JPH0741994B2 - 容器の回動反転装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は、容器の回動反転装置に関し、さらに詳しく
は、低位置にある容器を回動して高位置に移送し、高位
置に保持された容器を反転させることにより、容器内部
の収容物を外部に排出することのできる装置であって、
特に、各種部品をメッキ浴や各種の塗装液等に浸漬する
装置に付設される容器の移動装置として好適な装置に関
する。

［従来技術と問題点］ 各種部品をメッキ浴に浸漬する装置として、種々の形式
のものが用いられており、例えば、メッキ浴にラセン状
の移送路が配設され、各種部品が前記移送路を移動する
間にメッキ浴に浸漬される形式のもの等が用いられてい
る。この他、バスケット状の容器を把持してメッキ浴中
に浸漬する装置も考案されている。また、これらの部品
を塗装液中に浸漬する場合にも、各種形式の装置が用い
られている。ところで、上記装置においては、各種部品
を一括して処理するためにこれら部品を容器に収容して
移送するのが便利である。前記容器移送装置には従来各
種の装置が用いられているが、容器の移送と反転とを同
時に行う場合に、従来の装置は機構が複雑なために装置
の保守等が煩雑であり、かつ容器を反転する際の容器の
把持が不充分である等の問題があった。

［問題点の解決手段］ 本発明は、例えば内容物を収容したまま搬送されてくる
容器を受け入れ、あるいはその容器を受け出すことがで
き、かつ容器を受け入れる低位置から高位置へと回動可
能に容器を保持する容器受台と、その容器受台に保持さ
れている容器を取り出し、かつその容器の開口部が下方
に向かうようにその容器を反転させるアーム部反転機構
とを組み合わせることにより、簡便な装置構成でありな
がら低所から高所への容器の移動と容器自体の反転とを
行なうことができ、かつ反転時の容器を確実に保持する
ことができるようにし、従来の問題を解決した。

前記問題を解決するためのこの発明は、上部に設けられ
た上下２段のフランジ部と上部を開口する上部開口部と
を備えた容器と、 前記容器を水平方向に受け入れ、または受け出す側面開
口部を両側面に備え、かつ、受け入れた前記容器の下段
フランジ部を支持する複数個のガイドローラを備えた容
器受台と、 前記容器受台を回動可能に支持する平行リンク機構およ
びこの平行リンク機構を回動駆動するシリンダー機構を
備えた昇降機構と、 中央部が開口した略長方形の枠組よりなるアーム部、こ
のアーム部の下部にあって前記容器の上段フランジ部と
離脱可能に係合する複数個のガイドローラを備えた軸受
部、および前記アーム部を反転駆動する機構を有するア
ーム部反転機構と、 前記昇降機構および前記アーム部反転機構を支持する基
台とを備え、 搬送されて来た容器の下段フランジ部をガイドローラで
支持することにより容器を受入れた前記容器受台が、昇
降機構により前記容器の上部開口部を上にしたまま前記
容器を低位置から高位置へと回動移動させ、前記アーム
部反転機構のアーム部の回転により、上段フランジ部を
ガイドローラで保持しつつ、高位置に移動した前記容器
を前記容器受台から取り外し、かつ前記容器の開口部が
下方に向かうように前記容器を反転させるようにしてな
ることを特徴とする容器の回動反転装置である。

［作用］ この発明の容器の回動反転装置は次の作用を有する。

たとえば、この発明の容器の回動反転装置は、容器の搬
送ラインと容器に収容された内容物を処理する装置との
間に配置されることができる。

先ず、この容器の回動反転装置における昇降機構中の平
行リンク機構により、容器受台における両側面の内の一
方の側面が容器の搬送ラインに臨むように、容器受台を
低位置にしておく。搬送ラインから搬送されて来た容器
が容器受台の側面開口部を通って容器受台内に移送され
る。容器受台におけるガイドローラ上を容器の下段フラ
ンジ部が滑動するので、容器受台への容器の移送が円滑
に行われる。移送されて容器受台に収容された容器は、
その下段フランジ部が容器受台におけるガイドローラで
支持されることにより、容器受台に安定に保持される。

