても良い。このようにすれば、油圧クラッチ12を一
層迅速に係合待機状態とし得るとともに、クラッチディ
スク56の摩耗に基づく油圧クラッチ12の係合遅れを好適
に防止し得る。
その他、本考案はその趣旨を逸脱しない範囲において種
々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例である油圧クラッチを示す断
面図である。第2図は、自動変速時における第1図の油
圧クラッチの実際のクラッチ油圧の変化状態の一例を、
目標とするクラッチ油圧等と共に示す図である。第3図
は、従来の油圧クラッチについての第2図に対応する図
である。 12:油圧クラッチ 22:クラッチケース(駆動側回転体) 40:ピストン 46:シリンダボア 50:圧力室 52:押圧プレート(移動部材) 56:クラッチディスク(従動側回転体) 62:開閉弁 66:第一排出油路(排出油路) 76:クラッチ圧油路(供給油路) 78:第二排出油路(排出油路) 80:流量調節弁 82:ドレン 90:第一油路(供給油路) 96:第二油路(供給油路) 98:減圧弁 104:バイパス油路 106:絞り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 勝 敏明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−299445(JP,A) 実開 昭62−153429(JP,U) 実開 昭59−167099(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動側回転体および従動側回転体を互いに
    摩擦係合させるために移動させられる移動部材と、該移
    動部材を直接的に駆動するためにシリンダボア内に摺動
    可能に嵌合されたピストンと、該ピストンに設けられ、
    常には閉じられて該シリンダボア内の圧力室と該圧力室
    内の作動油を排出する排出油路との連通を阻止するが、
    該ピストンが前記移動部材に対して予め定められた一定
    の位置まで接近させられたとき、該ピストンと該移動部
    材との相対位置に関連して開かれて該圧力室と該排出油
    路とを連通させる開閉弁と、該排出油路とドレンとの間
    に設けられ、アクセル操作に関連して開度が減少させら
    れることにより該排出油路の流量を抑制する流量調節弁
    と、供給油路から前記圧力室内へ供給される油圧を減圧
    する一方、該排出油路に生じた油圧に従って減圧作用を
    解くことにより該圧力室内へ供給される油圧を高める減
    圧弁とを備えた形式の油圧クラッチであって、 前記供給油路と前記排出油路との間に設けられて前記開
    閉弁をバイパスするバイパス油路と、 該バイパス油路に設けられた絞りと を含むことを特徴とする油圧クラッチ。
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