JP2000117401A - タンディッシュおよび連続鋳造方法 - Google Patents

タンディッシュおよび連続鋳造方法

Info

Publication number
JP2000117401A
JP2000117401A JP10290599A JP29059998A JP2000117401A JP 2000117401 A JP2000117401 A JP 2000117401A JP 10290599 A JP10290599 A JP 10290599A JP 29059998 A JP29059998 A JP 29059998A JP 2000117401 A JP2000117401 A JP 2000117401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten steel
tundish
hot water
water supply
direction control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10290599A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Furuhashi
誠治 古橋
Yoshiki Ito
義起 伊藤
Yoshihisa Shirai
善久 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP10290599A priority Critical patent/JP2000117401A/ja
Publication of JP2000117401A publication Critical patent/JP2000117401A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)
  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】大型の非金属介在物はもとより、微小な非金属
介在物も少なく、清浄性に優れた鋳片を得ることが可能
なタンディッシュおよびそのタンディッシュを用いる鋼
の連続鋳造方法の提供。 【解決手段】溶鋼の受湯部1aと鋳型への給湯部1bで
構成されたタンディッシュ内の受湯部に給湯部とは反対
方向に下り勾配の傾斜を持つ耐火物製の溶鋼流動方向制
御台5を備える。溶鋼流動方向制御台には不活性ガス吹
き込み孔9を備えてもよく、このとき、受湯部と鋳型へ
の給湯部が、受湯部および給湯部に開口し外周部に電磁
誘導加熱装置を備える少なくとも1つの通路で接続され
ていることが好ましい。これらのタンデイッシュを用い
る鋼の連続鋳造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非金属介在物が少
なく清浄性に優れた鋳片を得ることが可能なタンディッ
シュおよびそのタンディッシュを用いる鋼の連続鋳造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造では、取鍋内の溶鋼は、い
ったんタンディッシュに注入された後に、浸漬ノズルを
介して鋳型内に鋳込まれる。このタンディッシュ内で鋼
の清浄性を高めるために、溶鋼中の酸化物をさまざまな
方法で除去することが行われている。とくに近年は、鋼
材の性能向上に対する要望が強まっており、微小な酸化
物まで除去することが要求されている。
【0003】CAMP ISIJ Vol.8(199
5)、P.277には、鋳片内の非金属介在物の低減方
法として、タンディッシュ内に複数の孔を開けた耐火物
の堰を設け、これらの孔に溶鋼を通し、孔の内面に溶鋼
中の酸化物を吸着させる方法が提案されている。しか
し、この方法では、孔の径が酸化物の付着により次第に
小さくなり、連続鋳造作業が困難となることがある。
【0004】特開平5−77002号公報には、タンデ
ィッシュ内の溶鋼を電磁力により回転させ、比重の軽い
酸化物を回転する溶鋼の中心部に集積させることによ
り、酸化物を浮上分離させる方法が提案されている。こ
の方法では、回転する溶鋼から清浄性の高い溶鋼のみを
分離して鋳型内に注入することが難しいこと、さらに設
備が複雑で設備費が増大するという問題がある。
【0005】特開平7−316627号公報では、取鍋
からタンディシュへの注入流とタンディッシュ底部から
