JPH0743094B2 - 煙道ガス中の二酸化硫黄含有量を低減する燃焼方法ならびに装置 - Google Patents

煙道ガス中の二酸化硫黄含有量を低減する燃焼方法ならびに装置

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JPH0743094B2
JPH0743094B2 JP62175805A JP17580587A JPH0743094B2 JP H0743094 B2 JPH0743094 B2 JP H0743094B2 JP 62175805 A JP62175805 A JP 62175805A JP 17580587 A JP17580587 A JP 17580587A JP H0743094 B2 JPH0743094 B2 JP H0743094B2
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    • F23J3/00Removing solid residues from passages or chambers beyond the fire, e.g. from flues by soot blowers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/46Removing components of defined structure
    • B01D53/48Sulfur compounds
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    • B01D53/508Sulfur oxides by treating the gases with solids
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23JREMOVAL OR TREATMENT OF COMBUSTION PRODUCTS OR COMBUSTION RESIDUES; FLUES 
    • F23J7/00Arrangement of devices for supplying chemicals to fire

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、一般に煙道ガスからの汚染物質の除去に関
し、より具体的には、硫黄含有燃料焚ボイラーから排出
される煙道ガスから二酸化硫黄を取り除く方法ならびに
装置に関する。
(従来技術) 通常、石炭、コークス炉ガスあるいは重油等の硫黄含有
燃料はボイラー焚きに使用されて、発電用の蒸気ないし
は加熱や加工用の蒸気を発生する。通常は、燃料は閉鎖
された燃焼室に設けられた一連のバーナーで、燃焼に必
要とされる化学量論的量を越える空気とともに燃焼さ
れ、燃焼反応生成物を生成する。この生成物は、主に高
温ガスから成るが、飛散灰等の幾分かの粒子をも含む。
熱は従来の方法によって高温ガスから取り出され、水を
熱し、蒸気を発生させる。高温ガスは下流方向に流れ、
最終的には煙突を通って排出される。蒸気発生機能を果
たした後、高温ガス中に残存している残留熱は、燃焼空
気を予熱するのに用いることができる。
燃焼室では、最終バーナーを通過した後、温度は下流方
向に向かって低くなる。更に、下流経路のいかなる位置
においても、燃焼域の横方向の処理温度には通常ある幅
が存在する。しかし、このようないずれの位置において
も平均温度が存在する。本明細書においては別に記さな
い限り平均温度が温度基準値である。
燃焼反応によって生じる高温ガスには、固体及び気体の
好ましくない汚染物質が含まれている。固体粒子汚染物
質は、通常は、電気集じん装置あるいはバグハウス、ま
たはその両方を用いて取り除く。気体汚染物質には、窒
素酸化物(NOx)及び二酸化硫黄(SO2)が含まれる。過
去数カ年の間に、ガスのNOx含有量は、油だきボイラー
およびガス燃焼ボイラーの燃焼技術の変化、および石炭
燃焼ボイラーのバーナーの設計変更によって低減され
た。
ガス中に多量の二酸化硫黄が含まれる場合は大気中に放
出されると酸性雨の一因となったり、またその他の望ま
しくない影響を引き起こすことがあるため、特に好まし
くない。
乾式吸収剤注入法として知られる措置によって燃焼反応
ガス(煙道ガス)の二酸化硫黄含有量を低減する試みが
これまでされている。吸収剤は二酸化硫黄と反応する化
合物であって比較的に無害の固体化合物を生成する。こ
の固体化合物は、従来の粒子除去装置を用いて、煙道ガ
スから除去することができる。石炭燃焼によって生じた
煙道ガスから二酸化硫黄を除去するためにこれまで用い
た乾式吸収剤の例としては、マグネシウムおよびカルシ
ウムの炭酸塩あるいは水酸化物がある。石炭燃焼ボイラ
ーにおいては、石灰石(炭酸カルシウム)粒子が乾式吸
収剤として使用されている。このようなシステムにおい
ては、煙道ガス中の二酸化硫黄は硫酸カルシウムに変換
するが、硫酸カルシウムは無毒の固体化合物で、建設資
材として用いることが可能で、また環境に悪影響を及ぼ
すという問題もなく、埋立て処理地に埋めることができ
る。まず、石灰石あるいは炭酸カルシウム(CaCO3)の
粒子は,燃焼反応によって生じる熱によって生石灰(Ca
O)となり、さらに酸素(燃焼室の過剰空気が供給源)
のもとで、生石灰は二酸化硫黄と反応し、硫酸カルシウ
ム(CaSO4)を生成する。
前記ように、煙道ガス中の窒素酸化物は設計を改良した
バーナーを用いることによって低減された。このような
設計のバーナーは一般に、燃料をいわゆる一次空気とと
もに燃焼室に注入するノズルを備えている。更に、燃料
ノズルに非常に近い位置において、二次空気が燃焼室に
注入され、この二次空気は、一次空気と合わせて、完全
燃焼に必要な化学量論的酸素量の約0.7〜1.0倍である。
一次空気および二次空気に加えて、さらに三次空気を、
二次空気の入口近くの周辺、あるいは前記入口の下流の
遠隔点のいずれかから、燃焼室に注入する。
前述した型式のバーナー装置を用いれば、ピーク火炎温
度を緩和あるいは除去する。このピーク火災温度の存在
が燃焼空気中の窒素から窒素酸化物が生成する原因とな
