JPH0369496B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0369496B2
JPH0369496B2 JP58137556A JP13755683A JPH0369496B2 JP H0369496 B2 JPH0369496 B2 JP H0369496B2 JP 58137556 A JP58137556 A JP 58137556A JP 13755683 A JP13755683 A JP 13755683A JP H0369496 B2 JPH0369496 B2 JP H0369496B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soymilk
temperature
concentrated
soy milk
solid content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP58137556A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6030655A (ja
Inventor
Nobuyuki Inoe
Mikio Higure
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyushu Nyugyo KK
Original Assignee
Kyushu Nyugyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyushu Nyugyo KK filed Critical Kyushu Nyugyo KK
Priority to JP58137556A priority Critical patent/JPS6030655A/ja
Publication of JPS6030655A publication Critical patent/JPS6030655A/ja
Publication of JPH0369496B2 publication Critical patent/JPH0369496B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dairy Products (AREA)
  • Beans For Foods Or Fodder (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は低粘性の濃縮豆乳の製造に関するもの
であり、詳しくは、大豆を水又は湯で抽出し、粕
分を除去することにより豆乳を得、得られた豆乳
のPHを7.0〜8.0に調整後中性又はアルカリ性蛋白
分解酵素の単独もしくは混合物を作用させる工程
と、115℃以上の温度範囲に対応して60秒〜1秒
の範囲の処理時間で豆乳に加熱処理を行なう工程
とを組合せて施したのち、濃縮操作を実施して低
粘性の濃縮豆乳を製造する方法に関するものであ
る。 ここ数年来、豆乳は植物性蛋白とそれに伴う植
物性脂肪の為、健康食品として注目されるに到つ
た。そして脱臭等の製造技術の向上によりにわか
に脚光をあび、商品として広く市場に出廻つてい
るのは周知の通りである。この豆乳は直接飲料に
供するだけでなく、噴霧乾燥によつて得られる豆
乳粉末共々、加工用食品素材として或は牛乳及び
乳製品の代替品として各分野で種々の食品に利用
されており、今後は増々広い用途が期待できる。 然しながら、通常豆乳中の豆乳固形分濃度はせ
いぜい12〜13%(重量、以下同じ)位であり、水
分含有量が多いため保管方法がむずかしく、豆乳
固形分あたりの輸送費もかかり、加工用食品素材
としての用途は限定されるという欠点を有してい
た。一方、豆乳を噴霧乾燥することによつて得ら
れる豆乳粉末は、取り扱い、輸送等の面で豆乳と
比較し優つているが、噴霧乾燥工程を経ているた
め当然ながらコストアツプのなる。又加水還元し
