JPH0740889B2 - 大豆蛋白質の処理方法 - Google Patents

大豆蛋白質の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、大豆蛋白質、例えば豆乳、分離大豆蛋白質等
が有する苦渋味を除去する方法に関するものである。
〔従来の技術〕 大豆蛋白質は豆腐、豆乳等の原料として多く用いられて
いるが、従来から大豆蛋白質が有する苦渋味が問題とな
っている。従って、大豆蛋白質が有する苦渋味除去方法
が種々提案されている。例えば、豆乳抽出原料を炭酸水
素ナトリウム含有水性液の存在下で磨砕して苦渋味のな
い豆乳を製造する方法(特開昭52-12952号、同53-91161
号、同53-91162号、同55-64777号)がある。又大豆蛋白
質水溶液に炭酸ガスを注入し、かつ注入と同時あるいは
その前後に大豆蛋白質水溶液を加熱して苦渋味成分を除
去する方法(特開昭60-91952号)がある。これらの方法
は、いずれも大気圧下で処理を行なうものであり、ある
程度苦渋味を除去できるものの、未だ不十分である。
一方、大豆蛋白質水溶液を製造するに際し、大豆の浸漬
工程から蛋白質の溶出工程に至るまでに用いる水とし
て、水中に溶存する酸素を除去した水を用いる方法(特
開昭55-153573号)も提案されているが、この方法によ
っても苦渋味除去効果は未だ不十分である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従って本発明は従来の方法よりも大豆蛋白質が有する苦
渋味の除去効果がすぐれた方法を提供することを目的と
する。本発明は、さらに簡単な方法で苦渋味を除去でき
る工業的にすぐれた方法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、大豆蛋白質含有水溶液を炭酸イオンの存在下
において、加圧加熱処理すると系中の炭酸イオンが炭酸
ガスとして系外に逃げるのを防止でき、炭酸イオンを苦
渋成分に有効に作用させることができるので、大豆蛋白
質中の苦渋味を極めて効果的に除去できるとの知見に基
づいてなされたのである。
すなわち、本発明は大豆蛋白質含有水溶液を炭酸イオン
の存在下において、加圧加熱処理することを特徴とする
大豆蛋白質の処理方法を提供する。
本発明の処理方法の対象となる大豆蛋白質含有水溶液
は、大豆蛋白質を含有する水溶液であればいずれでもよ
く、例えば大豆からつくられる呉、豆乳、分離蛋白質水
溶液があげられる。又、大豆蛋白質以外の成分、例えば
脂肪、ミネラルなどを含んでいてもよい。上記呉及び豆
乳は、例えば次のようにして製造される。先づ丸大豆、
脱皮大豆を水に浸漬した後、適量の水を加え磨砕機で磨
砕して呉を得る。次に遠心分離機等を用いておからを除
去して豆乳を得る。豆乳を得るための原料としては、脱
脂大豆、脱脂大豆フレークを用いても何らさしつかえな
い。
本発明では、上記大豆蛋白質含有水溶液に炭酸イオンを
存在させることが重要である。この炭酸イオンを存在さ
せる方法としては、炭酸ガスを大豆蛋白質含有水溶液に
注入して溶解させる方法、炭酸塩を溶解させる方法が例
示される。
炭酸ガスを注入する方法 炭酸ガスの注入時期は、磨砕前、磨砕中、磨砕後いずれ
の段階でもよい。又、注入量は、大豆蛋白質含有水溶液
中の蛋白質100g当り1〜32l程度とすることが好まし
い。つまり、1以下では効果が低下する傾向にあり、
32l以上注入しても効果がさほどかわらず経済的でない
からである。さらに炭酸ガスを注入するに際しては、大
豆蛋白質水溶液を、予めpH7.5〜9.0に調節するのが好ま
しい。その理由は、二酸化炭素ガスを注入すると、大豆
蛋白質水溶液のpHが低下し、それに起因して蛋白質が凝
集沈澱する虞があるからである。また、上記範囲にpHを
調節すると、炭酸ガスの溶解量を多くすることができる
からでもある。
炭酸塩を添加する方法 炭酸塩は、加熱処理時に炭酸イオンが存在する限り、大
豆の磨砕前、磨砕中、磨砕後のいずれの段階で添加して
もよい。炭酸塩としては、種々のものを用いることがで
きるが、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
ルシウムを用いるのが好ましい。又、添加量は任意とす
ることができるが、大豆蛋白質水溶液に対して0.05〜0.
