JPH0740012A - 真空誘導炉用タンディッシュ - Google Patents
真空誘導炉用タンディッシュInfo
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- JPH0740012A JPH0740012A JP20902993A JP20902993A JPH0740012A JP H0740012 A JPH0740012 A JP H0740012A JP 20902993 A JP20902993 A JP 20902993A JP 20902993 A JP20902993 A JP 20902993A JP H0740012 A JPH0740012 A JP H0740012A
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- molten steel
- weir
- weir plate
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 真空溶解に使用する真空誘導炉用タンディッ
シュにおいて、鋳込みの全期間を通してスカム巻き込み
を防ぐ。鋳込み停止期の残鋼量を少なくする。 【構成】 溶鋼20の流動方向に間隔をあけて、タンデ
ィッシュ本体11内に一対の堰板13,14を設ける。
入側の堰板13は、タンディッシュ本体11の底面から
離す。出側の堰板14は、堰板13の下に形成された隙
間15より若干高くする。堰板13,14の少なくとも
入側の表層にセラミックフォーム13b,14bを配す
る。
シュにおいて、鋳込みの全期間を通してスカム巻き込み
を防ぐ。鋳込み停止期の残鋼量を少なくする。 【構成】 溶鋼20の流動方向に間隔をあけて、タンデ
ィッシュ本体11内に一対の堰板13,14を設ける。
入側の堰板13は、タンディッシュ本体11の底面から
離す。出側の堰板14は、堰板13の下に形成された隙
間15より若干高くする。堰板13,14の少なくとも
入側の表層にセラミックフォーム13b,14bを配す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空溶解に使用される
真空誘導炉用タンディッシュに関する。
真空誘導炉用タンディッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】真空誘導炉で生成された溶鋼は、タンデ
ィッシュを介して鋳型に注入される。このとき、スラグ
精練を行わない場合でも、溶鋼表面には、溶解中に生成
した脱酸生成物や、溶損・剥離により生じた耐火物(こ
れらを合わせてスカムと呼ぶ)が浮遊している。
ィッシュを介して鋳型に注入される。このとき、スラグ
精練を行わない場合でも、溶鋼表面には、溶解中に生成
した脱酸生成物や、溶損・剥離により生じた耐火物(こ
れらを合わせてスカムと呼ぶ)が浮遊している。
【0003】このスカムは真空誘導炉内で除去するのが
難しいため、出鋼時にそのままタンディッシュを通って
鋳型内へ侵入する。このスカム巻き込みにより、スカム
が最終製品に入って介在物となり、疵の原因ともなる。
難しいため、出鋼時にそのままタンディッシュを通って
鋳型内へ侵入する。このスカム巻き込みにより、スカム
が最終製品に入って介在物となり、疵の原因ともなる。
【0004】タンディッシュでスカムを除去する技術と
しては、例えば2重堰を用いるものがある(特開昭58
−212848号公報)。
しては、例えば2重堰を用いるものがある(特開昭58
−212848号公報)。
【0005】これは、図1(A)に示すように、タンデ
ィッシュ本体1内の溶鋼2の流動方向に間隔をあけて、
タンディッシュ本体1内に設置した一対の堰板3,4を
用いる。入側の堰板3は、タンディッシュ本体1の底面
との間に隙間をあけて立設され、その上端がタンディッ
シュ本体1内の溶鋼2の表面上に位置する。また、出側
の堰板4は、タンディッシュ本体1の底面から立ち上が
り、その上端がタンディッシュ本体1内の溶鋼2の表面
直下に位置する。
ィッシュ本体1内の溶鋼2の流動方向に間隔をあけて、
タンディッシュ本体1内に設置した一対の堰板3,4を
用いる。入側の堰板3は、タンディッシュ本体1の底面
との間に隙間をあけて立設され、その上端がタンディッ
