JPH0743438Y2 - はね上げ式扉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、はね上げ式扉に関するものであり、特に車
庫の出入口における使用に好適なものである。

従来の技術 対向して設けた支柱に枢支軸を介して支持アームの一端
を回動自在に軸架し、支持アームの他端を扉体の上方側
部に連結し、支持アームの枢支軸にガススプリング，渦
巻きばね，コイルばね等の付勢力を与えたはね上げ式扉
は広く知られており、この種はね上げ式扉においては扉
体を回動して上方に持ち上げる際に扉体が道路側にはみ
出すので、閉扉状態において扉体を敷地境界線より相当
内側の位置に施すことを余儀なくされていた。

特開昭60-126488号，同62-107195号，同62-133283号，
同62-276190号及び同63-103190号、実開昭58-190598
号，同60-99698号及び同63-91699号公報には、このよう
なはね上げ式扉において扉体の開閉時における道路側へ
のはみ出しを低減し、あるいは無くする方法が提案され
ている。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、前記公報に示されているはね上げ式扉に
はいずれも一長一短があり、扉体を前方にはみ出すこと
なく開閉しうるものであっても、扉体を円滑に操作し難
いもの、また扉体を上方に持ち上げた開扉状態における
安定性が良くないものあるいは構造が複雑で量産に適さ
ないものなど必ずしも満足しうる状態にあるとは云えな
い。

課題を解決するための手段 本考案者等はこのような事情に鑑み種々の試作研究を行
った結果、対向して設けた支柱に枢支軸を介して支持ア
ームの一端を回動自在に軸架し、支持アームの他端に扉
体の上方側部を連結したはね上げ式扉において、支持ア
ームと扉体を回動自在に軸着し、支持アームの下方に補
助支持アームを設け、該補助支持アームの一端を支持ア
ームに対して上下方向に離隔させて扉体の側部に回動自
在に軸着し、支持アームの枢支軸より少し扉体側の位置
に補助支持アームの他端を支持アームの長手方向に沿っ
て摺動自在として嵌合し、枢支軸より上方位置の支柱内
側に扉体側から支柱側に至るに連れて上り勾配としたガ
イド溝を形成し、支持アームと補助支持アームを摺動自
在に連結する軸支部から突出させたガイドピンを前記ガ
イド溝に嵌み合わせることによって、開閉時における扉
体の道路側へのはみ出しを無くしあるいは著しく低減
し、且つ操作性及び安定性の面においても優れている新
規なはね上げ式扉を見い出した。

本案の実施において支持アームに対して補助支持アーム
を摺動自在に施すには、支持アームに長手方向に延びる
直線状あるいは湾曲状のスライド溝を穿設し、補助支持
アームの端部に軸受部を設けて支持アームに嵌み合わ
せ、ガイドピンを支持アームのスライド溝に挿嵌して支
持アームの軸受部に枢着する方法、あるいは支持アーム
にスライダーを外嵌し、該スライダーの突出部に補助支
持アームの端部を枢支連結し、且つスライダーあるいは
補助支持アーム端部の外側にガイドピンを植設しこのガ
イドピンを支柱内側のガイド溝に嵌合する方法のいずれ
でも差し支えない。

本案の実施に当たり支柱内側にガイド溝を形成するに
は、ガイド溝を穿設したガイド枠を支柱に固着すべきで
あり、ガイド溝の形状は扉体に対する支持アーム及び補
助支持アームの取付け位置及び支持アームに対する補助
支持アームの摺動嵌み合わせ位置の違いによって適宜に
変化すべきであるが、その勾配は通常30〜45度の範囲が
適している。

前記支柱内側のガイド溝は、直線状あるいは湾曲状のい
ずれの形態でも良いが、勾配を上下部は小さく中間部が
大きくなるように屈曲させることによって操作性はさら
に向上し、また開扉状態における安定性を高めるため
に、ガイド溝の上端を水平状とすべきである。

なお、支柱を大きくした場合には、支柱の内側壁にガイ
ドピンの通孔を穿ち、ガイド溝を形成したガイド枠を支
柱の内部に取り付けることができる。

本案はね上げ式扉は、支持アームを上下方向に回動する
際に、ガススプリング，コイルばね，渦巻きばね等のば
ねによる付勢力を与えることができるが、ガススプリン
グあるいはコイルばねを用いる場合には、枢支軸に長孔
を有するリンクを固着し、ガススプリング等の支軸をリ
ンクの長孔に遊嵌し、扉体の枢支軸に付与するばねの付
勢力を扉体の上下開度に応じて変化させ、扉体の回転モ
ーメントとばねの付勢力を合致させることが可能であ
る。

作用 本案はね上げ式扉の開閉は、第２図に示した閉扉状態に
あっては、支持アームと摺動自在に嵌み合った補助支持
アームに軸着されたガイドピンが扉体側から支柱側に至
るに連れて上り勾配としたガイド溝の下端に位置し且つ
補助支持アームを最も扉体寄りの位置に移動して扉体を
垂直状に保持することができ、扉体に上向きの力を加え
て回動する場合は、第３図に示したように支持アームが
支柱の枢支軸を中心として回動し、同時にガイドピンが
ガイド溝の軌跡に沿って移動し、ガイドピンの動きに従
って補助支持アームが支柱側に摺動するので、扉体と支
持アーム及び扉体と補助支持アームの両ピン結合部に回
動が起こり、扉体の下方部が支柱側に引き寄せられ、さ
らに扉体を上方に回動し、支持アームを垂直状とする際
には、第４図に示したように支持アームの回動によって
ガイドピンがガイド溝の上端に至り、補助支持アームを
扉体側に押し上げて扉体を水平状態に存らしめることが
でき、特にガイド溝の上端部を水平状としてガイドピン
に加わる下向きの力を支えることにより、風などによっ
て扉体に揺動が生じても直ちにガイドピンがガイド溝の
傾斜状部に移行することを回避し、開扉時の安定性を高
めることができる。

