JPH0740910B2 - 調理用麦芽酒の製造方法 - Google Patents

調理用麦芽酒の製造方法

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JPH0740910B2
JPH0740910B2 JP62091486A JP9148687A JPH0740910B2 JP H0740910 B2 JPH0740910 B2 JP H0740910B2 JP 62091486 A JP62091486 A JP 62091486A JP 9148687 A JP9148687 A JP 9148687A JP H0740910 B2 JPH0740910 B2 JP H0740910B2
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辰郎 前田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、発酵度を高めることにより、香味成分含量、
アルコール濃度を上げ、調理効果を高めた調理用麦芽酒
の改良された製造法に関する。
(従来の技術) ワイン、みりん、清酒などの発酵酒が調理用として用い
られる場合の主な効果は、(1)発酵酒の有する高級ア
ルコール、エステル類を中心とした天然香気成分による
料理の風味向上効果、(2)発酵成分による矯臭効果、
(3)エキス成分によるてり、つや増し効果、(4)加
熱により香ばしい香りを付与する効果、(5)含有アル
コールによる保存性の向上効果などである。
これに対して、本出願人は特願昭61-184220号としてア
ルコール濃度が高く、天然香気成分の種類および天然香
気成分含量を多くし、調理効果が充分高い調理用麦芽酒
および製造法を先に提案した。この技術は、麦汁を主原
料とし、酵母により発酵させるにあたり、酵母が資化可
能な糖を発酵途中に3回以上に分割して添加し発酵を行
なうことを特徴とする調理用麦芽酒の製造法である。
(本発明の特色) 本発明は前記調理用麦芽酒の調味料としての効果をさら
に高めるべく研究を重ねた結果、熟成段階の初期におい
て、再度酵母を添加すると前記調味料としての効果が飛
躍的に向上することを見出した点にある。二度目に添加
する酵母の種類は、麦汁に最初に添加した酵母に限るこ
とはなく、ビール醸造用下面酵母であればいずれも使用
できる。この酵母の添加量は、約0.2〜0.4%好ましく
は、約0.3%である。
なお、この%は、泥状酵母の容量/容量%である。泥状
酵母とは3000r.p.mで10分間遠心分離したとき、上澄水
が27%を占め、下部沈澱物が73%になるような濃度の酵
母泥状物を指す。
本発明の調理用麦芽酒は、エキス濃度12%W/W以上、好
ましくは16%W/W以上の高濃度麦汁を発酵して得られ
る。高濃度麦汁は、麦芽のみから調製したものであって
も、麦芽に米、澱粉などの副原料を併用して調製したも
のでもよく、通常のビール醸造で採用される糖化法によ
って得ることができる。
本発明における副原料は、本発明の目的である、エステ
ル、高級アルコール含量を高め、麦芽発酵独特の香味を
高めた麦芽酒を得るということを考慮すれば、その使用
は、できるだけ制限した方がよい。通常のビール製造で
は、糖化工程において、糖化麦汁にホップを添加する。
本発明においては、ホップは全く無添加でも、麦芽酒と
しての調理効果上で問題ないが、麦芽酒としての特徴付
け、すなわち、麦芽酒を調理に使用した場合、隠し味程
度にホップの風味、苦味が出せるぐらいにホップ成分を
添加することはできる。糖化麦汁のホップの添加量は、
麦汁重量の0.8%W/W以下とするのが望ましい。
0.8%W/V以上のホップを添加して得られた麦芽酒は、調
理用として用いた場合、ホップの苦味、風味が強くでる
ため調味酒として適さない。
以上のように調製された麦汁に酵母を添加し、発酵が開
始される。発酵の温度条件としては10〜20℃、好ましく
は13〜17℃で発酵を行なう。発酵温度10℃以下での発酵
は、酵母の活性を低くして発酵させるので、発酵度を高
めるために長時間の発酵が必要となり、発酵途中で酵母
の不活性化を招き、発酵度を目的とする値まで充分高め
られない可能性がある。発酵を20℃以上で行なうと、ア
ルデヒド類、高級アルコール類などの香味上好ましくな
い発酵生成物が必要以上に多く生成される可能性があ
る。
本発明による発酵は、培養液中に酵母が資化可能な糖を
補糖しながら行なわれる。かかる補糖源としては、たと
えば、精製糖、異性化糖、粗糖、モルトエキスなどの糖
類が適する。補糖量としては、100%糖換算した重量が
発酵前の麦芽使用量の30%W/W以上、好ましくは45%W/W
以上補糖することにより、充分発酵度を高めることがで
き、アルコール濃度8%W/W以上の香味成分に富んだ麦
芽発酵酒を得ることができる。
補糖方法としては、(1)発酵初期から全補糖分の均等
分割量を分割して添加する方法、(2)発酵初期に全補
糖分を一括添加する方法、(3)発酵中期に全補糖分を
一括添加する方法、(4)発酵中期から全補糖分の均等
分割量を分割して添加する方法がある。発酵槽への補糖
の方法は、直接補糖分を発酵槽へ添加してもよく、ま
た、発酵液の一部を取り出し、それに補糖分を溶解させ
添加する方がより好ましい。補糖分の均等分割量および
添加時期としては、好ましくは、3回以上、とくに好ま
しくは5回以上に均等分割して、12〜36時間経過ごと
に、特に24時間経過ごとに添加することが、発酵度を高
めるのに最も望ましい。
上記(1)〜(4)の方法により、いずれも発酵度を高
めることができるが、(1)の方法が発酵度を高めるの
に最も適している。第1図に示すように、発酵開始1日
