JP5510061B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

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本発明は、電磁ブレーキ装置によって浸漬ノズルから吐出された溶鋼に直流磁界を作用させて溶鋼を鋳造する鋼の連続鋳造方法に関する。
鋼の連続鋳造プロセスでは、鋳造された鋳片の品質向上を目的として、浸漬ノズルから鋳型内に吐出される溶鋼に対して、電磁ブレーキと呼ばれる直流磁場を印加することが行われている。この直流磁場中での溶鋼の吐出流の周囲には、当該吐出流とは逆向きの対向流が発生する(非特許文献1)。
通常のスラブの連続鋳造においては、通常、鋳型の幅方向側面に形成され、斜め下向きに2つの吐出孔を有する浸漬ノズルが使用されるが、各吐出孔からの吐出流の上下には、前記直流磁場によって当該吐出流とは逆向きの流れが発生する。従って、たとえば溶鋼中に吹き込まれたArガスなどの不活性ガスの気泡は、そのまま吐出孔からの吐出流に含まれるが、当該気泡は吐出孔から吐出された後浮上しつつ、この逆向き流れに乗り、浸漬ノズル周辺に集中して浮上するようになる。そのため鋳片内表層には磁場強度の増加に応じて捕捉気泡数が増加することが判っている。
一方鋳片内部については、吐出流は制動されるために深く侵入することがなくなるために、気泡個数は磁場強度の増加に伴い減少する。アルミナやスラグ系の介在物も同様の傾向にある。この場合、電磁ブレーキの強度を上げると、気泡がノズル周りに集中し、凝固シェルに捕捉されてしまう。そのため、かかる現象に対処するため、電磁ブレーキの磁束密度を制限する方法(非特許文献2)と電磁攪拌を併用する方法(特許文献1)が知られている。
特開2000−271710号公報
岡澤健介ら著 「電磁制動技術を利用した連続鋳型内の溶鋼噴流挙動」 鉄と鋼 Vol.84 (1998) No.7 H.Yamamura et al.; ISIJ Int. Vol.41, No.10 (2001), pp. 1229−1235
非特許文献2に記載の技術は、磁束密度を制限するために鋳片内部の気泡の個数を少なくでき難いという問題があった。一方、特許文献1に記載の技術については、ノズル周りの気泡数を減少させることはできなくても、凝固シェルに捕捉されることを電磁攪拌により減少させることができる。しかしながら、単純な条件では、吐出流の逆向き流れと電磁攪拌流がノズル周辺において干渉し、流れの停滞域を形成することから、この部分における気泡の捕捉が観察された。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、電磁ブレーキの作用により、浸漬ノズルの吐出孔からの吐出流とは逆向きの流れが発生しても、浸漬ノズルの吐出孔から吐出される溶鋼流中の気泡の鋳型内への流出自体を抑えて、凝固シェルに捕捉される気泡数を抑制することを目的としている。
本発明者は、鋭意、研究調査した結果、鋳型内の下部に当該鋳型の幅方向に一様な磁束密度分布を有する直流磁界を鋳型の厚み方向に付与する電磁ブレーキ装置を備えた連続鋳造用の鋳型内に、前記した浸漬ノズルの吐出孔から溶鋼を吐出させる際、まず、浸漬ノズル自体の構造自体を見直すことで、吐出孔から吐出される気泡の数を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明は、鋳型内の下部において鋳型幅方向に一様な磁束密度分布を有する直流磁界を鋳型の厚み方向に付与する電磁ブレーキ装置を備えた連続鋳造用の鋳型と、タンディッシュ底面の注入部に接続され、前記鋳型内の溶鋼に浸漬させて、タンディッシュからの溶鋼を浸漬部分の鋳型幅方向側面に形成された吐出孔から鋳型内に吐出させる浸漬ノズルと、を有し、
さらに前記浸漬ノズルの本体内における前記吐出孔の上縁から上方には、少なくとも鋳型幅方向における長さが前記注入部の内径よりも大きい、気泡回収部が形成され、前記注入部の下端内直径をD、気泡回収部内の鋳型幅方向長さをLとしたとき、1.5D≦L≦4Dであり、
またさらに前記浸漬ノズルの本体内にArガスを供給するガス供給部と、鋳型内溶鋼に前記浸漬ノズルを浸漬したときの前記気泡回収部内雰囲気の圧力が、前記ガス供給部からのArガスの供給によって気泡回収部外雰囲気に対して一定の正圧となるように前記ガス供給部を制御する制御部と、を有する連続鋳造装置を用い、
