JPH0742014A - 中空糸の洗浄方法 - Google Patents

中空糸の洗浄方法

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JPH0742014A
JPH0742014A JP5186061A JP18606193A JPH0742014A JP H0742014 A JPH0742014 A JP H0742014A JP 5186061 A JP5186061 A JP 5186061A JP 18606193 A JP18606193 A JP 18606193A JP H0742014 A JPH0742014 A JP H0742014A
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JP
Japan
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hollow fiber
liquid
aliphatic ester
hollow yarn
ester
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Pending
Application number
JP5186061A
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English (en)
Inventor
Hiroo Matsuda
裕生 松田
Satoshi Omori
智 大森
Takahiro Omichi
高弘 大道
Takeyuki Kawaguchi
武行 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紡糸工程で芯液として液状パラフィンを用い
て製造した中空糸を、環境破壊のおそれのない成分を用
いて効果的に洗浄し、膜性能の良好な血液透析用中空糸
を製造する。 【構成】 芯液として液状パラフィンを用いて紡糸して
得た中空糸を、炭素数1〜20の脂肪酸と炭素数1〜2
0の脂肪族アルコールとから誘導される合計炭素数5以
上の脂肪族エステル(A)で洗浄し、好ましくは、その
後に、該脂肪族エステル(A)を溶解し得る沸点30〜
50℃の脂肪族アルコールとグリセリンとを混合した溶
液(B)で洗浄処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血液透析用などに用いら
れる中空糸の洗浄方法に関するものである。さらに詳細
には、芯液として液状パラフィンを用いて紡糸した、血
液透析用として好適なセルロースエステルなどの中空糸
から、該中空糸内に残存する上記液状パラフィンを効率
的に洗浄除去し、膜性能の良好な中空糸を得る方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】血液透析用中空糸膜などの分野におい
て、セルロースエステルなどの中空糸が用いられてお
り、その製法として乾式法および半乾半湿式(乾湿式)
法が知られているが、後者の乾湿式法によるものが良好
な性質を示すため、よく用いられている。
【0003】かかる、乾湿式法による中空糸の製造に際
して使用する芯液としては、液状パラフィンやイソプロ
ルミリステート等の親油性液体あるいは凝固浴と同じ組
成の有機溶剤の水溶液や水がよく用いられている。これ
らの芯液の中でも、紡糸過程での中空糸の形状維持や中
空糸内面の平滑性および中空糸強度などの観点から、凝
固浴水溶液に非溶解性の親油性液体がよく用いられ、な
かでも、中空糸内面の乱れが少なく、かつ膜性能の良好
な中空糸が製造しやすい液状パラフィンが好適である。
【0004】これらの芯液は、中空糸モジュールの成型
後に中空糸の内面にフレオンを通液することにより洗浄
可能であり、従来、フレオンによる洗浄が行われてい
る。しかしながら、フレオンはオゾン層破壊や低沸点で
回収が困難と言う問題があるため、地球環境面で好まし
いものとは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題に鑑み、地球環境に悪影響を及ぼすおそれの
ない手段で、中空糸の紡糸時に芯液として使用した液状
パラフィンを効率的に洗浄除去し、膜性能の良好な中空
糸を得る方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究の結果、芯液として液状パラフィ
ンを用いて紡糸した中空糸の内面を特定の脂肪族エステ
ルを用いて洗浄することにより、効果的に達成し得るこ
とを見い出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、芯液として液状パラ
フィンを用いて紡糸した中空糸から該芯液を洗浄除去す
るに際し、中空糸の内面を下記式(1)で表される液状
脂肪族エステル(A)で洗浄することを特徴とする中空
糸の洗浄方法である。 R1 −COOR2 (1) [上記式(1)中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
