JPH0740685B2 - 可聴音信号伝送システム - Google Patents

可聴音信号伝送システム

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JPH0740685B2
JPH0740685B2 JP61171518A JP17151886A JPH0740685B2 JP H0740685 B2 JPH0740685 B2 JP H0740685B2 JP 61171518 A JP61171518 A JP 61171518A JP 17151886 A JP17151886 A JP 17151886A JP H0740685 B2 JPH0740685 B2 JP H0740685B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、可聴音信号伝送システムに係り、特に聴感上
の音質を劣化させることなく高い情報圧縮率を得る可聴
音信号伝送システムに関する。
〔従来の技術〕
ディジタル画像メモリやディジタルテレビ電話など画像
とともに音声,音楽などの可聴音を高品質でディジタル
伝送する要求が高まっている。この要求に答えるため
に、可聴音のディジタル伝送としてパルス・コード・モ
ジュレーション(Pulse Code Modulation;以下PCMと記
す)あるいはさらに高能率なアダプティブ・ディファレ
ンシャル・パルス・コード・モジュレーション(Adapti
ve Differential Pulse Code Modulation;以下ADPCMと
記す),アダプティブ・トランスフォーム・コーディン
グ(Adaptive Transform Coding;以下ATCと記す)など
が研究され実用に供されている。
たとえば高品質なPCMの例として公知のコンパクト・デ
ィスク(Compuct Disc;以下CDと記す)を考えると、情
報量は約700Kbits/S(44.1KHzサンプリング,16ビット線
形PCM符号化)と膨大なものとなり、ディジタルテレビ
電話などへの応用は困難である。
高品質なADPCMとしては、マサヒロ・タカ(Masahiro Ta
ka)氏らによるプロシーディング・アイ・シー・エー・
エス・エス・ピー・86(Proceeding ICASSP86)誌1986
年第2巻817〜820頁に掲載の「シー・シー・アイ・ティ
ー・ティー・スタンダーダイジング・アクティビィティ
ズ・オン・スピーチ・コーティング」(“CCITT Standa
rdizing Activites on Speech Coding")と題した論文,
ATCについて基本的な説明は、レイナーツェリンスキー
(Rainer Zelinski)氏らによるアイ・イー・イー・イ
ー,トランザクション・オン・アコースティックス・ス
ピーチ・アンド・シグナル・プロセッシング・ボリュー
ム・エー・エス・エス・ピー25,ナンバー4,オーガスト1
977年(IEEE Trans.Acoustics,Speech and Signal Proc
essing,Vol.ASSP−25,No.4,August1977),299〜309頁に
掲載の「アダプティブ・トランスフォーム・コーディン
グ・オブ・スピーチ・シグナルズ」(“Adaptive Trans
form Coding of Speech Signals")と題した論文に述べ
られている。
これらの高能率な方法によれば先の単純な線形PCM符号
化に比べ音質を劣化せずに3/5程度に情報圧縮が可能で
あるが、さらに圧縮率を高めると量子化雑音が増加し音
質が劣化する。
従来のCDに使用された線形PCM符号化は、単に物理的な
音圧(振幅)のダイナミックレンジのみから必要なビッ
ト数を決めている。今、第4図に示されるような1KHz,4
0dBの信号(純音)Aと100Hz,62dBの信号(純音)Bが
混合された信号Cを考える。個々の信号は人間にとって
同じラウドネスに受聴されるものである。1KHzの信号A
をたとえばPCMで高精度(高品質)に符号化するに必要
なビット数として9ビットを必要としたとすると、混合
