JPH0741472A - フェノール類のトリメリット酸エステル酸無水物の製造方法 - Google Patents

フェノール類のトリメリット酸エステル酸無水物の製造方法

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JPH0741472A
JPH0741472A JP5208576A JP20857693A JPH0741472A JP H0741472 A JPH0741472 A JP H0741472A JP 5208576 A JP5208576 A JP 5208576A JP 20857693 A JP20857693 A JP 20857693A JP H0741472 A JPH0741472 A JP H0741472A
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JP
Japan
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weight
anhydride
transesterification
catalyst
phenols
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JP5208576A
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Shigeki Hashimoto
茂樹 橋本
Shigeo Takatsuji
重雄 高辻
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New Japan Chemical Co Ltd
Original Assignee
New Japan Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高純度のフェノール類のトリメリット酸エス
テル酸無水物を工業的に有利な条件下で高収率で得るこ
とができる新規有用な製造方法を提供する。 【構成】 シリカ・アルミナ系化合物、アルカリ金属化
合物及びアルカリ土類金属化合物から選ばれる1種又は
2種以上の無機化合物系触媒の存在下に、フェノール類
の低級アルカン酸エステルとトリメリット酸(無水物)
とをエステル交換反応する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性樹脂の原料或い
はエポキシ樹脂やポリウレタン樹脂の硬化剤又は樹脂改
質剤として有用なフェノール類のトリメリット酸エステ
ル酸無水物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂やポリウレタン樹脂の硬化
剤或いは樹脂改質剤及び耐熱性樹脂原料として有用なト
リメリット酸エステル酸無水物の製造方法としては、以
下の方法が知られている。これらの方法は、通常、無触
媒下で行われる。
【0003】(1)ベンゼンやトルエン等の溶剤中、無
水トリメリット酸クロリドとフェノール類(或いはジオ
ール類)との反応による方法(特公昭43−5911
号)。
【0004】(2)塩素化ジフェニール等の高沸点溶剤
中、無水トリメリット酸とジアセテート類とのエステル
交換反応による方法(特公昭43−18914号)。
【0005】(3)無水トリメリット酸とジオール類を
200℃以上に加熱することによる方法(特公昭45−
29974号)。
【0006】(4)ピリジン中、p−トルエンスルホニ
ルクロリドを用い無水トリメリット酸とビスフェノール
Aとの反応による方法(特開昭63−303976
号)。
【0007】(5)ハロホルミルフタル酸無水物とジオ
ール類或いはフェノール類との反応による方法(特開平
4−29986号)。
【0008】これらの製造法において、(2)及び
(3)の方法では、生成物の純度が低く、精製が困難で
ある。又、(1)、(4)及び(5)に示される方法で
は、上記欠点は一定改善されるものの、高価且つ安全衛
生面で問題のある無水トリメリット酸クロリド、p−ト
ルエンスルホニルクロリド、ハロホルミルフタル酸無水
物を使用せねばならず、これらの方法も工業的には制約
の多い製造方法と言わざるをえない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高純度のフ
ェノール類のトリメリット酸エステル酸無水物を工業的
に有利な条件下で高収率で得ることができる新規有用な
製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を達成すべく鋭意検討した結果、エステル交換反応触
媒として特定の無機化合物を適用することにより所期の
目的が達成されることを見いだし、かかる知見に基づい
て本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明に係り、一般式(1)で表さ
れるフェノール類のトリメリット酸エステル酸無水物の
製造方法は、フェノール類の低級アルカン酸エステルと
トリメリット酸又はその無水物(以下「トリメリット酸
類」と総称する。)とをエステル交換反応するに際し、
触媒としてシリカ・アルミナ系化合物、アルカリ金属化
合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群より選ばれ
る1種又は2種以上の無機化合物を適用することを特徴
とする。
【0012】
【化2】 [式中、Aはフェノール類よりn個のフェノール性水酸
基を除去してなる残基を表す。nは1〜4の整数を示
す。]
【0013】本発明に係るフェノール類は、フェノール
性水酸基を有する化合物であれば特に限定されず、各種
のモノフェノール、ビスフェノール、トリフェノール及
びポリヒドロキシ化合物が挙げられる。
【0014】モノフェノールとしては、フェノール、p
−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p
−クレゾール(BHT)、メトキノン及びハロゲン化フ
ェノール等の置換フェノールが例示される。
【0015】ビスフェノールとしては、一般式(2)で
表される化合物が例示される。
【化3】 [式中、Zは単結合、−O−、−SO2−、−S−、−
CO−、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル
基)、シクロアルケニル基(例えば、シクロヘキセニル
基)又は基−C(R1)(R2)−を示す。R1、R2は同
一又は異なって、水素原子、フッ素等で置換されていて
