JPH07255838A - 血液透析器の作製方法 - Google Patents

血液透析器の作製方法

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JPH07255838A
JPH07255838A JP5356894A JP5356894A JPH07255838A JP H07255838 A JPH07255838 A JP H07255838A JP 5356894 A JP5356894 A JP 5356894A JP 5356894 A JP5356894 A JP 5356894A JP H07255838 A JPH07255838 A JP H07255838A
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hollow yarn
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Takeyuki Kawaguchi
武行 川口
Satoshi Omori
智 大森
Takahiro Omichi
高弘 大道
Hiroo Matsuda
裕生 松田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 芯液として流動パラフィンなどの非水溶性液
体を用いて紡糸した血液透析用中空糸を内蔵する血液透
析器を作製するに当り、環境破壊につながるフレオンな
どを使用せずに、芯液を洗浄除去し、高い透析性能を示
し安全性にも優れた透析器を作製する方法を提供する。 【構成】 芯液として流動パラフィンなどの非水溶性液
体を用いて紡糸した血液透析用中空糸を内蔵する血液透
析器を作製するに当り、(1) 紡糸した中空糸から物理的
手段で芯液を除去する工程、(2) 該中空糸を集束後、透
析容器内に収納・接着する工程、(3) 透析器内に収納・
接着した中空糸に残存付着している芯液を特定の脂肪族
アルコール、界面活性剤水溶液などの水溶性洗浄剤で洗
浄する工程、(4) 洗浄後の透析器を水洗する工程、そし
て、(5) 透析器内に水を充填する工程、さらに、必要に
応じ (6)ガンマ線滅菌する工程、を順次実施することに
よって、高い性能を示し、かつ安全性の高い透析器を作
製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血液透析器の作製方法に
関するものである。さらに、詳しくは、芯液として非水
溶性液体を用いて紡糸した血液透析用中空糸を内蔵する
血液透析器を作製するに当り、集束した中空糸を透析器
内に収納・接着して成型後、該中空糸内に付着残存する
芯液を効果的に洗浄したのち、水を充填してなる血液透
析器を作製する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血液透析膜は腎臓機能の悪化した患者の
腎機能を代行するものとして、初期は尿素やクレアチニ
ンなどの低分子を除くために用いられていたが、近年で
はβ2ミクログロブリンなどの中分子量のタンパク質も
効率的に除去できるいわゆる高性能中空糸透析膜が開発
され、ますますその重要性が増している。この高性能中
空糸透析膜は、その製造(紡糸)方法から乾式および半
乾半湿式(乾湿式)に分類され、特に乾湿式法によるも
のが良好な性能を示すために、好適に使用されている。
【0003】かかる乾湿式法による中空糸の製造(紡
糸)に際して使用する芯液としては、流動パラフィンや
イソプロピルミリステートなどの非水溶性液体や凝固浴
と同じ組成の有機溶剤の水溶液や水が広く用いられてき
た。これらのうちでも、得られる中空糸の内表面の平滑
性および紡糸工程での安定性の点から、芯液としては流
動パラフィンやイソプロピルミリステートなどの非水溶
性液体が好ましいとされている。
【0004】これらの非水溶性芯液は、中空糸の紡糸後
に遠心分離や圧空押出しなどの物理的手段により、その
大半が中空糸内部から除去できる。また、中空糸束に付
着・残存している芯液は、糸束の内外面にフレオンを通
液することにより洗浄が可能である。
【0005】しかしながら、フレオンはオゾン層破壊に
よる環境破壊や低沸点で回収が困難という問題点を抱え
ている。また、本発明者らが先に提案したように、イソ
プロパノール(イソプロピルアルコール)により芯液の
流動パラフィンやイソプロピルミリステートなどの非水
溶性芯液を洗浄することもできるが、イソプロパノール
洗浄により中空糸の保湿剤であるグリセリンも溶出する
ために、糸束洗浄後に再度保湿剤処理を行う必要があ
る。ところが、この保湿剤処理は均一性や再現性に問題