吹き込まれた不活性ガスの気泡によるリフティング作用
によって上昇流となった溶鋼の流れを衝突させる方法が
提案されている。この衝突により、溶鋼の乱流場が形成
され、微小な酸化物が凝集、肥大し、肥大化した酸化物
が浮上して溶鋼から除去される。この方法では、微小な
酸化物が凝集し肥大する時間が、お互いの溶鋼の流れが
衝突するわずかな時間であり、十分な凝集および肥大が
起こらない場合がある。一方、吹き込まれたガスの気泡
は、界面張力および温度の影響により肥大する傾向があ
る。肥大した気泡では、残存する微小な酸化物を効率的
に捕捉できない。
【0006】特開昭58−58965号公報では、タン
ディッシュ底部からガス吹き込みを行い、かつ、このガ
ス吹き込み部近傍の溶鋼を電磁撹拌装置により撹拌し、
この溶鋼の剪断力を利用し気泡の微細化を図る方法が提
案されている。この方法では、気泡は微細化されるが、
電磁撹拌される範囲でしか溶鋼が撹拌されず、溶鋼の撹
拌が不十分であり、溶鋼中の酸化物が肥大し難い。微細
な気泡だけでは、微小な酸化物などを浮上させ除去する
ことは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大型の非金
属介在物はもとより、微小な非金属介在物も少なく、清
浄性に優れた鋳片を得ることが可能なタンディッシュお
よびそのタンディッシュを用いた鋼の連続鋳造方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、図1お
よび図2に例示するような装置構成を持つ下記(1)、
(2)、(3)および(4)に示すタンディッシュ、さ
らに下記(5)に示す連続鋳造方法にある。
【0009】(1)溶鋼の受湯部1aと溶鋼の鋳型への
給湯部1bで構成されたタンディッシュ内の受湯部1a
に、給湯部1bとは反対方向に20〜60度の下り勾配
の傾斜を持つ耐火物製の溶鋼流動方向制御台5を備える
タンディッシュ。
【0010】(2)溶鋼流動方向制御台5に不活性ガス
吹き込み孔を備える上記(1)に記載のタンディッシ
ュ。
【0011】(3)受湯部1aと給湯部1bが、受湯部
1aおよび給湯部1bに開口し外周部に電磁誘導加熱装
置11を備える少なくとも1つの溶鋼の通路12で接続
されている上記(2)に記載のタンディッシュ。
【0012】(4)底部側に溶鋼の通流部が形成された
耐火物製の堰7を給湯部1bに備える上記(1)、
(2)または(3)に記載のタンディッシュ。
【0013】(5)溶鋼流動方向制御台部11に溶鋼を
供給し、給湯部1bから鋳型に溶鋼を注入する上記
(1)、(2)、(3)または(4)のいずれかに記載
のタンディッシュを用いる鋼の連続鋳造方法。
【0014】タンディッシュおよびそれを用いた鋼の連
続鋳造方法を以下に説明する。なお、本発明では、対象
とする溶鋼中の微小な酸化物とは、径が50μm程度以
下の酸化物を意味する。
【0015】本発明のタンディッシュでは、取鍋からの
溶鋼の注入流の直下に、鋳型への給湯部とは反対方向に
下り勾配の傾斜を持つ耐火物製の溶鋼流動方向制御台を
備えている。
【0016】タンディッシュ内に注入された溶鋼は、こ
の溶鋼流動方向制御台を流れ落ち、タンデイッシュの底
部および端部に衝突して、タンディッシュの上部に向か
って流れる。湯だまりの表面近傍に達した溶鋼の流れ
は、反転して給湯部に向かう流れとなる。給湯部に向か
う流れは、溶鋼流動方向制御台に流れを遮られるため、
タンディッシュ側壁とこの溶鋼流動方向制御台の間を抜
けながら、タンディッシュの底部に潜り込む流れとな
る。
【0017】溶鋼がタンデイッシュの底部および端部に
衝突して、溶鋼の流れが上昇流となる部分で、溶鋼は激
しく撹拌される。また、反転して給湯部に向かう溶鋼
は、取鍋からの注入流と衝突することになる。このよう
に溶鋼が激しく撹拌されたり衝突する場所では、溶鋼中
の微小な酸化物は凝集、肥大化しやすい。肥大化した酸
化物は浮上しやすくなり、給湯部に到達する過程または
給湯部に達した後に、溶鋼系外に除去される。
【0018】溶鋼流動方向制御台の傾斜部には、溶鋼の
注入位置の下方に不活性ガス吹き込み孔を設け、その孔
から、Arなどの不活性ガスを吹き込んでもよい。吹き
込まれた気泡は、取鍋から注入された溶鋼の流れにより
砕かれ、微細化される。この微細化された気泡は、溶鋼
とともに撹拌される間に、溶鋼中の大型の酸化物はもと