もよいアルキル基又はアリール基を示す。R3、R4は同
一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲ
ン基を表す。pは0〜4の整数を表し、q、rは夫々0
〜4の整数を表す]
【0016】ビスフェノールの具体例としては、レゾル
シノール、カテコール、ヒドロキノン、2,5−ジメチ
ルヒドロキノン、2,6−ジメチルヒドロキノン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下
「ビスフェノールA」と略記する。)、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、4,4−
(フェニルメチレン)ビスフェノール、4,4−(1−
フェニルエチリデン)ビスフェノール、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジクロロフェニル)ブタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エ−テル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、4,4−ビフェノール、2,2−ビフェノ
−ル、4,4−ジヒドロキシ−3,3,5,5−テトラ
メトキシビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン(以下「ビスフェノールS」と略記す
る。)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、4,4−[1,4−フェニレンビス(1−メチリデ
ン)]ビスフェノール、4,4−[1,3−フェニレン
ビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,
4−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、α,α−
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−m−ジ
イソプロピルベンゼン等が挙げられる。
【0017】トリフェノールとしては、ピロガロール、
1,3,5−ベンゼントリオール、1,2,4−ベンゼ
ントリオール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、
α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、2,6−ビス
[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−
4−メチルフェノール、1,1,1−トリス(ヒドロキ
シフェニル)エタン等が例示される。
【0018】その他のポリヒドロキシ化合物としては、
1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ
ナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6
−ジヒドロキシナフタレン、1,2,5,8−テトラヒ
ドロキシアントラキノン等が例示される。
【0019】これらのフェノ−ル類は、一般に、先ず炭
素数2〜4の低級アルカン酸エステル、好ましくは酢酸
エステルとし、次いでトリメリット酸類とのエステル交
換反応に供される。
【0020】当該エステル化反応に関しては、通常のエ
ステル化技術を用いて酢酸エステルにすることが可能で
ある。具体的な方法としては、過剰の無水酢酸を用いて
酢酸エステルとする方法や硫酸、p−トルエンスルホン
酸等従来公知ののエステル化触媒の存在下に酢酸或いは
無水酢酸と反応させる方法等がある。
【0021】本発明に係るエステル交換反応触媒として
適用される無機化合物としては、各種のシリカ・アルミ
ナ系化合物、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属
化合物が挙げられ、中でもシリカ・アルミナ系化合物が
推奨される。
【0022】シリカ・アルミナ系化合物としては、シリ
カとアルミナを含む組成を有するものであって、当該反
応に関与し、所期の目的を達成し得るものであれば足
り、具体的には準ふっ石群、ソーダふっ石群、ダクふっ
石群、ギスモンデン群、キふっ石群、タバふっ石群、カ
イジュウふっ石群、リョウふっ石群等の各種ゼオライ
ト、パーライト、カオリン、ベントナイト、活性白土等
の天然鉱物或いはそれらから誘導された類似の性質を有
する他の固体ケイ酸系物質等が例示される。
【0023】上記のシリカ・アルミナ系化合物の中でも
ゼオライトが好ましく、天然物、合成物のいずれも使用
可能であるが、品質の安定性から合成ゼオライトが好ま
しい。ゼオライトは、具体的にはアルカリ金属及び/又
はアルカリ土類金属を含む結晶性の含水アルミノケイ酸
塩であって、下記の一般式(3)で表される。
【0024】 (M1・M2)O・Al23・xSiO2・yH2O (3) [式中、M1、M2は同一又は異なって、アルカリ金属又
はアルカリ土類金属を表す。]
【0025】アルカリ金属化合物とは、アルカリ金属を
有する化合物であれば特に限定されず、例えば、酸化ナ
トリウム、酸化カリウム、酸化リチウム等のアルカリ金
属酸化物、更には水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられ
る。
【0026】アルカリ土類金属化合物に関してもアルカ
リ金属同様アルカリ土類金属を有する化合物であれば特
に限定されるものではなく、例えば、酸化カルシウム、
酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム
等の金属酸化物、更には水酸化カルシウム、水酸化バリ
ウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化
物が挙げられる。
【0027】触媒の添加量は、触媒の種類やエステル交
換反応条件により適宜選択される。例えば、回分反応方
式で、触媒としてシリカ・アルミナ系化合物を用いた場
合、0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜3
重量%程度である。一方、アルカリ金属化合物又はアル
カリ土類金属化合物を用いた場合には、0.01〜10
重量%、より好ましくは0.1〜5重量%程度である。
【0028】フェノール類の低級アルカン酸エステルに
対するトリメリット酸類の仕込み量としては、上記低級
アルカン酸エステルのエステル基に対して0.9〜1.