された信号Cを符号化するには、22(62−40=22)dBだ
け100Hzの信号振幅が大きいため、先の9ビットプラス
4(22÷6≒4)ビットの計13ビット必要となる。
このような弊害を除く方法として、音声の分析認識ある
いは記録再生系ではプリエンファシスの手法が知られて
いる。これは音声信号のスペクトルが口の放射特性のた
め800Hz付近から6〜10dB/octの下降特性をもつため、
これを補正するために固定のたとえば6dB/octの上昇特
性を与え、高域周波数と低域周波数の振幅レベルを揃
え、少ないビット数による分析制度あるいは量子化誤差
による音質劣化を防ぐものである。
しかし、上昇特性のみでは、音楽信号のように10KHz以
上の高い周波数の信号が存在する場合には、第5図に示
される等アウドネス曲線からわかるように5KHz以上の高
い周波数に対しても聴感感度が悪くなっているため不都
合が起る。
たとえば、1KHz,40dBの音圧の音と同じラウドネスに感
じる10KHzの音圧は53dBである。この2信号が混合され
た信号が6dB/octの上昇特性をかけられると第6図に示
されるように現在の差である13(53−40=13)dBはさら
に20dB増大して33dBの信号Dとなる。したがって前述の
説明と同様に、今1KHzの信号をPCMで高精度に符号化す
るビット数として9ビットが必要だとすると、混合され
た信号ではさらに6ビット(35÷6≒6)多い15ビット
必要となる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術は先に説明したように、圧縮率を上げると
音質が劣化する。これは、人間の聴感特性を考慮せず
に、単に物理的な尺度たとえば振幅のダイナミックレン
ジから量子化精度を決めているためである。
本発明の目的は、量子化・符号化に際して、人間の聴感
特性を考慮し、圧縮率を上げても聴感的には音質が劣化
しないようにすることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、可聴音信号に対し、フレッチャーマンソン
(Fletcher−Munson)の等ラウドネス曲線の逆特性ある
いはそれに等価な特性により、ブロック単位で入力振幅
レベルに適応してレベル補正を行い、符号化し伝送す
る。そして復号化した後に、先の特性とは逆の特性で振
幅レベルを元にもどし受聴することにより達成される。
即ち、本発明は、上記目的を達成するために、可聴音信
号をディジタル信号に符号化して伝送し、伝送されたデ
ィジタル信号を復号化し可聴音信号を再生するシステム
において、各ラウドネスレベルにおける聴感特性を示す
フレッチャーマンソンの等ラウドネス曲線の逆特性を持
つ複数の回路手段Aと、前記各回路手段Aの出力を一定
時間毎に一時記憶する複数の記憶手段と、前記各回路手
段Aの出力に接続される複数のピークホールド手段と、
前記各ピークホールド手段の出力から前記一定時間内に
おいて前記各回路手段Aのうちその出力がクリップせず
最大であったものを検出する最大位置検出手段と、前記
最大位置検出手段が検出した前記回路手段A出力が一時
記憶されている記憶手段の信号を符号化する符号化手段
と、前記符号化手段の出力を復号化する復号化手段と、
前記復号化手段が出力する信号を前記検出手段の出力に
もとづき対応する前記回路手段Aの等ラウドネス曲線の
特性で補正する回路手段Bとを備えていることを特徴と
する。
第5図はフレッチャーマンソンの等ラウドネス曲線であ
る。(電子通信学会編,「聴覚と音声」10版,第104
頁)縦軸は音圧,横軸は周波数である。図中の数字は1K
Hz純音の音圧すなわちラウドネスレベル(ホン値)、カ
ッコ内数字はラウドネス(ソーン値)である。
たとえば、1KHz,40dBの音圧の音と同じラウドネス(音
の大きさ)に感ずるには、100Hzでは62dB,3KHzでは37dB
の音圧の音となり、この曲線に沿った純音はすべて同じ
ラウドネスレベル40ホンである。
この等ラウドネス曲線たとえば40ホンの曲線は次の事を
示している。
(1) 人間の聴感は1〜5KHzの音に対して感度が高