て飲料に供する場合は、原豆乳と比較し香味の低
下をきたしている。 もし、豆乳固形分が高く、粘度の低い濃縮豆乳
が得られたならば、加工用食品素材として、牛
乳、乳製品の代替品として、又粉末豆乳用の供給
原液として多きな利用価値が生ずる。即ち、豆乳
固形分が高い濃縮豆乳は、牛乳に対する濃縮乳の
関係の如く、余分な水分が少ないため、包材費、
輸送費が低下し、保管場所も狭くてすむうえ、容
器を移しかえる時の取り扱いが楽である。かつ、
加水還元すればよく豆乳にもどすことができるの
で、飲料、デザート、冷菓、製菓製パン業界等に
おいて広い用途が考えられる。又粘度が低いとい
うことは、豆乳の濃縮比をあげることができるの
で、噴霧乾燥法により豆乳粉末を製造するに際
し、乾燥効率が上昇して製品処理能力の点で有利
であり、大巾なコストの低減につながつてくる。
そこで豆乳中の豆乳固形分をあげるため過去種々
の研究がなされており、公知の公開公報及び研究
報告等にみると、特開昭49−30564号公報、
特公告昭50−37736号公報、同昭50−37737号公
報、Vol、22、1029、Food Technology
August 1968〜97などにその技術がみられる。
の方法は、浸漬大豆を加水磨砕して豆乳と豆粕に
分離し、得られる豆乳に浸漬同図を加えて磨砕し
豆乳と豆粕に分離し、一方豆粕に加水し得られる
豆乳に浸漬大豆を加え磨砕して豆乳と豆粕に分離
し、以後前記処理を繰り返すという方法である
が、工場での生産性を考慮してみると、工程が複
雑となる他得られた豆乳を繰り返し何回も磨砕液
として使用するため細菌類の増殖による汚染の危
険性があつて好ましくない。そこで、豆乳中の雑
菌を死滅させる目的での方法により得られた濃
厚豆乳を加熱した場合、豆乳固形分が13%近辺に
なるとゲル化が生じてくる。例えばの方法で豆
乳固形分19%、16%、13%、11%の豆乳を試作
し、100mlビーカーに50mlづつ分注し、93℃の湯
浴中で豆乳品温が90℃に達するまで加熱後5分間
温度を保持したのち品温23℃まで急冷し、夫々の
豆乳の状態を観察した。その結果を第1表に示
す。
【表】 第1表に示した如く、の方法により得られた
豆乳は、豆乳固形分が13%近辺になると加熱によ
りゲル状を呈するため、加熱殺菌処理を施した低
粘性のなめらかな濃厚豆乳を得ることは不可能で
ある。 の方法は、全脂大豆または脱脂大豆より豆乳
粉末を製造するに際し、任意の工程でエリソルビ
ン酸または(および)エルソルビン酸ナトリウ
ム、アスコルビン酸または(および)アスコルビ
ン酸ソーダーを添加する方法であるが、これらの
方法で抽出した豆乳を使用して濃縮豆乳とした場
合の濃縮比は、本発明の方法で得た濃縮豆乳にく
らべ劣つていた。即ち、の方法で抽出した豆乳
をロータリーエバポレーターを用いて減圧濃縮
し、品温20℃で300cpの粘度を示す時の豆乳固形
分が23%であるのに対し、本発明の方法により得
られた豆乳を同様な方法で減圧濃縮し、品温20℃
で300cpの粘度を示し時の豆乳固形分は26〜36%
であつた。 の研究報告にり豆乳を濃縮できるか否か調査
したが、豆乳の濃度をあげていくと直接的に粘度
が上昇し、豆乳固形分が30%近くなるとゲル状を
呈し、どうしようもなく蕉糖を加えたところ粘度
上昇は蕉糖無添加に比に烈しく、加糖濃縮豆乳を
つくるのはむずかしいとの結論を得た。 上述のごとく、低粘性濃縮豆乳の出現が各方面
より切望されていたが、従来の製造技術によつて
達成することは困難であつた。通常高蛋白質溶液
は粘度が高くなるため取り扱いが困難となる。そ
こで粘度を低下させる目的で酵素を作用させると
いう方法は良く知られており、基質として分離大
豆蛋白を使用した場合も同様の効果を生ずる。然
しながら、豆乳に蛋白分解酵素を添加し所定温度
に加温すると、レンネツトを添加した牛乳の如く
時間の経過に伴い粘度が高まつていき、この現象
は豆乳の抽出温度により影響をうけ、抽出温度が
高くなるに従つて増粘傾向は、はげしくなる。然