25倍当量が好ましい。
【0029】エステル交換反応温度としては、反応目的
物の性状にもよるが、通常、150〜300℃、特に2
00〜280℃程度が推奨される。
【0030】エステル交換反応は、生成する低級アルカ
ン酸を逐次反応系から留去させることにより、一層反応
を有利に進めることができる。又、適当な高沸点溶媒類
(例えば、ビフェニル、ジフェニエーテル等)の使用、
エントレーナーの使用、更には常圧反応と減圧反応とを
組み合わせる方法等が適用できる。
【0031】反応生成物中に残存する触媒は、その反応
目的物の使用目的に応じて、必要があれば活性炭等の吸
着剤処理等、通常の精製方法により除去すればよい。
【0032】かくして得られた反応生成物の純度を上げ
るために適当な溶剤により再結精製しても何等差し支え
なく、この精製工程時に触媒除去を行えば、尚、効率的
である。
【0033】上記再結溶剤としては、無水酢酸の他、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸
ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類等が挙げられる。
【0034】本エステル交換反応には、回分法のみなら
ず、例えば固定床反応による連続法を適用することがで
きる。
【0035】
【実施例】以下に、実施例を掲げて本発明を詳細に説明
する。尚、各例における反応生成物の純度は高速液体ク
ロマトグラフィーにより測定し、融点は示差走査熱量測
定法(DSC)により測定した。
【0036】製造例1 攪拌機、温度計、冷却管付きデカンター及び窒素ガス導
入口の付いた500mlの四ツ口フラスコにビスフェノー
ルA114.2g(0.5モル)及び無水酢酸122.
4g(1.2モル)を仕込み、窒素雰囲気中で還流下に
3時間反応させた。反応終了後、減圧下に過剰の無水酢
酸と生成した酢酸を留去し、ビスフェノールAジアセテ
ートを153.0g(収率98重量%)を得た。
【0037】製造例2 製造例1と同様の容器にビスフェノールS125.2g
(0.5モル)及び無水酢酸122.4g(1.2モ
ル)を仕込み、製造例1と同様に処理してビスフェノー
ルSジアセテート163.8g(収率98重量%)を得
た。
【0038】製造例3 製造例1と同様の容器にヒドロキノン55.1g(0.
5モル)及び無水酢酸122.4g(1.2モル)を仕
込み、製造例1と同様に処理してヒドロキノンジアセテ
ート95.2g(収率98重量%)を得た。
【0039】製造例4 製造例1と同様の容器にフェノール94.1g(1.0
モル)及び無水酢酸122.4g(1.2モル)を仕込
み、製造例1と同様に処理してフェニルジアセテート1
15.7g(収率85重量%)を得た。
【0040】製造例5 製造例1と同様の容器にピロガロール50.4g(0.
