JPH0740384A - 積層中空成形品の製造方法 - Google Patents

積層中空成形品の製造方法

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JPH0740384A
JPH0740384A JP20832793A JP20832793A JPH0740384A JP H0740384 A JPH0740384 A JP H0740384A JP 20832793 A JP20832793 A JP 20832793A JP 20832793 A JP20832793 A JP 20832793A JP H0740384 A JPH0740384 A JP H0740384A
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表皮層を製造するための成形装置を別途設備
しなくても、中空本体の片面に表皮層を積層した中空率
の高い積層中空成形品を製造できるようにする。 【構成】 可動側型2を固定側型1に接近させることに
よって表皮層6に相当する容積にキャビティ3のキャビ
ティ容積を減少させておき、その中へ表皮層を構成する
溶融樹脂を射出して表皮層6を成形する。ついで、可動
側型2を固定側型1から離間させることによって、表皮
層6をキャビティ3内に残留させたまま、前記キャビテ
ィ容積を積層中空成形品9に相当する容積に拡大させ、
その中に中空本体を構成する溶融樹脂7aを射出しつつ
あるいは射出したのち、その内部へ加圧流体を圧入して
中空部8を拡大させて中空本体7を前記表皮層6と一体
成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空本体と該中空本体
の片面に積層された表皮層とを有する積層中空成形品の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、異種の材料からなる外層と内層と
を備えた積層中空成形品の製造方法としては、次に説明
する(イ)および(ロ)等の方法が提案されている。
【0003】(イ) 図4の(a)に示すように、一方
の金型101に予め成形しておいた表皮104を配置し
て型締めを開始し、ついでキャビティ103内に他方の
金型102の樹脂注入孔107より溶融樹脂105を注
入したのち型締めを完了させ、図4の(b)に示すよう
に、前記溶融樹脂105の内部へ流体注入孔108より
加圧ガスを圧入してアンダーカット部106の部分に中
空部109を形成することにより表皮104と一体化
し、ついで中空部109内へ冷却材を注入して冷却させ
る樹脂中空成形品の製造方法(特開平4−267124
号公報参照)。
【0004】(ロ) 図5の(a)に示すように、型締
めした金型201,202のキャビティ203内へスプ
ル205を通して外層樹脂206の射出を開始したの
ち、図5の(b)に示すように内層樹脂207の射出を
開始して、内層樹脂207の周囲を外層樹脂206で被
覆した状態で所定量をキャビティ203内へ射出し、つ
いで図5の(c)に示すようにガス吹込孔208より圧
縮ガスを内層樹脂207の内部へ吹込むことにより、図
5の(d)に示すようにキャビティ203に沿って内層
樹脂層207aの周囲が外層樹脂層206aで覆われた
中空樹脂成形品210を製造する方法(特開平3−28
4915号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の技術
のうちの(イ)は、表皮を成形する成形装置を別途設備
する必要があるため、設備コストが高くなる。
【0006】また、(ロ)は、内層樹脂層の周囲を外層
樹脂層で覆った状態で中空部を形成するため、中空率を
高くすることができない上、中空本体の片面に表皮層を
有する積層中空成形品の製造は困難であるという問題点
があった。
【0007】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであって、表皮層を製造するため
の成形装置を別途設備しなくても、中空本体の片面に表
皮層を積層した中空率の高い積層中空成形品を簡単に製
造することができる積層中空成形品の製造方法を実現す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の積層中空成形品の製造方法は、中空本体と