シュ本体1内の溶鋼2の表面上に位置する。また、出側
の堰板4は、タンディッシュ本体1の底面から立ち上が
り、その上端がタンディッシュ本体1内の溶鋼2の表面
直下に位置する。
【0006】このような2重堰を用いると、タンディッ
シュ本体1内に注入された溶鋼2は、一対の堰板3,4
の間を上昇する。そのため、溶鋼2の表面に浮上してい
るパウダー5に、溶鋼2中のスカムが効率よく捕捉され
る。
シュ本体1内に注入された溶鋼2は、一対の堰板3,4
の間を上昇する。そのため、溶鋼2の表面に浮上してい
るパウダー5に、溶鋼2中のスカムが効率よく捕捉され
る。
【0007】別のスカム除去技術としては、セラミック
フォームからなる透過型フィルターを用いるものがある
(特開昭51−142162号公報)。セラミックフォ
ームは特開昭51−142162号公報に示されるよう
にセラミックに多数の空孔を形成したものである。同公
報に示されたフィルターは主にAlを対象としている
が、このフィルターを鋼やNi基合金に適用した例もI
SIJ International32(’92)682には紹介
されている。
フォームからなる透過型フィルターを用いるものがある
(特開昭51−142162号公報)。セラミックフォ
ームは特開昭51−142162号公報に示されるよう
にセラミックに多数の空孔を形成したものである。同公
報に示されたフィルターは主にAlを対象としている
が、このフィルターを鋼やNi基合金に適用した例もI
SIJ International32(’92)682には紹介
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、真空溶解では
パウダーを使用しないので、そのタンディッシュに前者
の2重堰は効果がない。
パウダーを使用しないので、そのタンディッシュに前者
の2重堰は効果がない。
【0009】一方、透過型フィルターは、鋼やNi基合
金の真空溶解におけるタンディッシュに適用した場合
は、次のような問題を生じる。
金の真空溶解におけるタンディッシュに適用した場合
は、次のような問題を生じる。
【0010】セラミックフォームからなる透過型フィル
ターをタンディッシュに適用した例を図1(B)に示
す。透過型フィルター6は垂直な仕切壁としてタンディ
ッシュ本体1内に設置されている。
ターをタンディッシュに適用した例を図1(B)に示
す。透過型フィルター6は垂直な仕切壁としてタンディ
ッシュ本体1内に設置されている。
【0011】タンディッシュ本体1内に溶鋼2が注入さ
れると、その溶鋼2が透過型フィルター6を通過するこ
とにより、溶鋼2中のスカムが除去されるが、フィルタ
ーの孔内で溶鋼が凝固する所謂メタル詰まりが発生しな
いように、溶鋼温度をフィルターを使用しない場合より
高くする必要がある。鋼やNi基合金の場合、これが1
600〜1700℃にもなり、真空誘導炉内の耐火物が
溶損し、スカムの大量発生とこれによるフィルターの目
詰まりが問題となる。
れると、その溶鋼2が透過型フィルター6を通過するこ
とにより、溶鋼2中のスカムが除去されるが、フィルタ
ーの孔内で溶鋼が凝固する所謂メタル詰まりが発生しな
いように、溶鋼温度をフィルターを使用しない場合より
高くする必要がある。鋼やNi基合金の場合、これが1
600〜1700℃にもなり、真空誘導炉内の耐火物が
溶損し、スカムの大量発生とこれによるフィルターの目
詰まりが問題となる。
【0012】また、フィルターを溶鋼が通過するため
に、ヘット圧が必要となる。このヘッド圧は、フィルタ
ーの入側と出側の湯面レベル差Hにより確保されるが、
鋳込み停止期には、この湯面レベル差Hに相当する溶鋼
が、フィルターの入側に残る。この湯面レベル差Hは、
鋼やNi基合金の場合100mm以上になることもあ
り、残鋼スクラップ量を増大させる原因になる。
に、ヘット圧が必要となる。このヘッド圧は、フィルタ
ーの入側と出側の湯面レベル差Hにより確保されるが、
鋳込み停止期には、この湯面レベル差Hに相当する溶鋼
が、フィルターの入側に残る。この湯面レベル差Hは、
鋼やNi基合金の場合100mm以上になることもあ
り、残鋼スクラップ量を増大させる原因になる。
【0013】このように、従来のタンディッシュにおけ
るスカム除去技術は、例え真空誘導炉用のタンディッシ
ュに適用できたとしても、スカム除去効果の低下や、鋳