る。更に前記バーナー装置は、火炎の熱分解領域、すな
わち、化学反応領域の酸素濃度を低減する。この低減に
よって、燃料に含まれる窒素からの窒素酸化物の形成が
抑制される。
窒素酸化物の生成率が低い型式のバーナー(以後低NOx
バーナーと称する)を用いたシステムにおいて、石灰石
粒子を注入する試みが他の人々によって、少なくとも試
験的になされている。これらの試みでは、石灰石は燃料
ノズルを通して、二次空気を導入する入口(燃料ノズル
に非常に近い位置にある)を通して、二次空気入口を近
くから取り囲む三次空気入口を通して、さらに、燃料お
よび燃焼空気の入口から下流の比較的に遠い位置にある
専用の石灰石注入口を通して、燃焼室に注入された。最
初の3つの例では、石灰石は、燃料ないしは二次ならび
に三次空気入口から燃焼室に取り入れる燃焼空気と予め
混合された。
(発明が解決しようとする問題点) 前述した石灰石注入法には全て欠点がある。燃料ノズ
ル、あるいは燃料ノズルに密接する二次空気入口、ある
いは二次空気入口を近くから取り囲む三次空気入口から
の注入は、石灰石粒子を比較的高温に比較的長時間にわ
たってさらすことになる。これは、生成する石灰粒子の
焼結を引き起こす可能性がある。石灰粒子が焼結すると
粒子の表面積が低減し、それに伴ってSO2との反応能力
も低下し、その結果、SO2の除去も低減する。燃料ノズ
ルおよび燃焼空気入口の下流の比較的離れた位置から石
灰石粒子を注入すると、SO2の除去は低減する。その理
由は、温度状態が低くなりすぎるか、あるいは温度が急
激に低下するからである。
石灰石粒子を燃焼空気と予め混合すると、燃焼空気輸送
管のエロージョンおよび栓塞の問題を引き起こし、さら
に、通常多数用いられている各空気出口への分流に粒子
が分配される正確さが大幅に低減する。これらの問題
は、予混合された燃焼空気が高速、例えば2,500〜5000
フィート/分(762〜1524メートル/分)で輸送管を流
れること、ならびに石灰石粒子が希薄相輸送されること
から生じるものである。
エロージョンおよび栓塞問題を軽減するために輸送燃焼
空気の速度を低下させると、今度は低速で石灰石の希薄
相輸送を行うために輸送空気量を増加させねばならなく
なる。この結果、ある一定の出口あるいは一連の出口
に、燃焼あるいはその他の観点から望ましい量を上回る
燃焼空気を供給しなければならなくなる。さらに、燃焼
空気を燃焼室に導入する速度を低下させると、燃焼空気
による乱流および混合作用が低減するが、このような低
減は望ましくないものである。従って、燃焼空気によっ
て運ばれる石灰石粒子を燃焼空気が燃焼室に適切に分配
するためには、ある最低限の速度が必要である。
(問題点を解決するための手段) 上記問題点を解決するために、本発明にかかる煙道ガス
中の二酸化硫黄含有量を低減する方法ならびに装置は、 『硫黄含有燃料および燃焼用空気を閉じた燃焼室の第一
燃焼域に導入しするステップと、二酸化硫黄(SO2)を
含有する燃焼反応ガスの下流への流れを生成するステッ
プと、前記燃焼反応ガス中の二酸化硫黄(SO2)含有量
を実質的に低減するに十分な量の、か焼されて石灰を形
成しうる細かく分割された粒子を、前記燃焼室の前記第
一燃焼域の下流にある第二燃焼域に導入するステップ、
とからなる燃焼方法であって、 前記粒子とキャリアガスとの混合物を固体と気体との比
がすくなくとも20対1である濃厚相輸送によって前記第
二燃焼域まで輸送し、 前記キャリアガスが、前記粒子を前記第二燃焼域全体に
分散させ得ないものであり、 前記粒子を前記第二燃焼域に導き且つ第二燃焼域全体に
分散させるために、前記濃厚相輸送に用いられない付加
量のガス、すなわち空気を前記混合物に加える、 ことを特徴とする燃焼方法』と、 『硫黄含有燃料および燃焼用空気を燃焼室の第一燃焼域
に導いて二酸化硫黄(SO2)を含有する燃焼反応ガスを
下流に流し、前記燃焼反応ガス中の二酸化硫黄(SO2
含有量を実質的に低減するに十分な量の、か焼されて石
灰を形成しうる細かく分割された粒子を、前記燃焼室の
前記第一燃焼域から下流にある第二燃焼域に導入し、前
記粒子を前記第一燃焼域の下流においてか焼することに
より、現存するSO2の少なくとも一部に作用して硫酸カ
ルシウム(CaSO4)を生成する石灰(CaO)を生成する工
程を含み、さらに、下記工程(a)、(b)、(c)、
すなわち、 (a)燃焼中に前記燃焼室の内壁面に付着物を形成し、
前記粒子から得られた石灰を前記付着物中に取り入れ、
前記付着物が蓄積した後にすす吹きを行って前記内壁面
から前記付着物を除去し、さらに,前記すす吹き過程の
際に,前記第二燃焼域に導入される前記石灰形成物質の
量を、すす吹き過程の前に得た二酸化硫黄含有量の低減
を実質的に阻害することなく低減する工程、 (b)前記燃焼室を有する燃焼システム内において、前
記燃料工程の結果として酸を生成し、前記酸を前記石灰
で中和し、前記酸の露点を下回る温度において,前記燃
焼システムから前記燃焼反応ガスを排出する工程、 (c)燃焼中に前記燃焼室の内壁面に付着物を形成し、
前記粒子から得られた石灰を前記付着物中に取り入れ、
前記導入過程はしばらく実施された後に一時的に停止さ
れ、少なくとも前記SO2の幾分かが前記一時的な停止期
間の少なくとも初期において前記付着物中の石灰によっ
て吸収され、前記付着物の除去のためにすす吹きが用い
られ、前記SO2が前記付着物中に吸収される間はすす吹
きを延期する工程、 のうち少なくとも一つを含んでいることを特徴とする方
法』と、 『第一燃焼域と該第一燃焼域の下流に位置する第二燃焼
域とを備えた燃焼室を画する手段と、 硫黄含有燃料および燃焼用空気を前記第一燃焼域に導入
する手段と、 第一導管手段を有し、細かく分割された粒子とキャリア
ガスとの混合物を固体と気体との比がすくなくとも20対
1である濃厚相輸送によって前記第二燃焼域まで輸送す
る手段と、 前記粒子を前記第二燃焼域に導き且つ第二燃焼域全体に
分散させるために、前記濃厚相輸送に用いられない付加
量のガス、すなわち空気を前記混合物に加える手段 とを有してなる燃焼装置』 とから構成されることを特徴とする。
(作用) 本発明によると、煙道ガス中の二酸化硫黄は、石灰石粒
子の注入と、オーバーファイヤー空気を用いる低NOxバ