い。具体的には1KHz,40dBの音圧(電気信号では信号振
幅)と100Hz,62dBの音圧は同じ音の大きさに聴こえるこ
とから、1KHzでは100Hzに比べ22dBも感度が高い。
(2) 人間の通常の受聴範囲である10〜90ホンの音を
考えると、物理的な音圧のダイナミックレンジは全ての
周波数で同じであるが、人間の受聴すなわちラウドネス
のダイナミックレンジは、100Hzでは音圧40dB以下の音
は感知できないため50(90−40=50)dB,1KHzでは80(9
0−10=80)dBと周波数で異なる。第7図にこのダイナ
ミックレンジと周波数の関係を示す。1KHz以下のダイナ
ミックレンジは周波数に比例して小さくなり、1KHz以上
では一定である。このことは1KHz以上の周波数で先のラ
ウドネスのダイナミックレンジを精度よく再現する量子
化であれば、1KHz以下の周波数に対しては先の量子化で
十分であることを示している。
次にこのラウドネスのダイナミックレンジをどの程度の
ビット数で量子化すればよいかを考える。
一般に感覚器官は、与えられている刺激の物理的強度が
変化しても、変化による強度差が一定の値を超えなけれ
ば、変化を知覚できない。これを聴覚の音の強さすなわ
ち音の大きさ(ラウドネス)にあてはめると、与えられ
ている刺激である物理的な音圧が変化しても、変化によ
る音圧差が一定の値を超えなければ音の強さが変わった
と知覚できない。
刺激間の強度差と差を検知できる確率との間には一定の
関数関係があり、差を検知できる確率が1/2となる強度
差を弁別閾(Difference Limen;D.L.と記す)と定義す
る。D.L.に相当する刺激間の強度差を丁度可知差異(Ju
st noticeable difference;Jndと記す)と呼ぶ。このJn
dはたとえば音圧という物理量で表示されるが、音の強
さという聴感心理量を音圧という物理尺度に投影したも
のと見なせる。音圧という物理尺度内では、いくらでも
尺度を細かくとれるが、音の強さという聴感からすれ
ば、ある分解能より細い分割は意味がない。言い換えれ
ば音の強さのD.L.は心理領域の分解能からみて、音圧と
いう物理領域を量子化したことに相当する。
第8図に、音の強さのD.L.(ΔI)および比弁別域(Δ
I/I)(Iは感覚レベル)と周波数の関係を示す。図中
の1〜7までの曲線群は、各々感覚レベル(I)が5〜
80dBをとった場合である。第9図は第8図を書き直し
た、D.L.と感覚レベル(I)の関係を示す。
第8図,第9図において感覚レベル(Sensation leve
l)Iは第5図の最小可聴域0ホンの値を0dBとして定義
したものである。
第8図から感覚レベルIが30dB以上,周波数が128Hz以
上であればD.L.(ΔI)は一定であり、感覚レベルIが
大きくなればD.L.(ΔI)は小さく、周波数両端でD.L.
(ΔI)が大きくなっている。
第9図から、感覚レベルIが60dB以上で比弁別域(ΔI/
I)はほぼ一定値をとり、Weberの法則「ΔI/I=R;つま
り、D.L.はその刺激の物理量(音圧)のレベルに比例す
る」が成立している。
以上の結果から次の点が導出される。
(3) 先の(1)項の結論と同様に、聴感の分解能す
なわち音の強さのD.L.は、感覚レベルIが小さい(30dB
以下)つまり音圧が小さいつまり電気信号の振幅が小さ
いときは、1〜5KHzで高くなる。つまり振幅が小さいと
きは1〜5KHz帯域外の信号に対しては、1〜5KHz帯域内
の信号に比べて粗く量子化してもよい。
つまり、1〜5KHzを精度よく量子化すれば、同じ量子化
ビット数であれば上記以外の帯域は十分精度よく量子化
されるばずである。
(4) 感覚レベルが60dB以上であれば比弁別閾はほぼ
一定値をとる。つまり人間の感知できる分解能は感覚レ
ベルによらず一定である。言い換えればある一定以上の
音圧すなわち電気信号の振幅はそのレベルによらず一定
の量子化でよい。
たとえば60dBの振幅も、80dBの振幅も同じビット数で量
子化・符号化を行ってよい。
次に聴覚が感受しうる音圧と、そのD.L.がわかれば音圧