扉体の閉扉操作を行う際には、前記扉体の開扉時におけ
る操作と逆の順序に従って挙動する。

本案はね上げ式扉によれば、支柱の枢支軸を中心に支持
アームを回動して扉体を上下動する際に、枢支軸より上
方位置の支柱に扉体側から支柱側に至るに連れて上り勾
配としたガイド溝を形成し、支持アームに対して摺動自
在に嵌み合わせた補助支持アームを前記ガイド溝に嵌合
したガイドピンと連結しているため、扉体に過度の力が
加わっても、支持アームと補助支持アームの摺動部及び
ガイドピンとガイド溝の夫々において生じる接触抵抗に
よって、その動きが緩和され扉体の上下開閉操作を円滑
且つ安全に為し得るものである。

また本案によれば、補助支持アームの一端を支持アーム
に対して上下方向に離隔して設けているため、扉体を水
平状態に持ち上げた開扉状態において、扉体を支える補
助支持アームが筋交いの役目を果たして、扉体を安定に
保持することができる。

実施例 第１図ないし第４図に示したはね上げ式扉は、対向して
設けた支柱（１）（１）に枢支軸（２）（２）を介して
支持アーム（３）（３）の一端を回動自在に軸架し、支
持アーム（３）（３）の他端に扉体（４）の上方側部を
連結するに当たり、支持アーム（３）と扉体（４）を回
動自在に軸着し、支持アーム（３）の下方に補助支持ア
ーム（５）を設け、該補助支持アーム（５）の一端を支
持アーム（３）に対して上下方向に離隔させて扉体
（４）の側部に回動自在に軸着し、支持アーム（３）の
枢支軸（２）より少し扉体側の位置に長手方向に延びる
スライド溝（６）を穿設し、補助支持アーム（５）の端
部に二股状軸受部（７）を設けて支持アーム（３）に嵌
み合わせ、枢支軸（２）より上方位置における支柱
（１）の内側に、扉体側から支柱側に至るに連れて上り
勾配としたガイド溝（８）を穿設したガイド枠（９）を
固着し、支持アーム（３）のスライド溝（６）に遊嵌し
たガイドピン（10）を補助支持アーム（５）の二股状軸
受部（７）に軸着すると共に、該ガイドピン（10）の外
方突出部をガイド枠（９）のガイド溝（８）に遊嵌させ
たものである。

図中（11）は支柱（１）の内側に設けたガススプリング
であり、ガススプリング（11）の支軸は、枢支軸（２）
に固着されたリンク（12）の端部に形成した長孔（13）
に摺動自在に取り付けてなるものである。

第５図ないし第６図に示したはね上げ式扉は、前記実施
例において支持アーム（３）と補助支持アーム（５）を
連結するに当たり、支持アーム（３）にスライダー（1
4）を外嵌し、該スライダーの下方突出部に補助支持ア
ーム（５）の二股状軸受部（７）を軸着し、スライダー
（14）の外側にガイドピン（10）を植設し、このガイド
ピン10をガイド枠（９）のガイド溝（８）に摺動自在と
して嵌合したものである。

考案の効果 本案はね上げ式扉は、扉体の上下開閉時に扉体の道路側
へのはみ出しを皆無としあるいは著しく低減しうるもの
であり、且つその際扉体の開閉操作を円滑に行うことが
でき、また開扉状態において扉体を安定な状態に保つこ
とができ、しかも構造が簡易で製作が容易であるなど実
践面の効果は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案はね上げ式扉の一例を示す斜視図、第２図
ないし第４図は同じく一部を欠載した側面図、第５図は
本案はね上げ式扉の他の一例を示す斜視図、第６図は同
じく要部拡大展開斜視図であり、図中（１）は支柱、
（２）は枢支軸、（３）は支持アーム、（４）は扉体、
（５）は補助支持アーム、（６）はスライド溝、（８）
はガイド溝、（10）はガイドピン、（14）はスライダー
を表わす。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】対向して設けた支柱に枢支軸を介して支持
   アームの一端を回動自在に軸架し、支持アームの他端に
   扉体の上方側部を連結したはね上げ式扉において、支持
   アームと扉体を回動自在に軸着し、支持アームの下方に
   補助支持アームを設け、該補助支持アームの一端を支持
   アームに対して上下方向に離隔させて扉体の側部に回動
   自在に軸着し、支持アームの枢支軸より少し扉体側の位
   置に補助支持アームの他端を支持アームの長手方向に沿
   って摺動自在として嵌合し、枢支軸より上方位置の支柱
   内側に扉体側から支柱側に至るに連れて上り勾配とした
   ガイド溝を形成し、支持アームと補助支持アームを摺動
   自在に連結する軸支部から突出させたガイドピンを前記
   ガイド溝に嵌め合わせたことを特徴とするはね上げ式
   扉。
2. 【請求項２】ガイド溝の上端に水平状部を設けてなる実
   用新案登録請求の範囲（１）に記載のはね上げ式扉。