るに現在広く市場に出廻つている飲食用豆乳は少
なくとも75℃以上の磨砕条件で抽出しており、斯
くして得られた豆乳に蛋白分解酵素を添加し酵素
処理を施せば、当然ながら豆乳の粘度は増加して
くる。斯くの如き増粘した豆乳を濃縮しても濃縮
比率はかえつて低下し初期目的に反するものとな
る。 本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、抽出温度
の如何にかかわらず大豆より抽出された豆乳のPH
を弱アルカリ性とし、蛋白分解酵素を作用させた
のち115℃以上で短時間加熱処理を施すと豆乳の
粘度が著しく低下する事実を見出し、この知見に
もとずいて本発明をなすに到つた。以下本発明に
ついて一層詳細に説明する。 本発明における大豆とは、外皮付着の有無は問
わず、丸大豆、外皮を除去した大豆、破砕された
大豆、及びそれ等の浸漬した大豆をも含むもので
あり、これ等原料大豆を抽出液として水又は湯と
共に磨砕し磨砕液を得る。 この場合の磨砕液とは、グラインダー、ミキサ
ー、マイコロイダー等通常の磨砕機を使用し、生
大豆に対する抽出液の加水量は5〜15倍が望まし
い。なお、磨砕時の磨砕温度は、いわゆるリポキ
シターゼの失活を目的とした高温磨砕法でも、豆
腐用の豆乳を抽出する場合に通常行われているよ
うな水漬大豆に加水して磨砕する低温磨砕法のど
ちらを採用しても何ら差しつかえはない。この様
にして得られた磨砕液は遠心分離機、デカンター
等の機械を用いて繊維等の粕分を除去し豆乳とす
る。 斯くして得られた豆乳を濃縮して濃縮比の高い
濃縮豆乳を得る為には、豆乳のPHを7.0〜8.0に調
整後蛋白分解酵素を使用して酵素処理を行う工程
と、酵素処理工程中を除いて濃縮操作を開始する
までの任意の工程で豆乳に高温短時間の加熱処理
を施すことが必要である。即ち、高温短時間の加
熱処理は酵素処理前の豆乳でも酵素処理を終了し
た豆乳のどちらに施してもよい。酵素処理を行な
う工程に関しては、例えば抽出温度85℃で抽出し
た豆乳固形分8.3%と豆乳を加熱処理温度125℃、
処理時間30秒の条件でプレート式熱交換機を使用
した高温短時間加熱処理を行い、PH6.7の加熱処
理した豆乳を得た。得られた加熱処理した豆乳に
苛性ソーダーを添加してPHを6.8、7.0、7.2、7.4
に調整したPH調整豆乳とし、そのそれぞれに蛋白
分解酵素として天野製薬製プロテアーゼ「アマ
ノ」P3を豆乳固形分に対し0.03%添加後40℃で3
時間酵素処理を行つたのち、酵素を失活させる目
的で80℃×10分間加熱し、ロータリーエバポレー
ターを用いて豆乳固形分14.5%になるまで濃縮
し、それぞれの濃縮した豆乳について東京計測(株)
VA−1型粘度計を用いて20℃における粘度を測
定した。その結果を第2表に示す。
【表】 第2表に示すごとく、豆乳のPHが上昇するに従
い濃縮した豆乳の粘度は低下し、特に7.0になる
と粘度の低下率は顕著となる。一方、豆乳のPHが
8.0より高くなると豆乳の風味、色調共劣化し、
嗜好的に物ましくない。従つて、望ましいPH域は
7.0〜8.0の範囲である。ちなみに、これ等濃縮し
た豆乳を90℃で5分間加熱処理を施してもゲル状
にはならなかつた。 ところで、豆乳のPHを調整するには、苛性ソー
ダー、重炭酸ソーダー等を直接豆乳中に添加する
が、大豆を水又は湯と共に磨砕する磨砕工程時に
添加することにより得られた大豆磨砕液のPHが
7.0〜8.0の範囲にある場合はPH調整の必要は全く
ない。この酵素処理工程で用いる蛋白分解酵素と
は、黴ならびに細菌を源とする中性及びアルカリ
性蛋白分解酵素であり、具体例としては天野製薬
製プロテアーゼ「アマノ」A、プロテアーゼ「ア
マノ」C等があげられる。これ等酵素剤は通常豆
乳固形分に対し0.01〜0.30%の範囲で添加し、30
〜60℃の温度範囲内で20分〜6時間程度の処理を
行う。上述の方法で豆乳を酵素処理し、その処理
豆乳を使用して濃縮豆乳を製造するが、顕著な効
