JPH0740424B2 - デイスクカセツト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は信号記録面を有するデイスクを回転可能に収容
しているケースにシヤツタを摺動可能に取付け、該シヤ
ツタでケースに設けたヘツド挿入孔を開閉するようにし
たデイスクカセツトに関し、特にケースへのシヤツタの
取付けを容易に行なうことができるようにしたものであ
る。

［発明の概要］ 信号記録面を有するディスクと、該ディスクを回転可能
に収容しているケースと、該ケースの上，下面に設けた
ヘッド挿入孔を開閉するシャッタと、該シャッタを閉じ
方向に付勢するシャッタスプリングとを備えていて、上
記シャッタはケース端面重合片と、該ケース端面重合片
の両端部に連設された一対のケース挾持片とで断面コ字
状に形成されているとともに、上記ケース端面重合片の
内面には摺動ガイド突起が設けられていて、該ガイド突
起を、前記ケースの一端面に設けた摺動ガイド溝に嵌合
するようになっているディスクカセットにおいて、 前記シャッタのケース端面重合片と、一対のケース挾持
片とをプラスチックで一体に形成し、前記摺動ガイド突
起を、ケース端面重合片と一体にプラスチックで形成す
るとともに、前記摺動ガイド突起に、スプリング係止部
を設けることにより、 シャッタの構造を簡素化して、シャッタの製造を容易に
するとともに、ケースにシャッタを取付ける際に、前記
ガイド突起でシャッタの開口部乃至ケース挾着片を押し
広げることなくケースにシャッタを取付けることができ
るようにしたものである。

［従来の技術］ デイスクカセツトとして第８〜10図に示したように信号
記録面を有するデイスク１と、該デイスク１を回転可能
に収容しているケース２と、該ケース２に設けたヘツド
挿入孔2aを開閉するシヤツタ３とを備えていて、該シヤ
ツタ３は、前記ケース２の一端面2bに重合するケース端
面重合片3aと、該ケース端面重合片3aの両端部に連設さ
れた一対のケース挾持片3b,3cとで断面コ字状に形成さ
れていると共に、その内周面には摺動ガイド突起４が設
けられていて、該摺動ガイド突起４を、前記ケース２に
設けた摺動ガイド溝５に嵌合することにより、該ガイド
溝５に沿つてシヤツタ３を摺動させることができるよう
になつている。そして、シヤツタ３を矢印方向に摺動さ
せると、該シヤツタ３に設けた切欠部６が前記ケース２
に設けたヘツド挿入孔2aの位置に重なり合つて、該ヘツ
ド挿入孔2aを所謂開いた状態にするようになつている。
なお７はシヤツタ３を閉じた状態に維持するためのシャ
ッタスプリング（トーシヨンスプリング）である。

［発明が解決しようとする問題点］ ところで上記従来のデイスクカセツトにおいては、シヤ
ツタ３のケース挾持片3b,3cの内面に摺動ガイド突起４
を設けていたために、次に述べるような問題点があつ
た。

（１）ケース２にシヤツタ３を取付ける際、つまりコ字
状のシヤツタ３にケースの一端側を挿入する際に、前記
ガイド突起４が挿入の邪魔になる。

（２）ケース２にシヤツタ３を取付ける際に、前記ガイ
ド突起４でシヤツタ３の開口部乃至ケース挾持片3b,3c
が押し広げられるので、これらケース挾持片3b,3cのケ
ース２の上，下面への密着度が悪くなり、塵埃の侵入等
の原因になる。

（３）ケース挾持片3b,3cに摺動ガイド突起４が設けら
れていて、これらケース挾持片3b,3cは比較的広がりや
すいため、該ガイド突起４が摺動ガイド溝５から抜け出
しやすい。

本発明は上記従来の問題点を解決することを目的として
為されたものである。

［問題点を解決するための手段］ シャッタのケース端面重合片と、一対のケース挾持片
と、摺動ガイド突起をプラスチックで一体に形成すると
ともに、上記摺動ガイド突起にシャッタスプリング係止
部を設けた。

［作用］ シヤツタの端面重合片の内側に摺動ガイド突起を設けた
ので、該ガイド突起がシヤツタをケースに挿入する（取
付ける）際の邪魔にならず、シヤツタのケース挾着片を
押し広げることなく、摺動ガイド突起を摺動ガイド溝に
嵌合することができる。