に、炭素数1〜20のアルキル基を表わし、かつ、R1
の炭素数とR2 の炭素数の和は5以上である。]
【0008】本発明により洗浄が行われる中空糸の素材
(ポリマー)は、液状パラフィンを芯液に用いて中空糸
を製造し得るものであればとくに制限はないが、具体的
な好適例としては、セルロースジアセテート、セルトー
ストリアセテートなどのセルロースエステルがあげられ
る。
【0009】これらの素材(ポリマ−)は、溶剤および
開孔剤(相分離剤)とともに均一溶解して紡糸原液を調
製後、二重管ノズルを用い、外側の環状オリフィスから
上記紡糸原液を、中心部からは芯液(液状パラフィン)
を、同時に押し出して、例えば、乾湿式法により紡糸
し、安定に中空糸を製造することができる。
【0010】この際、溶剤および開孔剤の種類は、素材
(ポリマー)の種類に応じて、適宜選択される。例えば
セルローストトリアセテートの場合は、溶剤としてN−
メチル−2−ピロリドンなどが例示され、開孔剤として
ポリエチレングリコール類が例示されるが、もちろんこ
れらに限定されるものではない。
【0011】このようにして紡糸して得られた中空糸
は、その中空部に液状パラフィンを含有しており、実用
に際して該液状パラフィンを洗浄除去しなければならな
い。
【0012】本発明方法では、中空糸内部に残存する液
状パラフィンを洗浄するために、特定の液状脂肪族エス
テル(A)、すなわち、それぞれ炭素数が1〜20であ
る脂肪酸成分と脂肪族アルコール成分とからなり、かつ
合計炭素数が5以上である脂肪族エステルを使用する。
【0013】この脂肪族エステル(A)は、常温で液状
であることが好ましいが、洗浄温度で液状であれば使用
可能である。かかる脂肪族エステル(A)としては、通
常、炭素数12〜30の脂肪酸と炭素数1〜4の脂肪族
アルコールとのエステルがあげられる。なかでも、イソ
プロピルミリステート、ブチルミリステート、イソプロ
ピルステアレート、ブチルステアレート、イソプロピル
パルミテート、ブチルパルミテート等が好適であり、特
にイソプロピルミリステートが最適である。
【0014】これらは単独で使用してもよく、2種以上
併用してもよい。また、これらの脂肪族エステル(A)
は液状パラフィンを溶解し得る他の溶剤(例えば、エタ
ノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ブタノ
ール、n-ペンタノールなど)と混合して使用しても構わ
ない。ただし、この場合、他の溶剤の混合割合は、全洗
浄剤組成の45重量%以下、好ましくは30重量%以
下、としなければならない。
【0015】本発明で用いる脂肪族エステル(A)は、
液状パラフィンの溶解性が優れており、かつ、セルロー
スエステル系の中空糸を侵さず、環境破壊性もないの
で、中空糸芯液の洗浄剤として極めて有用性の高いもの
である。
【0016】中空糸内の液状パラフィンを上記の脂肪族
エステル(A)で効率的に洗浄する手段はとくに限定さ
れないが、例えば、中空糸を該脂肪族エステル中に浸漬
する方法、中空糸内面に該脂肪族エステルを導入した後
自然落下させる方法、中空糸内面に該脂肪族エステルを
循環させる方法、などが採用できる。なお、本発明によ
る中空糸の洗浄は、糸条の状態で実施してもよく、モジ
ュールに成型した後に実施してもよい。いずれの場合
も、好適な洗浄条件は中空糸内面に付着残存する液状パ
ラフィンの量に応じて実験によって決めることができ
る。
【0017】ただし、これらの脂肪族エステル(A)
は、洗浄後の中空糸内に付着残存するので、乾燥処理に
より除去するか、あるいは上記脂肪族エステル(A)を
溶解する別の溶剤(例えば沸点30〜50℃の低級脂肪
族アルコールなど)でさらに洗浄することが必要であ
る。
【0018】この際、洗浄に使用する溶剤が、保湿のた
めに中空糸にが含浸されたグリセリンを溶出する場合
は、中空糸の性能保持のために再度グリセリン処理を行
う必要がある。
【0019】かかる観点から、本発明方法では、上記の
ごとく脂肪酸エステル(A)によって液状パラフィンを
洗浄除去した後、必要に応じて、上記脂肪族エステル
(A)を溶解する別の溶剤(例えば低級アルコールな
ど)で洗浄し、さらに脂肪族エステル(A)を溶解し得
る沸点約30〜50℃の脂肪族アルコールとグリセリン
とを混合した溶液(B)で洗浄処理することが好まし
い。
【0020】溶液(B)を構成する脂肪族アルコールと
しては、例えばイソプロパノール、n-プロパノール、n-
ブタノール、エタノール等、沸点約30〜50℃の低級
アルコールが好適に用いられる。溶液中のグリセリン濃
度は10〜80重量%、とくに20〜70重量%の範囲
が好ましい。
【0021】このようにして液状パラフィンが洗浄除去
され、その後さらに上記グリセリン溶液(B)で洗浄処
理された中空糸は、溶液(B)中の低級アルコールを除
去するために乾燥処理を行い、実用に供せられる。
【0022】
【発明の効果】以上のような本発明方法によれば、芯液
として液状パラフィンを用いて紡糸した中空糸を、環境
に悪影響を及ぼすおそれのない洗浄剤により効果的に洗
浄することが可能であり、血液透析用として好適な膜性
