JPH0514366Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、ケースに設けられたヘツド挿入孔を
開閉するシヤツタを備えたデイスクカセツトに関
する。

［考案の概要］ 本考案は、ヘツド挿入孔を設けたケースと切欠
部を設けたシヤツタとを有し、このシヤツタがケ
ースに摺動可能に設けられたデイスクカセツトに
おいて、 前記ヘツド挿入孔と前記切欠部との各端面をテ
ーパー面とすることにより、 シヤツタ等が大きく変形してもシヤツタの移動
がスムーズに行われるようにしたものである。

［従来の技術］ 従来のデイスクカセツト１は、第６図乃至第６
図に示すように、信号記録面を有するデイスク２
がケース３内に回転自在に設けられている。この
ケース３は略偏平方形状をなし、挿入方向前面側
の両面には他の箇所より一段低く形成されたシヤ
ツタ摺動面１８が構成されている。このシヤツタ
摺動面１８にはヘツド挿入孔４が設けられてお
り、このヘツド挿入孔４はシヤツタ５にて塞がれ
ている。このシヤツタ５は、ケース端面重合片５
ａとこれに接続するケース挾持片５ｂ，５ｃとか
ら断面略コ字状に形成され、前記ケース３両面の
シヤツタ摺動面１８を挾持してケース３に取り付
けられている。このシヤツタ５の両側のケース挾
持片５ｂ，５ｃには切欠部２１が設けられてい
る。また、このシヤツタ５は前記シヤツタ摺動面
１８に摺動自在に設けられていると共にセツトス
プリング（図示せず）にて一端側に付勢されてお
り、前記切欠部２１は前記ヘツド挿入孔４と重な
らない位置となつている。

而して、デイスクカセツト１をデイスクドライ
ブ装置のデイスク挿入口から挿入するとデイスク
カセツト１がアンローデイング位置からローデイ
ング位置に変位されると共にシヤツタ開口手段に
てシヤツタ５がセツトスプリングのスプリング力
に抗して摺動される。すると、シヤツタ５の切欠
部２１がケース３のヘツド挿入孔４に一致してデ
イスク２が外部に露出され、この露出部分のデイ
スク２にヘツドが圧接される。

また、記録再生が終了しイジエクトボタンを押
すとデイスクカセツト１がローデイング位置から
アンローデイング位置に変位すると共にシヤツタ
開口手段が解除されてシヤツタ５がセツトスプリ
ングのスプリング力により元の位置に戻りシヤツ
タ５にてケース３のヘツド挿入孔４が塞がれる。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、デイスクカセツト１のケース３
やシヤツタ５は小型化・軽量化の要請から非常に
薄肉に形成されるため、熱や外力を受けて変形し
やすい。特に、シヤツタ５はケース３に比して形
状が安定ではないため変形しやすくシヤツタ５が
合成樹脂製である場合にはそれが顕著である。そ
して、上述の原因により第８図に示すように例え
ばシヤツタ５がその両側のケース挾持片５ｂ，５
ｃ中央を互いに近づく方向に変形すると、シヤツ
タ５の摺動の際に切欠部２１の端面とヘツド挿入
孔４の端面とが衝突する。すると、シヤツタ５の
移動が規制されてローデイング不能という事態も
生じる。

そこで、本考案は上述の欠点を解消したデイス
クカセツトを提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するための本考案の構成は、デ
イスクを回転可能に収容し前記デイスクを露出さ
せるヘツト挿入孔を設けたケースと、このケース
に摺動可能に設け、切欠部と非切欠部とを有して
前記ヘツド挿入孔を開閉するシヤツタと、を備え
たデイスクカセツトにおいて、 前記シヤツタの摺動方向に直交する前記ヘツド
挿入孔及び前記切欠部の各端面を、互いに近づく
に従い開口面積を広げる方向のテーパー面にて構
成したことを特徴とする。

［作用］ したがつて、たとえばシヤツタが外力にて変形
しケースを挾持する両面の間隔が狭まつても切欠
面とヘツド挿入孔との互いにテーパー面となつて
いる端面が当接することによりシヤツタには反摺
動方向の反力がほとんど加わることなく移動され
る。

［実施例］ 次に本発明を第１〜５図を参照して説明する。

第１図ないし第３図において、デイスクカセツ
ト１は信号記録面を有するデイスク２と、該デイ
スク２を回転可能に収容しているケース３と、該
ケース３の上、下面に設けたヘツド挿入孔４を開
閉するシヤツタ５とを備えている。

前記デイスク２はフレキシブルな高分子素材に
よつて円板状に形成されている。そしてその両側
面には磁気記録面が設けられていると共に中央部
にはセンターハブ受孔６が形成されていて、該受
孔６に一対のセンターハブ７ａ，７ｂが取り付け
られている。

また前記ケース３はヘツド挿入孔４をそれぞれ
設けた上側シエル３ａと下側シエル３ｂとに分割
して形成されている。これら上側シエル３ａと下
側シエル３ｂは硬質の高分子素材によつて形成さ
れていて、その中央部には前記センターハブ７
ａ，７ｂを露出させるためのハブ受孔８がそれぞ
れ設けられていると共に内面にはデイスク１の摩
耗や静電気等の発生を防ぐためのフエルト９，９
が取り付けられている。そしてこれらフエルト
９，９でデイスク２を挟み、かつ、上側シエル３
ａと下側シエル３ｂの周縁に設けた端壁１０を互
いに重ね合わせて両者を溶着することによりケー
ス３が形成されている。