昇降機構を次のように動作させることにより、低位置に
ある容器受台を高位置に移送する。すなわち、シリンダ
ー機構の駆動により平行リンク機構を回動させる。平行
リンク機構の回動運動により、平行リンク機構における
回動支点を中心にして、低位置にあった容器受台が円弧
の軌跡を描いて高位置に移送される。低位置から高位置
に容器受台が移送される間、容器受台におけるガイドロ
ーラが下段フランジ部を支持して、上部開口部が上方に
向いた状態で容器が容器受台に保持されている。したが
って、容器受台に保持された容器が昇降機構により低位
置から高位置へと移送される間、容器内の内容物が容器
からこぼれ落ちることがない。平行リンク機構の回動に
より容器が高位置に達した状態においても、容器受台に
おけるガイドローラが下段フランジ部を支持して容器の
上部開口部が上方を向いた状態で容器受台に容器が保持
されている。

そこで、アーム部反転機構を駆動することにより、容器
受台に保持された容器の上部開口部にアーム部を臨ませ
る。軸受部におけるガイドローラで容器の上段フランジ
部の下面を支持する。アーム部反転機構を駆動してアー
ム部を、アーム部の支持点を中心にして回動反転させ
る。アーム部の水平方向から垂直方向への回動において
は、最初は軸受部におけるガイドローラが上段フランジ
部を支持している。上方に向かって上部開口部が開口し
た状態の容器がアーム部に保持された状態で回動され
て、上部開口部が水平方向に開口した状態になるよう
に、容器が回動される。さらにアーム部が回動して反転
すると、軸受部のガイドローラは上段フランジ部の支持
から下段フランジ部の支持に移行する。すなわち、水平
方向に向かって上部開口部が開口した容器がその開口部
を下方に向けて反転するにつれて、軸受部のガイドロー
ラは上段フランジ部の支持から下段フランジ部の支持へ
と移行し、軸受部のガイドローラが下段フランジ部を支
持した状態になる。これによって、容器はアーム部から
脱落することがなく、容器の上部開口部が斜め下方に向
けて開口するようにアーム部に保持されるので、容器内
の内容物が放出される。

内容物の放出後、前記とは逆の動作により、上部開口部
が斜め下方に向けて開口するようにアーム部に保持され
ていた容器が、上部開口部が水平方向に向けて開口する
ようにアーム部に保持された状態になり、さらにアーム
部が逆に回動することにより、上部開口部が上方に向け
て開口するように保持された状態、つまり元の状態に戻
る。元の状態に戻った結果として、下段フランジ部を容
器受台のガイドローラが支持することにより容器が容器
受台によって高位置で保持されている。

この後、シリンダー機構の駆動により、平行リンク機構
を回動させる。平行リンク機構の回動運動により、平行
リンク機構における回動支点を中心にして、高位置にあ
った容器受台が円弧の軌跡を描いて低位置に移送され
る。容器受台が高位置から低位置に移送される間、容器
受台においては、そのガイドローラが下段フランジ部を
支持しているので、容器の上部開口部を上に向けたまま
容器も高位置から低位置へと移送される。

［具体例］ 本発明の好適な実施例を第１図ないし第３図に示す。

図示するように本発明の移動反転装置は、基台10、昇降
機構20、容器受台21、アーム部反転機構30を備える。

前記容器受台21は、容器40を保持するためのフレーム25
がその左右両側に立設されている。前記フレーム25の上
端には、ガイドローラー26が複数個設けられている。前
記容器40の下段フランジ部41は前記ガイドローラー26に
転接し、前記ガイドローラー26により容器40が支えられ
る。尚、容器受台21の側面は容器40を出し入れするため
に開口され、これを側面開口部と称する。

昇降機構20には、容器受台21を支持する支柱22が設けら
れている。前記支柱22は４本の脚部23によって形成さ
れ、前記脚部23の上端23aは容器受台21に回動自在に軸
着され、また前記脚部23の下端23bは回動自在に前記基
台10にそれぞれ軸着されており、これにより箱型の平行
リンク機構が形成されている。

更に、前記支柱22には、垂直方向に立設する前記支柱22
が水平ないし傾斜状態になるように回動し、あるいは水
平ないし傾斜状態にある前記支柱22が垂直状態になるよ
うに回動するためのシリンダー機構24が連結されてい
る。シリンダー機構24はその基端部24aが基台10に軸着
される一方、ロッド先端24bが前記支柱22に突設された
連結部25に軸着され、前記ロッドの往復動により支柱22
がその下端部23bを中心に傾動される。このシリンダー
機構24を駆動することにより、下端23bを中心にして脚
部23が回動して上端23aが円弧を描く。脚部23の回動に
より、容器受台21が、例えば、脚部23が垂直に立設する
ことによる高位置から、脚部23が斜めあるいは水平な状
態になったときの低位置へとその位置を変え、あるいは
前記低位置から前記高位置へとその位置を変えることが
できる。尚、前記容器受台21は前記支柱22の上端23aに
回動自在に軸着されているので、支柱22が傾動する際に
も容器受台21は略水平を維持することができる。