4モル)及び無水酢酸153.0g(1.5モル)を仕
込み、製造例1と同様に処理してピロガロールトリアセ
テート98.8g(収率98重量%)を得た。
【0041】製造例6 製造例1と同様の容器に2−ナフトール144.2g
(1.0モル)及び無水酢酸122.4g(1.2モ
ル)を仕込み、製造例1と同様に処理して2−ナフチル
アセテート182.5g(収率98重量%)を得た。
【0042】実施例1 製造例1と同様の容器に製造例1で得たビスフェノール
Aジアセテート124.9g(0.4モル)、無水トリ
メリット酸172.9g(0.9モル)及び合成ゼオラ
イトA−3型(東ソー株式会社製)0.6gを夫々仕込
み、220〜230℃まで昇温した。同温度で3時間常
圧下で反応後、更に1時間減圧下で反応した。反応生成
物はガラス状の固体であり、その純度は83重量%であ
った。無水酢酸にて再結精製したところ、純度94重量
%、融点195℃の粉末固体を再結収率(対粗物)65
重量%で得た。
【0043】実施例2 触媒として水酸化カリウム0.6gを用いた他は実施例
1と同様にしてエステル交換反応した。得られた反応生
成物はガラス状の固体であり、その純度は78重量%で
あった。以下、実施例1と同様に精製して、純度94重
量%、融点195℃の粉末固体を再結収率(対粗物)6
5重量%で得た。
【0044】実施例3 触媒として酸化ナトリウム0.6gを用いた他は実施例
1と同様にしてエステル交換反応した。得られた反応生
成物はガラス状の固体であり、その純度は72重量%で
あった。以下、実施例1と同様に精製して、純度94重
量%、融点195℃の粉末固体を再結収率(対粗物)6
4重量%で得た。
【0045】実施例4 製造例1と同様の容器に製造例2で得たビスフェノール
Sジアセテート133.7g(0.4モル)、無水トリ
メリット酸172.9g(0.9モル)及び合成ゼオラ
イトA−4型(東ソー株式会社製)0.6gを夫々仕込
み、220〜230℃まで昇温した。同温度で3時間常
圧下で反応後、更に1時間減圧下で反応した。反応生成
物はガラス状の固体であり、その純度は80重量%であ
った。次いで、酢酸n−ブチルにて再結精製したとこ
ろ、純度94重量%、融点238℃の粉末固体を再結収
率(対粗物)85重量%で得た。
【0046】実施例5 触媒として水酸化ナトリウム0.7gを用いた他は実施
例6と同様にしてエステル交換反応した。得られた反応
生成物はガラス状の固体であり、その純度は76重量%
であった。以下、実施例6と同様に精製して、純度92
重量%、融点238℃の粉末固体を再結収率(対粗物)
75重量%で得た。
【0047】実施例6 製造例1と同様の容器に製造例3で得たヒドロキノンジ
アセテート77.7g(0.4モル)、無水トリメリッ
ト酸172.9g(0.9モル)及び合成ゼオライトA
−5型(東ソー株式会社製)1.0gを夫々仕込み、2
20〜230℃まで昇温した。同温度で3時間常圧下で
反応後、更に270〜280℃で1時間減圧下で反応し
て結晶物含有ガラス状の固体を得た。次いで、酢酸n−
ブチルにて再結精製したところ、融点276℃(文献値
274℃)の粉末固体が再結収率(対粗物)74重量%
で得られた。IR分析により酸無水物基及びエステル基
の存在が確認された。
【0048】実施例7 触媒として水酸化カルシウム1.0gを用いた他は実施
例6と同様にしてエステル交換反応して結晶物含有ガラ
ス状の固体を得た。以下、実施例6と同様に精製して融
点275℃の粉末固体を再結収率(対粗物)72重量%
で得た。酸無水物基及びエステル基の存在は、実施例6
と同様にして確認された。
【0049】実施例8 製造例1と同様の容器に製造例4で得たフェニルアセテ
ート108.9g(0.8モル)、無水トリメリット酸
192.1g(1.0モル)及び合成ゼオライトA−4
型(東ソー株式会社製)0.6gを夫々仕込み、220
〜230℃まで昇温した。同温度で3時間常圧下で反応
後、更に1時間減圧下で反応した。反応生成物は白色固
体であり、その純度は53重量%であった。次いで、脱
水アセトンにて再結精製したところ、純度99重量%、
融点152℃の白色粉末固体を再結収率(対粗物)55
重量%で得た。
【0050】実施例9 製造例1と同様の容器に製造例5で得たピロガロールト
リアセテート75.6g(0.3モル)、無水トリメリ
ット酸192.1g(1.0モル)及び合成ゼオライト
F−9型(東ソー株式会社製)0.5gを夫々仕込み、
220〜240℃まで昇温した。同温度で2時間常圧下
で反応後、更に1時間減圧下で反応した。反応生成物は
