JP3429833B2 - 射出成形用金型 - Google Patents

射出成形用金型

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JP3429833B2
JP3429833B2 JP1043094A JP1043094A JP3429833B2 JP 3429833 B2 JP3429833 B2 JP 3429833B2 JP 1043094 A JP1043094 A JP 1043094A JP 1043094 A JP1043094 A JP 1043094A JP 3429833 B2 JP3429833 B2 JP 3429833B2
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gate
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悟士 松本
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/14836Preventing damage of inserts during injection, e.g. collapse of hollow inserts, breakage

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形用金型、特に、
射出圧縮成形用金形に係り、自動車のドアパネルやダッ
シュボード等の内装品、または、家電製品のケーシング
等の大型面状製品の成形に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、自動車のドアパネル等の内装部
品や家電製品のケーシングは、合成樹脂の成形品が多用
されている。このような成形品の中には、搭乗者や使用
者の接触する頻度が高い部分に、感触の良好なクッショ
ン部を設けたものがある。このようなクッション部を有
する成形品は、射出成形法により成形した本体の表面に
クッション性の有る表皮面材を接着することにより製造
されている。また、複数種類の樹脂層を有する成形品を
成形する積層射出成形法によれば、全面を表皮面材で覆
った積層成形品を得ることができる。このような積層成
形品は、表面全体にクッション性を確保できるので、ク
ッション部を有する成形品として利用することができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一体的
に成形した本体にクッション性の有る表皮面材を接着し
たのでは、工程数が多く、製造効率が悪いという問題が
ある。また、積層射出成形法では、成形品の全面が表皮
面材で覆われるため、クッション性の不要な部分まで表
皮面材で覆われ、高価な表皮面材を多量に使用すること
になってコストが嵩むうえ、表面の所定部分にクッショ
ン性があると機械的に不都合がある部品は製造できない
という問題がある。
【0004】さらに、従来の積層成形法には、次のよう
な問題がある。すなわち、良好なクッション性を有する
積層成形品を得るためには、厚みのある表皮面材を用い
る必要があるが、充填される溶融樹脂が高温・高圧であ
るため、従来の射出成形金型では、金型を完全に閉鎖し
た状態、あるいは、この完全閉鎖状態から金型を若干開
いた状態で溶融樹脂を金型内に充填すると、高温・高圧
の溶融樹脂が表皮面材に衝突して表皮面材を溶かすの
で、当該表皮面材を損傷させて成形品の外観を悪化させ
たり、クッション性を喪失させたりするとういう問題が
ある。一方、表皮面材の損傷を防止するために、溶融樹
脂を金型内に充填するにあたり、金型を大きく開いた状
態で溶融樹脂の充填を行い、表皮面材に到達するまでに
溶融樹脂を充分減圧・冷却することが考えられる。しか
し、金型の開き量を大きくすると、溶融樹脂を金型内に
流出させるゲートの近傍において、溶融樹脂の流れに乱
れが生じ、これにより、溶融樹脂内に空気が巻き込まれ
たり、溶融樹脂の流動が不安定になるので、溶融樹脂の
表面にしわ、シルバーマーク、および、フローマーク等
の欠陥が発生し、成形品の外観が損なわれるという問題
が生じる。
【0005】本発明の第1の目的は、部分的にクッショ
ン性を有する成形品の製造を容易にする射出成形用金型
を提供することにある。本発明の第2の目的は、製品の
一部を覆う表皮面材を厚くしても、表皮面材の損傷およ
び溶融樹脂の表面の欠陥を発生させない射出成形用金型
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、キ