前記中空本体の片面に積層された表皮層を備えた積層中
空成形品の製造方法であって、キャビティのキャビティ
容積が変更できる金型を用い、前記キャビティ容積を前
記表皮層に相当する容積に減少させ、その中に前記表皮
層を構成する溶融樹脂を射出して前記表皮層を成形し、
ついで前記表皮層を前記キャビティ内に残留させたまま
前記キャビティ容積を前記積層中空成形品に相当する容
積に拡大させ、その中に前記中空本体を構成する溶融樹
脂を射出しつつあるいは射出したのちその内部へ加圧流
体を圧入して中空部を有する中空本体を前記表皮層と一
体成形することを特徴とするものである。
【0009】
【作用】キャビティ容積を表皮層に相当する容積に減少
させ、その中に表皮層を構成する溶融樹脂を射出して表
皮層を形成する。ついで、前記表皮層をキャビティ内に
残留させたままキャビティ容積を積層中空成形品に相当
する容積に拡大させ、その中に中空本体を構成する溶融
樹脂を射出しつつあるいは射出したのち、その内部へ加
圧流体を圧入して表皮層とは別に中空部を形成させるこ
とによって中空本体を前記表皮層と一体成形し、中空本
体の片面に前記表皮層を積層することができる。
【0010】
【実施例】本発明の実施例を図面に基いて説明する。
【0011】(第1実施例)先ず、本実施例で使用する
金型について説明すると、図1に示すように、金型は図
示しない型締装置の固定盤側に取付けられる固定側型1
と前記型締装置の可動盤側に取付けられる可動側型2か
らなり、固定側型1は射出ノズル4より射出された表皮
層を構成する溶融樹脂および中空本体を構成する溶融樹
脂7aをキャビティ3へ導入する導入口5を備え、一
方、可動側型2は固定側型1がスライド自在に嵌挿され
る凹部2aを備え、可動側型2を固定側型1に接近およ
び離間させることで前記キャビティ3のキャビティ容積
を表皮層6に相当する容積に減少させたり、積層中空成
形品9に相当する容積に拡大することができるように構
成されている。
【0012】つぎに工程について説明する。
【0013】図1の(a)に示すように、可動側型2を
固定側型1に接近させることによって表皮層6に相当す
る容積にキャビティ3のキャビティ容積を減少させてお
き、その中へ射出ノズル4より導入口5を通して表皮層
を構成する溶融樹脂を射出して表皮層6を成形する。
【0014】ついで、可動側型2を固定側型1から離間
させることによって、前記表皮層6をキャビティ3内に
残留させたまま、キャビティ3のキャビティ容積を積層
中空成形品9に相当する容積に拡大させ、その中に中空
本体を構成する溶融樹脂7aを射出しつつあるいは射出
したのち、その内部へ加圧流体を圧入して中空部8を拡
大させて中空本体7を前記表皮層6と一体成形すること
によって、中空本体7の片面に表皮層6が積層された積
層中空成形品9を製造する。
【0015】(第2実施例)先ず、本実施例によって製
造される積層中空成形品について説明すると、図2およ
び図3に示すように、積層中空成形品10は、中空本体
17の片面および周囲端面が端面への回り込み部16b
を有する表皮層16で覆われたものであって、表皮層1
6の適宜部位に形成された線状内面突出部16aおよび
点状内面突出部16cが中空本体17中に埋め込まれて
おり、しかも線状内面突出部16aおよび点状内面突出
部16cの近傍にリブ17cが形成されている。
【0016】したがって、本実施例で使用する金型は、
第1実施例の金型とは次に説明する点が異なっている。
【0017】固定側型11は、その表皮層16に設けら
れた線状内面突出部16aおよび点状内面突出部16c
にそれぞれ対応する各部位に嵌挿孔11cが設けられて
おり、該嵌挿孔11cにスライド自在に嵌挿されたスラ
イドコア11aは、図示しない駆動手段により駆動さ
れ、スライドコア11aの先端面が固定側型11のキャ
ビティ面11bと同一面となる位置と嵌挿孔11c内へ
引き込まれて生じる凹所の深さが線状内面突出部16a
および点状内面突出部16cの高さに相当する位置との
間で進退できるように構成されている。他方、可動側型
12は、その凹部12aの内周面に沿って一体的に設け
られた環状のスペーサ12bを備え、該スペーサ12b
内に固定側型11がスライド自在に嵌挿されており、ス
ペーサ12bの凹部12a内の先端と凹部12aの底面
