JP3556684B2 - 芳香族カーボネートの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明はチタン化合物の存在下でのフェノール性化合物を用いる脂肪族カーボネートのエステル転位による芳香族カーボネートの製造方法に関する。この方法において、処理前にエステル転位混合物を120℃以下の温度に冷却し、その間に混合物は液体のままでなくてはならず、沈殿するチタン含有沈殿物を分別し、そして芳香族カーボネートをそれ自体通常である方法により得る。
【0002】
アルキルアリールカーボネート及びジアリールカーボネートがフェノール性化合物を用いるジアルキルカーボネートのエステル転位により得られることは公知であり、その際に適する触媒はチタン化合物である。かかる触媒されたエステル転位は例えばドイツ国特許出願公開第2,528,412号及び同第2,552,907号に記載される。チタン化合物はそれ自体極めて適当な触媒であるが、殊に長い反応時間及び高温での選択性はヨーロッパ特許第879号に確認されるように望まれるものがまだ存在する。
【0003】
従って高温では高い転化率は長時間を必要とするため、高度の転化率を設定しないことが有利であり;その代り、目的とすることは上記ドイツ国特許出願公開にも記載されるように、比較的低度から中度の転化率が達成された後にエステル転位混合物を処理することである。
【0004】
かかるエステル転位混合物は芳香族カーボネートを得るために処理しなければならない。このことは例えば蒸留または結晶化により行い得る。しかしながら、殊に触媒の実質的除去を保証しなければならないため、かかる混合物の結晶化は複雑な操作である。従ってこの必要性のために蒸留処理が好ましい。高沸点化合物を相互に分離するため、処理すべき全体の反応混合物を再び高温の範囲内に長い滞留時間戻し、その結果低度のエステル転位を回避しようとした二次反応が生じる。他方、極めて高い真空下で蒸留温度を下げる努力をする場合、大容量のガス及びそれに対応する高い投資を必要とする大規模な装置を予定しなければならない。
【0005】
上記の困難な点は二次反応を生じさせる触媒を処理前にエステル転位混合物から除去できる場合に回避することができる。
【0006】
驚くべきことに、処理前に反応混合物を120℃以下、好ましくは100℃以下、特に好ましくは80℃以下の温度に冷却し、その間にこの混合物を液体のままにしておかなければならないことにより、容易に且つ殊に実質的に完全にチタン触媒を除去し得ることが見い出された。次に沈殿するチタン含有沈殿物を分別することができる。残りの反応混合物は100ppmより少ない残留量のチタンを含む。
【0007】
式
【0008】
【化6】
R1O−CO−OR2 (I)
式中、R1は各々直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C4−アルキル、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C4−アルコキシ、フッ素、塩素、臭素またはシアノで1〜3置換されることができ、また多置換の場合には上記範囲の定義からの異なった置換基も許されるフェニルまたはナフチルであり、そして
R2は直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C6−アルキルを表わすか、またはR1と独立してR1の定義の範囲を表わす、
の芳香族カーボネートを式
【0009】
【化7】
R3O−CO−OR4 (II)
式中、R3は直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C6−アルキルであり、そして
R4はR2と独立してR2の定義の範囲を有する、
の脂肪族カーボネートを式
【0010】
【化8】
R1OH (III)
式中、R1は上記の意味を有する、
のフェノール性化合物を用いて式
【0011】
【化9】
Ti(X1、X2、X3、X4) (IV)
式中、X1、X2、X3及びX4は相互に独立してハロゲン、O−R5またはO−CO−R5であり、ここにR5は直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C18−アルキルまたはR1で挙げられる定義の範囲を表わし、そして更にX3及びX4は一緒になって式
【0012】
【化10】
【0013】
であることができ、ここに
R6及びR7は相互に独立してメチル、エチルまたはOR5である、
のチタン化合物の存在下でエステル転位することにより製造する際に、処理の前にエステル転位混合物を120℃以下、好ましくは100℃以下、特に好ましくは80℃以下の温度に冷却し、その間に混合物は液体のままでなくてはならず、沈殿するチタン含有沈殿物を分別し、そして芳香族カーボネートをそれ自体通常である方法により得ることを特徴とする、該芳香族カーボネートの製造方法が見い出された。
