JPH07138807A - 中空糸の芯液洗浄方法 - Google Patents

中空糸の芯液洗浄方法

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JPH07138807A
JPH07138807A JP18606293A JP18606293A JPH07138807A JP H07138807 A JPH07138807 A JP H07138807A JP 18606293 A JP18606293 A JP 18606293A JP 18606293 A JP18606293 A JP 18606293A JP H07138807 A JPH07138807 A JP H07138807A
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JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
core liquid
liquid
liquid paraffin
core
Prior art date
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Pending
Application number
JP18606293A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroo Matsuda
裕生 松田
Satoshi Omori
智 大森
Takahiro Omichi
高弘 大道
Takeyuki Kawaguchi
武行 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紡糸工程で芯液として液状パラフィンを用い
て製造した中空糸を、環境破壊のおそれの少ない物質を
用いて効果的に洗浄し、膜性能の良好な血液透析用中空
糸を製造する。 【構成】 芯液として液状パラフィンを用いて紡糸して
得た中空糸の内面を下記式(1)で表される化合物から
主としてなる溶剤で洗浄し、芯液を除去する。 CH3 −CFCl2 (1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血液透析用などに用いら
れる中空糸の芯液洗浄方法に関するものである。さらに
詳細には、芯液として液状パラフィンを用いて紡糸し
た、血液透析用として好適なセルロースエステルなどの
中空糸から、該中空糸内に残存する上記液状パラフィン
を効率的に洗浄除去し、膜性能の良好な中空糸を得る方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血液透析用中空糸膜などの分野におい
て、セルロースエステルなどの中空糸が用いられてお
り、その製法として乾式法および半乾半湿式(乾湿式)
法が知られているが、後者の乾湿式法によるものが良好
な性質を示すため、よく用いられている。
【0003】かかる、乾湿式法による中空糸の製造に際
して使用する芯液としては、液状パラフィンやイソプロ
ルミリステート等の親油性液体あるいは凝固浴と同じ組
成の有機溶剤の水溶液や水がよく用いられている。これ
らの芯液の中でも、紡糸過程での中空糸の形状維持や中
空糸内面の平滑性および中空糸強度などの観点から、凝
固浴水溶液に非溶解性の親油性液体がよく用いられ、な
かでも、中空糸内面の乱れが少なく、かつ膜性能の良好
な中空糸が製造しやすい液状パラフィンが好適である。
【0004】これらの芯液は、中空糸モジュールの成型
後に中空糸の内面へフレオンを通液することにより洗浄
可能であり、従来、フレオンによる洗浄が行われてい
る。しかしながら、フレオンはオゾン層破壊や低沸点で
回収が困難と言う問題があるため、地球環境面で好まし
いものとは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題に鑑み、地球環境に対する悪影響の少ない手
段で、中空糸の紡糸時に芯液として使用した液状パラフ
ィンを効率的に洗浄除去し、膜性能の良好な中空糸を得
る方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究の結果、芯液として液状パラフィ
ンを用いて紡糸した中空糸の内面を特定のモノフルオロ
・ジクロロ・エタンを用いて洗浄することにより、上記
課題が効果的に達成されることを見い出し、本発明に到
達した。
【0007】すなわち、本発明は、芯液として液状パラ
フィンを用いて紡糸した中空糸から該芯液を洗浄除去す
るに際し、該中空糸の内面を下記式(1)で表される化
合物から主としてなる溶剤で洗浄することを特徴とする
方法である。
【0008】CH3 −CFCl2 (1) 本発明方法により洗浄が行われる中空糸の素材(ポリマ
ー)は、液状パラフィンを芯液に用いて中空糸を製造し
得るものであればとくに制限はなく、各種のポリマーが
用いられるが、なかでも、セルロースジアセテート、セ
ルトーストリアセテートなどのセルロースエステルが好
適であり、特にセルローストリアセテートが好ましい。
【0009】これらの素材(ポリマー)は、溶剤および
開孔剤(相分離剤)とともに均一溶解して紡糸原液を調
製後、二重管ノズルを用いて、外側の環状オリフィスか
ら上記紡糸原液を、中心部からは芯液(液状パラフィ
ン)を、同時に押し出して、例えば、乾湿式法により紡
糸し、安定に中空糸を製造することができる。
【0010】この際、溶剤および開孔剤の種類は、素材
(ポリマー)の種類に応じて、適宜選択される。例えば
セルローストトリアセテートの場合は、溶剤としてN−
メチル−2−ピロリドンなどが例示され、開孔剤として