より、微小な酸化物を捕捉する。これらの酸化物を捕捉
した微細な気泡は、溶鋼とともに給湯部に達する過程ま
たは給湯部に達した後、浮上するので、酸化物は溶鋼系
外に効果的に除去される。
【0019】ところで、受湯部において溶鋼が強く撹拌
されるような本発明のタンディッシュの場合には、溶鋼
の温度が低下する場合があり、このとき、電磁誘導加熱
装置により、溶鋼の温度を適切な温度に加熱することが
好ましい。
【0020】また、電磁誘導加熱装置には、下記に示す
作用があるので、本発明の方法では、この電磁誘導加熱
装置の作用を利用する。すなわち、不活性ガスの吹き込
み孔は、外周部に電磁誘導加熱装置を備えた少なくとも
1つの通路で、溶鋼の受湯部と鋳型への給湯部が接続さ
れた構成のタンディッシュの溶鋼流動方向制御台に設け
るのが有効である。
【0021】上述の場合には、吹き込まれた不活性ガス
の気泡は、溶鋼とともにこの通路を通過する際、電磁誘
導加熱装置を作用させたときに発生する電磁ピンチ力に
より、溶鋼中の酸化物とともに通路の内壁に集まる傾向
がある。通路の内壁に集まった気泡は、内壁に気泡の膜
を形成する。一方、溶鋼中の酸化物は、内壁に生成した
気泡の膜に保護されて通路内を通過するので、酸化物が
通路の内壁に付着しにくく、通路が詰まりにくい。
【0022】タンディッシュの底部側に溶鋼の通流部が
形成された耐火物製の堰を給湯部に備えてもよい。ここ
で、給湯部に備えるとは、溶鋼流動方向制御台と鋳型へ
の注入ノズルの間の給湯部に備えることを意味する。す
なわち、給湯部で微小な酸化物などを捕捉した微細な気
泡が、十分にタンディッシュ内で浮上しない場合があ
る。この堰により溶鋼の流れをタンディッシュの底部に
潜りこませることにより、再度、給湯部で溶鋼の上昇流
を形成させることができる。そのため、溶鋼中の酸化物
が気泡とともに浮上しやすくなり、より効果的に酸化物
を除去できる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明のタン
ディッシュの構造例および本発明の連続鋳造方法を説明
するための模式図である。図1(a)は、図1(b)に
おけるB−B’断面を示す縦断面図である。また、図1
(b)は、図1(a)おけるA−A’断面を示す平面図
である。図2は、少なくとも1つの通路で、溶鋼の受湯
部と鋳型への給湯部が接続された構成のタンディッシュ
の例の断面図である。
【0024】取鍋からの注入流の直下のタンディッシュ
底部に、受湯部1aの幅より狭く、鋳型への給湯部1b
とは反対方向に下り勾配の傾斜を持つ耐火物製の溶鋼流
動方向制御台5を備える。この溶鋼流動方向制御台は、
タンディッシュの上部では幅が狭く、タンディッシュの
底部に近付くにつれて幅が広くなるようにするのがよ
い。溶鋼流動方向制御台の上部の幅を狭くするのは、給
湯部方向へ溶鋼が流れやすくするためである。
【0025】溶鋼流動方向制御台の下り勾配の角度は、
タンディッシュの底部との狭角で、20〜60度の範囲
が好ましい。20度より小さい場合、溶鋼流動方向制御
台を流れる溶鋼の上下方向の速度が小さいので、上下方
向の撹拌が弱い。また、溶鋼の表面近傍で溶鋼流動方向
制御台に向かう溶鋼の流れの速度も小さい。すなわち、
タンディッシュ内での溶鋼の流れが全体的に緩やかにな
る。そのため、微小な酸化物が衝突して、凝集、肥大化
することが少なくなる。また、60度より大きい場合に
は、取鍋からの注入流と溶鋼流動方向制御台の勾配との
差が小さいので、溶鋼の水平方向の撹拌が弱い。
【0026】溶鋼流動方向制御台の表面形状は、平面
か、やや凹面状とするのが好ましい。溶鋼の流れが、ま
とまって受湯部の端部に向かうようにするためである。
【0027】溶鋼流動方向制御台の耐火物には、高アル
ミナ質、マグネシア質、ジルコニア質などの通常用いら
れる耐火物でよい。
【0028】なお、取鍋からタンディッシュへの注入ノ
ズルは、本発明の効果を得るためには、いわゆるロング
ノズルと称されるもので、タンディッシュ内の溶鋼に浸
漬する型のノズルが好ましい。この場合、ノズルの吐出
孔は、一般的に用いられている下向き1孔のもので構わ
ない。
【0029】溶鋼流動方向制御台に不活性ガス吹き込み
孔を設ける場合には、吹き込み孔は、たとえば多孔質耐
火物でもよく、径が1mm程度の鋼製の細管を複数設け
た耐火物でもよい。不活性ガスには、ArやN2 などを
用いることができる。