【0014】
本発明による反応混合物の冷却及びチタン含有沈殿物の分離により、驚くべき程に簡単な操作において、結晶化か、蒸発か、または芳香族カーボネートを得るためのそれ自体通常である条件のいずれかにより処理し得る反応混合物が収率の損失の危険が全くなくして得られる。上記のように、特殊な反応条件及び特別の注意はここに必要がない。
【0015】
直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C6−アルキルは例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたはヘキシル、好ましくはメチルまたはエチル、特に好ましくはメチルである。炭素原子7〜18個を有するR5の範囲内の高級アルキルは例えばヘプチル、オクチル、デシル、ドデシルもしくはオクタデシルまたは関連する分枝鎖状の異性体のものである。
【0016】
直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C4−アルコキシは例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシまたはイソブトキシである。
【0017】
本発明による方法に適する式(III)のフェノール性化合物は上記のようにフェノールもしくはナフトールまたはその置換生成物である。フェノール性化合物は特にC1〜C3−アルキル、メトキシ、塩素または臭素で置換され得るフェノールであり;殊に好適なフェノール性化合物は未置換のフェノール自身である。次のフェノール性化合物を例として挙げ得る:フェノール、o−、m−、p−クレゾール、o−、m−、p−エチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、o−、m−、p−メトキシフェノール、o−、m−、p−クロロフェノール、ブロモフェノール、シアノフェノール、ナフトール。
【0018】
本発明による方法に適する脂肪族カーボネートは少なくとも1個の脂肪族基を含み;従ってこれらのものはアルキルカーボネートまたはアリールカーボネートのいずれかである。アルキルアリールカーボネートはアルキル基が上記フェノール性化合物の1つにより既にエステル転位されているが、第2のアルキル基のエステル転位を行うこともできるものである。好ましくはジアルキルカーボネートを用いる。これらのものには例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート及びジイソブチルカーボネート、好ましくはジメチル及びジエチルカーボネート、殊に好ましくはジメチルカーボネートが含まれる。
【0019】
本発明により得られる芳香族カーボネートは少なくとも1個の芳香族を含むものであり、従ってアルキルアリールカーボネートまたはジアリールカーボネートであり得る。例として挙げ得るアルキルアリールカーボネートにはメチルフェニルカーボネート、メチルナフチルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、エチルナフチルカーボネート、メチルクロロフェニルカーボネート、メチルメトキシフェニルカーボネート並びに更に上記によるアルキル及びアリール基を含むカーボネートがある。ジアリールカーボネートは例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、フェニルナフチルカーボネート、ビス−(クロロフェニル)カーボネート、ビス−(メトキシフェニル)カーボネート、及び更に上記のアリール基から生じるカーボネートであるが、殊に好適なものはメチルフェニルカーボネート及びジフェニルカーボネートである。
【0020】
アルキルアリールカーボネートは式(I)による反応生成物及び第2のエステル転位に対する式(II)の出発物質の両方として作用し得る。従って本発明に関連する「エステル転位」なる用語は次の反応を含む:
a)アルキルアリールカーボネートを生成させるフェノール性化合物を用いるジアルキルカーボネートのエステル転位;
b)ジアリールカーボネートを生成させるフェノール性化合物を用いるアルキルアリールカーボネートのエステル転位;
c)アルキルアリールカーボネートの中間段階を介してジアリールカーボネートを生成させる、同じ反応器または異なつた反応器中で行う2段反応におけるジアルキルカーボネートのエステル転位;及び
d)ジアリールカーボネートを生成させる、不均化反応において更にアルキルアリールカーボネートを用いるアルキルアリールカーボネートのエステル転位。
【0021】
a)を介するb)による2段反応の場合、アリールカーボネートは2個の異なったアリール基を用いて得ることができる。しかしながら、反応の減少された複雑さ及び更に得られる芳香族カーボネートの明らかな使用のために対称性の芳香族カーボネートを目的とすることが好ましい。
【0022】