このように、本実施例においては、容器受台21が、平行
リンク機構を有する昇降機構20により低位置から高位置
へと、あるいはその逆に、円弧を描いて移送されるの
で、上方での容器40の出入れと下方での容器40の出入れ
とが分離されて作業性が良い。

次に、前記アーム部反転機構30は略矩形の枠型をなすア
ーム部31を具え、前記アーム部31は容器受台21の上側に
配設されている。アーム部31の左右両側端の下側には軸
受部32が突設される。前記軸受部32には、容器40の上段
フランジ部42に係合可能なガイドローラー33が、複数配
設されている。前記軸受部32は、ガイドローラー33と容
器40の上段フランジ部42との係合を解除できるように外
側方に傾くように、装着されている。またガイドローラ
33は前記容器受台21のガイドローラー26と同方向に配設
されており、容器40が容器受台21に側方から挿入される
際、容器40の下段フランジ部41が容器受台21のガイドロ
ーラー26に転接して支持される一方、容器40の上段フラ
ンジ部42と前記アーム部31のガイドローラ33との間には
僅かな隙間が保たれる。

更に、前記アーム部31はその回転自在な軸支部34を介し
て基台10に支持され、前記軸支部34には駆動機構（図示
せず）が連結されている。前記アーム部31は容器40を保
持したまま前記駆動機構により容器受台21の反対側に回
転される。尚、前記アーム部31は略矩形の枠状の部材で
あり、その中央部は開口しているので容器40の上側開口
を閉塞せず、アーム部31が反転された際、容器40の収納
物は容易に外部に排出される。また、前記アーム部反転
機構30にはその上面に掻寄せ機構を設けると一層作業性
が向上する。前記掻寄せ機構の一例としては図示するよ
うにシリンダー35と寄棒36とからなり、寄棒36はシリン
ダー35のロッド先端に固着されており、シリンダー35に
より容器40の上段フランジ部42上を摺動し、前記上段フ
ランジ部42の上面に残った収容物を開口に寄集める。

前記構成において、予めシリンダー機構24により昇降機
構20は下方に傾動されて、容器40が容器受台21に載置さ
れる。この場合、容器40の下段フランジ部41が容器受台
21のガイドローラー26に転接して支持される。次いで支
柱22が、シリンダー機構24によって脚部23の上端23aが
円弧を描くように回動され、その結果、容器受台21が低
位置から高位置へと移動することにより容器40が高位置
に持ち上げられ、移動する。この場合、アーム部31の軸
受部32は側方に傾斜しているので容器40の上段フランジ
部42はアーム部31のガイドローラー33とは係合しない。

次いで、アーム部31における軸受部32が回動することに
よりガイドローラ33が容器40の上段フランジ部42の下面
を支持する。容器40の上段フランジ部42がアーム部31の
ガイドローラー33に係合し、支持された状態で、駆動機
構によりアーム部31が容器受台21の反対側に回転され
る。

このとき、アーム部31が水平状態から垂直状態になるよ
うに回動する期間中、上段フランジ部42の下面がガイド
ローラ33に支持された状態で容器40が持ち上げられて行
き、アーム31が垂直状態になったときには、ガイドロー
ラ33が容器40における上段フランジ部42と下段フランジ
部41との間の周面を支持している状態になり、さらにア
ーム31が垂直状態から斜め状態にと回動すると、ガイド
ローラ33は下段フランジ部41を支持するようになる。そ
の結果として、前記容器40は前記アーム部と一体に回転
し、容器受台21の反対側において上部開口部が下側にな
るように反転され、容器40内の収納物が外部に排出され
る。容器40が反転した状態では、ガイドローラ33が下段
フランジ部41を支持しているので、容器40が脱落するこ
とがない。

その後、アーム部31の回転により容器40は容器受台21に
復帰され、アーム部31の軸受部32が側方に開きガイドロ
ーラー33と上段フランジ部42との係合が解除された後、
再たび、シリンダー機構24により支柱22が傾動され、昇
降機構20が容器40を保持して下方に移動される。

［効果］ この発明の容器の回動反転装置は、容器受台に容器を保
持したまま、容器を低位置から高位置へと回動させる昇
降機構と、容器を保持したまま容器を反転させるアーム
部反転機構とを組み合わせることにより、簡便な装置機
構でありながら容器の移送と反転とを行うことができ
る。