ャビティの内部のゲートと反対側の位置に対向するよう
に設けられた凸部と、この凸部の頂部に設けられて前記
金型の開閉方向に突出しかつクッション性の有る表皮面
材を貫通して固定する係止針とを備える固定手段を設け
たことを特徴とする
【0007】本発明の第2発明は、前記第1発明におい
て、前記キャビティの表皮面材が取付けられた部分に溶
融樹脂を充填するゲートに、当該ゲートから流出する溶
融樹脂の流れ方向を前記表皮面材の表面に沿った方向に
変える方向転向手段を設けたことを特徴とする。ここ
で、前記方向転向手段としては、溶融樹脂の流れ方向を
前記表皮面材の表面に沿った方向に変える傾斜面が設け
られた方向転向体をゲートの出口に配置するフラッパ式
のものや、溶融樹脂の通路の出口部分に前記表皮面材の
表面に沿った方向に曲がったノズル部を有する屈曲ノズ
ル式のものなどが採用できる。
【0008】なお、表皮面材としては、破れにくい表皮
層と、クッション性を有する発泡層または不織布とを含
んで構成されるものが採用できる。この際、表皮層とし
ては、塩化ビニル、熱可塑性エラストマ、不織布、およ
び、織布等が採用できる。発泡層としては、ポリプロピ
レンを発泡させたもの等が採用でき、ポリプロピレン
は、不織布・織布に裏打ちされたものでもよい。また、
発泡層の代わりに厚手の不織布等を採用してもよい。樹
脂の基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ABS、ポリカーボネート、および、ポリ
アミド等の熱可塑性樹脂、並びに、これらの熱可塑性樹
脂にフィラーやガラス繊維を混入した繊維補強樹脂等が
採用でき、特に、ポリプロピレンおよびポリプロピレン
にガラス繊維等を混入した繊維補強樹脂を採用するのが
好ましい。
【0009】
【作用】このような本発明の第1発明では、キャビティ
の内部に固定手段を設けることにより、成形品の一部分
を覆う小面積の表皮面材を固定した状態で、キャビティ
の内部に溶融樹脂を充填することが可能となるので、一
部分が表皮面材で覆われた成形品の一体的成形が行え、
表皮面材の接着工程等が省略され、製造効率が大幅に向
上されるようになる。また、クッション性の必要な部分
にのみについて、高価な表皮面材を使用することが可能
となるので、コストが嵩まないうえ、クッション性があ
ると機械的に不都合がある部分については、積極的に成
形品の下地を露出させることが可能となるので、何ら構
造上の問題を生じさせず、これらにより前記第1の目的
が達成される。
【0010】一方、本発明の第2発明では、完全閉鎖状
態あるいは寸開状態の金型に溶融樹脂を充填しても、方
向転向手段により表皮面材の表面に沿った方向に溶融樹
脂の流れの方向が変えられるので、溶融樹脂が表皮面材
に衝突することがなくなるので、厚みのある表皮面材を
用いても、当該ゲートの近傍の表皮面材の熱損傷を未然
に防止できるようになり、これにより前記第2の目的が
達成される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1には、本発明の第1実施例に係る金型1が示
されている。金型1は、複数のゲート2, 3を備えた多
点ゲート式の金型であり、大型面状品を射出圧縮成形す
るための厚さがほぼ均一なキャビティ10を有し、キャビ
ティ10を挟んで二つの金型部1A, 1Bに分割されている。
金型部1Aは、キャビティ10となる凹部が形成された、い
わゆるキャビティ部であり、図示しない射出成形機に固
定される。金型1Aには、ゲート2, 3が設けられるとと
もに、射出装置からの溶融樹脂を受ける接続口11と、こ
の接続口11からの溶融樹脂をゲート2, 3に送るための
分岐路12とが設けられている。金型部1Bは、金型部1Aの
凹部に応じた凸部が形成された、いわゆるコア部であ
り、図示しない射出成形機に移動可能に取付けられ、金
型部1Aに対して近接離隔可能とされている。金型部1Bの
キャビティ10の内部には、成形品の表面を覆う表皮面材
13を固定するための固定手段4が設けられている。
【0012】ゲート2は、キャビティ10の表皮面材13が
取付けらていない部分に、溶融樹脂14を充填するもので
あり、従来の一般的な構造を有している。すなわち、ゲ
ート2は、図中上下方向に延びるとともに、分岐路12と
キャビティ10とを連通する通路20の出口である。通路20
の先端部分は、テーパー状に先細りにされたノズル部21
となっている。これにより、ゲート2から流出する溶融
樹脂14は、キャビティ10の表面に対して直角方向に噴出