【0030】図2に示すような構成で、溶鋼の受湯部1
aと鋳型への給湯部1bが、受湯部および給湯部に開口
した少なくとも1つの通路12で接続されたタンディッ
シュの場合には、通路12は、タンディッシュの底部に
近い位置に設けるのが好ましい。溶鋼が通過する通路内
の孔の横断面形状は、丸形でも四角形でも構わない。孔
の断面積は、鋳造する鋳片の断面サイズ、鋳造速度およ
び設置する通路の個数により選択すればよいが、丸形状
の場合で直径100〜200mm程度の孔が好ましい。
【0031】通路の長さは、1〜2m程度とするのが好
ましい。通路内を通過する溶鋼中の酸化物が凝集するた
めの時間の確保や溶鋼を加熱する場合の加熱時間の確保
のためである。2m以上になると、タンディッシュへの
通路の取り付け施工性が悪くなり、タンディッシュの製
造コストが高くなる。
【0032】通路の耐火物には、高アルミナ質、マグネ
シア質、ジルコニア質などの一般的な耐火物でよい。
【0033】通路の傾きは、水平でもよく、受湯部から
給湯部の方向に向かって、上向きまたは下向きに傾斜さ
せてもよい。上向きの傾斜を設けた場合には、通路から
給湯部に流れ出る溶鋼の方向が上方向となり、溶鋼中の
酸化物がより浮上しやすくなる。また、下向きに傾斜さ
せた場合には、酸化物の浮上効果は水平の場合とほぼ変
わらず、連続鋳造を終了する際に、受湯部にある残溶鋼
が給湯部に流れ出やすくなる。
【0034】通路の給湯部への開口部と鋳型への注入ノ
ズルとの間の距離は、1m程度以上とするのが望まし
い。1m未満の場合に、開口部から流れ出た溶鋼が、注
入ノズルに直接流入する場合がある。このときには、溶
鋼中の酸化物も溶鋼とともに注入ノズルを経て鋳型内に
混入する。
【0035】それぞれの通路の外周部には、電磁誘導加
熱装置を備える。電磁誘導加熱装置と周囲の通路やタン
ディッシュとの設備的な干渉や、タンディッシュの施工
性からは、これら電磁誘導加熱装置の長さは短い方が良
い。一方、溶鋼中の酸化物の凝集や溶鋼の温度の上昇の
確保からは、長さは少なくとも通路の1/3程度が好ま
しい。このとき、電磁誘導加熱装置は、通路の受湯部側
に近い位置に設置することが好ましい。
【0036】なお、受湯部と給湯部が2つの通路で接続
され、これら通路の外周部に鉄芯を備えた誘導加熱方式
の場合には、電磁誘導加熱装置の長さを短くできる。
【0037】給湯部には、タンディッシュの底部側に溶
鋼の通流部が形成された耐火物製の堰7を設けてもよ
い。この堰の高さ方向の長さは、タンディッシュの高さ
の30〜60%程度とするのが好ましい。60%以上で
は、溶鋼の流量の確保が困難となる。また、30%以下
では、溶鋼の流れをタンディッシュの底部に潜りこませ
ることが困難となる。堰の耐火物には、高アルミナ質、
マグネシア質、ジルコニア質などを用いることができ
る。
【0038】図1〜図2では、1ストランドのみの場合
のタンディッシュで説明したが、2ストランドやそれ以
上のストランドを有するタンディッシュにも、本発明の
タンディッシュを適用できる。
【0039】
【実施例】垂直曲げ型連続鋳造機を用いて、横断面形状
が、厚み250mm、幅1200mmの鋳片を2.0m
/分の速度で鋳造した。
【0040】用いたタンディッシュは、図1または図2
に示した構成であり、表1に示す化学組成の極低炭素鋼
を鋳造した。最大7連鋳の鋳造試験を行った。
【0041】
【表1】
【0042】タンディッシュの容量は25tで、内法サ
イズは、幅1000mm、高さ1500mm、長さ30
00mmである。
【0043】タンディッシュ内に設置する溶鋼流動方向
制御台の形状は、高さがタンディッシュの内法高さと同
一で、傾斜角度を45度とした。なお、溶鋼流動方向制
御台の勾配が15度および70度の場合についても比較
例として試験した。溶鋼流動方向制御台は、幅が最上端
で400mm、最下端で800mmで、タンディッシュ
の幅方向の中央部に配置した。
【0044】溶鋼流動方向制御台に、直径100mmの
多孔質耐火物の不活性ガス吹き込み孔を設けた。ガスを
吹き込む試験では、Arガスを常温で0.5リットル/
秒の流量で吹き込んだ。
【0045】図2に示した装置構成のタンディッシュの
場合には、長さが1500mm、内径が150mmの孔
を有する円筒状の通路を2本設け、その通路の外側に
は、出力1MWの電磁誘導加熱装置を設置した。
【0046】給湯部に堰を設ける場合には、全幅で、上