込み停止期における残鋼量の増大を避け得ない。
るスカム除去技術は、例え真空誘導炉用のタンディッシ
ュに適用できたとしても、スカム除去効果の低下や、鋳
込み停止期における残鋼量の増大を避け得ない。
【0014】本発明の目的は、パウダーを使用しない真
空溶解において、鋳込みの全期間を通してスカムの巻き
込みを可及的に防止でき、しかも、鋳込み停止期の残鋼
量を少なくすることができる真空誘導炉用タンディッシ
ュを提供することにある。
空溶解において、鋳込みの全期間を通してスカムの巻き
込みを可及的に防止でき、しかも、鋳込み停止期の残鋼
量を少なくすることができる真空誘導炉用タンディッシ
ュを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の真空誘導炉用タ
ンディッシュは、真空誘導炉で生成された溶鋼が注入さ
れ、その溶鋼を鋳型に注入するタンディッシュ本体と、
タンディッシュ本体内の溶鋼の流動方向に間隔をあけて
タンディッシュ本体内に設置された一対の堰板とを具備
し、一対の堰板のうちの、入側の堰板は、タンディッシ
ュ本体の底面との間に隙間をあけて設けられると共に、
上端がタンディッシュ本体内の溶鋼表面より上に位置
し、出側の堰板は、タンディッシュ本体の底面から立ち
上がると共に、その上端が、タンディッシュ本体内の溶
鋼表面と入側の堰板の下端との間に位置し、いずれの堰
板も、少なくとも、入側表面の表層部が、セラミックフ
ォームからなることを特徴とする。
ンディッシュは、真空誘導炉で生成された溶鋼が注入さ
れ、その溶鋼を鋳型に注入するタンディッシュ本体と、
タンディッシュ本体内の溶鋼の流動方向に間隔をあけて
タンディッシュ本体内に設置された一対の堰板とを具備
し、一対の堰板のうちの、入側の堰板は、タンディッシ
ュ本体の底面との間に隙間をあけて設けられると共に、
上端がタンディッシュ本体内の溶鋼表面より上に位置
し、出側の堰板は、タンディッシュ本体の底面から立ち
上がると共に、その上端が、タンディッシュ本体内の溶
鋼表面と入側の堰板の下端との間に位置し、いずれの堰
板も、少なくとも、入側表面の表層部が、セラミックフ
ォームからなることを特徴とする。
【0016】ここで、溶鋼とは鋼又はNi基合金の溶湯
のことであり、また溶鋼の表面とは鋳込み定常期におけ
る湯面のことである。
のことであり、また溶鋼の表面とは鋳込み定常期におけ
る湯面のことである。
【0017】
【作用】鋳込み定常期においては、タンディッシュ本体
内に注入された溶鋼が入側の堰板の表面に沿って下降す
る。ここで、堰板の表面はセラミックフォームからなる
ため、溶鋼の下降流はその表面上で複雑な渦となる。こ
れにより、下降流からスカムが吐き出され、セラミック
フォーム面に吸着される。かくして、溶鋼中のスカムが
除去される。
内に注入された溶鋼が入側の堰板の表面に沿って下降す
る。ここで、堰板の表面はセラミックフォームからなる
ため、溶鋼の下降流はその表面上で複雑な渦となる。こ
れにより、下降流からスカムが吐き出され、セラミック
フォーム面に吸着される。かくして、溶鋼中のスカムが
除去される。
【0018】鋳込み初期においては、タンディッシュ本
体内に注入された溶鋼が入側の堰板の下をくぐり抜ける
ので、入側の堰板によるスカム吸着作用は期待できな
い。しかし、入側の堰板の下をくぐり抜けた溶鋼は、出
側の堰板の表面に衝突し、その表面も又セラミックフォ
ームからなるため、そのセラミックフォーム面に溶鋼中
のスカムが吸着される。従って、入側の堰板の下を溶鋼
がくぐり抜ける鋳込み初期においても、優れたスカム除
去効果が得られる。
体内に注入された溶鋼が入側の堰板の下をくぐり抜ける
ので、入側の堰板によるスカム吸着作用は期待できな
い。しかし、入側の堰板の下をくぐり抜けた溶鋼は、出
側の堰板の表面に衝突し、その表面も又セラミックフォ
ームからなるため、そのセラミックフォーム面に溶鋼中
のスカムが吸着される。従って、入側の堰板の下を溶鋼
がくぐり抜ける鋳込み初期においても、優れたスカム除
去効果が得られる。
【0019】鋳込み停止期においては、出側の堰板より
入側に溶鋼が残るが、本発明では堰板を溶鋼が透過する
ことを期待しないので、ヘッド圧が不用であり、入側の
堰板の下に形成される隙間を狭くして出側の堰板を低く
