JPH0742673A - 真空装置の冷却構造 - Google Patents

真空装置の冷却構造

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JPH0742673A
JPH0742673A JP5188363A JP18836393A JPH0742673A JP H0742673 A JPH0742673 A JP H0742673A JP 5188363 A JP5188363 A JP 5188363A JP 18836393 A JP18836393 A JP 18836393A JP H0742673 A JPH0742673 A JP H0742673A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、改良や取り付けの容易な真空装置
の冷却構造を提供することを目的とする。 【構成】 本発明に係る真空装置の冷却構造は、真空チ
ャンバ2に設けられた真空チャンバ用フランジ21と、
クライオポンプ3に設けられたクライオポンプ用フラン
ジ31との間に固定用シールを兼ねるように外枠部11
が挾まれて設けられており、外枠部11に囲まれた仕切
部に真空チャンバ2からクライオポンプ3に向かってガ
スが流通するための開口が貫通して形成され、外枠部1
1は少なくとも外周面の一部が露呈されている冷却パネ
ル1と、冷却パネル1の露呈された外周面に接して設け
られた冷却パイプ61と、冷却パイプ61内に冷却用媒
体を供給する冷却用媒体供給手段とを含む冷却パネル1
を冷却する冷却手段とを備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空チャンバ内から吸
引ポンプに流通するガスや輻射熱などの熱負荷を冷却す
る真空装置の冷却構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、図5に示すようなクライオポ
ンプ3を用いて真空チャンバ2内のガスを吸引し、真空
チャンバ2内を真空状態にするものがある。このように
クライオポンプ3を用いた真空チャンバ2では、クライ
オポンプ3への熱負荷を低減するために、ヒートシール
ド41等を用いてガスに含まれる熱や輻射熱を放熱させ
ることにより、クライオポンプ3への熱を遮断している
ことが多い。この場合には、通常、ヒートシールド41
による冷却効率を向上させるため、冷却水等によりヒー
トシールド41を冷却している。
【0003】ここで、図5に示すように、ヒートシール
ド41は真空チャンバ2内にあるため、ヒートシールド
41を冷却するための冷却水を循環させる冷却パイプ4
2は真空チャンバ2内に引き込む必要があった。このた
め冷却パイプ42を真空チャンバ2内に通すための穴を
真空チャンバ2に設けなければならず、また、この穴に
冷却パイプ42を通した後にシール部材43によってこ
れをシールすることで真空チャンバ2内の真空状態が保
たれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、真空チャンバ
2を頻繁に使用することで、真空チャンバ2と冷却パイ
プ42との間に用いられたシール部材43が痛んだり破
損したりすることがあった。このため、冷却パイプ42
を通すために設けた穴から外部の空気が入り込んでしま
い、真空状態を保てないという問題があった。また、シ
ール部材43を必要とすることから、真空チャンバ2の
構成が複雑になるという問題もあった。ヒートシールド
41や冷却パイプ42にのみに故障があった場合でも、
真空チャンバ全体を交換しなければならないという問題
もあった。また、ヒートシールドが設けられていない真
空チャンバ2に新たにこれを設けようとする場合には、
真空チャンバ2の改良に非常な手間がかかるという問題
もあった。さらに、冷却パイプが破損した場合には、真
空チャンバ内に冷却水が漏れてしまう虞もある。
【0005】そこで、本発明は、上記問題点を解決する
真空装置の冷却構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明に係る真空装置の冷却構造は、真空チャン
バに設けられた真空チャンバ用フランジと、吸引ポンプ
に設けられた吸引ポンプ用フランジとの間に固定用シー
ルを兼ねるように外枠部が挾まれて設けられており、外
枠部に囲まれた仕切部に真空チャンバから吸引ポンプに
向かってガスが流通するための開口が貫通して形成され
た冷却パネルと、冷却パネルを冷却する冷却手段とを備
えることを特徴とする。
【0007】また、冷却パネルの外枠部は、少なくとも
外周面の一部が露呈されており、冷却手段は、冷却パネ
ルの露呈された外周面に接して設けられた冷却パイプ
と、冷却パイプ内に冷却用媒体を供給する冷却用媒体供
給手段とを有することが望ましい。
【0008】さらに、冷却手段は、冷却パネルの内部に
開けて設けられた管と、管内に冷却用媒体を供給する冷
却用媒体供給手段とを有しているものであってもよい。
【0009】
【作用】上記の構成によれば、真空チャンバ内のガスを
冷却する冷却パネルの外枠部は、真空チャンバ用フラン
ジと、吸引ポンプ用フランジとの間に挾まれて設けられ
た固定用シールを兼ねているので、外部からのガスの侵
入を防ぐことができ、かつ真空チャンバ用フランジと、
吸引ポンプ用フランジとの間に容易に取付けることがで