5重量%(以下%と略称する。)、好ましくは0.1〜0.3
%とするのがよい。
本発明で用いる大豆蛋白質中に炭酸イオンを含む水溶液
は上記の方法により調製されるが、炭酸イオンの存在量
が0.0004〜0.006モル%とするのが望ましい。
次に本発明では上記の水溶液を加熱加圧処理するが、加
圧下において行なうことが本発明においては特に重要で
ある。特に好ましくは、ゲージ圧0.3〜5kg/cm2の範囲の
圧力下、80〜150℃で加熱するのがよい。つまり、この
範囲では苦渋味成分の除去効果が高いとともに、蛋白質
の変性を抑制することができるからである。又、加熱時
間としては15秒から30分までを採用するのがよい。尚、
加圧条件は加熱温度と相対関係にあり、温度が高くなる
につれて加える圧力を高めるのがよい。例えば、80℃で
0.3kg/cm2の場合、90℃では0.5kg/cm2、100℃では0.8kg
/cm2、110℃では1.1kg/cm2である。又、加熱処理時間も
加熱温度と相関関係にあり、80℃で20分間加熱する場
合、100℃で10分、120℃では5分加熱するのがよい。
本発明の処理方法は上記の工程をとることを基本とする
ものであるが、工業的には次のようにして行なうのがよ
い。つまり、蛋白質含有水溶液を貯蔵するタンクに炭酸
ガスを吹込むか又は炭酸塩を溶解させた後、該蛋白質含
有水溶液をパイプを通して次工程(例えば殺菌工程な
ど)へ移送するに際し、例えば圧力制御弁により、バッ
クプレッシャーをかけながら移送し、この際スチームを
吹き込んだり又は外部加熱によりパイプ内で加圧加熱し
て苦渋味を除去する方法、又は前記の方法において貯蔵
タンク中に炭酸ガスや炭酸塩を加える代わりに、配管
(パイプ)中に炭酸ガス又は炭酸塩含有水溶液を注入し
て行なう方法があげられる。又、圧力容器中にて、本発
明の処理を行なってもよい。
本発明ではさらに、原料の大豆(丸大豆、脱皮大豆等)
を蒸煮等の手段によって加熱処理し、次いで該大豆を80
℃以上の条件で熱水磨砕すると得られる大豆蛋白質水溶
液の青臭味を低減できるので好ましい。もちろん上記手
段に限定されることはなく、青臭味を低減できる手段で
あれば他の手段を採用することもできる。
本発明においては、加圧加熱処理後処理液中に溶存して
いる炭酸イオン(特に溶解している炭酸ガス)を除去す
るための処理(減圧等)を行なうのが好ましく、又その
後pHを6.5〜7.0に調整するのが望ましい。
〔発明の効果〕
本発明の処理方法によれば苦渋味のない大豆蛋白質水溶
液を得ることができる。
従って、これを用いれば味のよい豆腐を製造できるとと
もに、そのまま、又は各種ビタミンや栄養成分を加えて
豆乳として用いることができる。又、該水溶液を乾燥し
て粉末蛋白質としても用いることができる。上記以外に
も本発明によって処理されたものは幅広い用途を有する
のである。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
〔実施例〕
実施例1 105℃で3分間蒸煮した丸大豆5kgに熱水30kgを加え90℃
で磨砕した後遠心分離を行なってオカラを除去し豆乳23
kg(蛋白質含有量5.1%、温度81℃)を得た。これをジ
ャケット付の加圧タンクに入れて密封した後、炭酸ガス
11.8lを吹き込み、80℃、ゲージ圧0.5kg/cm2の条件下で
25分間加圧加熱処理を行なった。尚、溶液のpHは6.6で
あった。次いで、処理ずみの蛋白質含有水溶液をポンプ
でバキュームチャンバーに導入し、400mmHgに減圧して
溶存炭酸ガスに除去し、プレート型熱交換機を用いて10
℃に冷却した蛋白質含有水溶液を得た。
実施例2 脱皮大豆5kgを105℃で3分間蒸煮した後、NaoH15gを含
む熱水35kgを加え、90℃で磨砕し大豆の青臭味を除去し
た後、遠心分離してオカラを除き豆乳29kg(蛋白質含有
量4.7%、温度82℃)を得た。この豆乳を10℃に冷却し
た後加圧タンクに入れて密封した後、炭酸ガス118l(ゲ
ージ圧1.0kg/cm2)を吹き込み、100℃で15分間加圧加熱