褐色ガラス状の固体であり、その純度は63重量%であ
った。次いで、脱水アセトンにて再結精製したところ、
純度89重量%、融点268℃の白色粉末固体を再結収
率(対粗物)40重量%で得た。
【0051】実施例10 製造例1と同様の容器に製造例6で得た2−ナフチルア
セテート167.6g(0.9モル)、無水トリメリッ
ト酸192.1g(1.0モル)及び合成ゼオライトA
−4型(東ソー株式会社製)0.7gを夫々仕込み、2
20〜230℃まで昇温した。同温度で2時間常圧下で
反応後、更に1時間減圧下で反応した。反応生成物は結
晶物含有ガラス状の固体であり、その純度は64重量%
であった。次いで、脱水アセトンにて再結精製したとこ
ろ、純度95重量%、融点191℃の白色粉末固体を再
結収率(対粗物)65重量%で得た。
【0052】比較例1 合成ゼオライトA−3型を用いない他は実施例1と同様
にしてエステル交換した。生成物はガラス状の固体であ
り、目的物純度は38重量%であった。以下、実施例1
と同様に処理したが、不純物が多いために精製できなか
った。
【0053】比較例2 合成ゼオライトA−4型を用いない他は実施例4と同様
にしてエステル交換した。生成物はガラス状の固体であ
り、目的物純度は70重量%であった。以下、実施例4
と同様にして精製したところ、目的物の純度は93重量
%、再結収率(対粗物)は72重量%であった。
【0054】比較例3 合成ゼオライトA−5型を用いない他は実施例6と同様
にしてエステル交換したところ、結晶物含有ガラス状の
固体が得られた。次いで、実施例6と同様に精製したと
ころ、融点273℃の固体粉末が得られたものの、その
再結収率(対粗物)は69重量%であった。
【0055】比較例4 合成ゼオライトA−4型を用いない他は実施例8と同様
にしてエステル交換したところ、白色固体が得られた。
この目的物の純度は28重量%であった。以下、実施例
8と同様にして精製したところ、純度96重量%、融点
148℃の固体粉末が得られたものの、その再結収率
(対粗物)は23重量%であった。
【0056】比較例5 合成ゼオライトF−9型を用いない他は実施例9と同様
にしてエステル交換したところ、褐色ガラス状の固体が
得られた。この目的物の純度は55重量%であった。以
下、実施例9と同様にして精製したところ、純度80重
量%、融点262℃の固体粉末が得られたものの、その
再結収率(対粗物)は38重量%であった。
【0057】比較例6 合成ゼオライトA−4型を用いない他は実施例10と同
様にしてエステル交換したところ、結晶物含有ガラス状
の固体が得られた。この目的物の純度は49重量%であ
った。以下、実施例10と同様にして精製したところ、
純度94重量%、融点191℃の固体粉末が得られたも
のの、その再結収率(対粗物)は55重量%であった。
【0058】比較例7 合成ゼオライトA−3型0.6gに代えてリンモリブデ
ン酸1.2gを用いた他は実施例1と同様にしてエステ
ル交換した。生成物はガラス状の固体であり、目的物純
度は26重量%であった。以下、実施例1と同様にして
処理したが、不純物が多いために精製できなかった。
【0059】
【発明の効果】本発明に係る塩基性無機化合物を触媒と
して適用することにより、高純度の目的とするフェノー
ル類のトリメリット酸エステル酸無水物を高収率で得る
ことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類の低級アルカン酸エステル
    とトリメリット酸又はその無水物とをエステル交換反応
    するに際し、触媒としてシリカ・アルミナ系化合物、ア
    ルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる
    群より選ばれる1種又は2種以上の無機化合物を適用す
    ることを特徴とする一般式(1)で表されるフェノール
    類のトリメリット酸エステル酸無水物の製造方法。 【化1】 [式中、Aはフェノール類よりn個のフェノール性水酸
    基を除去してなる残基を表す。nは1〜4の整数を示
    す。]
  2. 【請求項2】 エステル交換反応触媒がシリカ・アルミ
    ナ系化合物である請求項1に記載のフェノール類のトリ
    メリット酸エステル酸無水物の製造方法。
  3. 【請求項3】 エステル交換反応触媒がゼオライトであ
    る請求項1に記載のフェノール類のトリメリット酸エス
    テル酸無水物の製造方法。
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