JPH0741492A - ビス(1,2−アセナフチレンジチオラト)ニッケル系錯体化合物 - Google Patents

ビス(1,2−アセナフチレンジチオラト)ニッケル系錯体化合物

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JPH0741492A
JPH0741492A JP14746191A JP14746191A JPH0741492A JP H0741492 A JPH0741492 A JP H0741492A JP 14746191 A JP14746191 A JP 14746191A JP 14746191 A JP14746191 A JP 14746191A JP H0741492 A JPH0741492 A JP H0741492A
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JP
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nickel
acenaphthylenedithiolato
complex compound
bis
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Yoshihiro Irisato
義広 入里
Shinya Okubo
慎也 大久保
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式(1) で表されるビス(1,2−アセナフチレンジチオラト)
ニッケル系錯体化合物。 【効果】1,000nm以上に吸収極大波長を有し、耐
熱性が良好で、樹脂溶解性が高いので、近赤外吸収剤と
して種々の用途に適用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なビス(1,2−
アセナフチレンジチオラト)ニッケル系錯体化合物に関
する。
【0002】
【従来技術】ビス(1,2−ジアリール−1,2−エチ
レンジチオラト)ニッケル系錯体化合物は、一般に75
0〜1,200nmの近赤外部に吸収を示し、近赤外線
吸収剤として優れた性質を有している。
【0003】主な用途として、電子機器用近赤外線カッ
トフィルター、写真用近赤外線フィルター、保護メガ
ネ、サングラス、ゴーグル、熱線遮断フィルム、農業用
フィルム、光ディスク、光学文字読み取り用記録、機密
文書複写防止用、電子写真用感光体、太陽熱貯蔵などに
用いられる。
【0004】また、上記錯体化合物は、一重項酸素を脱
活性化する性質を有し、一重項酸素クエンチャーとし
て、例えばポリオレフィン類の光安定剤や酸化防止剤、
有機色素などの光劣化防止剤としての用途を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、上記錯
体化合物は多くの優れた性質を有している。
【0006】ところが、上記錯体化合物の中で1,00
0nm以上の長波長の光を吸収する色素は、実際に樹脂
に熱練り込みを行って近赤外線吸収組成物として上記用
途に用いる場合には、その耐熱性が悪く分解してしまう
という欠点を有している。
【0007】上記錯体化合物以外にも近赤外線吸収剤と
して、アントラキノン系、ナフトキノン系、フタロシア
ニン系、シアニン系、インドフェノールアニリンの金属
錯体系等の化合物があるが、アントラキノン系、ナフト
キノン系は1,000nm以上の長波長を吸収するのが
困難であり、フタロシアニン系は原料が得難く、溶解性
が悪い。また、シアニン系、インドフェノールアニリン
の金属錯体系は耐光性、耐熱性が弱いといった問題点を
有しているために、上記樹脂添加物用途では実用性がな
いのが現状である。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、1,000n
m以上に吸収極大波長を有し、耐熱性が良好で、樹脂溶
解性の高い錯体化合物を見出した。すなわち、本発明は
一般式(1)
【0009】
【化1】 〔式中、R1およびR2は、互いに同一あるいは異なって
いてもよく、置換基を有してもよいアルキル基、置換基
を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいア
ルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、
ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン
原子、または水素原子を示す。〕で表されるビス(1,
2−アセナフチレンジチオラト)ニッケル系錯体化合物
である。
【0010】本発明の一般式(1)の中の置換基の具体
例を次に示す。
【0011】R1およびR2の置換基を有してもよいアル
キル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ドデシル基、シクロ
ヘキシル基等、置換基を有してもよいアルコキシ基とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブ
トキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、置換
基を有してもよいアルキルアミノ基としては、メチルア
ミノ基、エチルアミノ基、ジアルキルアミノ基として
は、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−オ
クチルアミノ基、ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0012】上記錯体化合物は対応するアセナフテンキ
ノン類から、次に示すような反応経路により該化合物を
得ることができる。
【0013】
【化2】
【0014】すなわち、アセナフテンキノン化合物と五
硫化リンを1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
(以下DMIと記す)のような極性有機溶媒中で加熱し
て反応し、リン化合物の中間体を生成させ、塩化ニッケ
ル(II)を加えて加熱して反応させることにより、一
般式(1)で表される該化合物を得ることができる。
【0015】これらの本発明化合物は出発原料である対
応するアセナフテンキノン類1重量部を1〜100重量
部、好ましくは4〜20重量倍のDMI中に1〜5モル
比、好ましくは1.2〜2モル比の五硫化リンとともに
溶解又は懸濁させ、50℃〜160℃、好ましくは70
〜120℃に加熱させることにより中間体のリン化合物
を得ることができる。
【0016】続いて、反応液を室温〜70℃に冷却し、
水に溶解させた0.4〜2モル比、好ましくは0.4〜
0.6モル比の塩化ニッケル(II)6水和物を加え、
10〜160℃、好ましくは40〜120℃に加熱して
反応させ、続いて析出してきた沈澱物を濾別し、アルコ
ール洗浄、水洗、乾燥するかまたは反応液を水、アルコ
ール又はアセトン中に排出し、濾過、アルコール洗浄、
水洗、乾燥することにより式(1)の化合物を得ること
ができる。
【0017】
【発明の効果】本発明により提供される新規なビス
(1,2−アセナフチレンジチオラト)ニッケル系錯体
は、1,000nm以上に吸収極大波長を有し、耐熱性
が良好で、樹脂溶解性が高いので、近赤外線吸収剤とし
て種々の用途に適用可能である。
【0018】
【実施例】以下に実施例を示すが、例中の「部」は「重
量部」を示し、%は重量%を示す。
【0019】実施例1 アセナフテンキノン5.1部、五硫化リン8.9部、D
MI50部を混合し、100〜105℃で2時間反応さ
せた。反応液を60℃に冷却し、塩化ニッケル(II)
6水和物3.3部を加え、100℃に加熱して2時間反
応させた。反応液を室温に冷却しエタノール150部中
に排出し、濾過、エタノール洗浄、温水で洗浄後、乾燥
し、次式(化3)で示される化合物20.7部(収率3
0%)を得た。また、純度はイアトロスキャンTH−1
0(ヤトロン社製、溶離液トルエン)にて分析した結果
99.7%であった。
【0020】
【化3】
【0021】外観:黒灰色粉末 極大吸収波長λmax=1,142nm(DMF中) 熱分解温度 275℃
【0022】実施例2 実施例1のアセナフテンキノンの代わりに4−クロルア
セナフテンキノン 6.1部を用いて、実施例1と同様
な操作を行った。乾燥後、次式(化4)で示される化合
物21.2部(収率27%)を得た。また純度はイアト
ロスキャンTH−10(ヤトロン社製、溶離液トルエ
ン)にて分析した結果、99.6%であった。
【0023】
【化4】
【0024】外観:黒灰色粉末 極大吸収波長λmax=1,120nm(DMF中) 熱分解温度 310℃
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 〔式中、R1およびR2は、互いに同一あるいは異なって
    いてもよく、置換基を有してもよいアルキル基、置換基
    を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいア
    ルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、
    ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン
    原子、または水素原子を示す。〕で表されるビス(1,
    2−アセナフチレンジチオラト)ニッケル系錯体化合
    物。
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