果をあげる為には酵素処理を施した豆乳中の蛋白
質の分解割合が極めて重要である。多くの蛋白分
解酵素は蛋白分質を部分分解し苦みのある物質を
生ずるが、本発明においても商品価値を損う様な
苦みの生成は避けねばならない。即ち、酵素処理
をほどこした豆乳を塩酸等の酸によりPHを4.50に
調整し、その液中に存在する可溶区分中の総窒
素含有量(A)を求め、原豆乳中の総窒素量(B)に対す
る割合(A/B×100)を算出する。総窒素量に
対する可溶性窒素割合(%)の適正な範囲は20.0
〜50.0%であり、この範囲を越えると苦みを生
じ、呈味的に好ましくない。一方可溶性窒素割合
(%)がこの範囲に達してない場合は、後の濃縮
操作を実施しても濃縮比率の上昇はみられなかつ
た。 次に、本発明の要件の一つである豆乳の加熱処
理の条件につき説明する。大豆より抽出した豆乳
に蛋白分解酵素を作用させる工程の前後における
任意の工程で高温短時間の加熱処理を施すが、こ
の時の処理条件は、加熱処理温度115℃〜160℃、
処理時間60秒〜1秒前後とする組み合わせが加熱
臭が無く、色調が良好な低粘性の濃縮豆乳を得る
のに好適であり、加熱終了後はすみやかに35℃〜
45℃近辺まで冷却することが好ましい。ただしこ
の高温短時間の加熱処理は豆乳の蛋白分解酵素を
使用しての酵素処理との組み合わせによりその効
果を発揮するものである。また、ここにあげた温
度と時間の組み合わせにおいても高温短時間加熱
装置の今後の進歩により、より高温、短時間の採
用が可能となることも予想される。 例えば、抽出温度85℃で抽出した豆乳固形分
8.3%の豆乳をプレート式熱交換機を用いて90℃
〜140℃の温度範囲で30秒間の加熱処理を行つた
のち、42℃の急冷後苛性ソーダを添加してPHを
7.3に調整した。しかるのち蛋白分解酵素として
天野製薬製プロテアーゼ「アマノ」P3を豆乳固
形分に対し0.03%添加後、40℃で3時間酵素処理
を施したのち、80℃で10分間加熱して酵素を失活
せしめ、品温80℃、均質化圧力150Kg/cm2の条件
で均質化処理を行い、50℃に冷却後ロータリーエ
バポレーターを使用して2000cp(20℃)の粘度ま
で減圧濃縮した時の濃縮豆乳中の豆乳固形分
(%)を測定した。その結果を第1図に示す。尚
第1図中での対照区とは蛋白分解酵素のみ未添加
で他は全く同様な方法で処理して得た対照濃縮豆
乳の粘度が2000cp(20℃)になつた時の豆乳固形
分(%)である。本図に示す如く、加熱処理温度
が115℃になると酵素処理を施した濃縮豆乳中の
豆乳固形分は急激に上昇した。従つて濃縮比の高
い濃縮豆乳を得るためには115℃以上の高温短時
間加熱処理が必要であるが、豆乳を濃縮するに際
して、加熱臭がなく色調が良好であり濃縮比の向
上に効果のある加熱処理温度と処理時間の適正な
関係域は第2図の斜線で示した範囲である。上述
の高温短時間加熱処理の時期は大豆より抽出した
直後即ち酵素処理前の豆乳でも酵素処理の豆乳で
もその効果は同じである。かくして酵素処理と加
熱処理の組み合せを施した豆乳は、均質化処理を
施すとか、酵素の活性や雑菌による汚染があると
判断された場合には再度の加熱操作を行うとかし
て濃縮操作を開始する。通常45℃〜65℃程度の温
度で減圧濃縮方法にて濃縮されるが、濃縮操作の
前後または濃縮操作中に糖類を添加することも当
然可能である。 以上の如く、本発明により従来不可能とされて
いた風味良好な低粘性の濃縮豆乳の製造が可能に
なつた。このものは加工用食品素材として、乳製
品の代替品として、飲料、デザート、冷菓、製
菓、製パン等の業界での利用が見込まれる他、噴
霧乾燥法による豆乳粉末用の原液としてその含水
量の少なさから多大の経済効果を生むことのでき
る利用度の高い濃縮豆乳である。 以下本発明の実施例を示す。 実施例 1 谷式剥皮機で外皮を除去した剥皮大豆1部(重
量部、以下同じ)に対し90℃の抽出用熱水を6部
の割合で注ぎながら湿式ピンミルで粗砕後、砥石
間隙250μとした特殊機化工業製マイコロイダー