端からタンディッシュの高さの50%の範囲で堰を設け
た。
【0047】得られた鋳片を素材として、厚さ0.7m
mの熱間圧延鋼帯に圧延し、コイル状に巻き取り、この
コイルの表面欠陥発生率を調査した。ここで、表面欠陥
発生率は、欠陥が発生したコイルの重量(ton)を、
検査した全てのコイルの重量(ton)で除した値であ
る。
【0048】一部の試験では、鋳片の表層10mmを除
いた位置から10kgの鋼を採取し、電解法(スライム
抽出法)により非金属介在物の粒径の分布を調査した。
【0049】また、受湯部の溶鋼および鋳型への給湯部
の溶鋼をボンブ法により直径30mm、長さ100mm
採取し、得られたサンプルを全酸素量の調査に供した。
【0050】表2に、試験条件と試験結果を示す。
【0051】
【表2】
【0052】本発明例の試験No.1〜No.3では、
図1に示したタンディッシュを用いた。試験No.2は
Arガスを吹き込んだ例、本発明例の試験No.3はA
rガスを吹き込み、かつ鋳型への給湯部に堰を設けた例
である。本発明例の試験No.4では、図2に示した構
成のタンディッシュを用い、電磁誘導加熱を行った。
【0053】本発明例のいずれの試験結果も、タンディ
ッシュの受湯部の溶鋼の全酸素量が38〜41ppm
で、給湯部では、6〜10ppmに低下した。この結果
から、溶鋼の清浄度が向上し良好なことが裏付けられ
た。とくに、試験No.4の全酸素量の低減が著しかっ
た。また、得られた鋳片を素材として、厚さ0.7mm
に熱間圧延したコイルの表面欠陥発生率は、0.10〜
0.15%と低く、良好な結果であった。
【0054】比較例の試験No.5では、溶鋼流動方向
制御台、堰7、電磁誘導加熱のない従来のタンディッシ
ュを用いて試験した。比較例の試験No.6では、試験
No.5に用いたタンディッシュに、さらに取鍋からの
溶鋼の注入流の直下のタンディッシュの底部に、直径1
00mmの多孔質耐火物の不活性ガス吹き込み孔を設
け、Arガスを0.5リットル/秒の流量で吹き込ん
だ。
【0055】比較例の試験No.7およびNo.8で
は、図1に示したタンディッシュを用いた。ただし、溶
鋼流動方向制御台の勾配を、試験No.7は15度と
し、No.8は70度とした。いずれもArガスを吹き
込んだ。
【0056】比較例のいずれの試験結果も、溶鋼の全酸
素量が、タンディッシュの受湯部では38〜42pp
m、給湯部では20〜30ppm程度で十分に低下して
おらず、清浄度の向上は期待できない結果であった。ま
た、得られた鋳片を厚さ0.7mmに熱間圧延したコイ
ルの表面欠陥発生率は、0.30〜0.50%と高く、
本発明例に比べると不良であった。
【0057】図3は、本発明例の試験No.1およびN
o.4、比較例の試験No.5およびNo.7につい
て、鋳片における非金属介在物の粒径分布の調査結果を
示す図である。
【0058】試験No.1およびNo.4では、大型の
非金属介在物はもとより、50μm程度の微小な非金属
介在物までも十分に除去されていることが分かる。一
方、試験No.5およびNo.7では、とくに微小な非
金属介在物の除去が不十分である。
【0059】以上の結果から、本発明のタンディッシュ
を用いた本発明の連続鋳造方法が、溶鋼中の微小な酸化
物の除去に対して効果的であることが明らかである。
【0060】
【発明の効果】本発明のタンディッシュおよび本発明の
連続鋳造方法の適用により、大型の非金属介在物はもと
より、微小な非金属介在物も少なく、清浄性に優れた鋳
片を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタンディッシュおよびそのタンディッ
シュを用いる連続鋳造方法の例を説明するための模式図
である。
【図2】本発明のタンディッシュおよびそのタンディッ
シュを用いる連続鋳造方法の他の例を説明するための模
式図である。
【図3】鋳片中の非金属介在物の粒径分布を示す図であ
る。
【符号の説明】
1:タンディッシュ 1a:受湯部 1b:給湯部 2:取鍋 3:鋳型 4:取鍋からの注入ノズ
ル 5:溶鋼流動方向制御台 6:鋳型への注入ノズル 7:堰 8:不活性ガス供給装置 9:不活性ガス吹き込み孔 10:気泡と捕捉された酸
化物 11:電磁誘導加熱装置 12:通路 13:溶鋼の流れ