前記浸漬ノズル内の溶鋼に対して、前記電磁ブレーキ装置によって、0.1テスラ以上の直流磁界を作用させて、前記浸漬ノズルの吐出孔からの吐出流と逆向き流れを浸漬ノズル内に形成して鋼を連続鋳造することを特徴としている。
発明者の研究によれば、注入部から浸漬ノズル内に落下した溶鋼が、ノズル下方の吐出孔から鋳型内に吐出されるまでの距離を、ある程度従来より長くすることで、吐出流の逆向き流れをノズル内に形成して、それに伴って気泡のノズル内での浮上分離を実現できることが分った。かかる点から、本発明においては、まず浸漬ノズルの本体内における吐出孔の上縁から上方には、少なくとも鋳型幅方向における長さが前記注入部の下端内直径よりも大きい、気泡回収部を形成している。
さらに発明者が調べたところ、透明なシリカガラスのノズルを使用して、2〜6t/minの条件でノズルに溶鋼を供給して、鋳型内に吐出したところ、まず気泡回収部内の鋳型幅方向長さが注入部の下端内直径の1.5倍以上あれば、ノズル内の溶鋼の注入流がノズル内壁に接触することなく、安定してノズル内メニスカス面に落下させられることを確認した。一方、気泡回収部内の鋳型幅方向長さを大きくしすぎると、ノズルからの吐出流が鋳型短辺の凝固シェルに強く当たり、シェルの再溶解につながるおそれがある。また気泡回収部自体が大きくなって、耐火物コストの上昇、重量増に伴う取り扱いの困難さを招来することになる。この点、注入部の下端内直径の4倍以下であれば、本発明の所期の作用効果を好適に発揮させることができることが判明した。
そして本発明によれば、浸漬ノズルの本体内に、少なくとも鋳型幅方向における長さLが、前記注入部の下端内直径Dよりも大きい、気泡回収部が形成され、鋳型幅方向における長さLと注入部の下端内直径Dとの関係が、1.5D≦L≦4Dとなるように設定されているので、まず注入部からノズル内に落下する溶鋼流は、気泡回収部内壁と接することなく、そのままノズル内メニスカス面に供給される。そしてノズル内メニスカス面に落下した溶鋼は、その後吐出孔から鋳型内に吐出されるが、鋳型幅方向における長さLと注入部の下端内直径Dとの関係が、1.5D≦L≦4Dであるから、落下した溶鋼が吐出孔から鋳型内に流出するまでの距離が前記したように長くなっているので、電磁ブレーキの作用により、浸漬ノズルの吐出孔からの吐出流と逆向き流れは、ノズル内に形成される。したがって溶鋼中に含まれていた気泡や、落下の際に生じた気泡は、吐出孔から鋳型内に流出する前に、ノズル内で浮上し、そのまま浮上分離して気泡回収部の空間に回収される。そのため、電磁ブレーキの作用により、吐出孔から吐出される溶鋼流中の気泡の鋳型内への流出自体を抑えることが可能である。
また、電磁攪拌装置が併設されている場合には、電磁ブレーキの作用による浸漬ノズルの吐出孔からの吐出流の逆向き流れと、電磁攪拌流とが、ノズル周辺において干渉して、流れの停滞域が形成されようとしても、当該停滞域は浸漬ノズル内に留まるので、吐出孔から吐出される溶鋼流中の気泡の鋳型内への流出自体を抑えることが可能である
さらに本発明では、前記浸漬ノズルの本体内にArガスを供給するガス供給部と、鋳型内溶鋼に前記浸漬ノズルを浸漬したときの前記気泡回収部内雰囲気の圧力が、前記ガス供給部からのArガスの供給によって気泡回収部外雰囲気に対して一定値の正圧となるように前記ガス供給部を制御する制御部と、を有している。
発明者が調べたところでは、ノズル内の気泡回収部が外気に対して負圧となり、ノズル内メニスカスの位置が鋳型内メニスカスの位置よりも上に来ると、ノズル入口の接続部から空気がノズル内に侵入し、溶鋼の再酸化、アルミナ等の介在物が生成されてしまうことが確認された。したがって気泡回収部内は、Arガスによって正圧となっていることが必要である。
また、気泡回収部内を、一定値の正圧となるように圧力を制御することが重要である。この様に、圧力が調整されることで、気泡の浮上量にかかわらず気泡回収部の体積を一定にすることが可能であり、これにより浸漬ノズル内では安定した気泡形成とその回収の循環サイクルができる。もし、気泡回収部内の正圧を一定に制御できなかった場合、気泡回収部の体積が変動し、これにより、生成する気泡のサイズも変動するため、安定して気泡を回収することが困難となる。従って、気泡回収部内を、一定の正圧となるようにガス供給部からのArガスの供給を制御することにより、安定した気泡形成とその回収の循環サイクルができるため、ノズルの詰まりを抑制しつつ鋳型内への気泡流出と凝固シェルへの捕捉を防止することができる。