ーナーを組み合わせて望ましい結果を得るためにある種
のパラメーターを特定の仕方で制御することによって除
去する。
微粉炭等の燃料、および一次空気ならびに二次空気を、
第一燃焼域に導入する。三次空気は、一般に第一燃焼域
の上方であるが、下流の比較的離れた位置にある第二燃
焼域に導入する。このような位置に導入される場合、三
次空気はオーバーファイヤー空気と呼ばれる。
燃焼反応ガス、すなわち煙道ガスが、第一燃焼域から下
流に流れ、第二燃焼域を通ってさらにそこから下流に流
れるにつれて、これらのガスは、水を熱して蒸気を生成
する過程によって比較的急速に熱を失う。第一燃焼域に
導入された空気は、本明細書においてこれ以降は、燃焼
空気の主要部分と称し、またオーバーファイヤー空気と
して第二燃焼域に導入された三次空気は、燃焼空気の第
二部分と称する。石灰石粒子等は燃焼空気の第二部分に
導入される。この第二部分は、石灰石粒子を吸引し、且
つ第二燃焼域を通って下流に流れるガス中に石灰石粒子
を分配するのに十分な速度を持つ。石灰石粒子と燃焼空
気の第二部分が第二燃焼域に入る前には、これらの予混
合は行わない。
第一燃焼域においては、平均火災温度はともかく、少な
くともピーク火災温度は、石灰石および石灰の粒子が焼
結する温度を上回って粒子の石灰へのか焼は急速に起こ
るので、焼結は基本的には石灰粒子についてのみ考慮す
る。石灰粒子の焼結は、その反応性を低下させるので望
ましくない。従って、燃焼空気の第二部分は第一燃焼域
から送られる火災のピーク温度を緩和し、第二燃焼域に
おいて比較的均一に火炎面を分散させて供給するのに十
分な速度で供給される。このような燃焼空気の第二部分
の速度ならびに導入位置の効果により、第一燃焼域の下
流には、平均的な燃焼過程温度の領域があり、この温度
は、石灰粒子の焼結温度(2400゜Fすなわち1316℃)未
満であり、且つ硫酸カルシウムが石灰および気体状の硫
黄酸化物に分解する温度(2460゜Fすなわち1349℃)未
満である。さらに、第一燃焼域の下流には,実質的には
石灰粒子に焼結の悪影響を及ぼすようなピーク火炎温度
は存在しない。
前述の平均燃焼過程温度領域は、石灰とSO2ガスが平均
燃焼過程温度領域に曝露されている間は第一燃焼域の下
流で生成された石灰と望ましい量のSO2ガスを反応させ
るのに十分な高温(1600゜Fすなわち871℃以上)にあ
って、且つ十分に長い時間(0.5秒間以上)にわたって
保たれる。
燃焼空気の第二部分を第二燃焼域に導入すると乱流が生
じる。燃焼空気の第二部分が第二燃焼域に導入される際
に石灰石粒子が燃焼空気の第二部分に導入されるので、
また燃焼空気の第二部分は非常な高速(例えば、5000フ
ィート/分)(1,524メートル/分)で第二燃焼域に導
入されるので、第二燃焼域全体にわたって石灰石粒子を
分散させるために石灰石粒子を比較的に高速度で第二燃
焼域入口まで輸送する必要はない。第二燃焼域における
石灰石粒子の分布は石灰石粒子を導入する燃焼空気の第
二部分の速度、ならびに第二燃焼域の乱流による影響を
受ける。石灰石粒子の供給量は石灰石粒子を第二燃焼域
入口まで輸送できるだけの速度に見合えばよい。これは
石灰石粒子を濃厚相輸送することで達成される。
石灰石粒子は燃焼空気の第二部分と予混合しないので、
石灰石粒子を高速の燃焼空気で輸送する際に生じるよう
なエロージョンあるいは栓塞等の問題は起こらない。従
って、燃焼空気はエロージョンあるいは栓塞に関する考
慮に制限されることなく、高速で輸送してもよく、また
燃焼空気量は、石灰石輸送に関する考慮に制限されるこ
とがない。石灰石粒子は、濃厚相輸送によって運搬され
るため、粒子は第二燃焼域の多数の出口について、任意
の望ましい程度に、正確に分流することができる。本発
明の従って運転するボイラーの煙突から排出される煙道
ガスのSO2含有量は、400〜500ppmである。
(実施例) 以下に本発明の実施例について添付図面にもとずいて詳
細に説明する。
第1図は、本発明にもとずく装置の縦断面図であり、第
2図は、第1図に示した装置の一部分の拡大部分図であ
る。
第1図において、全体を10で示すものは,燃料を燃焼さ
せて水を加熱し蒸気を発生させるボイラーの一実施例で
ある。第1図に示す実施例は縦置型である。ボイラー10
は、11で示す燃焼室を有し、この燃焼室11は、それぞれ
12、13で示す第一燃焼域と第二燃焼域を有する。燃焼室
11は、従来どおりに、熱交換壁24によって構成され、熱
交換壁の反対側には水が流れ、燃焼反応によって発生し
た熱を燃焼室11から吸収する。例えば、熱交換壁24は水
が中を流れる縦管をリング状にまとめたものでもよい。
第一燃焼域12と連絡するのは、複数本の縦方向に間隔を
置いて設けたノズル16、17、18であり、燃料ならびに一
次空気を第一燃焼域12に導入する。配管15が、それぞれ
の分岐配管116、117および118を経て、各ノズル16、1
7、18と連結し、燃料および一次空気をノズルに導入す
る。ノズル16、17、18の周囲に隣接して、開口21、22、
23があり,二次空気を燃焼室に導入する。一般には、第
1図の各々の縦方向の高さには、2つのノズルと2つの
開口があり、それぞれが計6個となる。開口21〜23は、
加圧されたウインドボックス19と連結し、このウインド
ボックスは、予熱された空気をウインドボックス19に導
入する導管20の上流端と連結する。
ウインドボックス19の上流端は、ウインドボックス延長
部26に予熱された空気を送る導管25と連結する。ウイン
ドボックス延長部26は、周辺に間隔を置いて設けた一連
の開口27と連結し、これらの開口は第二燃焼域13に三次
空気を導入する。第1図には、1つの開口27を示しただ
けであるが、同じ縦方向高さには、普通には6個の同じ
ような開口が設けられている。第二燃焼域13および管状
開口27はノズル16〜18の全ての上方に間を置いて設けら
れ、それらから下流方向に比較的に離れた位置にある。
管状開口27内に実質的に同軸上に配管28を配置し、配管
28は開いた下流の開口端29で終わる。配管28は、三次空
気流が第二燃焼域13に入る際に、三次空気流に石灰石粒
子を注入するのに用いる。粒子が開口端29から第二燃焼
