JPH074148U - シ−トトラック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シ−トベルト等を介してアッパ−レ−ルの後
端部付近に衝撃的な引張力が伝達された場合に、該引張
力でアッパ−レ−ルが変形したり、ロアレ−ルから外れ
てしまったり（レ−ル剥離）することを防止する。 【構成】 床面に固定されるロアレ−ル1 とシ−トを支
持するアッパ−レ−ル2を有し、アッパ−レ−ル2 は、
アッパ−レ−ル本体20と、本体20の下端から各々水平に
張り出された張出部20a と、各張出部20a の先端から各
々上方へ屈曲された屈曲部20b を備え、アッパ−レ−ル
張出部20a 下面の少なくとも後端部に補強板30を一体に
取り付けて成るシ−トトラック装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車の座席（例：前部座席）を、前後移動可能に支持するシ−ト トラック装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

シ−トトラック装置は、図４に示すように、ロアレ−ル1 と、該ロアレ−ル1 に摺動可能に取り付けられるアッパ−レ−ル2 を有する装置である。このロアレ −ル1 とアッパ−レ−ル2 で構成される一対の部材が、座席下方の左右位置に平 行に設けられて該座席を支持しており、これにより、該座席が床面に対して前後 移動可能とされている。

【０００３】 図４の（ａ）は、従来のシ−トトラック装置の正常状態の横断面を示す。 図示のように、ロアレ−ル1 は、略溝状を成すロアレ−ル本体10と、本体10の 各上縁から内側へ各々水平に張り出された張出部10a と、各張出部10a の内端か ら各々下方へ屈曲された屈曲部10b とから構成される。また、アッパ−レ−ル2 は、長板状を成し上記ロアレ−ル屈曲部10b-10b 間に挿入されるアッパ−レ−ル 本体20と、本体20の下端から側方へ各々水平に張り出された張出部20a と、各張 出部20a の先端から各々上方へ屈曲された屈曲部20b とから構成される。

【０００４】 上記に於いて、ロアレ−ル1 の底面10c とアッパ−レ−ル張出部20a の下面の 間には、不図示のロ−ラが設けられている。また、アッパ−レ−ル2 の張出部20 a 及び屈曲部20b と、ロアレ−ル1 の張出部10a 及び屈曲部10b とで囲まれる空 間内には、不図示のボ−ルが設けられている。このように設けられることで、ア ッパ−レ−ル２は、ロアレ−ル１に対して摺動可能とされている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

図４の（ｂ）はシ−トトラック装置の変形後の横断面を示す。また、図３は実 施例のシ−トトラック装置の概略構成を示す側面図であるが、説明を容易にする ために、ここで引用する。

【０００６】 いま、シ−トベルト60を介してベルトアンカ−55に衝撃的な引張力が作用する と、この衝撃的な引張力は、ロアア−ム50と必要に応じて設けられている支持板 35を介してアッパ−レ−ル2 の後端部付近（着座者の尻付近）に伝達される。こ の引張力の強さが或る限界値を越えると、図４の（ｂ）のように、アッパ−レ− ル2 とロアレ−ル1 が変形して、両者の噛み合いが、アッパ−レ−ル2 の後端部 側から外れる。これを、レ−ル剥離という。 本考案は、このような不具合を防止することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、床面に固定されるロアレ−ルとシ−トを支持するアッパ−レ−ルを 有し；前記ロアレ−ルは、上部が開口された溝状のロアレ−ル本体と、該本体の 開口の両縁から内側へ各々水平に張り出された張出部と、該各張出部の内端から 各々下方へ屈曲された屈曲部を備え；前記アッパ−レ−ルは、前記ロアレ−ル本 体の開口から該開口に沿うように垂直に挿入される長板状のアッパ−レ−ル本体 と、該本体の下端から前記ロアレ−ル本体の内壁側へ各々水平に張り出された張 出部と、該各張出部の先端から各々上方へ屈曲された屈曲部を備え；前記ロアレ −ル本体の底面側に設けられたロ−ラにより前記アッパ−レ−ル張出部の下面側 を支持し、且つ、前記アッパ−レ−ルの張出部及び屈曲部と前記ロアレ−ルの張 出部及び屈曲部で囲まれる空間内にボ−ルを配することで、前記ロアレ−ルに対 して前記アッパ−レ−ルを摺動可能に取り付けて成るシ−トトラック装置に於い て；前記アッパ−レ−ル張出部下面の少なくとも後端部に補強板を一体に取り付 けて成るシ−トトラック装置である。