フロントページの続き (72)発明者 白井 善久 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号住 友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4E014 LA00 LA10 LA18 NA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶鋼の受湯部と溶鋼の鋳型への給湯部で構
    成されたタンディッシュ内の受湯部に、給湯部とは反対
    方向に20〜60度の下り勾配の傾斜を持つ耐火物製の
    溶鋼流動方向制御台を備えることを特徴とするタンディ
    ッシュ。
  2. 【請求項2】溶鋼流動方向制御台に不活性ガス吹き込み
    孔を備えることを特徴とする請求項1に記載のタンディ
    ッシュ。
  3. 【請求項3】受湯部と給湯部が、受湯部および給湯部に
    開口し外周部に電磁誘導加熱装置を備える少なくとも1
    つの溶鋼の通路で接続されていることを特徴とする請求
    項2に記載のタンディッシュ。
  4. 【請求項4】底部側に溶鋼の通流部が形成された耐火物
    製の堰を給湯部に備えることを特徴とする請求項1、請
    求項2または請求項3に記載のタンディッシュ。
  5. 【請求項5】溶鋼流動方向制御台部に溶鋼を供給し、給
    湯部から鋳型に溶鋼を注入することを特徴とする請求項
    1、請求項2、請求項3または請求項4のいずれかに記
    載のタンディッシュを用いる鋼の連続鋳造方法。
JP10290599A 1998-10-13 1998-10-13 タンディッシュおよび連続鋳造方法 Pending JP2000117401A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10290599A JP2000117401A (ja) 1998-10-13 1998-10-13 タンディッシュおよび連続鋳造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10290599A JP2000117401A (ja) 1998-10-13 1998-10-13 タンディッシュおよび連続鋳造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000117401A true JP2000117401A (ja) 2000-04-25

Family

ID=17758100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10290599A Pending JP2000117401A (ja) 1998-10-13 1998-10-13 タンディッシュおよび連続鋳造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000117401A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020051483A (ko) * 2000-12-22 2002-06-29 이구택 연속주조용 턴디쉬
JP2008254028A (ja) * 2007-04-05 2008-10-23 Nippon Steel Corp 連続鋳造用のタンディッシュ
JP2012152795A (ja) * 2011-01-27 2012-08-16 Nisshin Steel Co Ltd 単ストランド連鋳機用タンディッシュ堰
CN104028737A (zh) * 2014-06-04 2014-09-10 东北大学 一种用于通道式感应加热中间包的新型通道
CN104249148A (zh) * 2013-06-28 2014-12-31 宝山钢铁股份有限公司 一种通道式中间包及压差式预热方法
WO2016096596A1 (de) * 2014-12-18 2016-06-23 Voestalpine Stahl Gmbh VERTEILER FÜR STRANGGIEßANLAGEN

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020051483A (ko) * 2000-12-22 2002-06-29 이구택 연속주조용 턴디쉬
JP2008254028A (ja) * 2007-04-05 2008-10-23 Nippon Steel Corp 連続鋳造用のタンディッシュ