域13に入る前には、配管28において石灰石粒子と三次空
気は予混合されない。
周辺に間隔を置いて設けた6個の三次空気用開口27を用
いた典型的な実施態様において、配管28は、6個の開口
部のうち4個と連結させることができる。4個の周辺に
間隔を置いて設けた開口27から石灰石粒子を導入するこ
とによって、1個ないしは2個の開口から導入する場合
と較べて、石灰石粒子は第二燃焼域13の水平方向に広範
囲に分散される。
石灰石粒子はホッパー30に貯蔵される。ホッパー30は、
ホッパー30から下方に配管28まで延びる導管31に石灰石
粒子を送る。配管28には導管32が接続し、この導管32の
中を輸送ガスが流れ、石灰石粒子をホッパー30から配管
28を通して輸送する。石灰石粒子は,燃焼室におけるか
焼によって石灰粒子を生成するのに望ましい物質であ
る。その他の細かく分割された物質で、第二燃焼域にお
ける加熱によって石灰粒子を形成するものとして以下の
ものがある。このような物質には、水酸化カルシウム
(Ca(OH))及びドロマイト(CaMg(CO3)等が
あり、これらをか焼すると、石灰約80重量パーセントお
よびMgO約20重量パーセントの反応生成物を生じる。MgO
は、一般に本発明の方法においてはSO2の除去にはそれ
ほど関与しない。
燃焼反応ガスは燃焼室11で発生し、上方に(下流方向)
流れ、ボイラー10で発生した蒸気を過熱する一次過熱器
35および二次過熱器36を通過する。燃焼反応ガスすなわ
ち煙道ガスは、次に導管37を通って下流に流れる。導管
37は、煙道ガスから粒子を取り除くための従来型の装置
(図示されていない)、さらに、最終的には導管20なら
びに配管15を通る空気を予熱するための従来型熱交換装
置(図示されていない)に接続される。最終的には冷却
された清浄な煙道ガスが、煙突(図示されていない)か
ら大気中に放出される。ボイラー10の底部には、燃焼室
11での燃焼反応において発生した灰分粒子を除去するた
めの開口部38を設ける。
本発明によると、一次空気と硫黄含有燃料の混合物は配
管15を通って、ノズル16〜18に流入する。硫黄含有燃料
は、例えば石炭、重油あるいはコークス炉ガスであって
もよい。一次、二次および三次空気の総量は、ノズル16
〜18から導入される燃料を燃焼するのに必要な化学量論
的量を上回る。一般的には、全燃料を燃焼するのに必要
な化学量論的量を、約3%上回る酸素含有量を十分にも
たらす空気がある。燃焼空気の主要部分はノズル16〜18
および開口21〜23を通り、燃料と共に、あるいは燃料の
すぐ近くで第一燃焼域12に導入され、少なくとも部分的
に燃料を燃焼する。空気の第二部分は,空気の残り部
分、すなわち三次空気から成り、オーバーファイヤー空
気として、開口27を経て燃焼室の第二燃焼域13に導入さ
れる。少なくとも幾分かの燃焼が第一燃焼区域12で起こ
り、第一燃焼域の内容物は、燃焼反応生成物、ならびに
未燃燃料がある場合にはこれも含めて、第一燃焼域12か
ら下流の第二燃焼域13に流れる。第一燃焼域12で発生し
た火炎は、均一でない火炎面として、下流の第二燃焼域
の方向に延びる。この火炎面内には、火炎面を横切る他
の温度よりも高いピーク火炎温度がある。ピーク火炎温
度を緩和し、かつ第二燃焼域13に比較的に均一な火炎面
をもたらすために、空気の第二部分をある位置(開口部
27)に、これらの目的を達成する速度(例えば5,000フ
ィート/分)(1,524メートル/分)において導入す
る。その結果得られた均一な火炎面42を第2図に示す。
この火炎面内においては、ピーク火炎温度は緩和されて
いる。これらの結果を得るために必要な空気の第二部分
の最低速度は、約2,500フィート/分(762メートル/
分)である。第二燃焼域13を通るガスは二酸化硫黄を含
む。二酸化硫黄を硫酸カルシウムに変換するには、細か
く分割された石灰石粒子を空気の第二部分と共に、ある
いは空気の第二部分の働きで第二燃焼域13に導入する。
第2図に示すように、石灰石粒子の流れ33は配管28の下
流開口端29から第二燃焼域13に入る。開口27から第二燃
焼域13に入る空気の第二部分は、第二燃焼域を通って下
流に流れるガスの全体に石灰石粒子を分散させる。第二
燃焼域に入る石灰石粒子は第一燃焼域12の下流で瞬間的
にか焼され、石灰粒子を生成する。この石灰粒子は、燃
料と反応するのに必要な化学量論的量を上回る空気が存
在する下では、存在する全二酸化硫黄量の少なくとも一
部と反応し、硫酸カルシウムを生成する。第二燃焼域13
の内容物は第一ならびに第二燃焼域12、13から下流に流
れる。第一燃焼域12の平均温度は石灰石ならびに石灰粒
子の焼結温度(1316℃すなわち2400゜F)を上回る。空
気の第二部分の位置と速度は、第一燃焼域12の下流に平
均燃焼過程程度範囲が来るようなものであり、石灰石お
よび石灰粒子の焼結温度を下回り、かつ硫酸カルシウム
が石灰および気体状の硫黄酸化物に分解する温度(1349
℃すなわち2460゜F)を下回る。焼結は、焼結の結果得
られる石灰粒子の表面積を低減し、石灰粒子はその反応
性が低下することから好ましくない。したがって、第二
燃焼域13の内部およびその下流の温度は、細かく分割さ
れた石灰石粒子の瞬間的なか焼には十分な高さである
が、その結果得られた石灰粒子の焼結を避けるのに十分
な低さである。
平均燃焼過程温度範囲は、約1600゜F〜2400゜F(871
℃〜1316℃)である。この温度は十分に高く、かつ第一
燃焼域12の下流で生成された石灰が、石灰と二酸化硫黄
ガスがその温度範囲にある間は望ましい量の二酸化硫黄
ガスと反応するのに十分な時間にわたって維持される。
石灰および二酸化硫黄ガスは、0.5秒以上、望ましくは
少なくとも1.5秒のあいだ平均燃焼過程温度範囲にあ
る。石灰石粒子は0.1秒未満で石灰粒子に瞬間的にか焼
され、粒子が温度範囲1600゜F〜2400゜F(871℃〜131
6℃)にある残りの時間は二酸化硫黄との反応が起こる
時間である。1600゜F(871℃)未満では、二酸化硫黄
を硫酸カルシウムに変える反応は、非常に遅く実用的で
はない。二酸化硫黄および石灰が望ましい平均燃焼過程
温度範囲1600゜F〜2400゜F(871℃〜1316℃)にある
時間は,過剰空気量の低減(例えば、3%から1.5%