能の良好な中空糸を得ることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明は、これにより何らの限定も受ける
ものではない。なお、例中の「部」または「%」は、特
に断らない限り、それぞれ、重量部または重量%を意味
する。
【0024】
【参考例1】 (セルローストリアセテート中空糸膜モジュールの作
製)セルローストリアセレート20部、トリエチレング
リコール24部およびN−−メチル−2−ピロリドン
(NMP)56部を、二軸押出し機中で150℃にて撹
拌混合後、脱泡しながら、均一溶液となした。
【0025】該溶液をフィルターを通して濾過した後、
二重管ノズルから芯液の流体パラフィンとともに吐出
し、約15cmのエアギャップ中を通過させたのち、実
質的に30%NMP水溶液からなる凝固浴中に導入して
凝固させ、中空糸を得た。次いで、この中空糸を50℃
の水洗槽で中空糸内に残存する溶剤を水洗除去後、グリ
セリンを付与し、80℃にて10秒間乾燥した。
【0026】このようにして得られた内径200μm、
膜厚15μmの中空糸13000本を束ねた後、遠心分
離処理によって中空糸内の芯液の一部を除去した。その
後、糸条の末端部をウレタンで封止し、50℃で3時間
熱処理することにより中空糸モジュールを得た。
【0027】
【実施例1】参考例1で作製した中空糸モジュールの片
側端面から微量定量ポンプを用いてイソプロピルミリス
テートを毎分5リットルの流量で10分間通液して中空
糸内に残存する液状パラフィンを洗浄除去した。
【0028】引き続いて、イソプロパノールを毎分3.
5リットルの流量で10分間通液した後、さらにグリセ
リンを40%含有するイソプロパノール溶液を10分間
通液し、最後に、中空糸内面に付着残存しているグリセ
リン溶液を圧空により除去した。
【0029】このように処理した中空糸モジュールを5
0℃で8時間熱処理したのち、中空糸の透水性を測定し
たところ、200ml/m2/h/mmHgと高い値を示し
た。
【0030】
【比較例1】比較のため、参考例1に従って中空糸芯液
を遠心分離のみによって除去した糸条を用いて得た中空
糸モジュールの透水性を測定したところ、5ml/m2
h/mmHgと極めて低い値を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 武行 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯液として液状パラフィンを用いて紡糸
    した中空糸を洗浄するに際し、該中空糸の内面を下記式
    (1)で表される液状脂肪族エステル(A)で洗浄する
    ことを特徴とする中空糸の洗浄方法。 R1 −COOR2 (1) [上記式(1)中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
    に、炭素数1〜20のアルキル基を表わし、かつR1
    炭素数とR2 の炭素数の和は5以上である。]
  2. 【請求項2】 液状脂肪族エステル(A)が、炭素数1
    2〜30の脂肪酸と炭素数1〜4の脂肪族アルコールと
    のエステルであることを特徴とする請求項1に記載の洗
    浄方法。
  3. 【請求項3】 液状脂肪族エステル(A)が、イソプロ
    ピルミリステート、ブチルミリステ−ト、イソプロピル
    ステアレート、ブチルステアレートレート、イソプロピ
    ルパルミテートまたはブチルパルミテートであることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 中空糸の内面を液状脂肪族エステル
    (A)で洗浄した後、さらに、該脂肪族エステルを溶解
    し得る沸点30〜50℃の脂肪族アルコールとグリセリ
    ンとを混合した溶液(B)で洗浄処理することを特徴と
    する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 中空糸が、セルロースエステルからなる
    血液透析用の中空糸であることを特徴とする請求項1〜
    請求項4のいずれかに記載の洗浄方法。
JP5186061A 1993-07-28 1993-07-28 中空糸の洗浄方法 Pending JPH0742014A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5968358A (en) * 1996-12-10 1999-10-19 Nissho Corporation Method for washing hollow fiber membrane

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5968358A (en) * 1996-12-10 1999-10-19 Nissho Corporation Method for washing hollow fiber membrane

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