この場合、前記気泡回収部内雰囲気の圧力をP、溶鋼比重をρ、重力加速度をg、鋳型内メニスカス面から前記吐出孔の上縁までの長さをHとしたとき、p<ρ・g・Hであることが好ましい。これは、ノズル内メニスカスの位置がノズル吐出孔上縁に達してしまうと、大型気泡が発生し、これがノズルを伝って浮上し、鋳型内メニスカスを乱してパウダーを巻き込んでパウダー系の介在物を生成したり、ガス中に残留している酸素によって溶鋼の再酸化を招来し、アルミナ等の介在物が生成されてしまうからである。したがって、気泡回収部内雰囲気の圧力は、鋳型内メニスカスの位置からノズル吐出孔上縁までの距離に溶鋼比重を乗じて定まる圧力より、小さいことが好ましい。
本発明によれば、浸漬ノズルの吐出孔から吐出されようとする溶鋼流中の気泡の鋳型内への流出自体を抑えることができる。
本実施の形態における鋼の連続鋳造装置の鋳型近傍の構成を示す平面図である。 本実施の形態における鋼の連続鋳造装置の鋳型近傍の構成を示す縦断面図である。 本実施の形態における鋼の連続鋳造装置の浸漬ノズルの構成を示す縦断面図である。 本実施の形態における鋼の連続鋳造装置の浸漬ノズルの他の例の構成を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明すると、図1は、本実施の形態にかかる鋼の連続鋳造方法を実施するための鋼の連続鋳造装置1の鋳型近傍の構成を示す平面図であり、図2は、連続鋳造装置1の鋳型近傍の構成を示す縦断面図である。
連続鋳造装置1は、図1に示すように例えば水平断面が長方形の鋳型2を有している。鋳型2内の上部には、図2に示すように浸漬ノズル10が配置される。この浸漬ノズル10は、タンディッシュ3の底部に形成された流出口4から流出される溶鋼を、鋳型2内に吐出するものであり、浸漬ノズル10の上部は、流出口4の下面側に設けられた、注入部となる流量調節用のスライディングゲート5の下面側に接続されている。
スライディングゲート5は、固定上部5a、スライド部5b、固定下部5cを有しており、各々流出口4と同一径を有する注入口5dが形成されている。そしてスライド部5bが水平方向にスライドすることで、浸漬ノズル10内に流入する溶鋼の流量を調節することが可能である。
浸漬ノズル10の上部を構成する注入部10aは、スライディングゲート5の固定下部5cに接続されている。この注入部10aの下端内直径Dは、流出口4、注入口5dと同一長さの直径を有している。
浸漬ノズル10は、前記した注入部10aと、気泡回収部Sを形成する本体部10bとからなっている。本体部10bは、内側における鋳型2の幅方向長さLが、注入部10aの下端内直径Dよりも大きくなるような形状、大きさを有しており、内部に気泡回収部Sが形成されている。本実施の形態では、図1に示したように、平面視において、本体部10bは鋳型2の幅方向に長い長方形の形状を有しているが、もちろん長方形に限られない。要は、本体部10b内側における鋳型2の幅方向長さLが、注入部10aの下端内直径Dよりも大きいものであればよい。
浸漬ノズル10は本体部10bの部分で鋳型2内の溶鋼6に浸漬している。そして浸漬ノズル10の本体部10b側面における鋳型2の短辺2a、2aに面した部分には、鋳型2内へ斜め下向きに溶鋼6を吐出する吐出孔11が各々形成されている。吐出孔11から吐出される、吐出孔に向かう流れ12には、浸漬ノズル10内を洗浄するとともに、気泡回収部S内雰囲気を正圧に維持するため、後述のガス供給部によって浸漬ノズル10内に吹き込まれるArガスの気泡や、アルミナやスラグ系の介在物が含まれる。
鋳型2の長辺2b内のメニスカス7近傍には、図1及び図2に示すように例えば電磁攪拌コイルなどの一対の電磁攪拌装置8、8が設けられていても良い。この電磁攪拌装置8、8の電磁攪拌により、図1に示すように鋳型2内のメニスカス7近傍の溶鋼6を水平面内で旋回させて、旋回流9を形成することができる。