について分析しうるステップ数は求まる。たとえば1KHz
の純音について最小可聴値0dBから最大可聴値120dBまで
累積したD.L.npを考える。(第9図の感覚レベル110dB
での を使用) 実際には低レベル程D.L.が大きいためさらに小さなもの
となる。
つまり、0〜120dBの広いレンジでも聴感で分析しうる
ステップ数はたかだか280ステップである。直線PCMで8
ビット程度の情報量で済む。
通常の受聴範囲である10〜90ホンを考えれば、累積np
して約118で、直線PCM符号化でも7ビット程度の情報量
でよい。
以上、聴覚のダイナミックレンジ,分解能からすれば、
CDにおける量子化ビット数は多すぎることがわかる。こ
れは先に説明したように、単に物理的な信号振幅のダイ
ナミックレンジのみから量子化ビット数を決めているた
めである。
本発明は以上述べた聴覚の特性に基づくものであり、そ
の意図するところは、情報圧縮(簡単には量子化ビット
数の低減)を行っても聴感上は何ら変わらない品質をう
るシステムを提供するにある。
このため、 可聴音信号をフレッチャーマンソンの等ラウドネス
曲線の逆特性に通すことにより、その物理的振幅を心理
的な尺度としての振幅の投影する。
投影された振幅に対して、心理的な分解能のステッ
プ数で量子化・符号化する。
上記信号を復号化し、フレッチャーマンソンの等ラ
ウドネス曲線を通すことにより、元の物理的振幅にもど
す。
フレッチャーマンソンの等ラウドネス曲線は可聴音
の音圧レベルによりその形が異なるため、可聴音信号系
列を一定時間間隔でブロック分割し、分割単位毎に最適
な等ラウドネス曲線を選択する。
の処理を行う。
具体的には次の処理を行う。
(1) 入力可聴音信号に対して、フレッチャーマンソ
ンの等ラウドネス曲線あるいはその近似曲線と逆の特性
と利得をもつ信号処理回路手段を用い、周波数に依存す
る振幅伸長あるいは圧縮を行う。たとえば100Hz,62dB振
幅と1KHz,40dB振幅と10KHz,53dB振幅の3種の純音(正
弦波)が混合された可聴音信号を考えると、この処理に
より各々100Hz,1KHz,10KHzの純音振幅は40dBとなる。つ
まり同一ラウドネスレベルの各周波数の振幅はすべて同
一の振幅に圧縮変換される。
(2) 上記信号処理回路手段を離散的に複数もち、こ
の回路手段の出力のうち、出力信号がクリップせずに最
大のものを1つ選択する。
(3) この信号に対して、有限のビット数たとえば7
ビットで量子化・符号化(直線PCM)して伝送する。こ
の時同時に、どの信号処理回路手段の出力の符号化なの
かを示すために副情報として選択情報も符号化して送
る。
(4) 伝送された信号の符号化データを復号化すると
同時に、先に選択した信号圧縮回路手段の選択情報も復
号化する。
(5) 信号処理回路手段と対をなし、これと逆の特性
をもつ逆信号所理回路手段を複数もち、この回路手段の
1つを、選択情報をもとに選択する。
(6) 復号化された信号を選択した逆信号処理回路手
段で伸長し受聴する。
〔作用〕
フレッチャーマンソンの等ラウドネス曲線の逆特性によ
るブロック単位の適応的なレベル補正は、人間の聴感感
度の高い1〜5KHzの可聴音を相対的に最大限に持ち上
げ、この帯域のS/N比を向上するように動作する。それ
によって、この可聴音に対するPCM符号化に必要な量子
化ビット数は信号振幅を高精度に再現するに必要最小限
であればよく、従来のように聴感感度の低い帯域の大振
幅信号を再現するに必要な量子化ビット数よりも少なく
することができ、情報量を圧縮することが可能となる。
またこのように圧縮しても聴感上の音質が劣化すること
はない。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。第1
図において1は入力端子、2−1〜2−4は第10図に示
す周波数利得特性をもつ選択増幅回路、3−1〜3−4
は一定時間間隔の信号を記憶するバッファメモリ回路、
4−1〜4−4は信号のピーク値を記憶するピークホー
ルド回路、5は各ピークホールド回路のピーク値を一定
時間間隔で読み出しその信号がクリップされているか否