を有することが判った。さらに上記洗浄を糸束で行う
と、洗浄液通液後に糸束の緻密化が起こりやすく、該糸
束を用いて得た透析器の膜性能、特に低分子透過性が低
下しやすいという問題を有することも判った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき諸問題を伴うことなく、膜性能も良好な血液透
析器を作製する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成すべく鋭意研究の結果、物理的手段で非水溶性
芯液を除去した中空糸を、まず透析器内に収納接着し、
しかるのち中空糸表面に付着・残存している芯液を特定
の洗浄剤で洗浄することで、洗浄に伴う中空糸の緻密化
もなく、また洗浄後の透析器に水を充填することで中空
糸保湿剤の再付着処理も不要なことを見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、芯液として非水溶性
液体を用いて紡糸した血液透析用中空糸を内蔵する血液
透析器を作製するに当り、(1) 紡糸した中空糸から芯液
を除去する工程、(2) 該中空糸を集束後、透析容器内に
収納・接着する工程、(3) 透析器内に収納・接着した中
空糸に付着残存している芯液を水溶性洗浄剤で洗浄する
工程、(4) 洗浄後の透析器を水洗する工程、そして、
(5) 透析器内に水を充填する工程、さらに、(6) 必要に
応じ、水充填状態でガンマ線照射により滅菌行う工程、
から実質的になることを特徴とする血液透析器の作製方
法、である。
【0009】本発明方法により洗浄および透析器の作製
が行われる血液透析用中空糸膜の材質としては、非水溶
性液体を芯液として用いて紡糸し中空糸に形成できるも
のであれば特に制限はないが、好適な具体例としては、
セルロースエステル類、再生セルロース、ポリスルホ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリア
ミドなどが挙げられ、これらのうちでも、非水溶性芯液
を用いた場合に特に好ましい中空糸が得られるものとし
ては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテ
ートなどのセルロースエステル類が挙げられる。
【0010】上記のポリマーは、溶剤および開孔剤とと
もに均一溶解してドープを調製後、二重管ノズルを用
い、その中心部には非水溶性液体を芯液として供給し外
側には上記ドープを供給して紡糸する方法、例えば乾湿
式紡糸法、により安定に紡糸され、透析膜機能を有する
中空糸となる。
【0011】この際、芯剤として用いられる非水溶性液
体としては、炭素数10〜30の脂肪族パラフィン、高
級脂肪酸エステルおよび炭素数7〜10の芳香族炭化水
素がある。これらは単独でも混合物でも構わない。これ
らのうち、炭素数16以上のパラフィンおよび炭素数2
0以上の高級脂肪酸エステルは常温で固体であることが
多いので、紡糸時には加熱融解する必要がある。本発明
方法において芯剤として好適に用いられる非水溶性液体
は、常温で液体の炭素数10〜15の流動パラフィン、
イソプロピルミリステート、トルエン、キシレンなどで
ある。これらの芯液のうちでも、紡糸過程での中空糸の
形状維持や中空糸内面の平滑性および中空糸強度などの
点から、凝固浴水溶液に非溶解性であると同時に紡糸ド
ープとも全く非混和性の流動パラフィンが最も好適に用
いられる。
【0012】本発明方法では、このように紡糸された中
空糸を用いて血液透析器を作製するが、該中空糸の中空
部には芯液の非水溶性液体を含有しており、実用に際し
ては該非水溶性液体を除去しなければならない。そのた
めには、まず、紡糸した中空糸から芯液を除去する工程
(1) において、非水溶性液体を含む中空糸束から、遠心
分離や自然落下、圧空押出しなどの物理的手段により、
可能な限り多くの非水溶性液体を予め除去することが必
要である。
【0013】しかる後に、該中空糸を集束し、糸束を透
析容器に収納・接着固定する、いわゆる成型工程(2) 、
引き続き、中空糸に付着残存している非水溶性液体を水
溶性洗浄剤で洗浄する工程(3) 、さらに洗浄後の透析器
を水洗する工程(4) 、そして透析器の内部に水充填を行
う工程(5) が採用される。
【0014】本発明方法では、上記工程(2) において、
中空糸束を集束し、透析容器に収納、接着固定する方法
としては、従来公知の方法が採用できる。すなわち、予
め非水溶性芯液をほとんど除去した中空糸束を、必要に
応じて乾燥したのち、透析容器に収納し、ウレタン樹脂
等を用いて両端を接着封止して透析器(モジュール)を
成型する。