に)、蒸気発生量(すなわち、燃焼室12の熱交換壁24あ
るいは一次過熱器35および二次加熱器36を通る熱交換
量)の低減、燃焼室から下流に流れるガス速度の低減等
によって延長することができる。
上述したように、第二燃焼域13に導入された石灰石粒子
は、導管32から送られる輸送ガスによって燃焼域まで輸
送される。石灰石粒子は第二燃焼域13に入るために、輸
送ガスによって石灰石粒子を第二燃焼域に運ぶには十分
な速度ではあるが、第二燃焼域全体に石灰石粒子を分散
させるには意図的に不十分な速度で輸送される。これに
よって配管28に導入される空気量は最小限となり、それ
ゆえ、燃焼室に導入される余分な空気量も最小となる
が、以下にこの利点についてより詳しく述べる。
第二燃焼域全体への石灰石粒子の分配は、開口27から導
入される高速の空気によって行う。この空気は、第一燃
焼域12からの火炎を緩衝するだけでなく、石灰石粒子を
第二燃焼域に吸引し、第二燃焼域全体に分散させる速度
をもつ。第2図を説明する。空気の高速の第二部分が第
二燃焼域を水平方向に横切る場合には、粒子の分散は少
なくとも部分的にせよ乱流43によって増進される。
望ましくは、石灰石粒子は、濃厚相輸送により、第二燃
焼域13まで、すなわち管28の開口端まで運ぶべきであ
る。これは、導管31から配管28に入る石灰石粒子と、濃
厚相輸送を行う量の輸送空気との混合によって達成され
る。濃厚相輸送に必要な最小の固体対気体比はおおよそ
20対1であり、本発明で用いる一般的な比率は、約90対
1である。最大粒度が湿式ふるい分けで100メッシュ未
満の石灰石粒子の濃厚相輸送を行うのに必要な最小速度
は、約300フィート/分(91メートル/分)である。導
管32の一般的なガス圧は、15〜30psig(103.5〜207kP
a)である。
『湿式ふるい分け』という用語は、ふるい分けに先立
ち、石灰石粒子を水に浸すことに基づくが、これによっ
て、水に浸した結果、塊状集積した粒子をふるい分けて
除去することができる。石灰石粒子が配管28から管開口
端29に運ばれる速度は、例えば300フィート/分(91メ
ートル/分)から10,000フィート/分(3,048メートル
/分)というような大幅な範囲にわたって変化するが、
燃焼域13内の石灰石粒子の分布にはほとんど影響を及ぼ
さない。これは、一般に速度5,000フィート/分(1524
メートル/分)で開口27に導入される三次空気が第二燃
焼域13における石灰石粒子の分散を全て負い、配管28内
の速度が10,000フィート/分(3,048メートル/分)で
あってもこれが変わらないからである。配管28内の粒子
速度は、第二燃焼域13における石灰石粒子の分布には殆
ど関係しない。というのは、配管28中を移動する空気の
相対量は配管28内の空気速度にかかわらず、開口27から
第二燃焼域13に入る三次空気量と比較すると僅かだから
である。配管28の直径は図示の便宜上誇張してあり、図
からは明瞭ではないが、三次空気が輸送される部分25〜
27の断面積は配管28の断面積よりずっと大きい。各々の
直径が約9インチ(229cm)の6個の開口27があり、一
方、各々の直径が1.5インチ(38cm)管28は4本だけで
ある。後者の全断面積は前者の全断面積の2%未満であ
る。したがって、できるだけ低い速度、例えば単に濃厚
相輸送を行うのに十分なだけの速度を、配管28内で用い
ることができる。第二燃焼域13における粒子分布の観点
から、配管28内で高速度を用いる場合に得られる分布と
比較すると、低速度の場合とで基本的には差異はない。
実質的には、燃焼時に石灰石粒子を導入ならびに分散さ
せるには余分な空気は使用しない。これは、開口27にお
いて石灰石の導入および分散機能を行う空気の第二部分
は、石灰石注入を行わない場合には通常は燃焼の目的に
使用するためである。本明細書においては、『余分な』
空気とは、燃焼の目的に通常使用される空気に付加され
る空気のことである。配管28における石灰石粒子の濃厚
相輸送に用いる空気量は、ノズル16〜18の開口21〜23お
よび開口27から導入される主要空気部分および第二空気
部分と比べると僅かである。
上述したように、石灰石粒子と燃焼空気の第二部分がそ
れぞれ開口27および開口端29から第二燃焼域13に入る前
には、石灰石粒子と燃焼空気の第二部分の予混合は行わ
れない。したがって、燃焼空気の第二部分は、ピーク火
炎温度の緩和、粒子混合および分散作用を行うのに必要
な高速で第二燃焼域13に導入することができる。しか
し、導管25、延長部26あるいは開口27は、石灰石粒子の
流れがないためにエロージョンまたは栓塞の問題が生じ
ない。開口27に導入される燃焼空気の速度および量は、
石灰石輸送の面からは影響されない。
石灰石粒子は、例えば約360フィート分(110メートル/
分)といった比較的低速度で、濃厚相輸送によって配管
28内を移動する。このような低速度では配管28には比較
的にエロージョンが起こりにくく、配管28の栓塞の可能
性も大幅に減少する。栓塞の可能性は粒子移動速度と共
に高まる。第二空気部分の速度は、2,500〜5,000フィー
ト/分(762〜1524メートル/分)であり、導管25内を
移動する粒子速度は、配管28内よりもずっと速いために
予混合を行った場合には栓塞の可能性が大幅に増大す
る。石灰石粒子が、例えば固体対気体比が90〜100対1
あるいはそれ以上というような濃厚相輸送によって移動
する場合には、石灰石粒子の流れは、単に支流導管の流
れを制御するだけで正確に分流することができる。例え
ば、2つの支流導管を等しい断面積にすることによっ
て、濃厚輸送される流れを2つの等しい流れに分流する
ことができる。しかしこの特性は希薄輸送では得られな
い。
先に述べたように、二酸化硫黄の硫酸カルシウムへの変
換に影響する一要素は、石炭粒子の反応性である。石炭
の表面積が大きいほどその反応性も大きい。本発明によ
ると、望ましい表面積は、湿式ふるい分けで100メッシ
ュ未満(150ミクロン未満)の石灰石粒子を供給するこ
とによって得られる。望ましくは,石灰石粒子の大きさ
は、湿式ふるい分けで約5ミクロンから100メッシュ未
満の範囲であり、二酸化硫黄ガスを必要な程度まで除去