［実施例］ 次に本発明を第１〜７図を参照して説明する。11は本発
明のデイスクカセツトであり、該デイスクカセツト11は
信号記録面を有するデイスク12と、該デイスク12を回転
可能に収容しているケース13と、該ケース13の上，下面
に設けたヘツド挿入孔13aを開閉するシヤツタ14とを備
えている。

前記デイスク12はフレキシブルな高分子素材によつて円
板状に形成されている。そしてその一側面には磁気記録
面が設けられていると共に中央部にはセンターハブ受孔
12aが形成されていて、該受孔12aにセンターハブ15が取
付けられている。

また前記ケース13はヘツド挿入孔13aを設けた上側シエ
ル13bと下側シエル13cとに分割して形成されている。こ
れら上側シエル13bと下側シエル13cは硬質の高分子素材
によつて形成されていて、下側シエル13cの中央部には
前記センターハブ15を露出させるためのハブ受孔13dが
設けられていると共に内面にはデイスク11の摩耗や静電
気等の発生を防ぐためのフエルト16,16が取付けられて
いる。そしてこれらフエルト16,16でデイスク12を挾
み、かつ、上側シエル13bと下側シエル13cの周縁に設け
た端壁13eを互いに重ね合わせて両者を溶着することに
よりケース13が形成されている。

また前記シヤツタ14は、ケース端面重合片14aと、該ケ
ース端面重合片14aの両端部に連設されたケース挾持片1
4b,14cとで断面コ字状に形成されている。これらケース
端面重合片14aと、ケース挾持片14b,14cは摩擦係数が小
さく、かつ耐摩耗性に優れた高分子素材により一体成形
されていて、ケース端面重合片14aと対向する開口部か
らケース13の一端側を挿入すると、該ケース13の一端面
がケース端面重合片14aに重合し、上側シエル13bと下側
シエル13cをケース挾持片14b,14cで挾着するようになつ
ている。

そして17が前記シヤツタ14のケース端面重合片14aの内
側に設けられた摺動ガイド突起であり、該摺動ガイド突
起17はケース端面重合片14aの長さ方向の両側部に設け
られていて、シヤツタ14にケース13の一端側を挿入した
ときには該ケース13に設けた摺動ガイド溝18に嵌合して
ケース13にシヤツタ14を摺動可能に取付けるようになつ
ている。

前記摺動ガイド突起17は、シヤツタ14の開口部に向けて
ケース端面重合片14aの内面に突設された小径軸部17a
と、該小径軸部17aに連設された大径軸部17bとで構成さ
れている。前記小径軸部17aは摺動ガイド溝18の小径溝
部18aの幅よりもやや小さ目で、かつ小径溝部18aの長さ
よりもやや長目に形成されている。また大径軸部17bは
小径軸部17aの幅を両側に広げることにより小径溝部18a
の幅よりも大きく、かつ大径溝部18bの幅よりも小さく
形成されていて、摺動ガイド溝18に嵌合した小径軸部17
aの抜け止め作用を果すようになつている。また大径軸
部17bの先端は第４図に示すように幅方向の中央部及び
長さ方向の一端部に向かつて上り勾配となる傾斜面17c
に形成されていて摺動ガイド溝18への嵌合を容易にする
ようになつていると共に、これら小径軸部17aと大径軸
部17bの長さ方向の一側部には補強用リブ19が連設さ
れ、他側部にはスプリング係止部20が連設されている。

また摺動ガイド溝18は前記上側シエル13bと下側シエル1
3cの一端面対向部を切欠することにより形成されてい
る。

なお、21はシヤツタ14をヘツド挿入孔閉塞状態に維持す
るためのシャッタスプリングであり、該トーシヨンスプ
リング21はケース13の両側部に設けたスプリング収容部
22に収容されていて、その一端側21aで前記スプリング
係止部20を弾発し、シヤツタ14をケース13に設けたシヤ
ツタ取付用の凹部13fの中央にセツトして前記シヤツタ1
4の非切欠部14dでヘツド挿入孔13aを閉じるようになつ
ていると共に、前記シャッタスプリング21,21のばね力
に抗してシヤツタ14を左右にスライドさせると非切欠部
14dの両側に設けた切欠部14f,14fがヘツド挿入孔13aに
重なり合つて該孔13aを開くようになつている。なお22
はスプリング係止部20に設けられたスプリング受溝であ
る。