を通過させて85℃の大豆磨砕液を得た。得られた
磨砕液を3500Gの遠心効果で稼動している横型連
続遠心分離機に通し、粕分(おから)を除去して
PH6.5、豆乳固形分8.5%の風味良好な豆乳を得
た。得られた豆乳5000gにプレート式熱交換機を
使用し、加熱処理温度130℃、処理時間10秒間の
条件で高温短時間加熱処理を行い、40℃に冷却後
この豆乳のPHを苛性ソーダにより7.3に調整して、
40℃に保温しながら蛋白分解酵素として天野製薬
製プロテアーゼ「アマノ」P3を142mgを添加し、
3時間作用させた。 次いで80℃、10分間の加熱処理により酵素を失
活せしめたのち、品温80℃、均質化圧力150Kg/
cm2の条件で均質化処理を施し、処理豆乳を得た。 得られた処理豆乳をロータリーエバポレーター
を用いて55〜60℃の条件で減圧濃縮し、豆乳固形
分36.0%の風味良好な濃縮豆乳を得た。得られた
濃縮豆乳の粘度を東京計測(株)VA−1型粘度計に
より測定したところ、20℃に於て2000cpであり、
総窒素量に対する可溶性窒素割合は33%であつ
た。 比較例 実施例1において酵素処理を行なわずにその他
は実施例1と同様な方法により得られた濃縮豆乳
A、および高温短時間加熱処理を行なわずにその
他は実施例1と同様な方法により得られた濃縮豆
乳Bを、実施例1に記載されている方法により得
られた濃縮豆乳と比較した。その結果を第3表に
示す。
【表】 第3表に示す如く、実施例1の方法で得られた
濃縮豆乳は、比較例A、Bと比較した場合、同一
粘度時の豆乳固形分は著しく高くなつている。よ
つて本発明に限定する条件のいずれかが欠けても
所期の効果を奏することができないことが判明す
る。 実施例 2 実施例1と同じ高温短時間加熱処理を行なう前
のPH6.5、豆乳固形分8.5%の豆乳6000gをPH7.3の
調整後、蛋白分解酵素として天野製薬製プロテア
ーゼ「アマノ」A213mgを添加し、40℃で2時間
作用させた。次いで加熱処理温度125℃、処理時
間30秒間の条件でプレート式熱交換機を使用して
高温短時間加熱処理を行い、80℃まで冷却後品温
80℃、均質化圧力150Kg/cm2の条件で均質化処理
を施し、処理豆乳を得た。このものの総窒素量に
対する可溶性窒素割合は30%であつた。 次いで上記処理豆乳5000gにシヨ糖677gを添
加し、撹拌溶解後ロータリーエバポーレーターを
用いて55〜60℃の条件で減圧濃縮し、全固形分70
%(豆乳固形分27%)の加糖豆乳ペーストを得
た。 比較例 実施例2における高温短時間加熱処理を加熱処
理温度110℃、処理時間30秒間の条件でプレート
式熱交換機を使用して行なつた他は、実施例2と
全く同様な方法により得られた加糖豆乳ペースト
A、高温短時間加熱処理を行なわずに80℃、10分
間の酵素失活処理を行ない、その他の実施例2の
全く同様な方法により得られた加糖豆乳ペースト
Bを、実施例2に記載されている方法により得ら
れた加糖豆乳ペーストの比較した。その結果を第
4表に示す。
【表】 第4表に示す如く、実施例2の方法で得られた
加糖豆乳ペーストは、同一全固形分の加糖豆乳ペ
ーストA,Bと比較して粘度が著しく低く、また
風味的にも良好であつた。 実施例 3 実施例1と同じ高温短時間加熱処理を行なう前
のPH6.5、豆乳固形分8.5%の豆乳5000gに直接加
熱方式減菌機を使用し加熱処理温度152℃、処理
時間5秒間の条件で高温短時間加熱処理を行い、
40℃に冷却後この豆乳のPHを苛性ソーダにより
7.3に調整して、40℃に保温しながら蛋白分解酵
素として天野製薬製プロテアーゼ「アマノ」
A283mgを添加し2時間作用させた。 次いで80℃、10分間の加熱処理により酵素を失
活せしめたのち品温80℃、均質化圧力150Kg/cm2
の条件で均質化圧力を施し、処理豆乳を得た。 得られた処理豆乳をロータリーエバポレーター
を用いて55〜60℃の条件で減圧濃縮し、豆乳固形
分35.0%の風味良好な濃縮豆乳を得た。得られた