することにより、その残鋼量を少なくできる。すなわ
ち、本発明では出側の堰板は、鋳込み定常期に強力な上
昇流を形成するためのものではなく、鋳込み初期に入側
の堰板の下をくぐり抜けた溶鋼を衝突させてスカムを吸
着させるものであるため、入側の堰板の下に形成される
隙間より高ければ、その高さを低くしてもスカム吸着作
用は低下しない。
入側に溶鋼が残るが、本発明では堰板を溶鋼が透過する
ことを期待しないので、ヘッド圧が不用であり、入側の
堰板の下に形成される隙間を狭くして出側の堰板を低く
することにより、その残鋼量を少なくできる。すなわ
ち、本発明では出側の堰板は、鋳込み定常期に強力な上
昇流を形成するためのものではなく、鋳込み初期に入側
の堰板の下をくぐり抜けた溶鋼を衝突させてスカムを吸
着させるものであるため、入側の堰板の下に形成される
隙間より高ければ、その高さを低くしてもスカム吸着作
用は低下しない。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は本発明の一実施例を示すタンディッシュの
縦断側面図である。
する。図2は本発明の一実施例を示すタンディッシュの
縦断側面図である。
【0021】本タンディッシュ10は、真空溶解に使用
されるもので、真空誘導炉等と共に真空容器内に設置さ
れている。
されるもので、真空誘導炉等と共に真空容器内に設置さ
れている。
【0022】タンディッシュ本体11は、真空誘導炉で
生成された溶鋼20が一端側より注入され、他端側に設
けたノズル12からその溶鋼20を鋳型に注入する構成
になっている。この構成により、タンディッシュ本体1
1内に注入された溶鋼20は、タンディッシュ本体11
内を一端側から他端側へ流動する。
生成された溶鋼20が一端側より注入され、他端側に設
けたノズル12からその溶鋼20を鋳型に注入する構成
になっている。この構成により、タンディッシュ本体1
1内に注入された溶鋼20は、タンディッシュ本体11
内を一端側から他端側へ流動する。
【0023】タンディッシュ本体11の内部には、その
内部における溶鋼20の流動方向に間隔gをあけて一対
の堰板13,14が設置されている。
内部における溶鋼20の流動方向に間隔gをあけて一対
の堰板13,14が設置されている。
【0024】入側の堰板13は、タンディッシュ本体1
1の底面上にその底面との間に隙間15をあけて垂直に
設けられ、その高さは、堰板13の上端が鋳込み定常期
における溶鋼20の表面レベルより上方に位置するよう
に設定されている。
1の底面上にその底面との間に隙間15をあけて垂直に
設けられ、その高さは、堰板13の上端が鋳込み定常期
における溶鋼20の表面レベルより上方に位置するよう
に設定されている。
【0025】出側の堰板14は、タンディッシュ本体1
1の底面から垂直に直接立ち上がり、その高さhは、入
側の堰板13の下方に形成される隙間15の高さsより
高く、且つ、鋳込み定常期における溶鋼20の表面レベ
ルより充分に低く設定されている。
1の底面から垂直に直接立ち上がり、その高さhは、入
側の堰板13の下方に形成される隙間15の高さsより
高く、且つ、鋳込み定常期における溶鋼20の表面レベ
ルより充分に低く設定されている。
【0026】そして、堰板13,14は、基板であるセ
ラミックスボード13a,14aの入側表面に、セラミ
ックフォーム13b,14bを所定の厚みに被覆した2
層構造になっている。
ラミックスボード13a,14aの入側表面に、セラミ
ックフォーム13b,14bを所定の厚みに被覆した2
層構造になっている。
【0027】本タンディッシュ10において鋳込みが開
始されると、図3(A)に示すように、タンディッシュ
本体11内に注入された溶鋼20が、入側の堰板13の
下をくぐり抜けて出側の堰板14の表面に衝突する。こ
の衝突による乱流により、溶鋼20からスカムが吐き出
され、そのスカムが堰板14の表層に設けられたセラミ
ックフォーム14bに吸着される。
始されると、図3(A)に示すように、タンディッシュ
本体11内に注入された溶鋼20が、入側の堰板13の
下をくぐり抜けて出側の堰板14の表面に衝突する。こ
の衝突による乱流により、溶鋼20からスカムが吐き出
され、そのスカムが堰板14の表層に設けられたセラミ
ックフォーム14bに吸着される。
【0028】鋳込み定常期においては、図2に示すよう
