JPH0741657B2 - 低発泡硬質塩化ビニル樹脂押出成形品の製法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は主として建築物の内装材として使用する低発泡
硬質塩化ビニル樹脂押出成形品の製法に関し、特に材料
樹脂中に木粉と少量の発泡剤を混入させると共に成形品
の表面に形成されるスキン層を削除して製品の表面に導
管状の小孔を顕出させることを特徴とするものである。

（従来の技術） 硬質塩化ビニル樹脂押出成形品は硬くて耐候性がすぐれ
ているところから、従来から、樋や水道管等の金属製部
材に代る建材として広く使用されているが、近年は更に
これを板や柱などの木製部材に代る建材としても使用し
ようとする要請が高まっている。この場合、材料樹脂に
は木粉を混入させるのであるが、この様にすることによ
って押出成形品は鋸による切断や釘による打ち付けが可
能になるが、比重が木材に比べて格段に大きく、しかも
表面にはスキン層が形成されていて、表面硬度が硬くて
木質の感じが無いことはもとより、木製部材に常用され
ている醋酸ビニル樹脂系の接着剤や塗料との親和性が低
くて接着したり塗装したりすることが困難なため用途が
限定されていたのである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記した従来の硬質塩化ビニル樹脂押出成形品
の欠点を解消したものであって、木粉のほか、適量の発
泡剤を混入させた樹脂材料を用いて低発泡硬質塩化ビニ
ル樹脂押出成形品を成形し、然してその表面に形成され
るスキン層を削除して、成形品の表面に導管状の小孔を
顕出させるものである。

即ち、本発明は成形品を低発泡させること、成形品の表
面に形成されるスキン層を削除することが特徴であっ
て、成形品は発泡しているので、それだけ比重が小さく
なって木質に近いものとなり、しかも表面に形成される
スキン層は薄くなるので、ブラッシング等により容易に
削除することができるのである。

低発泡硬質塩化ビニル樹脂押出成形品は本来、独立気泡
体であるが、この成形品には木粉が混入されているた
め、セルと木粉とが連結して成形品は見掛上連続気泡体
となる。従って、スキン層を削除された成形品の表面に
は気泡の連結した（導管状の）小孔が顕出されるので、
視覚的にも触感的にも木質に類似したものとなる。ま
た、これに塗料や接着剤を塗布すると、その一部が小孔
内に深く入り込むため、成形品との結合が極めて強固に
なるのである。

（実施例） 硬質塩化ビニル樹脂100部に20メッシュの木粉30部、発
泡剤（アゾジカルボン酸アミド）１部、及び安定剤、滑
剤、補強剤等５部を加えてミキサーで混合し、以下常法
に従って混合物を加熱し、冷却したのち押出成形機に投
入し、所望の形状の低発泡硬質塩化ビニル樹脂押出成形
品を成形し、次いで成形品の表面に形成されたスキン層
を綱線製のワイヤブラシによって削除して製品とした。

この製品は比重が0.5〜1.0で木質に近く、しかもその表
面には気泡の連続した導管状の小孔が顕出して、木質の
表面に類似したものとなった。又、製品の表面に接着剤
及び塗料を塗布したところ、接着剤及び塗料の一部が小
孔中に浸入して楔効果が生じ、表面に対する固着力が強
められた。

（発明の効果） 以上の通り、本発明は、木粉を樹脂に混入させることに
よってその熱膨張率が従来のものに比較して1/2〜1/3と
なる。このため、木材や金属と接着した場合にも、温度
変化によって剥離が生じるような恐れもなく、広範な用
途に使用できる。特に、建物の内装材のコーナー突き合
わせ部は、従来の樹脂製品であると熱膨張収縮により隙
間が生じるために木材と同様な施工が不可能であった
が、本発明によれば隙間のない体裁の良い施工が可能と
なる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−55735（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−16736（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−7872（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−169880（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−177719（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】塩化ビニル樹脂100部に20メッシュの木粉2
   0〜40部、発泡剤05〜４部と安定剤等の添加物を混練
   し、この混練物を原料として低発泡硬質塩化ビニル樹脂
   押出成形品を成形し、この成形品の表面に形成されたス
   キン層を削除することを特徴とする低発泡硬質塩化ビニ
   ル樹脂押出成形品の製法。