【0015】次に、透析容器中の中空糸に付着残存して
いる芯液を水溶性洗浄剤にて洗浄する工程(3) が引き続
き実施される。この工程(3) で、非水溶性の芯液の洗浄
に使用できる水溶性洗浄剤としては、洗浄能が高く、透
析膜および透析器を浸蝕しないものであれば特に制限は
ないが、実質的に毒性が低く、かつ、中空糸から除去し
やすいものが好ましい。
【0016】非水溶性芯液として流動パラフィンを用い
た場合、好適に使用される水溶性洗浄剤の例としては、
プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2-ブタ
ノール、ペンタノール、ヘキサノールなど炭素数3〜6
の脂肪族アルコールおよび界面活性剤水溶液が挙げられ
る。
【0017】上記炭素数3〜6の脂肪族アルコールのう
ちでも透析膜および容器に対する非浸蝕性、芯液溶解
性、水洗による除去のしやすさなどの点から、イソプロ
パノール(イソプロピルアルコール)が最も好ましい。
【0018】また、非水溶性芯液の洗浄に使用する界面
活性剤としては、該非水溶性芯液を水中で乳化または溶
解できるものであれば特に制限はないが、実質的に毒性
がなく、かつ低起泡性でミセル臨界濃度の低いものが好
ましい。さらに、該界面活性剤は撹拌時に非水溶性芯液
を乳化する性質を有し、好ましくは静置時に油水層に分
離する性質を有するものがよい。こうした性質を有する
界面活性剤水溶液は容易に回収・再使用できる。
【0019】好適に使用される界面活性剤としては、非
イオン活性剤および陰イオン活性剤から選択できる。非
イオン活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン誘
導体、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重
合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどが挙げられ
る。また、陰イオン活性剤の具体例としては、アルキル
硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩など
が挙げられる。
【0020】かかる界面活性剤の具体例としては、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノール
アミド、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルエ
ーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸
エステルアンモニウム、アルファオレフィンスルホン酸
ナトリウム、アルキルアミンオキシド、アルキルグルコ
シド、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど
が挙げられる。これらは単独でも組み合わせても使用可
能である。
【0021】市販の界面活性剤として好適なものは、
「ナテラ」[ライオン(株)製]、「モア」[花王
(株)製]、「ママレモン」[ライオン(株)製]など
があるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0022】透析容器内に収納・接着固定された中空糸
の内部に残存付着する非水溶性芯液を上記の水溶性洗浄
剤、具体的には炭素数3〜6の脂肪族アルコールまたは
界面活性剤水溶液、で効率的に洗浄するための手段は特
に限定されないが、例えば、洗浄液を中空糸内部に通液
する方法、中空糸内外部に同時に通液する方法、透析容
器内に洗浄液を充填し、所定時間静置する方法などが採
用できる。
【0023】かくの如く洗浄された中空糸は、引き続
き、水洗処理工程(4) にて、内部に付着した上記の水溶
性洗浄剤を除去するために水洗される。この水洗処理工
程(4)は洗浄剤の水洗除去のみでなく、微量に中空糸内
に残存している紡糸溶剤や添加剤の除去にも寄与するた
め、血液透析装置の安全上も極めて有利である。
【0024】かくして水洗処理された透析器(モジュー
ル)には、次工程(5) で清浄な水が充填される。透析器
内に充填する水としては、無菌状態の濾過水、イオン交
換水、蒸留水などが好適に使用できる。
【0025】本発明方法の好適な実施態様では、この透
析器は、使用に先立ち、水を充填した状態でガンマ線照
射により滅菌処理される。この滅菌工程(6) において、
充填水に耐ガンマ線安定化剤などを添加して膜の劣化を
防ぐことも可能である。こうした耐ガンマ線安定化剤の
具体例としては、溶存酸素、炭酸ガス、グリセリン、