するようになっている。通路20の内部には、棒状のロッ
ド22が図中上下方向に移動可能に設けられている。ロッ
ド22は、図中下方の一端部22A がゲート2を開閉する弁
体23とされ、他端部22B が図中上方に配置された油圧シ
リンダ装置24のピストンロッド25に連結されている。
【0013】油圧シリンダ装置24は、シリンダ26の内部
をピストン27で仕切って二つの油圧室26A, 26Bを設けた
複動式のものである。この油圧シリンダ装置24の図中下
方の油圧室26A に油圧を加えることにより、ロッド22が
上昇してゲート2が開放されようになっている。一方、
油圧シリンダ装置24の図中上方の油圧室26B に油圧を加
えることにより、ロッド22が下降してゲート2が閉鎖す
るようになっている。
【0014】ゲート3は、キャビティ10の表皮面材13が
取付けらている部分に溶融樹脂14を充填するものであ
り、本発明に基づく構造となっている。すなわち、ゲー
ト3は、図中上下方向に延びるとともに、分岐路12とキ
ャビティ10とを連通する通路30の出口である。通路30の
先端部分は、テーパー状に末広がりにされたノズル部31
となっている。通路30の内部には、棒状のロッド32が図
中上下方向に移動可能に設けられている。ロッド32の図
中下方の一端部32A には、ゲート3に向かって広がった
略円錐状の方向転向体33が設けられている。方向転向体
33は、ゲート3から流出する溶融樹脂14の流れ方向を表
皮面材13の表面に沿った方向に変える傾斜面を有する方
向転向手段である。また、方向転向体33は、ノズル部31
の内法に応じた大きさを有し、ゲート3を開閉する弁体
を兼用している。ロッド32の他端部32B は、図中上方に
配置された油圧シリンダ装置34のピストンロッド35に連
結されている。
【0015】油圧シリンダ装置34は、ゲート2側の油圧
シリンダ装置24と同様の構造のものである。油圧シリン
ダ装置34のシリンダ36の内部には、ピストン37で仕切ら
れた二つの油圧室36A, 36Bが設けられている。ゲート3
を閉鎖する油圧シリンダ装置34の駆動方向は、ゲート2
を閉鎖する油圧シリンダ装置24の駆動方向とは逆になっ
ている。すなわち、油圧シリンダ装置34の図中下方の油
圧室36A に油圧を加えることにより、ロッド32が上昇し
てゲート3が閉鎖されるようになっている。一方、油圧
シリンダ装置34の図中上方の油圧室36B に油圧を加える
ことにより、ロッド32が下降してゲート3が開放するよ
うになっている。
【0016】表皮面材13は、図2にも示されるように、
破れにくい表皮層13A と、クッション性を有する発泡層
13B とを有するものである。表皮層13A は、金型部1Bの
表面に密着する塩化ビニル等の樹脂層である。発泡層13
B は、表皮層13A よりもキャビティ10の内側に配置され
るポリプロピレン等の発泡体等からなる発泡樹脂層であ
る。
【0017】固定手段4は、金型部1Bの表面の所定位置
に対向するように設けられた凸部40と、各凸部40の頂部
に設けられるとともに表皮面材13を貫通・固定する複数
の係止針41とを有するものである。凸部40は、表皮面材
13の端縁に沿って延びる細長い突起である。対向配置さ
れた凸部40には、図2に示されるように、表皮面材13が
弛みなく架け渡され、表皮面材13の端縁が係止針41に固
定されている。この状態で溶融樹脂14を充填すると、溶
融樹脂14の押圧力で表皮面材13の中間部分が撓み、表皮
面材13を両側に引っ張る程よい張力が表皮面材13に加わ
るようになっている。この張力により、射出成形後の表
皮面材13の表面には、しわ等が一切生じないようになっ
ている。ここにおいて、凸部40は、溶融樹脂14の充填時
において表皮面材13に程よい張力を付与する張力発生手
段となっている。なお、金型部1A側のキャビティ10の表
面には、凸部40に応じた凹部42が設けられている。これ
により、金型部1A, 1Bを閉鎖した際に、凸部40の先端が
凹部42の内部に収納され、キャビティ10の間隔が狭くと
も、凸部40が金型部1A側と干渉しないようになってい
る。
【0018】係止針41は、金型1の開閉方向(図では上
下方向)に突出する細く強靱な金属製の針である。この
ような係止針41により固定された表皮面材13は、金型1
の開方向(図では上方向)に沿って移動することによ
り、金型部1Bから取り外し可能となっている。
【0019】なお、通路20, 30の側壁の外側の周面に
は、電熱帯5が巻回されており、ゲート2,3から充填