【０００８】

【作用】

アッパ−レ−ルの後端部付近に衝撃的な引張力が作用すると、該アッパ−レ− ルの張出部が引張方向へ変形しようとするが、該張出部の下面には補強板が一体 に取り付けられているため、上記の変形は防止され、したがって、アッパ−レ− ルとロアレ−ルの噛み合いが外れることも防止される。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を説明する。 図１は実施例装置の要部を示す斜視図、図２は横断面図、図３は概略的側面図 である。本実施例装置では、アッパ−レ−ル2 の前端部及び後端部に、各々図３ のように補強板30が一体に取り付けられている。なお、図１〜図３に於いて、図 ４に示す従来の装置と同じ部材については図４と同じ符号で示し、且つ、その部 材についての説明は、省略もしくは簡略化する。

【００１０】 本実施例装置は、図３のように、ロアレ−ル1 と、ロアレ−ル1 に前記の如く 摺動可能に取り付けられるアッパ−レ−ル2 を有する。ロアレ−ル1 は、取付部 材15を介して自動車の床面（不図示）に固定される。また、アッパ−レ−ル2 に は、アッパ−レ−ル2 と一体の支持板35を介してロアア−ム50が固定され、この ロアア−ム50に不図示のシ−トが固定される。このように構成されることで、上 記不図示のシ−トが上記不図示の床面に対して、前後移動可能とされる。

【００１１】 図２のように、本装置のアッパ−レ−ル2 の端部（前端部及び後端部）の張出 部20a の各下面には、補強板30が溶接等により一体に固定されている。なお、補 強板30の材質は前記の目的に適う材質であればよいが、ここでは、アッパ−レ− ル2 と同じ材質が用いられている。また、補強板30を固定する方法も前記の目的 に適う方法であればよく、溶接に限定されない。

【００１２】 このように、本装置では、アッパ−レ−ル2 の前端部と後端部の張出部20a の 各下面に、各々補強板30が固定されているため、シ−トベルト60等を介して衝撃 的な引張力が伝達されたとしても、該引張力によってアッパ−レ−ル2 の張出部 20a が変形したり、ロアレ−ル1 から外れたりすることが防止される。 なお、上記実施例では、補強板30は、アッパ−レ−ル2 の前端部及び後端部の 張出部20a の下面に各々設けられているが、補強板を１枚の長板で構成し、張出 部20a の下面全面に設けるようにしてもよい。

【００１３】

【考案の効果】

以上、本考案では、アッパ−レ−ルの少なくとも後端部の張出部の下面に補強 板が取り付けられているため、シ−トベルト等を介して衝撃的な引張力が伝達さ れた場合でも、アッパ−レ−ルの張出部が当該部分から変形することが防止され る。したがって、アッパ−レ−ルがロアレ−ルから外れることも防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例装置の要部を示す斜視図。

【図２】実施例装置の要部を示す横断面図。

【図３】実施例装置の概略的な側面図。

【図４】従来の装置の断面図で、（ａ）は正常状態、
（ｂ）は変形後を示す。

【符号の説明】

１ ロアレ−ル １０ ロアレ−ル本体 １０ａ ロアレ−ル張出部 １０ｂ ロアレ−ル屈曲部 ２ アッパ−レ−ル ２０ アッパ−レ−ル本体 ２０ａ アッパ−レ−ル張出部 ２０ｂ アッパ−レ−ル屈曲部 ３０ 補強板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床面に固定されるロアレ−ルと、シ−ト
   を支持するアッパ−レ−ルを有し、 前記ロアレ−ルは、上部が開口された溝状のロアレ−ル
   本体と、該本体の開口の両縁から内側へ各々水平に張り
   出された張出部と、該各張出部の内端から各々下方へ屈
   曲された屈曲部を備え、 前記アッパ−レ−ルは、前記ロアレ−ル本体の開口から
   該開口に沿うように垂直に挿入される長板状のアッパ−
   レ−ル本体と、該本体の下端から前記ロアレ−ル本体の
   内壁側へ各々水平に張り出された張出部と、該各張出部
   の先端から各々上方へ屈曲された屈曲部を備え、 前記ロアレ−ル本体の底面側に設けられたロ−ラにより
   前記アッパ−レ−ル張出部の下面側を支持し、且つ、前
   記アッパ−レ−ルの張出部及び屈曲部と前記ロアレ−ル
   の張出部及び屈曲部で囲まれる空間内にボ−ルを配する
   ことで、前記ロアレ−ルに対して前記アッパ−レ−ルを
   摺動可能に取り付けて成るシ−トトラック装置に於い
   て、 前記アッパ−レ−ル張出部下面の少なくとも後端部に、
   補強板を一体に取り付けて成るシ−トトラック装置。