JPH0742358Y2 - 自動車用シートカバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、自動車のセパレートシ
ートに被せて、シートの汚れや傷みを防ぐシートカバー
に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車の付属品のなかでもシートカバー
の需要は多く、車種に応じた多種多用のシートカバーが
市販されているが、その基本的な構成に大きな相違はな
い。例えば、セパレートシートに使用されるシートカバ
ーは、シート形状の違いによる相違を別にすれば、その
殆どが次のような構成を採用している。

【０００３】セパレートシートのシート本体、即ちヘッ
ドレストを除く部分を一体的に覆う本体部と、ヘッドレ
ストを覆うカバーとからなる。本体部をシートバックを
覆う部分と、シートクッションを覆う部分とに分離した
ものもある。ヘッドレストを覆うカバーは、シート本体
を覆う本体部から分離している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】このようなシートカバ
ーは、シートに取り付けるために、まずシート本体から
ヘッドレストを外す必要がある。次いで、シートカバー
の本体部をシート本体に取り付ける。そして、ヘッドレ
ストをシート本体に装着し、そのヘッドレストにカバー
を取り付ける。

【０００５】この取り付け作業は、ヘッドレストの着脱
を必要とし、しかも、そのヘッドレストに専用のカバー
を装着するので、非常に煩わしく時間がかかるものであ
った。また、取り外しにも同様に時間がかかり、本体部
をシートバックを覆う部分と、シートクッションを覆う
部分とに分離したものでは、更に長い作業時間が必要と
なる。

【０００６】本考案はかかる事情に鑑みて創案されたも
のであり、着脱を短時間で簡単に行うことができる自動
車用シートカバーを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案にかかる自動車用
シートカバーは、シートバックを覆う部分とヘッドレス
トを覆う部分とを、下端が開放した一体の袋体とし、該
袋体を、シートクッションを覆う部分に縫合一体すると
共に、袋体の背面に、最上部から下端に達する閉止可能
な切り込みを設け、更に、シートバックを覆う部分とシ
ートクッションを覆う部分との縫合部から背面側へ帯体
を延出させ、該帯体をシートバックとシートクッション
の間から後方へ引き出して面ファスナーでシートクッシ
ョンの後面に固定するようになしたことを特徴としてい
る。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照して本考案の実施例を説明
する。図１は本考案の１実施例を示す自動車用シートカ
バーの斜視図、図２は同シートカバーを別の角度から示
した斜視図である。

【０００９】本シートカバー２０は、自動車のセパレー
トシート１０に使用され、そのシートクッション１１、
シートバック１２およびヘッドレスト１３を一体的に覆
う。

【００１０】シートクッション１１を覆う部分２１は、
シートクッション１１の表面、前面および両側面に被せ
られ、伸縮自在なバンド２２および後述する２本の帯体
２４，２４によってシートクッション１１に固定され
る。

【００１１】シートバック１２およびヘッドレスト１３
は、下端が開放した一体の袋体２３によって覆われる。
袋体２３のシートバック１２を覆う部分２３ａおよびヘ
ッドレスト１３を覆う部分２３ｂは、シートバック１２
およびヘッドレスト１３に対応した形状になっている。

【００１２】袋体２３の下端前縁は、シートクッション
１１を覆う部分２１の後縁と縫合されている。その縫合
部には、背面側へ延出する２本の帯体２４，２４が取り
付けられている。帯体２４，２４は、シートクッション
１１とシートバック１２の間からシート後方へ引き出さ
れ、先端部に縫い付けた面ファスナー２５，２５によっ
てシートクッション１１の後面に貼着される。

【００１３】袋体２３の背面中央部には、その上端から
下端に達して切り込み２６が設けられている。切り込み
２６は、その長手方向に間隔をあけて縫い付けた複数の
面ファスナー２７によって閉止される。切り込み２６の
両側には、シートバック１２の背面に貼付される別の面
ファスナー２８，２８が縫い付けられている。

【００１４】本シートカバー２０をセパレートシート１
０に装着するには、シートクッション１１を覆う部分２
１をシートクッション１１に被せ、バンド２２をかけ
る。また、切り込み２６を開いて袋体２３をシートバッ
ク１２およびヘッドレスト１３に被せ、切り込み２６を
閉じる。