d)による不均化反応の場合、この不均化反応は生じるジアルキルカーボネートを蒸留により反応器及びかくて平衡系から除去することにより、高価なジアリールカーボネートの単離に関して改善し得る。d)による不均化反応が反応器中でアルキルアリールカーボネート及びジアリールカーボネートへのエステル転位と同時に起きる場合、本発明によりその間に得られるいずれのジアルキルカーボネートも存在するフェノール性化合物によるエステル転位に直ちに再び包含される。
【0023】
勿論本発明による方法は所望のエステル転位の度合が達成されるまでバッチ式に行うことができ、続いてエステル転位混合物を本発明により冷却し、チタン含有沈殿物から分離し、そして更に処理する。
【0024】
しかしながら本発明による方法は適当な内容物または充てん剤を含むエステル転位カラム中で極めて満足できる程度に、且つ連続的に行い得る(ヨーロッパ特許出願公開第461,274号参照)。この操作の様式において、底部生成物は本発明により処理し、即ち120℃以下、好ましくは100℃以下、特に好ましくは80℃以下の温度に冷却し、その間にこの底部生成物は液体のままではなくてはならず、沈殿するチタン含有沈殿物から分離し、次に更に処理する。
【0025】
本発明による方法に適するチタン化合物は上の式(IV)のもの例えば四塩化チタン、チタンテトライソプロピラート、チタンテトラブチラート、チタンテトラドデシラート、チタンテトラフェノラート、チタンテトラメトキシフェノラート、チタンテトラクロロフェノラート、チタンテトラアセテート、チタンテトラブチレート、チタンテトラベンゾエート、チタンテトラオクトエート、チタン−IV−アセチルアセトネートジイソプロピラート、チタン−IV−アセチルアセトネートジブチラート、好ましくは四塩化チタン、チタンテトライソプロピラート、チタンテトラブチラート、チタンテトラドデシラート及びチタンテトラフェノラートである。かかるチタン触媒は本分野に精通せる者には公知である。
【0026】
出発生成物及び触媒の用いる量及びモル比は本分野に精通せる者に公知の方法で、例えばドイツ国特許出願第2,528,412号、同第2,552,907号、ヨーロッパ特許第879号、同第880号及びヨーロッパ特許出願公開第461,274号から選ばれ;同じことが同様にエステル転位に用いられる温度及び圧力に適用される。
【0027】
本発明によるチタン化合物の反応混合物からの分離は一般に先ず最初に120℃以下、好ましくは100℃以下、特に好ましくは80℃以下の温度にエステル転位混合物を冷却することにより行う。低い融点で、置換されたアリールカーボネートでない場合か、または反応混合物中の大量のフェノールの場合、反応混合物は60℃以下、殊に好ましくは50℃以下の温度にも冷却することが有利であり得る。この期間中にエステル転位混合物は液体のままであり、組成に依存して更に低い温度を必要とするが、これは特殊な場合に予備実験により容易に求め得る。
【0028】
冷却中に沈殿するチタン含有沈殿物は通常の技術例えば沈殿、濾過または遠心分離によりエステル転位混合物から分離し得る。
【0029】
液状及び適当な粘度のエステル転位混合物は十分なフェノール及び/または脂肪族カーボネート、好ましくはジアルキルカーボネートがエステル転位混合物中にまだ存在するようにエステル転位の度合を設定することにより達成し得る。しかしながらまた液体状態及び適当な粘度は続いてのフェノール性化合物及び/または脂肪族カーボネートの添加によっても設定し得る。最後にまた、別の不活性溶媒を加えることもできる。明らかにまた、フェノール性化合物、脂肪族カーボネート及び不活性溶媒よりなる群からの複数の化合物を用いることもできる。不活性溶媒、換言すれば沈殿するチタン含有沈殿物の分離及び続いての処理の条件下で反応しない溶媒は本分野に精通せる者には公知であり、そして例えばシクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、イソオクタン、イソノナン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シモール及びメシチレン、並びにまたジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジブチルエーテル、及び他の不活性溶媒である。
【0030】
沈殿するチタン含有沈殿物の分離前のエステル転位混合物の組成は転化の度合の設定に依存して広い限度内で変えることができ、そして例えば次の組成を有する:フェノール性化合物95〜10重量%、ジアルキルカーボネート0〜50重量%、アルキルアリールカーボネート0〜80重量%及びジアリールカーボネート0.2〜90重量%、その際にアルキルアリールカーボネート及びジアリールカーボネートの合計が少なくとも5重量%である。
【0031】
