JPH0740807Y2 - ボイラーの満水検出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ボイラー休止中に給水バルブの閉め忘れな
どにより水が流入して、缶内が満水状態になるのを検出
するための装置に関するものである。

〔従来の技術〕

ボイラー運転終了後、運転スイッチを切って停止状態に
しておくと、放熱により缶内が冷却されて蒸気が水に変
化し、体積が減少した分だけ缶内圧力が低下するという
現象が起こる。ときには缶内の圧力が大気圧以下になる
こともあるが、このような状態になると給水バルブを閉
め忘れていた場合、上記の缶内圧力の低下或いは給水タ
ンクの水頭圧などの影響により、水が缶内に流入して満
水状態になる。

そのような満水状態のままボイラーの運転を再開する
と、缶内の圧力が急激に上昇し許容限界圧力を越えてし
まう。そうなると安全装置が働いてボイラーが一旦停止
し、また安全弁が開いて缶内の高圧を外に逃がすが、安
全弁から噴出した缶水が制御機器や周囲の付属機器にか
かるという不具合が起こることがある。

〔考案が解決しようとする課題〕

この考案は、ボイラー起動時の満水状態を自動的に検出
することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、上述の問題点に鑑み、給水バルブの閉め忘
れ等によりボイラー休止中に缶内が満水状態になれば、
それをボイラー起動時に缶内圧力の上昇勾配から自動的
に検出するようにしたものである。

即ち、この考案は、缶内圧力に応じてバーナへの燃料の
供給、遮断を行う燃焼用電磁弁と、缶内水位に応じてON
−OFF動作し缶内への給水を行う給水ポンプとを備えた
ボイラーにおいて、缶内圧力を検出する圧力検出器から
の信号により、ボイラー起動時、缶内圧力の上昇勾配を
監視し、この圧力上昇勾配が予め設定しておいた値以上
であれば缶内が満水状態と判断して燃焼停止信号を発す
るとともに、水抜き指示信号を発し、水抜き操作により
缶内水位が所定のレベルまで低下したとき前記水抜き指
示信号を停止する機能を有する満水検出部を設けたこと
を特徴としている。

〔実施例〕

以下、この考案の好ましい実施例を図面に基づいて説明
する。

図１において、ボイラー（１）は、缶内に水を供給する
ための給水ポンプ（４）及び缶水を加熱するためのバー
ナ（２）を備えている。前記給水ポンプ（４）は、水位
検出器（７）からの信号により缶内水位に応じてON−OF
F動作するようになっている。前記水位検出器（７）
は、連絡管（８），（８）により缶体に連通している水
位制御筒（９）内に収容している。また、前記バーナ
（２）には燃焼用電磁弁（３）を接続してあって、缶内
圧力を検出するために前記ボイラー（１）に設けた圧力
検出器（５）からの信号により、缶内圧力に応じて前記
燃焼用電磁弁（３）を開閉動作して、前記バーナ（２）
に対し燃料を供給、遮断するように構成している。上述
の制御は、各機器と電気的に接続した制御器（10）にて
行う。

満水検出部（６）は、前記圧力検出器（５）からの信号
により、ボイラー起動時の缶内圧力の上昇勾配を監視し
て、この圧力上昇勾配が予め設定しておいた値以上であ
れば、缶内が満水状態で、このままバーナ（２）の燃焼
を継続したら安全弁が吹く可能性大として燃焼停止信号
を発するようにしている。また、前記ボイラー（１）
は、給水バルブ（11）、逆止弁（12）、ブローバルブ
（13）を備えている。

次に、第２図を参照して、上述の構成の作用について説
明する。ボイラー起動時、圧力検出器（５）からの信号
により缶内圧力の上昇勾配を監視し、この値が予め設定
しておいた値以上であるか否かを判別するが、設定値未
満であれば定常水位状態と判断してそのままバーナ
（２）の燃焼を継続し、設定値以上であれば満水状態と
判断して燃焼停止信号を発する。燃焼停止信号と同時に
ランプ或いは音声等により警報を発して、ボイラー運転
管理者に水抜きを指示する。この警報を受けて、ボイラ
ー管理者はブローバルブ（13）を開いて缶水を排出す
る。缶水が所定レベルまで下がれば水抜き指示信号を停
止する。そして、燃焼停止信号をリセットすれば、再び
燃焼シーケンスに移行する。

圧力の上昇勾配を監視する具体的方法としては、一定圧
力までの上昇時間を監視し、この値が設定時間以下のと
き、燃焼停止信号を発するようにしてもよい。

〔考案の効果〕

この考案は、以上のような構成であり、ボイラー休止中
に給水バルブの閉め忘れ等により缶内が満水状態になっ
ても、ボイラー起動時の缶内圧力の上昇勾配から満水状
態であるか否かを判別するようにしたものであるので、
安全弁が吹く前に燃焼を停止させることができ、安全弁
から噴出した缶水が制御機器や周囲の付属機器にかかる
という不具合もなくなる。従って、ボイラー運転管理者
は安心してボイラーの運転管理を行うことができる。ま
た、ボイラーに既存の圧力検出器を用いて簡単な構成の
満水検出装置とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す系統図、第２図はこ
の考案における制御の一例を示すフローチャートであ
る。 （１）…ボイラー、（２）…バーナ （３）…燃焼用電磁弁、（４）…給水ポンプ （５）…圧力検出器、（６）…満水検出部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】缶内圧力に応じてバーナ（２）への燃料の
   供給、遮断を行う燃焼用電磁弁（３）と、缶内水位に応
   じてON−OFF動作し缶内への給水を行う給水ポンプ
   （４）とを備えたボイラー（１）において、缶内圧力を
   検出する圧力検出器（５）からの信号により、ボイラー
   起動時、缶内圧力の上昇勾配を監視し、この圧力上昇勾
   配が予め設定しておいた値以上であれば缶内が満水状態
   と判断して燃焼停止信号を発するとともに、水抜き指示
   信号を発し、水抜き操作により缶内水位が所定のレベル
   まで低下したとき前記水抜き指示信号を停止する機能を
   有する満水検出部（６）を設けたことを特徴とするボイ
   ラー満水検出装置。