濃縮豆乳の粘度を東京計測(株)VA−1型粘度計に
より測定したところ、20℃に於て2000cpであり
総窒素量に対する可溶性窒素割合は38%であつ
た。因みに、実施例3において酵素処理を行なわ
ずにその他は実施例3と同様な方法により得られ
た濃縮豆乳は豆乳固形分30.0%であり、20℃に於
ける粘度は2000cpであつた。 応用例 実施例1の方法で得られた濃縮豆乳を岩井機械
工業製アトマイザー式噴霧乾燥機を用いて噴霧乾
燥し水分3.0%の豆乳粉末を得た。 ちなみに対照として実施例1で得られた高温短
時間加熱処理を行なう前のPH6.5、豆乳固形分8.5
%の豆乳をロータリーエバポレーターを用いて55
〜60℃の条件で減圧濃縮し、全固形分24.5%の濃
縮豆乳を得、応用例と同様な方法により噴霧乾燥
し水分3.0%の対照豆乳粉末を得た。得られた豆
乳粉末と対照豆乳粉末の溶解性と粒度分布を比較
した結果を第5表に示す。
【表】 第5表に示す如く、実施例1の方法による濃縮
豆乳から得られた豆乳粉末は対照豆乳粉末と比較
して溶解時間が短時間であるため加水還元しての
使用が容易である。 第5表における溶解性(溶解時間)とは、20℃
の水100mlを入れた300ml容ビーカー中の長さ3.5
cmの電磁撹拌棒を投入して東洋製作所(株)モデルB
−2マグネチツクスターラ上に設置し、目盛中で
回転撹拌しておき別途秤取した試料2gを上記ビ
ーカー内に投入し、試料が完全溶解に要する時間
(秒数)であり、また粒度分布とは80メツシユと
100メツシユの金属篩を用いてふるい分けを行な
い、全粉末量に対する各粒度の粉末量の割合
(%)である。
【図面の簡単な説明】
第1図は加熱処理時間を30秒とした場合の豆乳
の加熱処理温度(℃)と粘度2000cp(20℃)を示
す濃縮豆乳中の豆乳固形分(%)との関係を示す
図である。第2図は、加熱臭が無く、色調が良好
であり、濃縮比の向上に効果のある加熱処理温度
(℃)と処理時間(秒)との適正な範囲を示す図
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 大豆から抽出して得た豆乳より濃縮豆乳を製
    造するに際し、豆乳のPHを7.0〜8.0に調整後蛋白
    分解酵素を作用させる工程と、115℃以上の温度
    範囲に対応して60秒〜1秒の範囲の処理時間で豆
    乳に加熱処理を行なう工程とを組合せて施したの
    ち、濃縮操作を実施することを特徴とする濃縮豆
    乳の製造方法。 2 蛋白分解酵素を作用させた豆乳のPHを4.50に
    調整した時の可溶区分中の総窒素量が豆乳中の総
    窒素量の20.0〜50.0%の範囲内にある特許請求の
    範囲第1項記載の濃縮豆乳の製造方法。
JP58137556A 1983-07-29 1983-07-29 濃縮豆乳の製造方法 Granted JPS6030655A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58137556A JPS6030655A (ja) 1983-07-29 1983-07-29 濃縮豆乳の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58137556A JPS6030655A (ja) 1983-07-29 1983-07-29 濃縮豆乳の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6030655A JPS6030655A (ja) 1985-02-16
JPH0369496B2 true JPH0369496B2 (ja) 1991-11-01

Family