(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレレング
リコールなどが挙げられる。
【0026】水に上記の多価アルコールを添加した場合
は、滅菌工程(6) 後に、再度透析器内を水洗し、清浄な
水を充填するのが適当である。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明方法によれ
ば、中空糸の芯液として用いられる非水溶性液体を、フ
レオンなどの環境破壊性の溶剤を用いることなく洗浄で
き、中空糸内に残存する溶媒も透析器に組み込んだ状態
で徹底的に洗浄除去できるために、中空糸および透析器
が極めて清浄であり、安全性にもすぐれるという利点が
得られる。
【0028】さらに、中空糸束を透析器に接着固定した
後に非水溶性芯液の洗浄を行う本発明の方法によれば、
中空糸束を透析器に固定しない状態で洗浄する場合に比
べて、洗浄後の糸束緻密化が起らない。そのために、透
析器内での透析液の偏流が起こりにくく、良好な透析性
能が保証されるという利点もある。
【0029】しかも、この透析器は中空糸が既に湿潤状
態にあるので、病院などで使用の際に湿潤処理するのが
不要となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により何ら
限定を受けるものではない。
【0031】[参考例1] (セルローストリアセテート中空糸の作製)セルロース
トリアセテート20重量部、トリエチレングリコール2
4重量部およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)
56重量部を撹拌混合後、脱泡しながら均一溶液(ドー
プ)を調製した。該溶液をフィルターで濾過した後、二
重管ノズルの外側からは上記溶液(ドープ)を、内側か
らは芯液として流動パラフィンを吐出し、エアギャップ
を通過させた後、30重量%NMP水溶液中に導入し凝
固させた。さらに、この中空糸を50℃の水洗槽中で中
空糸中に残存する溶剤(NMP)を水洗除去後、50%
グリセリン水溶液を付着し、80℃にて10秒間乾燥し
た後、処理された糸をボビンに巻取った。ボビンにて安
定化のための熱処理(ヒートセット)を80℃で15時
間行うことにより、内径200μm、膜厚15μmのセ
ルローストリアセテート中空糸を得た。
【0032】かくして得られた中空糸ボビンから糸を解
除してカセワインダーに巻き返した後、切断することに
より中空糸束を得た。
【0033】[参考例2] (中空糸の透析性能測定方法)本発明において、中空糸
の透析性能としては、透水性(UFR)、尿素透析性
(DA尿素)、デキストラン1 万透析性(DA1万)お
よびデキストラン7万フルイ係数(SC7万)を評価し
た。評価には有効膜面積1.5 m2 の透析器を用いた。具
体的な測定条件を以下に示す。
【0034】(a) 透水性(UFR):差圧300mmHg で35
℃の純水20mlが圧濾過されるに要する時間を測定するこ
とにより求めた。
【0035】(b) 尿素透析性(DA尿素):0.01重量%
の尿素水溶液を透析器内の中空糸束の片側端面から他方
の端面に200ml/分の流速で通液した際の、入り口と出口
での尿素水溶液の濃度差から算出した。
【0036】(c) デキストラン1 万透析性(DA1
万):デキストラン1万の0.02重量% 水溶液を透析液と
して用い、尿素透析の場合と同様にして算出した。
【0037】(d) デキストラン7万フルイ係数(SC7
万):デキストラン7万の0.01重量% 水溶液を原液とし
て用い、10mmHgの加圧下で膜を透過したデキストラン7
万濃度を測定することにより、算出した。
【0038】[実施例1]参考例1により得た中空糸束
を50℃の乾燥機中に静置し、中空糸の片側端面から流
動パラフィンを自然落下させた後、さらに遠心分離する
ことにより、中空糸内部の流動パラフィンの約90重量
%を除去した。しかる後、該中空糸を集束して糸束を透
析容器内に収納し、糸束末端部をウレタンで封止後、5
0℃で15時間ウレタン硬化反応を行った。
【0039】かくして得られた中空糸収納透析器の内面
と外面とに同時にイソプロパノールを20分間通液し、
中空糸内に付着残存している流動パラフィンを洗浄除去
した。しかる後、イソプロパノールを液切りし、逆浸透
濾過水を30分通液することにより、イソプロパノール
を水洗除去した後、納透析器内に逆浸透濾過水を充填し
た。
【0040】かくして得られた水充填透析器内の中空糸
に含まれるイソプロパノール、流動パラフィンおよびN
−メチルピロリドンは、中空糸重量に対してそれぞれ5
0ppm,300ppmおよび40ppmであった。