とは積層中空成形品10の厚さに相当する距離だけ離間
されているとともにスペーサ12bの肉厚は表皮層16
の肉厚とほぼ同一に構成されている。
【0018】本実施例の金型も第1実施例の金型と同様
に型締装置に取付けることにより、可動側型12を固定
側型11に接近させて表皮層16に相当するキャビティ
容積に減少させたり、可動側型12を固定側型11から
離間させて積層中空成形品10に相当するキャビティ容
積に拡大させることができる。
【0019】次に本実施例の工程について説明する。
【0020】図3の(a)に示すように、各スライドコ
ア11aを上述したように嵌挿孔11c内へ引き込め、
可動側型12を固定側型11に接近させることによって
表皮層16に相当する容積にキャビティ13のキャビテ
ィ容積を減少させておき、その中へ射出ノズル14より
導入口15を通して表皮層を構成する溶融樹脂を射出し
て端面への回り込み部16b、線状内面突出部16aお
よび点状内面突出部16cを有する表皮層16を成形す
る。
【0021】ついで、可動側型12を固定側型11から
離間させることによって、キャビティ13内に表皮層1
6を残留させたまま、積層中空成形品10に相当する容
積にキャビティ容積を拡大させるとともにスライドコア
11aをその先端面がキャビティ面11bと同一面とな
る位置に戻し、その中に射出ノズル14より導入口15
を通して中空本体を構成する溶融樹脂17aを射出しつ
つあるいは射出したのちその内部へ加圧流体を圧入する
ことによって中空部18を形成することによって中空本
体17を成形する。この中空本体17を成形する過程に
おいて線状内面突出部16aおよび点状内面突出部16
cが中空本体17に埋め込まれるとともにそれの近傍に
リブ17cが形成され、しかも端面が端面への回り込み
部16bで覆われる。
【0022】本実施例では、表皮層と中空本体との結合
が強固であるとともに剛性が大きな積層中空成形品を製
造することができる。
【0023】上記各実施例では可動側型を雌型とし固定
側型を雄型としたが、これらを逆にすることができる。
また、例えば、可動側型にキャビティ容積を可変とする
ためのスライド型を設けておき、型閉じした固定側型お
よび可動側型とによって形成されたキャビティ内へ前記
スライド型を進退させるように構成してもよい。要する
に、キャビティの容積を表皮層に相当する容積と表皮層
が片面に積層された中空本体からなる積層中空成形品に
相当する容積とに可変であればよい。
【0024】本発明において、中空本体、表皮層を構成
する樹脂としては、ABS樹脂、AS樹脂、ポリプロピ
レン、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリエチレンな
どの射出成形可能な熱可塑性合成樹脂材料が使用でき、
前記材料に公知の充填材、難燃剤、顔料、発泡剤などを
必要に応じて配合することができる。
【0025】例えば、表皮層に外観特性および難燃性に
優れた樹脂を用い、中空本体は充填材によって物理的強
度の向上された再生樹脂を用いる等、用途によって適宜
の組合わせが実施できる。
【0026】本発明に係る積層中空成形品は特に用途は
限定されるものではないか、好適な例としては電子機器
または家具のハウジングパネルである。そして、本発明
にあっては、(1)難燃性に優れたハウジングパネル、
(2)表面質感に優れたハウジングパネル、(3)電磁
波遮蔽性に優れたハウジングパネルなどが得られる。
【0027】(1)難燃性に優れたハウジングパネル:
中空本体をABS樹脂、ポリプロピレン、または変性ポ
リフェニレンオキサイドなどの硬質樹脂に難燃剤を配合
した樹脂で構成し、表皮層を前記中空本体に使用した樹
脂と同種の樹脂、例えば中空本体がABS樹脂の場合、
表皮層をABS樹脂とポリカーボネートとのブレンド物
にて構成する。
【0028】(2)表面質感に優れたハウジングパネ
ル:中空本体をABS樹脂、ポリプロピレン、または変
性ポリフェニレンオキサイドなどの硬質樹脂に難燃剤を
配合した樹脂で構成し、表皮層を前記中空本体に使用し
た樹脂と同種の樹脂、例えば中空本体がABS樹脂の場
合、表皮層を軟質で金型の表面再現性に富むスチレン系
エラストマー樹脂にて構成する。
【0029】(3)電磁波遮蔽性に優れたハウジングパ