JP2012152795A (ja) * 2011-01-27 2012-08-16 Nisshin Steel Co Ltd 単ストランド連鋳機用タンディッシュ堰
CN104249148A (zh) * 2013-06-28 2014-12-31 宝山钢铁股份有限公司 一种通道式中间包及压差式预热方法
CN104028737A (zh) * 2014-06-04 2014-09-10 东北大学 一种用于通道式感应加热中间包的新型通道
WO2016096596A1 (de) * 2014-12-18 2016-06-23 Voestalpine Stahl Gmbh VERTEILER FÜR STRANGGIEßANLAGEN
KR20170116015A (ko) * 2014-12-18 2017-10-18 뵈스트알파인 스탈 게엠베하 연속 주조 설비용 턴디시
JP2018500176A (ja) * 2014-12-18 2018-01-11 フォエスタルピネ シュタール ゲーエムベーハー 連続鋳造プラント用タンディッシュ
KR102001547B1 (ko) * 2014-12-18 2019-07-18 뵈스트알파인 스탈 게엠베하 연속 주조 설비용 턴디시
US10632527B2 (en) 2014-12-18 2020-04-28 voestalpine Stalh GmbH Tundish for a continuous casting plant

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5807719B2 (ja) 高清浄度鋼鋳片の製造方法及びタンディッシュ
JP4419934B2 (ja) 溶融金属の連続鋳造方法
JP4271551B2 (ja) タンディッシュによる高清浄度鋼の連続鋳造装置
JP4714539B2 (ja) 連続鋳造用タンディッシュ
JP4556804B2 (ja) 溶融金属の注入管および注入方法
JP2000117401A (ja) タンディッシュおよび連続鋳造方法
JPWO2007049824A1 (ja) 極低炭素鋳片の製造方法
JP5082700B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP3876543B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JPH09295109A (ja) 清浄溶湯の連続鋳造法
JP3264238B2 (ja) 清浄鋼の鋳込み用タンディッシュ
JP2001286992A (ja) タンディッシュおよび連続鋳造方法
JP2001113347A (ja) 給湯装置および鋼の連続鋳造方法
JP4264291B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP3525894B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP6451466B2 (ja) 溶融金属中の非金属介在物の捕捉装置および除去方法
JP4319072B2 (ja) 介在物浮上性に優れるタンディシュ
JP2000033463A (ja) 溶融金属用タンデイッシュおよび連続鋳造方法
JP2000301296A (ja) 鋼の連続鋳造方法およびタンディッシュ
JP2013035001A (ja) 連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法
JPH08224659A (ja) 溶湯とスラグの分離方法
JP7200811B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JPH0740012A (ja) 真空誘導炉用タンディッシュ
JP2010227944A (ja) 鋼鋳片の連続鋳造方法
JP2010269327A (ja) 連続鋳造用タンディッシュ及び連続鋳造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080325

A02 Decision of refusal

Effective date: 20080722

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02