かを検出するとともにクリップしてない信号のうちで最
大のものを検出する最大位置検出回路、6はバッファメ
モリ回路の出力の一つを選択する選択回路、7は信号を
量子化・符号化する信号符号化回路、8は最大位置検出
回路の選択信号を符号化する選択信号符号化回路、9は
符号化された信号を復号化する信号復号化回路、10は符
号化された選択信号を復号化する選択信号復号化回路、
11−1〜11−4は選択増幅回路2−1〜2−4と逆の特
性をもつ逆選択増幅回路、12は出力端子である。
第10図に示す曲線は上から選択増幅回路2−1〜2−4
の周波数利得特性である。これらは、第5図に示すフレ
ッチャーマンソン曲線のうち、感覚レベル20,40,60,80
ホン時の曲線とまったく逆の特性をもち、80ホン時の曲
線の逆特性を2−4、これを基準(利得としてほぼ0d
B)として、60ホン時の曲線の逆特性を2−3,40ホン時
の曲線の逆特性を2−2,20ホン時の曲線の逆特性を2−
1としている。特性2−1〜2−4は4KHzにおいて各々
20dBの利得差をもっている。
入力端子1にはマイクロホン等に集音された可聴音信号
が電気信号に変換増幅されて入力される。今、この入力
信号としては感覚レベル0〜90ホンの音圧に相等する電
気信号を考える。4KHz,90ホンの純音信号が基準の選択
増幅回路2−4に入力された時の出力振幅が最大(以後
Vmaxと呼ぶ)であり、これ以上の信号振幅は選択増幅回
路の電源電圧あるいばAD変換回路の基準電圧により、そ
の出力でクリップされるものとする。
入力信号は選択増幅回路2−1〜2−4に同時に入力さ
れ、各々第10図に示す特性により振幅伸長(増幅)ある
いは圧縮される。
たとえば4KHz,80ホンの信号が入力された場合には選択
増幅回路2−4の出力はVmaxに比べ−10dB下の振幅レベ
ルでありクリップしていないが、2−3の出力は20dBの
利得をもつため、Vmax+10dBとなりクリップされたもの
となる。2−2,2−1の出力も同様にクリップされたも
のとなる。
また、たとえば100Hz,40ホンの純音が入力された場合に
は、(これは4KHz,60ホンの純音と同じ音圧レベルすな
わち振幅レベルをもっているが)選択増幅回路2−4,2
−3の出力はクリップされず、2−2,2−1の出力はク
リップされたものとなる。
各選択増幅回路の出力はバッファメモリ回路3−1〜3
−4に一時記憶される。これと同時にピークホールド回
路4−1〜4−4には各選択増幅回路の出力のピーク値
をホールドする。一時記憶はたとえば選択増幅回路がア
ナログ処理であればこの出力信号を標本化,AD変換し、
このデータをRAMに記憶することで達成される。もちろ
ん選択増幅回路はディジタル処理でもよく、この時は入
力端子1と選択増幅回路の間に標本化,AD変換等の処理
が必要となる。
最大位置検出回路5は各ピークホールド回路4−1〜4
−4にホールドされた値を一定時間毎に読み、バッファ
メモリ回路に記憶されている、選択増幅回路の一定時間
内の出力データの一つを選択する。この選択は各ホール
ド値のうちでクリップしていないものの中から最大なも
のを検索することで行う。
たとえば先の100Hz,40ホンの音の場合には選択増幅回路
2−3に接続されたバッファメモリ回路3−3が選択さ
れる。
選択されたバッファメモリ回路内のデータは、選択回路
6を介して、信号符号化回路7に入力され、そこで所定
のビット数で量子化・符号化される。たとえば7ビット
で直線PCM符号化される。
同時に最大位置検出回路5の選択信号も選択信号符号化
回路8で符号化される。
上述のように、信号符号化回路7に入力される振幅は、
入力端子1に印加される信号振幅にかかわらず、ピーク
値がほぼVmax値となるように振幅が伸長あるいは圧縮さ
れる。伸長処理なのかあるいは圧縮処理なのかは入力信
号の周波数,振幅レベルにより異なる。入力信号が小さ
い時は、増幅すなわち振幅伸長されるが、この時は第10
図の特性により、聴感感度の高い1〜5KHz帯域は他の帯
域に比べ相対的に持ち上げられたものとなっている。
また、入力信号は一定時間毎にブロック化され、各ブロ