するのに必要とされる反応を十分に行うことができる。
一般に、石灰石粒子は、湿式ふるい分けで200メッシュ
(75ミクロン未満)より小さいものが約70%を占める。
ある大きさの石灰石粒子に十分な反応性が得られない場
合には、その他の全ての要素は変えずに,粒子の大きさ
を低減することによって反応性を上げることができる。
粒子の大きさを低減することによって石灰の表面積が増
し且つ粒子の分布はよくなるが費用も増加する。一般
に、必要な量のSO2を除去する最も粗大な粒子の大きさ
を用いるが、その範囲は約5ミクロンから100メッシュ
未満である。注入する石灰石の量は、硫酸カルシウムに
変換しなければならない二酸化硫黄の量によって異な
り、この変換すべき量は煙道ガスの最初の二酸化硫黄含
有量および最後の望ましい二酸化硫黄含有量によって異
なる。一般的にカルシウム対硫黄の比率が大きくなると
二酸化硫黄の除去効率が増大するが線形的には増大しな
い。
開口27から第二燃焼域13に入る空気の第二部分は予熱を
行うが、第一燃焼域12から第二燃焼域13に入るガスの温
度と比べると、空気の第二部分の温度は比較的に低い。
石灰石粒子は、第二空気部分を構成する空気流とともに
第二燃焼域に入る。既に述べたように、下流の第二燃焼
域に向かって流れる第一燃焼域内の内容物中にはピーク
温度があり、石灰石粒子の焼結を生じるのに十分な高温
である。空気の第二部分は開口27を通って入り、前述し
たピーク温度の影響から石灰石粒子を守り、石灰石粒子
の焼結を防ぐ。
ボイラーの燃焼室に石灰石を注入することには前述した
以外の利点がある。ボイラーの運転中には、通常はすす
等が、例えば第二燃焼域13のボイラーの内壁面に付着す
る。普通は、すす吹きとして知られる方法を用いてこれ
らの付着物を除去する。この方法はボイラー内に蒸気を
吹き込み、これによって付着物を洗浄するものである。
この手順はボイラーの運転中に定期的に行われる(例え
ば、一回に30分ないし1時間をかけ、日に3回から6
回)。石灰石を開口27から第二燃焼域13に注入すると、
第二燃焼域13で形成される粒子の幾分かが付着物に必ず
混じる。石灰が混じると付着物は砕けやすくなり洗浄が
容易となる。さらに、すす吹きによってボイラー壁から
付着物が除去される際に、石灰は沈着物から第二燃焼域
13ならびにその上方に導入され、その結果SO2と洗浄さ
れた沈着物中の石灰とが反応するためにSO2の含有量は
低下する。SO2の除去はすす吹き中は5〜10%(100%ベ
ースにおいて)増加する。言い換えると、すす吹きの前
にSO2が40%除去される場合には、すす吹きの間にはSO2
は45〜50%除去される。これによってすす吹きの際に
は、SO2の除去量を低減することなく開口端29から注入
する石灰石の量を低減することができる。その上、開口
端29における石灰石の注入が一時的に停止された場合に
も、ボイラー壁の内面上の付着物に石灰が含まれている
のでSO2の除去は継続する。特にSO2は付着物に吸収さ
れ、そこで石灰と反応して硫酸カルシウム(CaSO4)を
形成する。石灰石注入の停止時期の最初に約5〜7%の
SO2が除去される場合、この除去は最長3日間まで持続
するが、その間にSO2除去量は次第に低減する。したが
って、例えば保守、整備等のために石灰石注入装置を運
転休止する必要がある場合にもSO2の除去は少なくとも
ある程度は、しばらくのあいだ継続する。石灰石注入を
停止している間はすす吹きを抑制して付着物あるいは付
着物の一部、そしてそのSO2吸収機能をこの期間中保持
する必要がある。例えば、付着物へのSO2の吸収がしば
らく続いた後は付着物の外側層に硫酸カルシウムが蓄積
する。この外側層だけを除去し、硫酸カルシウムを含ま
ない新鮮な外側層を露出させるのに足る短時間のすす吹
きが必要になろう。1回のすす吹き作業によって全付着
物を除去することは望ましいことではない。付着物の最
も内側の層のSO2吸収特性が費消された時に、すす吹き
を用いた付着物の除去は完了することになる。
石灰石注入によって得られる別の利点は、燃焼室と下流
構成機器の双方を含めて、全ボイラーシステムから酸を
除くことである。燃焼反応によって酸が生成する可能性
がある。これらの酸は主に硫酸であるが塩酸および硝酸
も生じる。煙道ガス中の酸がシステムのいずれかの箇所
で凝結すると、その他のものとともにシステムの構成装
置を激しくエロージョンさせる可能性があるので好まし
くない。例えば、煙突の排気温度を300゜F〜350゜F
(148℃〜177℃)にするなど、煙道ガスの排気温度を酸
の露点より高くする方法でボイラーシステムを運転する
ことが従来行われている。これによって酸がシステム中
のどこかで煙道ガスから凝結することは防げるが、この
ため、例えば蒸気発生等の別の部分における熱利用が犠
牲にされる。石灰石注入は酸を中和する石灰を形成す
る。したがって、煙道ガスからの酸の凝縮は問題ではな
く、煙道ガスを酸の露点より高い排気温度に保つ必要は
ない。その結果、システムを例えば110゜F〜250゜F
(43℃〜121℃)のような低い煙突排気温度で運転する
ことができる。
(発明の効果) 以上のようにこの発明によれば燃焼用空気の速度および
量は石灰石輸送の面からは考慮しなくてもよいので、高
速・大量の燃焼用空気を燃焼室に吹き込むことができ、
火炎のピーク温度を緩和し、石灰粒子の焼結化の防止お
よび硫酸カルシウムの分解防止を図ると共に燃焼域全体
に渡って石灰石粒子を分散させることが可能となる。さ
らに本発明によれば、石灰石輸送のための空気の速度、
量は低速・少量でよいので石灰輸送配管のエロージョン
・栓塞が起こりにくいと共に、燃焼目的以外の余分な空
気量による蒸気発生への悪影響を最小限に抑えることが
出来る。また石灰石粒子が濃厚相輸送されるため、支流
配管の断面積を制御することにより、正確に分流するこ
とが出来る。この特性は希薄相輸送によっては得られな
い。さらに、本発明によれば燃焼室内壁面に付着する付
着物に石炭が混入するため、付着物が砕けやすく洗浄が
容易で、すす吹き作業中においても、二酸化硫黄の除去
が進行し、燃焼システム中の酸は石灰により中和されて
いるので、煙道ガスの温度を酸露点より高くする必要は
なく、より多くの熱を煙道ガスから抽出して蒸気を発生