きる。
【0010】また、冷却用パネルの外枠部に囲まれた仕
切部には、真空チャンバから吸引ポンプに向かってガス
が流通するための開口が貫通して形成されているので、
吸引ポンプに送り出されるガスを冷却することができ
る。
【0011】さらに、冷却パネルの少なくとも外周面の
一部は露呈されており、冷却手段は、冷却パネルの露呈
された外周面に接して設けられた冷却パイプと、冷却パ
イプ内に冷却用媒体を供給する冷却用媒体供給手段とを
有していれば、冷却パイプは真空チャンバの外部に設け
られているので冷却パイプが破損しても真空チャンバ内
に冷却用媒体が漏れることがない。
【0012】
【実施例】以下、添付図面にしたがって、本発明に係る
いくつかの実施例について説明する。
【0013】図1および図2に基づいて、本発明の第1
実施例に係る真空装置の冷却構造ついて説明する。図1
に示すように、冷却パネル1は真空チャンバ2に設けら
れた真空チャンバ用フランジ21と、クライオポンプ3
に設けられたクライオポンプ用フランジ31とに挟まれ
る。この冷却パネル1の外周面には、銅からなる冷却パ
イプ61が密着して設けられている。なお、図2(a)
は、冷却パネル1の正面図であり、図2(b)は、冷却
パネル1の上面図である。
【0014】図1及び図2に示すように、この冷却パネ
ル1は、銅からなる円板に対して、フランジ21、31
の端面に接する外枠部11と、中心パネル12およびこ
れを外枠部11に連結して支持する4本の支持バー16
を残し、扇状の窓13を4つ開け設けた形状であり、フ
ランジ21、31の端面に接しない中心パネル12およ
び4本の支持バー16が仕切部となっている。このよう
に、仕切部が貫通口を有するように形成されることで、
ガスを流通させながら、これに接触するガスを冷却する
ように機能する。
【0015】また、冷却パネル1の外枠部11の表面お
よび裏面にはガスケットとして機能する環状の凸部14
が設けられている。この凸部14は、真空チャンバ用フ
ランジ21に設けられた図示しない溝およびクライオポ
ンプ用フランジ31に設けられた溝32と嵌合し、外部
の気体が内部に侵入することを防ぐと共に、内部の気体
が外部に漏れることを防ぐことができる。すなわち、こ
の冷却パネル1は外枠部11を有することにより、真空
チャンバ用フランジ21と、クライオポンプ用フランジ
31との固定用シールとしての役割をも有している。
【0016】なお、冷却パネル1の形状は図1及び図2
に示したものに限られず、図3に示すように、フランジ
21、31の端面に接する外枠部11と、フランジ2
1、31の端面に接しない仕切部17とを有し、この仕
切部17に複数の貫通穴15を設けたものを冷却パネル
としてもよい。さらに、円板に対して、フランジ21、
31の端面に接する外枠部と、フランジ21、31の端
面に接しない仕切部とを設け、この仕切部にある程度の
大きさの穴を開け設けてこの穴の内周面に複数の凹凸を
設けて、放熱面積を広げたものであってもよい。すなわ
ち、冷却パネル1に設けられるガスの通過する窓又は穴
はその形状が、これらに限定されるものではないことは
いうまでもない。
【0017】また、冷却パイプ61は、循環ポンプ62
を介して冷却水の貯えられた貯水タンク63と接続され
ている。なお、循環ポンプ62と冷却パイプ61との間
には、冷却水に蓄えられた熱を放出させるために図示し
ない熱交換器が設けられている。
【0018】なお、本実施例では、冷却パネルの外枠
部、仕切部および冷却パイプを構成する材料として銅を
用いているが、これらに使われる材料としては他の材料
を用いることができ、また、冷却パネルの外枠部、仕切
部および冷却パイプとを構成する材料が相互に異なるも
のであってもよいことはいうまでもない。また、冷却用
媒体としては、水を用いているが、これ以外に、窒素ガ
スやフロンガス等の通常、冷却用媒体として用いられる
ものならば本実施例で用いることができる。なお、水以
外の冷却用媒体を用いる場合には、それぞれの性質にみ
あった設備が必要となることはいうまでもない。
【0019】次に、本発明の第1実施例の動作について
説明する。まず、クライオポンプ3によって、真空チャ
ンバ2内のガスを吸引する。この時ガスは、冷却パネル
1に設けられた窓13を通過し、この窓13を通過する
際に冷却パネル1、特に、中心パネル12および4本の
支持バー16から構成される仕切部によって熱を奪われ
る。冷却パネル1は、外周面に設けられた冷却パイプ6
1内を循環する冷却水によって熱を奪われるので、窓1
3を通過するガスや輻射熱を連続して冷却することがで
きる。
【0020】また、冷却水は、貯水タンク63から循環
ポンプ62へ送られて、冷却パイプ61を循環させられ
ている。そして、冷却水は、熱交換器を通過することに
よって奪った熱を放出して、再び循環することで冷却パ
ネル1の熱を奪う。この動作を繰り返すことで、真空チ
ャンバ2からクライオポンプ3に吸引されるガスや輻射
熱が冷やされることになる。なお、このようにガスや輻
射熱を冷やすので熱負荷の大きいものに対しては特に効
果がある。
【0021】この冷却パネル1は、上述したように、外
枠部11が固定用シールとしても機能するので、外部か
らのガスの侵入を防ぎながら、冷却したガスをクライオ
ポンプ3に送り出すことができる。また、冷却パネル1
は、真空チャンバ用フランジ21とクライオポンプ用フ