ック毎に上記の伸長あるいは圧縮処理が行われることに
なり、選択信号は各ブロックに1つ付随する。
符号化されたデータは各々伝送路を介して、信号復号化
回路9,選択信号復号化回路10に伝送される。本実施例で
は伝送路は分離されているが、多重化して一本の伝送路
で伝送してもよい。また伝送路に限ることなく、たとえ
ば符号化データを一端光ディスクなどの媒体に記録し、
後にこれを再生して復号化回路に入力する方法でもよ
い。
符号化データは信号復号化回路9,選択信号復号化回路10
で復号化される。復号化された入力信号は逆選択増幅回
路11−1〜11−4に同時に入力される。
逆選択増幅回路11−1〜11−4は各々、選択増幅回路2
−1〜2−4に対応し、第10図に示す特性曲線の逆つま
り利得目盛りの符号を逆にした特性(+60dBは−60dBと
なる)をもっている。
この特性により、先に伸長された振幅は圧縮され、逆に
圧縮された振幅は伸長される。この操作により、選択増
幅回路で振幅圧縮あるいは伸長された信号が元の入力信
号にもどされる。
復号化された選択信号で逆選択増幅回路の出力の一つが
選択回路6で選択され、出力端子12に出力される。たと
えば符号化した選択信号がバッファメモリ回路3−3を
示すものであれば、この時の選択は逆選択増幅回路11−
3の出力である。
以上の説明では第10図に示すようにフレッチャーマンソ
ン曲線をトレースする複雑な特性を選択増幅回路の特性
としたが、この特性が第11図に示すようにフレッチャー
マンソン曲線を直線で近似したものであっても同様な効
果が得られる。
また、選択増幅回路の数は4つに限ることなく10dB毎の
8つにしてもよい。こうすることにより、より忠実に聴
感レベル補正ができる。
第2図は本発明の他の一実施例を示す。第2図において
第1図と同一符号は同一物を示す。13は逆選択増幅回路
データメモリ、14はプログラマブル逆選択増幅回路であ
る。本実施例では符号化データが復号化されるまでの動
作は第1図と同様であるため説明を省略する。
逆選択増幅回路データメモリ13には、第11図に示す各特
性と逆の特性を規定する4組のデータが予め記憶されて
おり、復号化された選択信号でアドレッシングされ、こ
の1組のデータがプログラマブル逆選択増幅回路14に出
力される。プログラマブル逆選択増幅回路14はこの一組
のデータにより、第11図に示すうちの一特性と逆の特性
を一定時間内で与えられる。こうして、第1図実施例と
同様に選択増幅回路で振幅圧縮あるいは伸長された信号
は元の入力信号にもどされ、出力端子に出力される。
本実施例によれば、復号化後の処理回路が第1図よりも
簡略化でき、経済的である。
第3図は本発明の他の一実施例を示す。第3図において
第1図と同一符号は同一物を示す。15は選択フィルタ回
路、16−1〜16−4は各々平坦な周波数特性をもち利得
が60,40,20,0dBの増幅回路、17は減衰データメモリ、18
はプログラマブル減衰回路、19は逆選択フィルタ回路で
ある。
選択フィルタ回路15は、第11図のうちの1つの周波数特
性(で示す)の形をもち、1〜5KHzの利得が0dBのも
のである。この選択フィルタ回路15と角増幅回路16−1
〜16−4が組み合わされて、第12図に示す4つの特性を
もつものとなる。たとえば増幅回路16−1と組み合わさ
れた場合は、第12図の一番上に示す特性となる。つまり
選択フィルタ回路15と増幅回路16−1〜16−4の組み合
わせが第2図の選択増幅回路2−1〜2−4と同じ働き
をする。ただ第2図においては、第11図に示すように1K
Hz以下の周波数−利得特性の傾きが各選択増幅回路で異
なっているのに対し、第3図では周波数−利得特性を決
める選択フィルタ回路が共通のため第12図に示すように
その傾き(形)は同じであり、利得が各々20dBずつ異な
ったものである。
減衰データメモリ17は増幅回路16−1〜16−4の利得に
対応した減衰度データとして−60dB,−40dB,−20dB,0dB
の値を記憶している。
復号化された選択信号でこの減衰データメモリ17をアド
レッシングして、対応する減衰度をプログラマブル減衰