また鋳型2の長辺2bの外側には、図1、図2に示すように、浸漬ノズル10の吐出孔11の高さ位置にて、各々電磁ブレーキ装置21が、鋳型2をはさんで対向するように設けられている。電磁ブレーキ装置21により、吐出孔11、11から吐出した直後の溶鋼6の吐出流12に対して、例えば0.1テスラ以上の磁束密度で、鋳型2の幅方向(長辺2b方向)にほぼ一様な磁束密度分布を有する直流磁界を鋳型2の厚み方向に付与することができる。
連続鋳造装置1は、図3に示したように、浸漬ノズル10内にArガスを供給するガス供給部31を有しており、例えばスライディングゲート5の固定上部5aに設けられた供給口32を介して、浸漬ノズル10内にArガスを供給することができる。浸漬ノズル10内にArガスを供給する際の供給方法については、スライディングゲート5の固定下部5cに供給口を設けたり、あるいは、浸漬ノズルの注入部10aの側壁部分から、例えば耐火材等を介して供給するようにしてもよい。
そしてガス供給部31からのArガスの供給により、浸漬ノズル10を鋳型内の溶鋼6に浸漬した際には、気泡回収部S内の圧力は、正圧であり、かつ、一定の圧力となるようにArガスの流量は制御される。かかる流量制御は、例えばガス供給部31を制御する制御装置33によって行なわれ、たとえば気泡回収部S内の圧力を検出する圧力センサ(図示せず)の検出値に基づいて制御する。ここで、気泡回収部S内の圧力を一定に制御するのは、上記の通り、気泡回収部Sの体積を一定にすることを目的としているので、その設定値は特に規定されるものではない。
次に連続鋳造装置1における浸漬ノズル10のサイズ、並びに浸漬ノズル10を鋳型2内の溶鋼6に浸漬したときの各部位の距離等について、図3に基づいて説明する。まず注入部10aの下端内直径Dは、通常の連続鋳造設備と同様、5〜10cm程度である。浸漬ノズル10の本体部10b内における鋳型幅方向の長さL(すなわち気泡回収部Sの鋳型幅方向の長さ)は、1.5D≦L≦4Dとなるように設定されている。
気泡回収部Sの高さ方向の長さH1については、たとえば次のようにして定められる。浸漬ノズル10を鋳型2内の溶鋼6に浸漬する際は、通常、鋳型2内の溶鋼6のメニスカス位置7から、吐出孔11の上縁までの長さHが10〜40cm程度となるように浸漬される。このとき、気泡回収部S内は、前記したように、Arガスの供給によって、一定の正圧に制御され、浸漬ノズル10内の溶鋼6のメニスカス位置34の高さは、鋳型2内の溶鋼6のメニスカス位置7よりも低くなる。かかる場合、気泡回収部Sの高さ方向の長さHは、10cm以上確保できる程度でよい。実際に発明者らが透明なシリカガラスのノズルを使用して、2〜6t/minの条件でノズル内に溶鋼を供給して、鋳型内に吐出したところ、このことが確かめられた。
また気泡回収部S内を一定の正圧に制御するための設定圧力は、既述したように、大型気泡発生の防止等に鑑み、次のような値がよい。すなわち、気泡回収部内の圧力をP、溶鋼比重をρ、重力加速度をg、鋳型内メニスカス位置7から吐出孔11の上縁までの長さをHとしたとき、p<ρ・g・Hであることが好ましい。したがって、例えば、Hが0.3mの場合で、溶鋼密度が7000kg/m、重力加速度が9.8m/sの場合、p<21000Paとなるような圧力に設定することが例示できる。
連続鋳造装置1は、以上の構成を有しており、タンディッシュ内の溶鋼を、鋳型2内に吐出する際に、浸漬ノズル10の吐出孔11付近に形成される吐出孔に向かう流れ12とは逆向きの対向流13が形成されようとするが、浸漬ノズル10の本体部10b内における鋳型幅方向の長さL(すなわち気泡回収部Sの鋳型幅方向の長さ)は、1.5D≦L≦4Dとなるように設定され、それに伴って、溶鋼がノズル内に落下してから、吐出孔11まで達するまでの距離が、充分確保されている。したがって当該対向流13を、ノズル内に形成することができる。その結果、浸漬ノズル10の吐出孔11から吐出される溶鋼流中の気泡は、ノズルの気泡回収部Sに浮上して、気泡回収部Sに回収することができる。したがって、鋳型2内への気泡の流出を抑えて、凝固シェルに捕捉される気泡数を抑制することが可能である。