に、タンディッシュ本体11内に注入された溶鋼20
が、入側の堰板13の表面に当たり、下方の隙間15に
向かって堰板13の表面に沿った下降流を生じる。ここ
で堰板13は表層がセラミックフォーム13bからな
り、その表面の抵抗が大きい。そのため、セラミックフ
ォーム13bの表面に沿って下降する溶鋼20は複雑な
渦を生じ、スカムを吐き出す。溶鋼20から吐き出され
たスカムは、セラミックフォーム13bの表面に吸着さ
れる。このようにしてスカムを除去された溶鋼20は、
堰板13の下の隙間15を通って堰板13の出側に流入
し、ノズル12から鋳型に注入される。
に、タンディッシュ本体11内に注入された溶鋼20
が、入側の堰板13の表面に当たり、下方の隙間15に
向かって堰板13の表面に沿った下降流を生じる。ここ
で堰板13は表層がセラミックフォーム13bからな
り、その表面の抵抗が大きい。そのため、セラミックフ
ォーム13bの表面に沿って下降する溶鋼20は複雑な
渦を生じ、スカムを吐き出す。溶鋼20から吐き出され
たスカムは、セラミックフォーム13bの表面に吸着さ
れる。このようにしてスカムを除去された溶鋼20は、
堰板13の下の隙間15を通って堰板13の出側に流入
し、ノズル12から鋳型に注入される。
【0029】堰板13,14におけるセラミックフォー
ム13b,14bは、溶鋼20の透過を意図していない
ので、メタル詰まりを特に考慮する必要がない。従っ
て、溶鋼温度を特に高くする必要がない。
ム13b,14bは、溶鋼20の透過を意図していない
ので、メタル詰まりを特に考慮する必要がない。従っ
て、溶鋼温度を特に高くする必要がない。
【0030】鋳込み停止期においては、図3(B)に示
すように、出側の堰板14の入側に溶鋼20が残るが、
その堰板14の高さが低いために、残鋼量は僅かとな
る。
すように、出側の堰板14の入側に溶鋼20が残るが、
その堰板14の高さが低いために、残鋼量は僅かとな
る。
【0031】入側の堰板13の下方に形成される隙間1
5の高さsは、溶鋼20をスムーズに通過させるために
5mm以上が望ましい。また、出側の堰板14の高さh
を低くするために、20mm以下が望ましい。
5の高さsは、溶鋼20をスムーズに通過させるために
5mm以上が望ましい。また、出側の堰板14の高さh
を低くするために、20mm以下が望ましい。
【0032】入側の堰板13と出側の堰板14の間隔g
は、溶鋼20をスムーズに流すために5mm以上が望ま
しい。また、出側の堰板14の負担を軽減するために、
30mm以下が望ましい。
は、溶鋼20をスムーズに流すために5mm以上が望ま
しい。また、出側の堰板14の負担を軽減するために、
30mm以下が望ましい。
【0033】出側の堰板14の高さhは、スカム流出防
止のために、隙間15の高さsより大きくし、その高さ
sと前記間隔gの和(s+g)以上が望ましい。また、
鋳込み停止時の残鋼スクラップ低減のために50mm以
下が望ましい。
止のために、隙間15の高さsより大きくし、その高さ
sと前記間隔gの和(s+g)以上が望ましい。また、
鋳込み停止時の残鋼スクラップ低減のために50mm以
下が望ましい。
【0034】他に考慮すべき寸法としては、入側の堰板
13の入側表面に被覆されたセラミックフォーム13b
の表面積がある。この表面積は、鋳込み定常期における
溶鋼20の表面より下方に、鋳込み量1トン当たり10
0cm2 以上確保されることが望まれる。例えば、堰板
13の幅が16cmの場合、その下端から溶鋼20の表
面までの高さを19cmとすれば、堰板13の湯面下の
表面積は494cm2となり、その入側表面全体にセラ
ミックフォームが配されているとすれば、3トンの溶鋼
20を鋳込むと、鋳込み量1トン当たりの前記表面積は
165cm2 となり、入側表面のほぼ2/3以上の範囲
にセラミックフォームが配されていれば、前記表面積は
100cm2 以上となる。
13の入側表面に被覆されたセラミックフォーム13b
の表面積がある。この表面積は、鋳込み定常期における
溶鋼20の表面より下方に、鋳込み量1トン当たり10
0cm2 以上確保されることが望まれる。例えば、堰板
13の幅が16cmの場合、その下端から溶鋼20の表
面までの高さを19cmとすれば、堰板13の湯面下の
表面積は494cm2となり、その入側表面全体にセラ