ランジ31とに挟み込んで用いるものであるので、真空
チャンバ用フランジ21と、クライオポンプ用フランジ
31との間に容易に取付けることができるため、冷却パ
ネル1が故障した場合や後から冷却パネル1を取り付け
る場合にも真空チャンバ2を交換したり改良したりする
ことなく簡単に取り付けることができる。さらに、従来
技術のように、真空チャンバ内にヒートシールド等の装
置を設ける必要がないので真空チャンバ2自体の構成が
簡単になる。
【0022】さらに、冷却パイプ61は、固定用シール
を兼ねた冷却パネル1の外周面に設けられているので、
冷却パイプ61が破損しても真空チャンバ2内に冷却用
媒体が漏れることがない。
【0023】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。
【0024】第1実施例と第2実施例とで異なる点は、
冷却用媒体を循環させる構造にある。すなわち、第1実
施例では、冷却パネル1の外周面に冷却用パイプを設け
て、これに冷却用媒体である冷却水を循環させることで
冷却パネル1の熱を奪っていた。これに対し、第2実施
例では、図4に示すように、冷却パネルの十字形状の仕
切部18内にドリル等で穴を開けて管を形成し、これと
パイプ64とを接続して、冷却パネル1に設けられた管
に冷却水を循環させることで、冷却パネル1の内部、と
くに仕切部18から冷却パネル1の熱を奪っている点
で、第1実施例と相違する。但し、これ以外の点では、
第1実施例と共通し、特に、冷却パネルに用いる材料や
冷却用媒体として用いる材料についても共通する。
【0025】また、動作についても、第1実施例と共通
し、この冷却パネルを用いることによって真空チャンバ
2の構成を簡単にできる点、冷却パネルが固定用シール
として機能する点や、取り付けが容易な点等も共通す
る。
【0026】なお、本発明に係る技術は、クライオポン
プのみならず、他のポンプで真空チャンバ2内のガスを
吸引する場合にも用いることができる。
【0027】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、固定用シールを兼ねた冷却パネルによって、外
部からのガスの侵入を防ぎながら、冷却したガスを吸引
ポンプ(例えば、クライオポンプ)に送り出すことがで
きるので、真空チャンバ内の真空状態を確実に保つこと
ができる。また、冷却パネルは真空チャンバ用フランジ
と、クライオポンプ用フランジとの間に容易に取付ける
ことができることから、冷却パネルが故障した場合や後
から冷却パネルを取り付ける場合にも、真空チャンバを
交換したり改良したりすることなく簡単に取り付けるこ
とができる。さらに、従来技術のように、真空チャンバ
内にヒートシールド等の装置を設ける必要がないので真
空チャンバ自体の構成が簡単になる。
【0028】なお、真空チャンバ自体の構成が簡単にな
ることから、真空チャンバの内部表面積のアウトガスが
減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る真空装置の冷却構造
を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例に用いられる冷却パネルを
示す説明図である。
【図3】本発明の第1実施例に用いる他の冷却パネルの
一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施例に用いられる冷却パネルを
示す説明図である。
【図5】従来例に係る真空装置の冷却構造を示す一部破
砕斜視図である。
【符号の説明】
1…冷却パネル、11…外枠部、12…中心パネル、1
3…窓、15…貫通穴、16…支持バー、2…真空チャ
ンバ、21…真空チャンバ用フランジ、3…クライオポ
ンプ、31…クライオポンプ用フランジ、61…冷却パ
イプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高浜 宏行 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバに設けられた真空チャンバ
    用フランジと、吸引ポンプに設けられた吸引ポンプ用フ
    ランジとの間に固定用シールを兼ねるように外枠部が挾
    まれて設けられており、前記外枠部に囲まれた仕切部に
    前記真空チャンバから前記吸引ポンプに向かってガスが
    流通するための開口が貫通して形成された冷却パネル
    と、 前記冷却パネルを冷却する冷却手段とを備えることを特
    徴とする真空装置の冷却構造。
  2. 【請求項2】 前記冷却パネルの外枠部は、外周面が少
    なくとも一部で露呈されており、 前記冷却手段は、前記冷却パネルの露呈された外周面に
    接して設けられた冷却パイプと、前記冷却パイプ内に冷
    却用媒体を供給する冷却用媒体供給手段とを有すること
    を特徴とする請求項1に記載の真空装置の冷却構造。
  3. 【請求項3】 前記冷却手段は、前記冷却パネルの内部
    に開けて設けられた管と、前記管内に冷却用媒体を供給
    する冷却用媒体供給手段とを有することを特徴とする請
    求項1に記載の真空装置の冷却構造。
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