ID=15201475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP58137556A Granted JPS6030655A (ja) 1983-07-29 1983-07-29 濃縮豆乳の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6030655A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002281927A (ja) * 2001-03-27 2002-10-02 Tajimaya Shokuhin Kk 濃縮豆乳又は濃縮豆腐を用いたスプレッド様飲食物
JP5878824B2 (ja) * 2012-05-18 2016-03-08 株式会社住吉屋食品 ペースト状豆乳製品の製造方法、および当該製造方法で製造したペースト状豆乳製品
CN106942384B (zh) * 2017-03-23 2018-11-09 黑龙江省北大荒绿色健康食品有限责任公司 一种高速溶性及高蛋白含量豆粉的制备方法
CN107410502B (zh) * 2017-04-28 2018-08-24 黑龙江省北大荒绿色健康食品有限责任公司 一种低敏性速溶马铃薯豆奶粉的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6030655A (ja) 1985-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2248723C2 (ru) Композиция из соевого молока (варианты) и способ ее изготовления (варианты)
CN105638911B (zh) 一种浓香全营养豆乳粉的制备方法及应用
CN103947759B (zh) 一种湿法制备的风味豆奶粉及其方法
TWI375523B (en) Method of manufacturing mixed beverage
JPH03168066A (ja) フレーバ付与剤の製造方法
JP2000050826A (ja) 豆乳の製造方法
US3897570A (en) Preparation of an acidic beverage
EP0988793B1 (en) Process for producing lactic acid-fermented soybean milk
JPH0371854B2 (ja)
JP3663365B2 (ja) γ−アミノ酪酸高含有大豆加工食品
US3741771A (en) Water-soluble protein materials
JPH0369496B2 (ja)
JPS59192055A (ja) 濃縮豆乳の製造方法
KR20040104509A (ko) 비소화성 올리고당 함량이 낮은 대두 단백질 농축물 및그의 제조방법
KR101160149B1 (ko) 대두의 초고압 미세화를 통한 전성분 두유 및 두부의 제조 방법
JPH08173043A (ja) 風味を改良した水溶性コーヒーとその製造方法と風味を改良した水溶性コーヒー飲料とその製造方法と風味を改良したインスタント・コーヒーとその製造方法と風味を改良したコーヒーの保存飲料とその製造方法と風味を改良したブラックコーヒーとその製造方法と風味を改良したコーヒーの応用食品とその製造方法
CN1081071A (zh) 用大豆为主要原料直接生产大豆酸奶的方法
JPH0160225B2 (ja)
JPS62166859A (ja) 乳状または粉状の無臭加糖煉豆乳の製造方法およびその製造装置
JPS6234379B2 (ja)
JPWO2008053766A1 (ja) 豆乳の製造方法
JPS6070042A (ja) プロテインドリンクの製造法
JPS6119450A (ja) 無臭加糖練豆乳の製法
SUGIMOTO et al. An enzymatic process for a protein‐containing beverage based on soybean protein and lemon juice
JPS588828B2 (ja) 大豆醸造食品の製造法