ミックフォームが配されているとすれば、3トンの溶鋼
20を鋳込むと、鋳込み量1トン当たりの前記表面積は
165cm2 となり、入側表面のほぼ2/3以上の範囲
にセラミックフォームが配されていれば、前記表面積は
100cm2 以上となる。
【0035】セラミックフォーム13b,14bの厚み
dは、セラミックフォーム中に溶鋼20を取り込んでそ
の流れを阻止するために5mm以上が望ましい。厚みd
の上限については何ら制限がなく、堰板13,14の全
体をセラミックフォーム製としてもよい(図5(B)参
照)。また、入側表面と合わせて出側表面にセラミック
フォームを設けたサンドイッチ構造を採用してもよい
(図5(A)参照)。
dは、セラミックフォーム中に溶鋼20を取り込んでそ
の流れを阻止するために5mm以上が望ましい。厚みd
の上限については何ら制限がなく、堰板13,14の全
体をセラミックフォーム製としてもよい(図5(B)参
照)。また、入側表面と合わせて出側表面にセラミック
フォームを設けたサンドイッチ構造を採用してもよい
(図5(A)参照)。
【0036】セラミックフォームの材質としては、溶鋼
に浸漬された状態でも侵食されない耐火物であればよ
く、例えばAl2 O3 ,ZrO2 ,MgOを主成分とす
るものが挙げられる。
に浸漬された状態でも侵食されない耐火物であればよ
く、例えばAl2 O3 ,ZrO2 ,MgOを主成分とす
るものが挙げられる。
【0037】セラミックフォームにおける空孔の直径
(孔径)は、pores per inchで表わして5〜30ppi が
望ましい。5ppi 未満では孔径が大きくなりすぎて、セ
ラミックフォームの強度が低下する。30ppi 超では、
孔径が小さくなりすぎ、堰板表面が平滑になって溶鋼に
渦を発生させることが困難になると共に、溶鋼の浸透が
不足して、スカム除去効果が低下する。
(孔径)は、pores per inchで表わして5〜30ppi が
望ましい。5ppi 未満では孔径が大きくなりすぎて、セ
ラミックフォームの強度が低下する。30ppi 超では、
孔径が小さくなりすぎ、堰板表面が平滑になって溶鋼に
渦を発生させることが困難になると共に、溶鋼の浸透が
不足して、スカム除去効果が低下する。
【0038】次に、本タンディッシュの使用結果を説明
する。
する。
【0039】500kg真空誘導炉にてSUS304鋼
を溶製し、本発明の効果を明確にするため、アルミナ微
粉末からなる異物を100g添加した。この溶鋼を本タ
ンディッシュを用いて上注ぎにて鋳込んだ。タンディッ
シュ本体の深さは120mm、内幅は100mm、鋳込
み定常期の湯面レベルは100mmであった。また、一
対の堰板は孔径を種々調整したセラミックフォーム板
(材質;90%Al2 O3 −10%ZrO2 ,厚み;2
0mm)からなり、その設置条件を種々変更した。セラ
ミックフォーム板の孔径および設置条件を表1に示す。
を溶製し、本発明の効果を明確にするため、アルミナ微
粉末からなる異物を100g添加した。この溶鋼を本タ
ンディッシュを用いて上注ぎにて鋳込んだ。タンディッ
シュ本体の深さは120mm、内幅は100mm、鋳込
み定常期の湯面レベルは100mmであった。また、一
対の堰板は孔径を種々調整したセラミックフォーム板
(材質;90%Al2 O3 −10%ZrO2 ,厚み;2
0mm)からなり、その設置条件を種々変更した。セラ
ミックフォーム板の孔径および設置条件を表1に示す。
【0040】製造された鋳塊を図4に示す外径200m
mの円柱棒体に鍛造し、鋳型内の底部(B)、中央部
(M)、上部(T)にそれぞれ相当する長手方向3位置
から、清浄度判定用および酸素分析用の各試料を採取し
た。試料を分析した結果を表2に示す。清浄度はJIS
G0555により評価し、B系とC系の合計量を×1
0-3%で表わした。また酸素はppm にて表わした。
mの円柱棒体に鍛造し、鋳型内の底部(B)、中央部
(M)、上部(T)にそれぞれ相当する長手方向3位置
から、清浄度判定用および酸素分析用の各試料を採取し
た。試料を分析した結果を表2に示す。清浄度はJIS
G0555により評価し、B系とC系の合計量を×1
0-3%で表わした。また酸素はppm にて表わした。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】No. 9は堰を設けなかった比較例、No. 8