される溶融樹脂14が射出成形の途中で冷えて固化しない
ようになっている。
【0020】このような本実施例では、以下のような手
順で射出成形を行う。まず、予め金型部1Bの固定手段4
に表皮面材13を、図2に示されるように取付けてから、
金型部1A, 1Bを図示しない射出成形機に取付ける。そし
て、図1に示されるように、金型部1A, 1Bの間隔が完全
閉鎖した状態から所定寸法Cよりも大きくならないよう
に、移動可能な金型部1Bの後方をブロックして、金型部
1Bが所定位置よりも後退しないようにする。なお、寸法
Cは、型締の際の溶融樹脂の圧縮量であり、5〜15mm
の範囲内で適宜設定される。次いで、図示しない射出装
置を駆動するとともに、ゲート2,3を開き、溶融樹脂
14の充填を開始する。この際、図1に示されるように、
ゲート3に設けられている方向転向体33で溶融樹脂14の
流れが表皮面材13の表面に沿った方向に転向され、溶融
樹脂14は表皮面材13を押し潰さないので、ゲート3から
充填される溶融樹脂14が高温・高圧であっても、表皮面
材13のクッション性は保持される。続いて、溶融樹脂14
の充填の完了直前もしくは完了後に、金型部1A, 1Bの型
締めを開始し、型締めによりキャビティ10内の溶融樹脂
14をキャビティ10の隅々まで展延して所望の製品形状に
成形し、金型1が冷却した後、成形品を離型して射出成
形を完了する。なお、次の射出のための可塑化は、現在
進行している射出成形が完全に終了した後に行う。
【0021】前述のような本実施例によれば、次のよう
な効果が得られる。すなわち、キャビティ10の内部に固
定手段4を設けることにより、成形品の一部分を覆う小
面積の表皮面材13の固定が可能となり、一部分が表皮面
材13で覆われた成形品を成形できるので、従来のような
表皮面材13の接着工程が省略され、製造効率を大幅に向
上できる。
【0022】また、クッション性の必要な部分にのみに
ついて、高価な表皮面材13を使用することが可能となる
ので、コストが嵩まないうえ、クッション性があると機
械的に不都合がある部分については、積極的に成形品の
下地を露出させることが可能となるので、構造上の問題
を何ら生じさない。
【0023】さらに、キャビティ10の表皮面材13が配置
された部分に溶融樹脂14を充填するゲート3に方向転向
体33を設け、ゲート3から流出する溶融樹脂14の流れる
方向を表皮面材13の表面に沿った方向に変えるようにし
たので、ゲート3から表皮面材13までの距離の長短に関
係なく、溶融樹脂14が表皮面材13に衝突することがなく
なるため、厚みのある表皮面材13を用いても、表皮面材
13の損傷を未然に防止できる。
【0024】しかも、ゲート3と表皮面材13との距離に
関係なく、溶融樹脂14が表皮面材13に衝突しなくなるた
め、ゲート2から充填される溶融樹脂14の流動状態を考
慮して金型1の圧縮量(寸法C)を小さく設定できるよ
うになる。これにより、金型1を一般的なバルブゲート
を含んで構成された多点ゲート式にしても、良好な成形
品を得ることができるうえ、ゲート2が汎用部品で構成
できるようになるので、金型1のコストを低減できる。
【0025】また、固定手段4の細い係止針41で表皮面
材13を固定するようにしたので、成形品の表面には小さ
な針穴が生じるだけなので、キャビティ10の内部に固定
手段4を設けても、成形品の外観を損なうことがないう
え、係止針41は簡単な構造なので、金型1の製作コスト
およびメンテナンスにおける負担を低減できる。
【0026】しかも、係止針41を凸部40の頂上に設け、
射出成形後には凸部40が成形品の表面に凹部を形成し、
この凹部の底に係止針41の跡である針穴が表れるように
したので、小さな針穴が目立つことないうえ、前記凹部
が表皮面材13の端縁に沿った見切り部分となるので、意
匠的に優れたものを成形できる。
【0027】さらに、固定手段4の構成要素として張力
発生手段である凸部40を設け、対向配置された凸部40に
表皮面材13を架け渡し、溶融樹脂14の充填時において表
皮面材13に程よい張力を付与するようにしたので、射出
成形後の表皮面材13の表面にはしわ等が一切発生せず、
外観の良好なものを成形できる。
【0028】また、ゲート2,3の開閉に弁体23および
方向転向体33を強制的に移動する油圧シリンダ装置24,
34を採用したので、充填開始・終了のタイミングを最適
制御することが可能となり、溶融樹脂14の充填量が正確
になって成形品の不良を低減できる。
【0029】次に、本発明の具体的な効果を以下の実験