沈殿するチタン含有沈殿物の分離前に、エステル転位混合物は好ましくは次の組成を有する:フェノール性化合物90〜16重量%、ジアルキルカーボネート0〜30重量%、アルキルアリールカーボネート4〜50重量%及びジアリールカーボネート1〜60重量%;その際にアルキルアリールカーボネート及びジアリールカーボネートの合計が少なくとも8重量%であり、そして殊に好ましくはジアルキルカーボネート0〜20重量%、アルキルアリールカーボネート6〜40重量%及びジアリールカーボネート2〜40重量%、その際にアルキルアリールカーボネート及びジアリールカーボネートの合計が少なくとも10重量%である。
【0032】
これらの数値はチタン化合物以外の処理されるエステル転位混合物の全重量を表わす。
【0033】
上記不活性溶媒の1つを更に用いる場合、その量は用いるエステル転位混合物及び溶媒の重量の合計をベースとして3〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。エステル転位混合物の組成はエステル転位が主にアルキルアリールカーボネートまたは主にジアリールカーボネートを指向し得る代りの可能な方法を示す。上記の全ての場合に触媒の有効な分離は本発明により、チタン触媒から除去される反応(エステル転位)混合物中の該チタン触媒の含有量が100ppm以下、好ましくは50ppm以下、殊に好ましくは20ppm以下であるような方法において可能である。
【0034】
更に、用いる触媒の量をベースとして0.5〜20重量部の量の1つまたはそれ以上のフェノール性化合物を加えることにより未反応の出発生成物及び芳香族カーボネートを除去した後、チタン触媒を沈殿させ、そしてこれにより精製することができる。
【0035】
分別されるチタン含有沈殿物は更に精製することなくエステル転位反応中に再循環し得る。この目的のためにこのものはそのままか、または出発生成物に溶解後に使用し得る。勿論また、分別されたチタン含有沈殿物の全部またはあるものをエステル転位工程から除去し、そしてこのものを新たな触媒に代えることもできる。このことは本分野に精通せる者に原理的に公知のように、実際の汚染または触媒の失活の程度に依存する。しかしながら、触媒の長い使用寿命が可能なのは高温及び長時間の使用が避けられている本発明による装置での触媒の温和な処理によるものである。
【0036】
【実施例】
実施例1
触媒のエステル転位及び分離
1時間当りフェノール250g及びチタンテトライソプロピラート3.77gの混合物を固定相が平衡に達した後に長さ60cm及び直径5cmの10−トレーのバブル−キャップカラムのヘッドに加え、そして同時に1時間当り250gのジメチルカーボネートを蒸気状態でカラムの脚部で計量導入した。カラムジャケット及び底部を180℃、ジメチルカーボネート蒸発器を190℃及びカラムのヘッドでの分留器を87℃で保持した。カラムの内部温度は165〜170℃であった。ほぼ次の組成の生成混合物を1時間当り250〜270gでカラムの底部から除去した:フェノール84重量%、メチルフェニルカーボネート12重量%、ジフェニルカーボネート4重量%。
【0037】
4時間の運転時間後に生成物フラクションを一緒にし、そして一緒にした混合物を50℃に冷却し、その際に沈殿物が直ちに沈殿し、このものを圧力フィルターを通して濾過により分離した。透明な濾液は5ppmより少ないTiを含み;初期量は3600ppm Tiであった。
【0038】
フィルター残渣を上の実施例に対応して再使用し、同様のエステル化の結果が得られた。
【0039】
実施例2
蒸留カラムの底部からの触媒の回収
実施例1の方法を繰り返して行い、フェノール85重量%、メチルフェニルカーボネート12重量%、ジフェニルカーボネート3重量%及びチタン触媒からなる生成混合物1075gを4時間にわたってカラムの底部から除去した。生成混合物をラシヒ環を充てんした長さ40cmのカラム上で25〜0.1ミリバールで蒸留した。フェノール、メチルフェニルカーボネート及び大部分のジフェニルカーボネートをカラムのヘッドを介して分離した。褐色の、ガラス状の塊30.5gが底部生成物として残った(チタン含有量8.3重量%、53ミリモル)。フェノール100gをこの油状物に加え、そして混合物を約60℃で15分間撹拌した。次に橙色の結晶が生成し、このものを単離し、フェノール50gを用いて45〜50℃で1回洗浄し、そして真空中で乾燥した。チタン9.2重量%を含むチタン化合物24.9gが得られた。これは用いたチタンの90.3%に相当した。この方法で回収した触媒を実施例1に記載のようにこの実施例で用いたチタン濃度を用いて再使用し、同様のエステル転位の結果が得られた。
【0040】
本発明の主なる特徴及び態様は以下のとおりである。
【0041】
1.式
【0042】
【化11】
R1O−CO−OR2
式中、R1は各々直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C4−アルキル、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C4−アルコキシ、フッ素、塩素、臭素またはシアノで1〜3置換されることができ、また多置換の場合には上記範囲の定義からの異なった置換基も許されるフェニルまたはナフチルであり、そして