回路18にセットする。プログラマブル減衰回路18は、一
定時間間隔の間、セットされた減衰度で信号を減衰させ
る。
逆選択フィルム回路19は選択フィルタ回路15とは逆の形
の特性をもつ。この逆選択フィルタ回路19とプログラマ
ブル減衰回路18の組み合わせで第1図における逆選択増
幅回路と同じ働きをする。
信号の処理動作は第1図と同様なため説明を省略する。
また逆選択フィルタ回路とプログラマブル減衰回路の接
続順序は逆であってもかまわない。
第3図の実施例によれば、第1図,第2図における複数
の選択増幅回路を1つの選択フィルタ回路と複数の異な
る利得をもつ増幅回路に変更できるため、回路構成を簡
略化することができる。
以上の説明では量子化・符号化を直線PCM符号化を例に
説明したが、これに限ることはなく、ADPCM,ATC等のさ
らに高能率な符号化でもよい。
また量子化・符号化を一定のビット数で行う場合を説明
したが、選択増幅回路の選択に対じて、量子化ビット数
を可変としてもよい。これは低レベルの信号程必理的分
解能が粗いことを利用することである。たとえば選択増
幅回路2−1の出力が選択されたときは5ビット,同じ
く2−2では6ビット,2−3,2−4では7ビットの量子
化とする。
〔発明の効果〕
本発明によれば、可聴音信号を聴感的に品質を落すこと
なくCDと同じ符号化を使用しても7/16程度に圧縮可能と
なるため、伝送回線使用コストの低減,記録媒体への長
時間記録が可能となるなどの効果がある。
さらに高能率な符号化を用いれば、7/16×3/5〜1/3程度
の圧縮も可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図、第2図は
本発明の他の一実施例を示すブロック図、第3図は本発
明の他の一実施例のブロック図、第4図は同一ラウドネ
スレベルの100Hzと1KHzの純音およびその混合された信
号を示す波形図、第5図はフレッチャーマンソンの等ラ
ウドネス曲線を示す特性図、第6図は同一ラウドネスレ
ベルの1KHzと10KHzの純音およびその混合された信号を
示す波形図、第7図はラウドネスのダイナミックレンジ
と周波数の関係を示す特性図、第8図は音の強さのD.L.
および比弁別域と周波数の関係を示す特性図、第9図は
D.L.と感覚レベルの関係を示す特性図、第10図は選択増
幅回路の特性を示す特性図、第11図は直線近似された選
択増幅回路の特性を示す特性図、第12図は選択フィルタ
回路と増幅回路を組み合わせた特性を示す特性図であ
る。 2−1〜2−4……選択増幅回路、 3−1〜3−4……バッファメモリ回路、 4−1〜4−4……ピークホールド回路、 7……符号化回路、9……復号化回路、 11−1〜11−4……逆選択増幅回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可聴音信号をディジタル信号に符号化して
    伝送し、伝送されたディジタル信号を複合化し可聴音信
    号を再生するシステムにおいて、 各ラウドネスレベルにおける聴感特性を示すフレッター
    マンソンの等ラウドネス曲線の逆特性を持つ複数の回路
    手段Aと、 前記各回路手段Aの出力を一定時間毎に一時記憶する複
    数の記憶手段と、 前記各回路手段Aの出力に接続される複数のピークホー
    ルド手段と、 前記各ピークホールド手段の出力から前記一定時間内に
    おいて前記各回路手段Aのうちその出力がクリップせず
    最大であったものを検出する最大位置検出手段と、 前記最大位置検出手段が検出した前記回路手段A出力が
    一時記憶されている記憶手段の信号を符号化する符号化
    手段と、 前記符号化手段の出力を復合化する復合化手段と、 前記復合化手段が出力する信号を前記検出手段の出力に
    もとづき対応する前記回路手段Aの等ラウドネス曲線の
    特性で補正する回路手段Bと を備えていることを特徴とする可聴音信号伝送システ
    ム。
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