【0041】この透析器の膜性能を参考例1に記載の方
法で評価したところ、後掲の表1の「実施例1」欄に示
す結果を得た。
【0042】[比較例1]実施例1において、イソプロ
パノールを用いて流動パラフィンの洗浄を行う代わり
に、1,1,2−トリフロロ−1,2,2−トリクロロ
エタンを10分間通液することにより洗浄を行った。得
られた中空糸中の残存流動パラフィンおよびN−メチル
ピロリドンは、それぞれ2000ppmおよび300p
pmと、実施例1の中空糸中の残存量に比べて著しく高
かった。
【0043】この透析器の膜性能を参考例1に記載の方
法で評価したところ、後掲の表1の「比較例1」欄に示
すような結果となった。
【0044】[実施例2]実施例1において、イソプロ
パノールを用いて流動パラフィンの洗浄を行う代わり
に、界面活性剤「ナテラ」[ライオン(株)製]1.0
重量%水溶液を20分間通液することにより、洗浄を行
った。しかるのち、逆浸透濾過水をさらに10分間通液
することにより、界面活性剤を水洗除去した。かくして
得られた透析器内の中空糸内の残存流動パラフィンおよ
びN−メチルピロリドンは、それぞれ、500ppmお
よび45ppmであった。
【0045】この透析器の膜性能を同様に評価したとこ
ろ、後掲の表1の「実施例2」欄に示す結果を示した。
【0046】
【表1】
【0047】表1の結果から、本発明方法により作製し
た透析器(実施例1、2)はフレオン洗浄による透析器
(比較例1)に比べ高い性能を示すことが明かである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 裕生 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯液として非水溶性液体を用いて紡糸し
    た血液透析用中空糸を内蔵する血液透析器を作製するに
    当り、該中空糸から芯液を除去する工程、該中空糸を集
    束後、透析容器内に収納・接着する工程、透析器内の中
    空糸に付着残存している芯液を水溶性洗浄剤で洗浄する
    工程、洗浄後の透析器を水洗する工程、そして、透析器
    内に水を充填する工程、から実質的になることを特徴と
    する血液透析器の作製方法。
  2. 【請求項2】 芯液として用いる非水溶性液体が、流動
    パラフィン、常温で液状の高級脂肪酸エステルまたは液
    状の芳香族炭化水素であることを特徴とする請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 血液透析用中空糸がセルロースエステル
    からなる中空糸であることを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 中空糸の芯液が流動パラフィンであり、
    かつ、これを洗浄する水溶性洗浄剤がイソプロパノール
    または非イオン性界面活性剤水溶液であることを特徴と
    する請求項1、請求項2または請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 透析器内に水を充填した後、ガンマ線を
    照射して滅菌することを特徴とする請求項1、請求項
    2、請求項3または請求項4記載の方法。
JP5356894A 1993-06-21 1994-03-24 血液透析器の作製方法 Pending JPH07255838A (ja)

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EP94304469A EP0630655A3 (en) 1993-06-21 1994-06-20 Method of making a hemodialyzer.
US08/654,312 US5814179A (en) 1993-06-21 1996-05-28 Process for producing a blood dialyzer

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010119771A (ja) * 2008-11-21 2010-06-03 Toyobo Co Ltd 熱安定性に優れた中空糸膜

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010119771A (ja) * 2008-11-21 2010-06-03 Toyobo Co Ltd 熱安定性に優れた中空糸膜

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