させることが出来る。前述の詳細な説明は、明確な理解
を得るためにのみされたものであり、当業者にとって変
更は容易と思われ、何ら不必要な限定はされない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にもとずく装置の縦断面図であり、第2
図は第1図に示した装置の一部分の拡大部分図である。 10……ボイラー、11……燃焼室、12……第一燃焼域、13
……第二燃焼域、15、28……配管、16、17、18……ノズ
ル、19……ウインドボックス、20、25、31、32、37……
導管、21、22、23、27、38……開口、24……熱交換壁、
26……ウインドボックス延長部、29……開口端、30……
ホッパー、33……石灰石粒子の流れ、35……一次加熱
器、36……二次加熱器、42……均一な火炎面、43……乱
流、116、117、118……分岐配管。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫黄含有燃料および燃焼用空気を閉じた燃
    焼室の第一燃焼域に導入しするステップと、二酸化硫黄
    (SO2)を含有する燃焼反応ガスの下流への流れを生成
    するステップと、前記燃焼反応ガス中の二酸化硫黄(SO
    2)含有量を実質的に低減するに十分な量の、か焼され
    て石灰を形成しうる細かく分割された粒子を、前記燃焼
    室の前記第一燃焼域の下流にある第二燃焼域に導入する
    ステップ、とからなる燃焼方法であって、 前記粒子とキャリアガスとの混合物を固体と気体との比
    がすくなくとも20対1である濃厚相輸送によって前記第
    二燃焼域まで輸送し、 前記キャリアガスが、前記粒子を前記第二燃焼域全体に
    分散させ得ないものであり、 前記粒子を前記第二燃焼域に導入し且つ第二燃焼域全体
    に分散させるために、前記濃厚相輸送に用いられない付
    加量のガス、すなわち空気を前記混合物に加える、 ことを特徴とする燃焼方法。
  2. 【請求項2】前記付加量のガスがオーバーファイヤー燃
    焼空気である特許請求の範囲第1項に記載の燃焼方法。
  3. 【請求項3】前記燃焼室における、前記粒子が第二燃焼
    域に導入される部位の下流の部分にいかなる空気も導入
    せず、前記キャリアガスが空気であり、また前記粒子に
    大量の余分な空気を導入しないことを特徴とする特許請
    求の範囲第1項または第2項に記載の燃焼方法。
  4. 【請求項4】前記燃焼の燃焼のために低窒素酸化物(NO
    x)バーナーシステムを用い、前記オーバーファイヤー
    燃焼空気を前記低窒素酸化物(NOx)バーナーシステム
    の一部として用い、前記オーバーファイヤー燃焼空気が
    前記燃焼室に前記粒子を導入するための唯一の付加ガス
    であることを特徴とする特許請求の範囲第2項または第
    3項に記載の燃焼方法。
  5. 【請求項5】前記オーバーファイヤー燃焼空気が、前記
    燃焼室に前記粒子を導入するための唯一の付加ガスであ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載の燃焼
    方法。
  6. 【請求項6】前記粒子輸送過程が、粒子を第二燃焼域ま
    で輸送するには足る速度であるが粒子を第二燃焼域全体
    に分散させるには不十分な速度であり、前記付加ガス
    が、前記粒子にそれが第二燃焼域全体に分散するに十分
    な速度を与えることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    に記載の燃焼方法。
  7. 【請求項7】前記粒子に大量の余分な空気を導入しない
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の燃焼方
    法。
  8. 【請求項8】大量の余分な空気が、 (a)前記粒子、または、 (b)前記粒子が第二燃焼域に導入される部位の下流、 には導入されないことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項に記載の燃焼方法。
  9. 【請求項9】前記燃焼室が内壁面をもち、燃焼中に前記
    第二燃焼域の前記内壁面に付着物が形成され、前記粒子
    から形成された石灰が前記付着物中に取り入れられ、す
    す吹きを用いて前記付着物を取り除き、該すす吹きの結
    果、前記付着物からの石灰は前記燃焼室に導入され、 前記方法は,前記すす吹き過程の際に,前記第二燃焼域
    に導入される前記石灰形成物質の量を、すす吹き過程の
    前に得た二酸化硫黄含有量の低減を実質的に阻害せずに
    低減することを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の燃焼方法。
  10. 【請求項10】前記燃焼室が燃焼システムの一部であっ
    て、前記燃料の燃焼によって前記燃焼システム内に酸が
    形成され、該酸は前記石灰によって中和され、さらに、
    前記燃焼反応ガスが,前記酸の露点を下回る温度で燃焼
    システムから排出されることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項に記載の燃焼方法。
  11. 【請求項11】前記煙道ガスが250゜F(121℃)を下回
    る温度で燃焼システムから排出されることを特徴とする
    特許請求の範囲第10項に記載の燃焼方法。
  12. 【請求項12】前記燃焼室が内壁面を有し、燃焼中に前
    記第二燃焼域の前記内壁面に付着物が形成され、前記粒
    子から形成された石灰は前記付着物中に取り入れられ、
    前記石灰形成物質を導入する過程は、しばらく実施され
    た後に一時的に停止され、少なくとも前記SO2の幾分か
    が、前記一時的な停止期間の少なくとも初期において、
    前記付着物中の石灰によって吸収され、さらに、前記SO
    2が前記付着物中に吸収される間は、すす吹きを延期さ
    せることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の燃
    焼方法。
  13. 【請求項13】前記すす吹きをしばらくの間延期した後
    に、すす吹きを部分的にのみ実施して前記付着物の外側
    層だけを除去し、付着物の新しい外側層を露出させてSO
    2を吸収することを特徴とする特許請求の範囲第12項に
    記載の燃焼方法。
  14. 【請求項14】前記燃焼反応ガスから粒子を除去するた
    めに前記第二燃焼域の下流に電気集塵機を備え、前記燃
    焼室に前記粒子とともに導入される空気の量は、前記電
    気集塵機の粒子除去機能にとって実質的に不利な作用を
    及ぼすには不十分であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項に記載の燃焼方法。
  15. 【請求項15】硫黄含有燃料および燃焼用空気を燃焼室
    の第一燃焼域に導いて二酸化硫黄(SO2)を含有する燃
    焼反応ガスを下流に流し、前記燃焼反応ガス中の二酸化
    硫黄(SO2)含有量を実質的に低減するに十分な量の、
    か焼されて石灰を形成しうる細かく分割された粒子を、
    前記燃焼室の前記第一燃焼域から下流にある第二燃焼域
    に導入し、前記粒子を前記第一燃焼域の下流においてか
    焼することにより、現存するSO2の少なくとも一部に作
    用して硫酸カルシウム(CaSO4)を生成する石灰(CaO)
    を生成する工程を含み、さらに、下記工程(a)、
    (b)、(c)、すなわち、 (a)燃焼中に前記燃焼室の内壁面に付着物を形成し、
    前記粒子から得られた石灰を前記付着物中に取り入れ、
    前記付着物が蓄積した後にすす吹きを行って前記内壁面
    から前記付着物を除去し、さらに,前記すす吹き過程の
    際に,前記第二燃焼域に導入される前記石灰形成物質の
    量を、すす吹き過程の前に得た二酸化硫黄含有量の低減
    を実質的に阻害することなく低減する工程、 (b)前記燃焼室を有する燃焼システム内において、前
    記燃焼工程の結果として酸を生成し、前記酸を前記石灰
    で中和し、前記酸の露点を下回る温度において,前記燃
    焼システムから前記燃焼反応ガスを排出する工程、 (c)燃焼中に前記燃焼室の内壁面に付着物を形成し、
    前記粒子から得られた石灰を前記付着物中に取り入れ、
    前記導入過程はしばらく実施された後に一時的に停止さ
    れ、少なくとも前記SO2の幾分かが前記一時的な停止期
    間の少なくとも初期において前記付着物中の石灰によっ
    て吸収され、前記付着物の除去のためにすす吹きが用い
    られ、前記SO2が前記付着物中に吸収される間はすす吹
    きを延期する工程、 のうち少なくとも一つを含んでいることを特徴とする燃
    焼方法。
  16. 【請求項16】含まれる工程が前記工程(b)であり、
    前記燃焼反応ガスが250゜F(121℃)を下回る温度で燃
    焼システムから排出されることを特徴とする特許請求の
    範囲第15項に記載の燃焼方法。
  17. 【請求項17】含まれる工程が前記工程(c)であり、
    前記すす吹きをしばらくの間延期した後に,すす吹きを
    部分的にのみ行い,前記付着物の外側層だけを除去し、
    さらに付着物の新しい外側層を露出させてSO2を吸収さ
    せることを特徴とする特許請求の範囲第15項に記載の燃
    焼方法。
  18. 【請求項18】第一燃焼域と該第一燃焼域の下流に位置
    する第二燃焼域とを備えた燃焼室を画する手段と、 硫黄含有燃料および燃焼用空気を前記第一燃焼域に導入
    する手段と、 第一導管手段を有し、細かく分割された粒子とキャリア
    ガスとの混合物を固体と気体との比がすくなくとも20対
    1である濃厚相輸送によって前記第二燃焼域まで輸送す
    る手段と、 前記粒子を前記第二燃焼域に導入し且つ第二燃焼域全体
    に分散させるために、前記濃厚相輸送に用いられない付
    加量のガス、すなわち空気を前記混合物に加える手段 とを有してなる燃焼装置。
  19. 【請求項19】前記付加量のガスを前記混合物に加える
    手段が、オーバーファイヤー燃焼空気を前記第二燃焼域
    に導入するための第二導管手段を有していること を特徴とする特許請求の範囲第18項に記載の燃焼装置。
  20. 【請求項20】前記オーバーファイヤー燃焼空気を導入
    するための手段が、前記混合物に付加量ガスを加えるた
    めの唯一の手段である特許請求の範囲第19項に記載の燃
    焼装置。
  21. 【請求項21】前記第二導管手段が、前記配置における
    前記第一導管手段を取り囲んでなる特許請求の範囲第19
    項に記載の燃焼装置。
  22. 【請求項22】前記燃料を燃焼するのための低窒素酸化
    物(NOx)バーナーシステムと、 該低窒素酸化物(NOx)バーナーシステムの部分である
    オーバーファイヤー燃焼空気を導入するための前記手段
    と、 前記混合物に付加量ガスを加えるための唯一の手段であ
    る前記オーバーファイヤー燃焼空気を導く手段 とを有してなる特許請求の範囲第19項に記載の燃焼装
    置。
  23. 【請求項23】大量の余分な空気を (a)前記粒子に、または、 (b)前記粒子が第二燃焼域に導入される部位より下流
    に、 導入するためのいかなる構成も有していないことを特徴
    とする特許請求の範囲第18項または第19項に記載の燃焼
    装置。
  24. 【請求項24】前記第一導管手段が、テーパー状にされ
    ていないその下流端で終わっていることを特徴とする特
    許請求の範囲第18項または第21項に記載の燃焼装置。
JP62175805A 1986-07-14 1987-07-14 煙道ガス中の二酸化硫黄含有量を低減する燃焼方法ならびに装置 Expired - Lifetime JPH0743094B2 (ja)

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