例1に基づいて説明する。 〔実験例1〕本実験例1は、前記実施例の金型1を用い
て自動車の内装品であるドアパネルを射出成形する実験
である。なお、金型1のゲート2には、一般的な油圧式
バルブゲート(モールドマスター社製)を用いた。 〔比較例1〕本比較例1は、本発明の効果を確認するた
めに、従来技術に基づき前記実験例1と同一のドアパネ
ルを射出成形しようとする実験である。すなわち、比較
例1の金型は、キャビティの表皮面材が配置された部分
に溶融樹脂を充填するゲートとして、方向転向手段がな
い一般的な油圧式バルブゲート(モールドマスター社
製)を用いた。 〔比較例2〕本比較例2は、段落番号0024に記載し
た前記実施例の効果を確認するために、圧縮量を前記実
施例で示した範囲外の大きな値にして前記実験例1と同
一のドアパネルを射出成形しようとする実験である。 〔射出条件〕以上の実験例1および比較例1,2におい
ては、射出圧縮成形機として汎用の横型射出成形機(ス
クリュー径 105mm、圧縮力最大 850t、三菱重工製)に
射出圧縮成形機構を追加したものを用いる。溶融樹脂の
基材としては、ポリプロピレン(出光石油化学(株)製
出光ポリプロJ−5050H)を用いる。表皮面材と
しては、厚さ0.5mm の不織布を表皮層とするとともに、
厚さ3.0mmの15倍ポリプロピレンフォームを発泡層と
する積層面材を用いる。なお、射出条件は、以下の通り
である。 イ. 成形温度 :180 ℃ ロ. 金型温度 : 40 ℃ ハ. 射出時間 : 4 秒 ニ. 射出圧力 : 90 kg/cm2
(ゲージ圧) ホ. 冷却時間 : 50 秒 ヘ. 溶融樹脂の圧縮量(寸法C) : 10 mm(実
験例1、比較例1) : 30 mm(比較例2) ト. 圧縮開始のタイミング :充填開始から37
秒後に設定 チ. 圧縮速度 : 10 mm/ 秒
【0030】〔結果〕実験例1では、得られた成形品に
張り付いている表皮面材には、発泡層の溶融等による損
傷がなく、良好な外観および優れたクッション性が確保
されているとともに、表皮面材から露出する樹脂の表面
には、しわ、シルバーストリーク、および、フローマー
ク等の欠陥がない。このことから、外観が良好であり、
かつ必要部分に充分なクッション性を有する成形品が得
られることが判る。比較例1では、表皮面材から露出す
る樹脂の表面には、しわ、シルバーストリーク、およ
び、フローマーク等の欠陥がないが、ゲート付近の表皮
面材には、発泡層が溶融して生じた損傷が見られる。こ
のことから、成形品の外観が損なわれるうえ、必要部分
に充分なクッション性が得られないことが判る。比較例
2では、表皮面材に発泡層の溶融等による損傷がなく、
そのクッション性も確保されているが、露出する樹脂の
表面には、ゲート近傍の部分にしわが多数発生してい
る。このことから、充分なクッション性は得られるが、
成形品の外観は損なわれることが判る。
【0031】なお、本発明は前述の各実施例に限定され
るものではなく、次に示すような変形などをも含むもの
である。すなわち、固定手段としては、表皮面材13を貫
通する係止針41により固定するものに限らず、図3に示
されるように、金型部1Bに真空吸引用の微細孔43を多数
開け、微細孔43に連通する真空室44を真空ポンプ等で真
空引きすることで得られる吸引力で表皮面材13を固定す
る真空式の固定手段45、および、表皮面材を帯電させる
ととも、これとは逆の極性で金型を帯電させ、表皮面材
を静電吸引力で固定する静電式の固定手段等でもよい。
なお、表皮面材の一部が金型の外部にはみ出る場合に
は、金型の外部に設けたクランプ等の固定具で表皮面材
のはみ出た部分を固定してもよい。
【0032】また、金型としては、平面形状が円形のゲ
ート2,3を複数有する多点式のものに限らず、キャビ
ティの表面に沿って平面的に広がる形状を描くひとつな
がりのスリット状のゲートにより、表皮面材のある部分
および表皮面材のない部分の両方に溶融樹脂の充填を行
うものでもよい。
【0033】さらに、方向転向手段としては、略円錐状
の方向転向体33をゲート3の出口に配置するフラッパ式
の方向転向手段に限らず、図4に示されるように、溶融
樹脂14をキャビティ10に送る通路30の出口部分に表皮面
材13の表面に沿った方向に曲がったノズル部38を有する
屈曲ノズル式の方向転向手段でもよく、要するに、ゲー
トから流出する溶融樹脂の流れ方向を前記表皮面材の表
面に沿った方向に変えることができればよい。
【0034】また、ゲート3は、油圧シリンダ装置等の
駆動により強制的に開閉されるものに限らず、ロッド32