R2は直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C6−アルキルを表わすか、または
R1と独立してR1の定義の範囲を表わす、の芳香族カーボネートを式
【0043】
【化12】
R3O−CO−OR4
式中、R3は直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C6−アルキルであり、そして
R4はR2と独立してR2の定義の範囲を有する、の脂肪族カーボネートを式
【0044】
【化13】
R1OH
式中、R1は上記の意味を有する、のフェノール性化合物を用いて式
【0045】
【化14】
Ti(X1、X2、X3、X4)
式中、X1、X2、X3及びX4は相互に独立してハロゲン、O−R5または
O−CO−R5であり、ここに
R5は直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C18−アルキルまたはR1で挙げられる定義の範囲を表わし、そして更に
X3及びX4は一緒になって式
【0046】
【化15】
【0047】
であることができ、ここに
R6及びR7は相互に独立してメチル、エチルまたはOR5である、
のチタン化合物の存在下でエステル転位することにより製造する際に、処理の前にエステル転位混合物を120℃以下、好ましくは100℃以下、特に好ましくは80℃以下の温度に冷却し、その間に混合物は液体のままでなくてはならず、沈殿するチタン含有沈殿物を分別し、そして芳香族カーボネートをそれ自体通常である方法により得ることを特徴とする、該芳香族カーボネートの製造方法。
【0048】
2.エステル転位混合物を60℃以下、好ましくは50℃以下の温度に冷却することを特徴とする、上記1に記載の方法。
【0049】
3.液体状態をフェノール性化合物、脂肪族カーボネート、不活性溶媒またはその複数の混合物の存在または添加により保持することを特徴とする、上記1に記載の方法。
【0050】
4.エステル転位混合物の組成がフェノール性化合物95〜10重量%、ジアルキルカーボネート0〜50重量%、アルキルアリールカーボネート0〜80重量%及びジアリールカーボネート0.2〜90重量%であり、その際にアルキルアリールカーボネート及びジアリールカーボネートの合計が少なくとも5重量%であり、好ましくはフェノール性化合物90〜16重量%、ジアルキルカーボネート0〜30重量%、アルキルアリールカーボネート4〜50重量%及びジアリールカーボネート1〜60重量%であり、その際にアルキルアリールカーボネート及びジアリールカーボネートの合計が少なくとも8重量%であり、殊に好ましくはジアルキルカーボネート0〜20重量%、アルキルアリールカーボネート6〜40重量%及びジアリールカーボネート2〜40重量%であり、その際にアルキルアリールカーボネート及びジアリールカーボネートの合計が少なくとも10重量%であるように保持するか、または設定し、ここに重量%値はチタン化合物以外の処理されるエステル転位混合物の全重量をベースとすることを特徴とする、上記3に記載の方法。
【0051】
5.分離された、チタン含有沈殿物をチタン化合物としてエステル転位中に再循環させることを特徴とする、上記1に記載の方法。
【0052】
6.最初に未反応の出発生成物及び芳香族カーボネートをそれ自体通常である方法により分別し、次に残った触媒を精製し、そして少なくとも1つのフェノール性化合物を添加することにより回収することを特徴とする、上記1に記載の方法。
Claims (1)
- 式
R2は直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C6−アルキルを表わすか、または
R1と独立してR1の定義の範囲を表わす、の芳香族カーボネートを式
R4はR2と独立してR2の定義の範囲を有する、の脂肪族カーボネートを式
O−CO−R5であり、ここに
R5は直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C18−アルキルまたはR1で挙げられる定義の範囲を表わし、そして更にX3及びX4は一緒になって式
R6及びR7は相互に独立してメチル、エチルまたはOR5である、
のチタン化合物の存在下でエステル転位することにより製造する際に、処理の前にエステル転位混合物を120℃以下の温度に冷却し、その間に混合物は液体のままでなくてはならず、沈殿するチタン含有沈殿物を分別し、そして芳香族カーボネートをそれ自体通常である方法により得ることを特徴とする、該芳香族カーボネートの製造方法。
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