容器受台は側面開口部を備えているので、容器受台中へ
の容器の出し入れが容易である。しかも、容器の出し入
れに際しては、容器受台はガイドローラを有しているの
で、このガイドローラ上に容器の下段フランジ部を載置
し、容器を押し込んだり引いたりするだけで、容器を容
器受台中に収容し、あるいは取り出すことを容易かつ確
実に行うことができる。

昇降機構が平行リンク機構を有しているので、容器受台
が容器を受け入れる水平位置および垂直位置と容器を反
転する際のその容器の水平位置および垂直位置とが相違
している場合に、この容器の回動反転装置の有用性が良
く発揮される。

この容器の回動反転装置を使用することにより、たとえ
ば低位置にある容器を高位置に移送し、次いで高位置に
ある容器を反転してその内容物を排出し、その反転され
ている容器を高位置の元の状態に戻し、最後に高位置に
ある容器を低位置に移送する場合、あるいは、低位置に
ある容器を高位置に移送し、次いで高位置にある容器を
反転してその内容物を排出し、その反転されている容器
を高位置の元の状態に戻し、高位置にある容器を回動反
転装置から取り出し、空の状態になっている容器受台を
低位置に戻して容器の受け入れに備える場合、高位置に
ある容器受台が容器を受け入れ、その容器を反転させて
その内容物を排出し、反転している容器を元の高位置に
おける状態に戻し、更に高位置にある容器を低位置に移
送して低位置にある容器受台から容器を取り出す場合
等、容器受台が高位置と低位置とにその位置を変えるこ
とができる機能、高位置にある容器を反転させることの
できる機能、および反転した容器を脱落させることなく
安定に保持する機能を利用することにより、様々の用途
に使用されることができる。

この容器の回動反転装置は、アーム部の下部に設けられ
た軸受部に装着されたガイドローラが下段フランジ部を
支持することにより、反転した容器を脱落させることな
く安定に保持することができる。

またアーム部と上段フランジ部とがガイドローラーを介
して保持されるので反転時の容器の把持が確実であると
同時に容器の出入れも極めて容易である。更に容器のフ
ランジ部を上下２段に形成し、容器受台のガイドローラ
ーとアーム部のガイドローラーとに夫々係合させること
により、容器の把持と出入れが一層円滑に行われる。

更に、本発明の装置においては、容器に上段フランジ部
が容器受台のガイドローラーに転接して支持される場
合、容器の上段フランジ部とアーム部のガイドローラー
との間には僅かな隙間が保たれるのでアーム部のガイド
ローラと容器との係合を解除する際、回動アームの軸受
部が側方に開き易く、一連の動作が極めて円滑に進行す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る容器の移動反転装置の一例を示す
概略斜視図、第２図はその作動説明図、第３図は容器と
ガイドローラとの係合を示す説明図である。 10……基台、20……昇降機構、21……容器受台、22……
支柱、23……脚部、24……シリンダー機構、25……連結
部、26……ガイドローラー、30……アーム部反転機構、
31……アーム部、32……軸受部、33……ガイドローラ
ー、34……軸受部、40……容器、41、42……フランジ
部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上部に設けられた上下２段のフランジ部と
   上部を開口する上部開口部とを備えた容器と、 前記容器を水平方向に受け入れ、または受け出す側面開
   口部を両側面に備え、かつ、受け入れた前記容器の下段
   フランジ部を支持する複数個のガイドローラを備えた容
   器受台と、 前記容器受台を回動可能に支持する平行リンク機構およ
   びこの平行リンク機構を回動駆動するシリンダー機構を
   備えた昇降機構と、 中央部が開口した略長方形の枠組よりなるアーム部、こ
   のアーム部の下部にあって前記容器の上段フランジ部と
   離脱可能に係合する複数個のガイドローラを備えた軸受
   部、および前記アーム部を反転駆動する機構を有するア
   ーム部反転機構と、 前記昇降機構および前記アーム部反転機構を支持する基
   台とを備え、 搬送されて来た容器の下段フランジ部をガイドローラで
   支持することにより容器を受入れた前記容器受台が、昇
   降機構により前記容器の上部開口部を上にしたまま前記
   容器を低位置から高位置へと回動移動させ、前記アーム
   部反転機構のアーム部の回転により、上段フランジ部を
   ガイドローラで保持しつつ、高位置に移動した前記容器
   を前記容器受台から取り外し、かつ前記容器の開口部が
   下方に向かうように前記容器を反転させるようにしてな
   ることを特徴とする容器の回動反転装置。