また前記シヤツタ５は、ケース端面重合片５ａ
と、該ケース端面重合片５ａの両端部に連設され
たケース挾持片５ｂ，５ｃとで断面コ字状に形成
されている。これらケース端面重合片５ａと、ケ
ース挾持片５ｂ，５ｃは摩擦係数が小さく、かつ
耐摩耗性に優れた高分子素材により一体形成され
ていて、ケース端面重合片５ａと対向する開口部
からケース３の一端側を挿入すると、該ケース３
の一端面がケース端面重合片５ａに重合し、上側
シエル３ａと下側シエル３ｂをケース挾持片５
ｂ，５ｃで挾持するようになつている。

摺動ガイド突起１２は前記シヤツタ５のケース
端面重合片５ａの内側に設けられシヤツタ５にケ
ース３の一端側を挿入したときに該ケース３に設
けた摺動ガイド溝１３に嵌合してケース３にシヤ
ツタ５を摺動可能に取り付けるようになつてい
る。

また、前記摺動ガイド突起１２の一端面にはス
プリング係止部１５が連設されている。

トーシヨンスプリング１６はケース３の両側部
に設けたスプリング収容部１７に収容されてい
て、その一端面で前記スプリング係止部１５を弾
発し、シヤツタ５をケース３に設けたシヤツタ摺
動面１８の中央にセツトして前記シヤツタ５の非
切欠部２０でヘツド挿入孔４を閉じるようになつ
ていると共に、前記トーシヨンスプリング１６，
１６のばね力に抗してシヤツタ５を左右にスライ
ドさせると非切欠部２０の両側に設けた切欠部２
１，２１がヘツド挿入孔４に重なり合つて該ヘツ
ド挿入孔４を開くようになつている。

而して、このデイスクカセツト１はシヤツタ５
が左右どちらかにもスライド可能に構成され単一
ヘツドのデイスクドライブ装置にてデイスク２の
両面で記録再生出来るものである。

また、第５図に詳しく示すように、シヤツタ５
の摺動方向に直交するヘツド挿入孔４と切欠部２
１との各端面が、互いに近づくに従い開口面積を
広げる方向のテーパー面２２にてそれぞれ構成さ
れている。即ち、ケース３とシヤツタ５の各摺動
面側のヘツド挿入孔４と切欠部２１の開口面積が
広く、反対面側のそれが狭く形成されている。

以下、上記デイスクカセツト１の作用について
説明する。

例えば、シヤツタ５に熱や外力等が加わりシヤ
ツタ５が、第４図に示すように、その両側のケー
ス挾持片５ｂ，５ｃ中央が互いに近づく方向に変
形する。そして、このようにシヤツタ５が変形し
たデイスクカセツト１をデイスク挿入口に挿入す
ると、デイスクカセツト１がアンローデイング位
置からローデイング位置に変位する。また、この
ローデイングの際にシヤツタ開口手段にてシヤツ
タ５がトーシヨンスプリング１６のスプリング力
に抗して摺動される。このシヤツタ５の摺動時に
シヤツタ５の両側のケース挾持片５ｂ，５ｃがた
わんでいるため切欠部２１の端面とヘツド挿入孔
４の端面とが衝突する。だが、それぞれの端面が
テーパー面２２であるためシヤツタ５はケース３
からほとんど反力を受けることなく摺動される。
そして、両方の端面がテーパー面２２であるため
大きな変形に対しても確実に対処できる。

［考案の効果］ 以上述べたように本考案によれば、ケースにシ
ヤツタを摺動可能に設け、ケースのヘツド挿入孔
とシヤツタの切欠部との各端面をテーパー面とし
たので、シヤツタ等が大きく変形していてもシヤ
ツタのスムーズな移動を確実に行うことができる
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は本考案の実施例を示し、第
１図はデイスクカセツトの分解斜視図、第２図は
デイスクカセツトの斜視図、第３図はデイスクカ
セツトの一部切欠部斜視図、第４図はシヤツタの
変形状態を示す断面図、第５図はデイスク挿入孔
と切欠部との端面に形成されたテーパー面を示す
断面図、第６図乃至第８図は従来例を示し、第６
図はデイスクカセツトの上面図、第７図はデイス
クカセツトの下面図、第８図はシヤツタの変形状
態を示す断面図である。 １……デイスクカセツト、２……デイスク、３
……ケース、４……ヘツド挿入孔、５……シヤツ
タ、２０……非切欠部、２１……切欠部、２２…
…テーパー面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 デイスクを回転可能に収容し前記デイスクを露
   出させるヘツド挿入孔を設けたケースと、このケ
   ースに摺動可能に設け、切欠部と非切欠部とを有
   して前記ヘツド挿入孔を開閉するシヤツタと、を
   備えたデイスクカセツトにおいて、 前記シヤツタの摺動方向に直交する前記ヘツド
   挿入孔及び前記切欠部の各端面を、互いに近づく
   に従い開口面積を広げる方向のテーパー面にて構
   成したことを特徴とするデイスクカセツト。