はセラミックボードからなる2重堰を設けた比較例であ
る。本発明が対象とする真空誘導炉用タンディッシュで
はパウダーを使用しないので、セラミックスボードから
なる2重堰は、スカムの除去に効果がない。また、No.
7はセラミックフォームからなる堰を使用したが、入側
のみの1重堰のため、鋳込み初期および末期に鋳込まれ
たB,Tの純度が低い。
はセラミックボードからなる2重堰を設けた比較例であ
る。本発明が対象とする真空誘導炉用タンディッシュで
はパウダーを使用しないので、セラミックスボードから
なる2重堰は、スカムの除去に効果がない。また、No.
7はセラミックフォームからなる堰を使用したが、入側
のみの1重堰のため、鋳込み初期および末期に鋳込まれ
たB,Tの純度が低い。
【0044】これらに対し、No. 1〜6はセラミックフ
ォームからなる2重堰を用いた本発明例である。これら
は鋳込み初期、定常期、末期のいずれにおいても比較例
8,9より高いスカム除去効果を示す。
ォームからなる2重堰を用いた本発明例である。これら
は鋳込み初期、定常期、末期のいずれにおいても比較例
8,9より高いスカム除去効果を示す。
【0045】但し、No. 4はセラミックフォームの孔径
が小さいため、スカム除去効果がやや劣る。No. 5は入
側の堰板の下方に形成される隙間の高さsが大きいため
に、湯面下の堰板表面積が減少し、鋳込み定常期以降の
スカム吸着効果が低下する。また、隙間の高さsの増大
に伴って出側の堰板の高さhが大きくなったため、鋳込
み停止期の残鋼量が増大する。No. 6は入側の堰板と出
側の堰板の間隔gが大きいため、スカム除去効果が若干
劣る。
が小さいため、スカム除去効果がやや劣る。No. 5は入
側の堰板の下方に形成される隙間の高さsが大きいため
に、湯面下の堰板表面積が減少し、鋳込み定常期以降の
スカム吸着効果が低下する。また、隙間の高さsの増大
に伴って出側の堰板の高さhが大きくなったため、鋳込
み停止期の残鋼量が増大する。No. 6は入側の堰板と出
側の堰板の間隔gが大きいため、スカム除去効果が若干
劣る。
【0046】なお、上記実施例は一対の堰板を一組設け
た構成としたが、図5(A)に示すように、その一対の
堰板13,14を2組以上設けてもよい。また、図5
(B)に示すように、一対の堰板13,14の出側に入
側の堰板13や出側の堰板14のみを1または複数設け
てもよい。
た構成としたが、図5(A)に示すように、その一対の
堰板13,14を2組以上設けてもよい。また、図5
(B)に示すように、一対の堰板13,14の出側に入
側の堰板13や出側の堰板14のみを1または複数設け
てもよい。
【0047】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明の真空誘導
炉用タンディッシュは、堰板の少なくとも入側表面にセ
ラミックフォームを配した2重堰を用いることにより、
鋳込み定常期のみならず鋳込み初期においてもスカムを
効果的に除去できる。また、そのスカム除去効果を維持
しつつ鋳込み停止期の残鋼量を低減できる。更に、その
2重堰はタンディッシュ本体内に設置され、タンディッ
シュの外形を大きくしないので、内容積が限られた真空
容器を使用する真空溶解に特に適したスカム除去手段と
言える。
炉用タンディッシュは、堰板の少なくとも入側表面にセ
ラミックフォームを配した2重堰を用いることにより、
鋳込み定常期のみならず鋳込み初期においてもスカムを
効果的に除去できる。また、そのスカム除去効果を維持
しつつ鋳込み停止期の残鋼量を低減できる。更に、その
2重堰はタンディッシュ本体内に設置され、タンディッ
シュの外形を大きくしないので、内容積が限られた真空
容器を使用する真空溶解に特に適したスカム除去手段と
言える。
【図1】従来のスカム除去対策を講じたタンディッシュ
を示す縦断側面図である。
を示す縦断側面図である。
【図2】本発明タンディッシュの一例を示す縦断側面図
で、鋳込み定常期を示す。
で、鋳込み定常期を示す。
【図3】鋳込み初期および鋳込み停止期を示す縦断側面
図である。
図である。
【図4】試料の採取位置の説明図である。
【図5】本発明タンディッシュの他の例を示す縦断側面
図である。
図である。