実施例のデイスクカセツト11は上記のように構成であつ
て、ケース14の一端側（摺動ガイド溝18を設けた端面
側）をシヤツタ14のケース端面重合片14aに向けて挿入
すると、該ケース端面重合片14aの内面に設けた摺動ガ
イド突起17の先端の傾斜面17cが摺動ガイド溝18の周縁
部に当たり、該傾斜面17cを設けた大径軸部17bが縮径し
ながら摺動ガイド溝18内に嵌まり込み、該摺動ガイド溝
18を突き抜けると大径軸部17bは拡径して、シヤツタ14
はケース13に摺動可能に取付けられた状態になる。そし
て前記シャッタスプリング21のばね力に抗してシヤツタ
14を左右に摺動させると、ケース挾持片14b,14cの非切
欠部14dの両側に設けた切欠部14fが前記ケース13に設け
たヘツド挿入孔13aの位置に重なり合つて、該ヘツド挿
入孔13aを開くのである。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明は、ケース端面重合片と、該
ケース端面重合片の両端部に連設された一対のケース挾
着片とで断面コ字状に形成されているシヤツタの前記ケ
ース端面重合片に摺動ガイド突起を設け、該摺動ガイド
突起をケースの一端面に設けた摺動ガイド溝に嵌合する
構成としたので次に述べるような効果がある。

（１）ケースにシヤツタを挿入する際に摺動ガイド突起
が挿入の邪魔にならず、シヤツタをいつぱいに押し込む
と自づと摺動ガイド突起がケースの一端面に設けた摺動
ガイド溝に嵌まり込んでケースへのシヤツタの取付けが
なされる。

（２）ケースにシヤツタを挿入する際に、摺動ガイド突
起でシヤツタの開口部乃至ケース挾持片が押し広げられ
ることがない。

（３）ケース端面重合片はケース挾持片に較べて変形し
にくいので、そのぶん摺動ガイド突起が摺動ガイド溝か
ら抜けにくいものになり、ケースとシヤツタの結合強度
の図上を図ることができる。

（４）摺動ガイド突起にスプリング係止部を設けたの
で、従来の摺動ガイド突起とスプリング係止部を別個に
形成したものに較べてシャッタの構造が簡素化されて、
シャッタの成形も容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のデイスクカセツトの底面図、第２図は
第１図のシヤツタ部分の拡大図、第３図は要部の一部破
断面図、第４図は要部の拡大斜視図、第５図は要部の断
面図、第６図は要部の側面図、第７図は分解斜視図、第
８図は従来例の平面図、第９図は同底面図、第10図はシ
ャッタスプリングの取付状態を示す説明図である。 11……デイスクカセツト、12……デイスク、13……ケー
ス、14……シヤツタ、14a……ケース端面重合片、14b,1
4c……ケース挾持片、17……摺動ガイド突起、17a……
小径軸部、17b……大径軸部、18……摺動ガイド溝。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】信号記録面を有するディスクと、該ディス
   クを回転可能に収容しているケースと、該ケースの上，
   下面に設けたヘッド挿入孔を開閉するシャッタと、該シ
   ャッタを閉じ方向に付勢するシャッタスプリングとを備
   えていて、上記シャッタは、ケース端面重合片と、該ケ
   ース端面重合片の両端部に連設された一対のケース挾持
   片とで断面コ字状に形成されているとともに、上記ケー
   ス端面重合片の内面には摺動ガイド突起が設けられてい
   て、該ガイド突起を、前記ケースの一端面に設けた摺動
   ガイド溝に嵌合するようになっているディスクカセット
   において、 前記シャッタの、ケース端面重合片と、一対のケース挾
   持片とが高分子素材で一体に形成され、 前記摺動ガイド突起は、ケース端面重合片と一体に高分
   子素材で形成されているとともに、 前記摺動ガイド突起には、スプリング係止部が設けられ
   ていることを特徴とするディスクカセット。
2. 【請求項２】前記摺動ガイド突起は、小径軸部と、該小
   径軸部の先端に連設された大径軸部とで構成され、前記
   摺動ガイド溝は、前記小径軸部よりも大径で、前記大径
   軸部よりも小径に形成されている特許請求の範囲第１項
   記載のディスクカセット。