処理した。尚、この時の溶液のpHは6.7であった。次い
で減圧度を300mmHgとした以外は実施例1と同様にして
溶存炭酸ガスを除去した後、10℃に冷却し、塩酸でpHを
6.8に調整して大豆蛋白質含有水溶液を得た。
実施例3 未変性脱脂大豆フレーク1kgに、炭酸ナトリウム5.5gを
含む10kgの水を加えて30分間混合した遠心分離を行なっ
て不溶分を除き、豆乳8.6kg(蛋白質含量4.1%、温度25
℃)を得た。これをゲージ圧1.0kg/cm2の圧力下で10分
間加熱した後バキュームチャンバーに移して300mmHgに
減圧し溶存炭酸ガスを除去し、次に10℃に冷却し、塩酸
でpHを6.8に調整して大豆蛋白質含有水溶液を得た。
尚、加圧加熱処理直前の大豆蛋白質水溶液のpHは7.3で
あった。
実施例4 脱皮大豆5kgを熱水10kg中に入れて3分間加熱した後水
切りした。次に熱水30kg(炭酸水素ナトリウム0.35%溶
液)を加え、90℃、ゲージ圧0.8kg/cm2の条件下で磨砕
した。このようにして得られた磨砕液のpHは7.4であっ
たが、これをゲージ圧0.8kg/cm2、温度90℃の条件下で2
0分間加圧加熱処理した。次いで遠心分離を行なって不
溶物を除去し、豆乳24kgを得た。これを減圧度を400mmH
gとした以外は実施例2と同様にして減圧及びpH調整し
て大豆蛋白質含有水溶液を得た。
実施例5 加圧容器中にて、分離大豆蛋白質5kgに、0.2% NaOH水
溶液95kgを加えて攪拌混合した後密封し、炭酸ガス500l
を注入し、ゲージ圧0.8kg/cm2、90℃で20分間加圧加熱
処理した。この時の溶液のpHは7.5であった。次に、実
施例4と同様にして減圧及びpH調整を行ない、大豆蛋白
質含有水溶液を得た。
以上のようにして得た実施例1〜5の大豆蛋白質含有水
溶液について、20人のパネルによる苦渋味について官能
テストを行なった結果、実施例1〜5のものはいずれも
苦渋味を有しないものであったが、なかでも実施例2、
4、5のものが良好であった。
比較例 加圧しないこと、つまり大気圧下で加熱した以外は実施
例2と同様にして大豆蛋白質含有水溶液をつくった。
実施例2で得た豆乳と比較例で得た豆乳について、20名
のパネルを用いその苦汁味の低減効果について比較し
た。結果を第1表に示す。
この結果から、本発明の処理方法によれば、苦渋味のな
いすぐれた大豆蛋白質が得られることがわかる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大豆蛋白質含有水溶液を炭酸イオンの存在
    下において、加圧加熱処理することを特徴とする大豆蛋
    白質の処理方法。
  2. 【請求項2】炭酸イオンが炭酸ガスを大豆蛋白質含有水
    溶液に注入溶解することによって形成される特許請求の
    範囲第(1)項記載の処理方法。
  3. 【請求項3】炭素ガスの注入量が、大豆蛋白質含有水溶
    液中の蛋白質100g当り、1〜32lである特許請求の範囲
    第(2)項記載の処理方法。
  4. 【請求項4】炭酸イオンが炭酸塩を大豆蛋白質含有水溶
    液に溶解することによって形成される特許請求の範囲第
    (1)項記載の処理方法。
  5. 【請求項5】炭酸塩の添加量が大豆蛋白質水溶液に対し
    て0.05〜0.5重量%である特許請求の範囲第(4)項記
    載の処理方法。
  6. 【請求項6】加熱が80〜150℃で行なわれる特許請求の
    範囲第(1)項記載の処理方法。
  7. 【請求項7】加圧がゲージ圧0.3〜5.0kg/cm2の範囲で行
    なわれる特許請求の範囲第(1)項記載の処理方法。
  8. 【請求項8】加熱時間が15秒から30分間である特許請求
    の範囲第(1)項記載の処理方法。
  9. 【請求項9】加圧加熱処理前の大豆タンパク質含有水溶
    液のpHが7.5〜9.0の範囲にある特許請求の範囲第(2)
    項記載の処理方法。
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