の一端に設けた方向転向体33に加わる溶融樹脂14の充填
圧で開き、ロッド32の他端側に設けたコイルスプリング
等の付勢手段により、溶融樹脂14の充填圧が低下すると
閉じるようにしてもよい。
【0035】さらに、表皮面材や樹脂基材としては、前
記実施例に示されたものに限らず、段落番号0008に
記載されたものや、これら以外のものも採用できる。こ
こで、表皮面材が特に熱に弱い場合、あるいは、溶融樹
脂の温度を高くしたい場合には、前記実施例において、
ロッド32を中空にし、方向転向体33を冷却する冷却水を
流通させ、あるいは、金型部1Bに冷却水の通路を設けて
表皮面材13を冷却してもよい。なお、前記実施例では、
射出成形機として射出圧縮成形機を採用したが、成形す
る製品の特性や形状に応じて射出プレス成形機を採用し
てもよい。
【0036】
【発明の効果】前述のように本発明によれば、一体成形
を可能としたことから、クッション性を有する表皮面材
を部分的に張り付けた成形品を容易に製造できるうえ、
当該成形品の外観やクッション性等の品質を優れたもの
とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の金型を示す断面図である。
【図2】前記実施例の固定手段を示す拡大断面図であ
る。
【図3】本発明の固定手段の変形例を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の変形例を示す図1に相当する図であ
る。
【符号の説明】
1 金型 3 ゲート 4 固定手段 10 キャビティ 13 表皮面材 33 方向転向体 38 方向転向体である屈曲したノズル部 41 係止針 45 真空式の固定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−8251(JP,A) 特開 昭60−224511(JP,A) 特開 平5−301256(JP,A) 特開 平7−164487(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/26 B29C 33/12 B29C 45/14 B29C 45/56

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャビティの内部のゲートと反対側の位置
    に対向するように設けられた凸部と、この凸部の頂部に
    設けられて前記金型の開閉方向に突出しかつクッション
    性の有る表皮面材を貫通して固定する係止針とを備える
    固定手段を設けたことを特徴とする射出成形用金型。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の射出成形用金型におい
    て、前記凸部は、前記表皮面材の端縁に沿って延びる細
    長い突起であることを特徴とする射出成形用金型。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の射出成形
    用金型において、前記キャビティを挟んで2つの金型部
    に分割され、この2つの金型部の一方の表面には前記凸
    部が設けられ、他方の表面には前記凸部に応じた凹部が
    設けられていることを特徴とする射出成形用金型。
  4. 【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    射出成形用金型において、前記キャビティの表皮面材が
    取付けられた部分に溶融樹脂を充填するゲートには、当
    該ゲートから流出する溶融樹脂の流れ方向を前記表皮面
    材の表面に沿った方向に変える方向転向手段が設けられ
    ていることを特徴とする射出成形用金型。
  5. 【請求項5】請求項に記載の射出成形用金型におい
    て、前記方向転向手段は、前記ゲートの出口部分に設け
    られるとともに、溶融樹脂の流れ方向を前記表皮面材の
    表面に沿った方向に変える傾斜面を有する方向転向体を
    含んで構成されていることを特徴とする射出成形用金
    型。
  6. 【請求項6】請求項に記載の射出成形用金型におい
    て、前記方向転向体は、前記ゲートから突没可能に設け
    られたロッドの先端に一体的に形成された略円錐状のも
    のであり、かつ、前記ゲートの出口を開閉する弁体とな
    っていることを特徴とする射出成形用金型。
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