目〜7日目まで毎日24時間ごとに補糖分の均等分割量を
添加する方法が、発酵初日もしくは4日目に補糖分を一
括添加する方法や、発酵4日目〜7日目まで毎日24時間
ごとに補糖分の均等分割量を添加する方法と比較して、
酵母の糖資化量が最も多いことがわかる。
以上の条件下で8〜20日間、好ましくは10〜15日間発酵
を行ない、最終アルコール濃度は8%V/V以上、好まし
くは12%V/V以上に達する。以下、この発酵を前発酵と
いう。この前発酵を終了した段階での発酵液は、調理用
麦芽酒の香味上好ましくないアルデヒド類、ジアセチル
などの発酵副産物を刺激闘値以上含有するため、熟成お
よび安定化を行ないこれら副産物の濃度を低下させる必
要がある。
発酵工程の終了時点は目的とするアルコール濃度になっ
ているかどうかによって判断する。発酵工程後は温度を
約10〜7℃に下げ熟成工程に入る。
本発明者はこの熟成初期の段階において新鮮な酵母を改
めて添加することにより調味料としての効果を飛躍的に
向上させることに成功したものである。そもそも熟成過
程においては通常アルデヒドとかダイアセチル等が還元
されいやな臭いを消す働きがあるが、この新鮮な酵母の
添加はいやな臭いを除くのに大きく寄与しているものと
思われる。かつ、この段階で添加された酵母は、系中に
存在する死滅酵母から呈味成分を液中に溶出させるのに
役立っているのではないかと思われる。
なお、この間に系中で発生する炭酸ガスもいやな臭いの
成分が揮散するのを助長する働きをするものと考えられ
る。
一方、熟成工程においてはこれらいやな臭いの成分が化
学変化したり、揮散したりしている間に、系中では芳香
成分の濃度が上昇する。約7〜12日間の熟成期間が経過
後、温度を0〜−1℃に下げ、安定化工程に入り、この
温度に3週間前後保持する。
実施例 麦芽18kgに水115lを加え、ビール醸造の常法により仕込
みを行い、エキス濃度16.7%W/Wの麦汁70lを得た。これ
にアルコール濃度約12%でそのほとんどが死滅する性質
をもつ酵母を選択して添加し、15℃±1℃に保つ。補糖
は発酵開始24時間後より砂糖1.18kgを24時間毎に計7回
添加しながら13日間発酵を行うとアルコール濃度は12%
V/Vに達した。そこで16日目までかけて温度を徐々に10
℃前後まで下げ、ここで液を発酵槽から熟成槽に移し、
約10℃前後の温度で新鮮な泥状酵母(固形分73%)を0.
3%V/V程度加え、23日目まで10〜7℃に保った。その
後、液を貯蔵槽に移し、28日目までに零下1℃まで冷却
し、以下50日目までこの温度に保って安定化処理を行っ
た。
この実施例の発酵経過を第2図に示した。
食塩添加はアルコール飲料物にならないため1.80%の割
合で添加したものであり、二酸化珪素は冷温における液
の清澄性を高めるためであり、発酵槽から熟成槽に移す
いわゆるビール下しは不要のアワ、沈殿物の除去も兼ね
ている。
この実施例で得られた本発明製品、この実施例における
追加酵母添加を行わなかった先願発明製品、通常ビール
の分析結果を第1表に示す。
なお、調理用麦芽酒の成分分析値の測定法を以下に記
す。
(1) アルコール:アナリテイカーEBCIII(1975)E
−55アルコールの定量法により定量 (2) 苦味価:アナリテイカーEBCIII(1975)E−60
苦味価の定量法により定量 (3) 全窒素:ケールダール法により定量 (4) pH:pHメーターにより測定 (5) 色度:430mμのOD(10mmセル)を分光光度計に
より測定 (6) 外観エキス(%):比重法による庶糖換算濃
度、ただし食塩分は除く、 (7) アミノ態窒素:昭和30年11月15日槙書店発行中
川淳著「麦酒工業試験法」175頁参照 なお、前記(1)〜(6)についても上記刊行物にすべ
て記載されている。
試験例 実施例1より得た麦芽酒をベースに、醤油、砂糖、生姜
汁、レモン汁などを加え、たれベース用麦芽酒を作製し
た。このたれベース用麦芽酒をリンゴジュースで希釈
し、焼き肉のたれを作り、そのたれを用いて焼き肉を試
食した。対照として先願発明品、市販ビール(アルコー
ル分4.5%V/V)を用いたたれベースから焼き肉のたれを
作り、同様に試食し、パネル16名で2点識別式の官能検
査を行なった。結果を第2表に示す。さらに、この麦芽
酒ベースの調味液にグルコース、マルトース、フラタト
ースを加えて照り焼きのたれを作り、鶏の照り焼きを作
って試食したところ、麦芽酒からくる独特の香ばしい香
りと照りがあり、また、独特のコク味があって非常に特
徴のあるおいしい照り焼きであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は補糖方法の違いによる発酵日数と糖の資化され
る量との関係を示すグラフであり、第2図は実施例の発
酵過程における各種成分の変化、温度、添加時期等を示
すモデルである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】麦汁を主原料とし、酵母によりこれを発酵
    させるに当り酵母として目的とするアルコール濃度に達
    したときほとんど大部分が生存できなくなる性質をもつ
    酵母を選択して使用し、かつ、麦汁の発酵途中において
    前記酵母が資化可能な糖を複数回以上に分けて添加する
    ことにより発酵を行い、液中のアルコール濃度が目的濃
    度に達した時点で発酵を停止するに充分な温度まで冷却
    して熟成過程に移し、この初期段階において新鮮な酵母
    を添加して熟成、安定化を行うことを特徴とする調理用
    麦芽酒の製造方法。
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