10 タンディッシュ 11 タンディッシュ本体 12 ノズル 13 入側の堰板 14 出側の堰板 13b,14b セラミックフォーム
Claims (1)
- 【請求項1】 真空誘導炉で生成された溶鋼が注入さ
れ、その溶鋼を鋳型に注入するタンディッシュ本体と、 タンディッシュ本体内の溶鋼の流動方向に間隔をあけて
タンディッシュ本体内に設置された一対の堰板とを具備
し、 一対の堰板のうちの、入側の堰板は、タンディッシュ本
体の底面との間に隙間をあけて設けられると共に、上端
がタンディッシュ本体内の溶鋼表面より上に位置し、 出側の堰板は、タンディッシュ本体の底面から立ち上が
ると共に、その上端が、タンディッシュ本体内の溶鋼表
面と入側の堰板の下端との間に位置し、 いずれの堰板も、少なくとも、入側表面の表層部が、セ
ラミックフォームからなることを特徴とする真空誘導炉
用タンディッシュ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20902993A JPH0740012A (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 真空誘導炉用タンディッシュ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20902993A JPH0740012A (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 真空誘導炉用タンディッシュ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0740012A true JPH0740012A (ja) | 1995-02-10 |
Family
ID=16566083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20902993A Pending JPH0740012A (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 真空誘導炉用タンディッシュ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0740012A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008093674A (ja) * | 2006-10-10 | 2008-04-24 | Jfe Steel Kk | 鋼の連続鋳造方法 |
CN107190152A (zh) * | 2017-05-23 | 2017-09-22 | 重庆大学 | 一种金属熔体的分层静置净化装置 |
CN112692270A (zh) * | 2020-11-25 | 2021-04-23 | 鞍钢集团北京研究院有限公司 | 中间包装置 |
CN112839753A (zh) * | 2018-10-16 | 2021-05-25 | 日本制铁株式会社 | 浮渣吸附构件、双辊式连续铸造装置及铸坯的制造方法 |
-
1993
- 1993-07-30 JP JP20902993A patent/JPH0740012A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008093674A (ja) * | 2006-10-10 | 2008-04-24 | Jfe Steel Kk | 鋼の連続鋳造方法 |
CN107190152A (zh) * | 2017-05-23 | 2017-09-22 | 重庆大学 | 一种金属熔体的分层静置净化装置 |
CN112839753A (zh) * | 2018-10-16 | 2021-05-25 | 日本制铁株式会社 | 浮渣吸附构件、双辊式连续铸造装置及铸坯的制造方法 |
CN112692270A (zh) * | 2020-11-25 | 2021-04-23 | 鞍钢集团北京研究院有限公司 | 中间包装置 |
CN112692270B (zh) * | 2020-11-25 | 2022-06-10 | 鞍钢集团北京研究院有限公司 | 中间包装置 |
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