ポリエチレングリコール類が例示されるが、もちろんこ
れらに限定されるものではない。
【0011】このようにして紡糸して得られた中空糸
は、その中空部に紡糸時に芯液として用いた液状パラフ
ィンを含有しており、実用に際しては該液状パラフィン
を洗浄除去しなければならない。
【0012】本発明方法では、中空糸中に残存する液状
パラフィンを洗浄除去するために、特定のモノフルオロ
・ジクロロ・エチレンを主成分とする溶液、すなわち、
上記式(1)で表される化合物を主成分とする溶液で洗
浄する。
【0013】この化合物は、単独で使用してもよいが、
芯液として用いた液状パラフィンを溶解し得る他の溶剤
(例えばエタノール、イソプロパノール、n-プロパノー
ル、n-ブタノール、n-ペンタノールなど)と混合して使
用しても構わない。ただし、この場合、他の溶剤の混合
割合は、全洗浄剤組成の45重量%以下、好ましくは3
0重量%以下、としなければならない。
【0014】本発明方法で用いる上記の化合物は、液状
パラフィンの溶解性が優れており、しかも、セルロース
エステル系の中空糸を侵さず、環境破壊性も小さいの
で、中空糸芯液の洗浄剤として極めて有用性の高いもの
である。
【0015】中空糸内の液状パラフィンを上記の化合物
を主体とする溶剤で効率的に洗浄する手段はとくに限定
されないが、例えば、中空糸を該溶剤中に浸漬する方
法、中空糸内面に該溶剤を導入した後自然落下させる方
法、中空糸内面に該溶剤を循環させる方法、などが採用
できる。なお、中空糸の洗浄は糸条の状態で実施しても
よく、モジュールに成型した後に実施してもよい、いず
れの場合も、好適な洗浄条件は中空糸内面に付着残存す
る液状パラフィンの量に応じて実験によって決めること
ができる。
【0016】本発明方法により洗浄した中空糸は、その
内部に上記式(1)の化合物が付着残存するので、乾燥
処理により除去することが必要である。
【0017】
【発明の効果】以上のような本発明方法によれば、芯液
として液状パラフィンを用いて紡糸した中空糸を、環境
に悪影響を及ぼすおそれの少ない成分で良好に洗浄する
ことができ、血液透析用として好適な膜性能の良好な中
空糸を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明は、これにより何らの限定も受ける
ものではない。
【0019】なお、例中の「部」または「%」は、特に
断らない限り、それぞれ、重量部または重量%を意味す
る。
【0020】
【参考例1】 (セルローストリアセテート中空糸束の作製)セルロー
ストリアセレート20部、トリエチレングリコール24
部およびN−−メチル−2−ピロリドン(NMP)56
部を、二軸押出し機中で150℃にて撹拌混合後、脱泡
しながら、均一溶液となした。
【0021】該溶液をフィルターを通して濾過した後、
二重管ノズルから芯液の流体パラフィンとともに吐出
し、約15cmのエアギャップ中を通過させたのち、実
質的に30%NMP水溶液からなる凝固浴中に導入して
凝固させ、中空糸を得た。次いで、この中空糸を50℃
の水洗槽で中空糸内に残存する溶剤を水洗除去後、グリ
セリンを付与し、80℃にて10秒間乾燥した。
【0022】このようにして得られた内径200μm、
膜厚15μmの中空糸135000本の両端をポリエチ
レンテープで束ねることにより、糸束を作成した。
【0023】
【実施例1】 (中空糸束の洗浄)参考例1で作製した中空糸束をステ
ンレス製の筒に入れ、筒上端面から微量定量ポンプを用
いてCH3 −CFCl2 を2リットル/分の流量で20分
間通液した。このようにして得られた中空糸束を、50
℃にて3時間熱処理した後、ポリメチルメタクリレート
製の透析容器に収納し、両端をウレタンで封止、成型す
ることにより、血液透析用モジュールを得た。
【0024】このモジュールの透水性、デキストラン1
万の透析性能ならびにデキストラン7万フルイ係数を生
理食塩水で測定したところ、それぞれ、200ml/m2
/h/mmHg、52ml/分、および0.05であり、良好
な結果が得られた。
【0025】
【比較例1】参考例1で得た中空糸束を、実施例1で用
いた化合物(CH3 −CFCl2 )で洗浄することなく、
そのままモジュールを成型し、実施例1と同様にモジュ
ールの透水性、デキストラン1万の透析性能ならびにデ
キストラン7万フルイ係数を生理食塩水で測定したとこ
ろ、それぞれ、15ml/m2 /h/mmHg、12ml/分、
および0.02をであり、フルイ係数以外は実施例1に
比べ格段に低い値を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 武行 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯液として液状パラフィンを用いて紡糸
    した中空糸から芯液を洗浄除去するに際し、該中空糸の
    内面を下記式(1)で表される化合物から主としてなる
    溶剤で洗浄することを特徴とする中空糸の芯液洗浄方
    法。 CH3 −CFCl2 (1)
  2. 【請求項2】 中空糸がセルロースエステルからなるこ
    とを特徴とする請求項1の中空糸の芯液洗浄方法。
  3. 【請求項3】 中空糸を形成するセロースエステルがセ
    ルローストリアセテートであることを特徴とする請求項
    2記載の中空糸の芯液洗浄方法。
JP18606293A 1993-07-28 1993-07-28 中空糸の芯液洗浄方法 Pending JPH07138807A (ja)

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