ネル:中空本体をABS樹脂、ポリプロピレン、または
変性ポリフェニレンオキサイドなどの硬質樹脂に電磁波
遮蔽性を付与する導電性充填材を配合した樹脂で構成
し、表皮層を前記中空本体に使用した樹脂と同種の樹脂
で、且つ導電性充填材を配合させず中空本体に使用した
樹脂より溶融成形時の粘度が高い樹脂、例えば中空本体
がカーボン繊維を配合したABS樹脂の場合、表皮層を
導電性充填材を配合しない、かつ溶融成形時の粘度が高
いABS樹脂にて構成する。
【0030】すなわち、ハウジングパネルは一般的要求
特性として、パネル自体の剛性と表面外観性があげられ
るが、本発明にあっては各種配合材料によって損なわれ
やすい外観表面を維持することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載するような効果を奏する。
【0032】同一キャビティ内で表皮層を成形するとと
もに、前記表皮層に中空本体を一体成形することができ
るため、別途表皮層を成形するための成形装置を設備す
る必要がなくなる。
【0033】また、片面に表皮層を積層した積層中空成
形品を簡単に製造できるとともに、中空率を向上するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の各工程を示す金型の模式
断面図である。
【図2】本発明の第2実施例によって製造された積層中
空成形品を表皮層側からみた模式平面図である。
【図3】本発明の第2実施例の各工程を示す金型の模式
断面図である。
【図4】従来の積層中空成形品の製造方法の一例の工程
を示す金型の模式断面図である。
【図5】従来の積層中空成形品の製造方法の他の例の工
程を示す金型の模式断面図である。
【符号の説明】
1,11 固定側型 2,12 可動側型 3,13 キャビティ 4,14 射出ノズル 5,15 導入口 6,16 表皮層 7,17 中空本体 7a,17a 中空本体を構成する溶融樹脂 8,18 中空部 11a スライドコア 12b スペーサ 16a 線状内面突出部 16b 端面への回り込み部 16c 点状内面突出部 17c リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 9:00 22:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空本体と前記中空本体の片面に積層さ
    れた表皮層を備えた積層中空成形品の製造方法であっ
    て、 キャビティのキャビティ容積が変更できる金型を用い、
    前記キャビティ容積を前記表皮層に相当する容積に減少
    させ、その中に前記表皮層を構成する溶融樹脂を射出し
    て前記表皮層を成形し、ついで前記表皮層を前記キャビ
    ティ内に残留させたまま前記キャビティ容積を前記積層
    中空成形品に相当する容積に拡大させ、その中に前記中
    空本体を構成する溶融樹脂を射出しつつあるいは射出し
    たのちその内部へ加圧流体を圧入して中空部を有する中
    空本体を前記表皮層と一体成形することを特徴とする積
    層中空成形品の製造方法。
JP20832793A 1993-07-30 1993-07-30 積層中空成形品の製造方法 Expired - Fee Related JP3236709B2 (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003247615A (ja) * 2002-02-26 2003-09-05 Borg Warner Morse Tec Japan Kk チェーンテンショナアームおよびチェーンガイド、これらの成形法ならびに成形金型
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EP1728614A3 (en) * 2005-05-30 2007-04-11 Plastal S.p.A. Two-steps injection moulding process for producing hollow plastic automotive parts by using a rotating die apparatus

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