【００１５】次に、帯体２４，２４をシートクッション
１１とシートバック１２の間から後方へ引き出し、これ
をシートクッション１１の後面に固定する。これによ
り、シートクッション１１を覆う部分２１がシートクッ
ション１１に固定されると共に、袋体２３が抜け止めさ
れる。

【００１６】本シートカバー２０は、ヘッドレスト用カ
バーが分離した従来のシートカバーに比して次のような
利点を有する。取り付け及び取り外しの際に、ヘッドレ
スト１３の着脱を必要としない。ヘッドレスト１３に専
用のカバーを取り付ける必要がない。袋体２３の背面が
全面的に開くので、取り付け及び取り外しの作業自体が
容易である。従って、従来のシートカバーに比して取り
付け及び取り外しの時間が著しく短縮され，作業も非常
に楽になる。また、シートバック１２とヘッドレスト１
３の間が袋体２３で覆われ、この部分に塵埃が溜まらな
いので、清潔である。更に、シートクッション１１を覆
う部分２１とシートバック１２を覆う部分２２との縫合
部から背面側へ２本の帯体２４，２４を延出させ、帯体
２４，２４をシートクッション１１とシートバック１２
の間から後方へ引き出して面ファスナー２８，２８によ
りシートクッション１１の後面に固定するようにしたの
で、シートクッション１１を覆う部分２１と袋体２３の
各固定を、少ない数の帯体により同時に簡単に行うこと
ができ、このことも取り付け及び取り外しの時間短縮に
寄与する。しかも、帯体２４，２４が短くて済む上、シ
ートクッション１１を覆う部分２１と袋体２３の表面側
に効果的な張りを与え、装着状態の見栄え向上にも寄与
し、更には固定のための非常に合理的な固定手段という
ことができる。

【００１７】なお、上記実施例は、袋体２３の背面中央
部に切り込み２６を設けた構成となっているが、この切
り込み２６は袋体２３の背面中央部に限らず、両側部あ
るいは片側等に設けることもできる。切り込み２６の閉
止手段としては、スナップボタン、ファスナー等を使用
することもできる。

【００１８】

【考案の効果】以上に述べたように、本考案にかかる自
動車用シートカバーは、シートバックを覆う部分とヘッ
ドレストを覆う部分とを一体の袋体とし、その袋体をシ
ートクッションを覆う部分に縫合一体化したので、シー
ト本体にヘッドレストを付けたまま、そのヘッドレスト
を含むシート全体に装着できる。しかも、シートバック
を覆う部分とシートクッションを覆う部分との縫合部か
ら背面側へ帯体を延出させ、該帯体をシートバックとシ
ートクッションの間から後方へ引き出して面ファスナー
でシートクッションの後面に固定するようになしたの
で、シートクッションを覆う部分と袋体の各固定を同時
に行うことができる。従って、取り付け及び取り外しを
短時間で簡単に行うことができる。更に、固定のための
帯体の数を少なくできることもあり、構造が簡単にな
る。更にまた、シートバックおよびヘッドレストを一体
の袋体で覆い、且つ、帯体によりシートクッションを覆
う部分と袋体の表面側に効果的な張りを与えるので、見
栄えも良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を示す自動車用シートカバー
の斜視図である。

【図２】同シートカバーを別の角度から示した斜視図で
ある。

【符号の説明】

１０ セパレートシート １１ シートクッション １２ シートバック １３ ヘッドレスト ２０ シートカバー ２１ シートクッション１１を覆う部分 ２３ 袋体 ２３ａ シートバック１２を覆う部分 ２３ｂ ヘッドレスト１３を覆う部分 ２４ 帯体 ２５，２７，２８ 面ファスナー ２６ 切り込み

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車のセパレートシートに被せるシー
   トカバーであって、シートバックを覆う部分とヘッドレ
   ストを覆う部分とを、下端が開放した一体の袋体とし、
   該袋体を、シートクッションを覆う部分に縫合一体する
   と共に、袋体の背面に、最上部から下端に達する閉止可
   能な切り込みを設け、更に、シートバックを覆う部分と
   シートクッションを覆う部分との縫合部から背面側へ帯
   体を延出させ、該帯体をシートバックとシートクッショ
   ンの間から後方へ引き出して面ファスナーでシートクッ
   ションの後面に固定するようになしたことを特徴とする
   自動車用シートカバー。