しかも気泡回収部S内は、一定の正圧となるように圧力調整されているから、気泡の浮上量にかかわらず気泡回収部Sの体積を一定にすることが可能であり、これにより浸漬ノズル10内では安定した気泡形成とその回収の循環サイクルができる。これにより、ノズルの詰まりを抑制しつつ鋳型2内への気泡流出と凝固シェルへの捕捉を防止することができる。
なお前記した実施の形態で使用された浸漬ノズル10に代えて、図4に示した構成の浸漬ノズル10´を用いてもよい。この浸漬ノズル10´は、注入部10下端を、本体部10b内にそのまま垂下延伸させた構成となる内側ノズル10cを、本体部10b内に有する構成を有している。そしてこの内側ノズル10cの下端内直径Dは、本体部10b内における鋳型幅方向の長さL(すなわち気泡回収部Sの鋳型幅方向の長さ)に対して、1.5D≦L≦4Dとなるように設定されているものである。
かかる構成の浸漬ノズル10´を使用すれば、内側ノズル10cからノズル内メニスカス面に溶鋼が落下する際、気泡回収部S内のガスの巻き込みが、前記した浸漬ノズル10よりも少なく、したがって落下の際の気泡の発生自体を抑えることができる。そのため気泡の吐出孔11からの流出をさらに抑制することが可能である。
幅が1200mm、高さが900mm、厚みが250mmのサイズを有する鋳型2のメニスカス部に、高さが150mmの電磁攪拌装置8を、その上端がメニスカス位置7になるようにセットし、メニスカス位置7から450mm深さで最大磁束密度を有する電磁ブレーキ装置21を使用した。またメニスカス位置7から350mm深さとなる本体部10bの外部形状が400mm幅、160mm厚、内部形状が320mm幅、90mm厚、上部の注入部10aの下端内直径90mmの円形断面、吐出孔11は両端部に水平方向で、90mm厚で45mm高さの2口部を有する浸漬ノズル10(以下、「本発明の浸漬ノズル」と記載する場合がある)を用いて鋳造を行った。その際に、浸漬ノズルの本体内にArガスを供給して、ノズル内圧力を正圧で3430Paに制御した。また、本発明の浸漬ノズルを用いてノズル内圧力制御を行わない場合についても、同様に鋳造を行った。
連続鋳造機は曲げ半径7.5m、2.5mの垂直部を有する。低炭アルミキルド鋼を鋳造速度2.0m/分で鋳造した。
一方、従来ノズルとして、同条件の鋳造でノズルのみ外径160mm、内径90mm、吐出孔が下向き35度で直径80mmの円形断面の2口吐出孔を有するノズルを用いた鋳造を行ない、鋳片の介在物・気泡欠陥数の比較を行った。本発明の浸漬ノズルを用いた鋳造については、電磁ブレーキ21の磁束密度はノズル内の磁束密度が0.1テスラ以上となるようにし、従来ノズルを用いた鋳造では吐出孔中心位置における磁束密度が0.1テスラとなるように設定した。
鋳片の気泡・介在物欠陥は、各鋳造条件で鋳造した鋳片の1/4幅部と幅中央の幅方向200mm、鋳造方向500mm、全厚みで切り出したサンプルを、フライス盤を用いて表層10mmの深さまで1mmピッチで段削りし、削った面を観察して、その数をカウントした100μm以上の径(直径)の気泡及び介在物個数の指数を比較した。なお従来ノズルを用いて鋳造した圧力制御なしの鋳片の値を基準値として使用している。これらの結果を、品質指数比較として、表1に示した。
Figure 0005510061
この表1の結果からわかるように、従来ノズルでは、圧力制御を行っても、鋳片表面から1〜5mm深さに存する気泡、および鋳片表面から6〜10mm深さに存する気泡について、気泡個数指数がわずかに低下しただけであった。
また、本発明の浸漬ノズルを用いると、圧力制御を行わない場合は、鋳片表面から1〜5mm深さに存する気泡、および鋳片表面から6〜10mm深さに存する気泡について、気泡個数指数はより低下するものの、充分とは言えない。
これに対し、本発明の浸漬ノズルを用いて、圧力制御を行った場合は、鋳片表面から1〜5mm深さに存する気泡、および鋳片表面から6〜10mm深さに存する気泡のいずれの場合とも、気泡個数指数を顕著に低減することができた。したがって、気泡の鋳型内への流出を、顕著に抑制できていることが確認できた。
本発明は、鋼の連続鋳造に有用である。
1 連続鋳造装置
2 鋳型
2a 短辺
2b 長辺
3 タンディッシュ
4 流出口
5 スライディングゲート
5a 固定上部
5b スライド部
5c 固定下部
5d 注入口
6 溶鋼
7 メニスカス位置
8 電磁攪拌装置
9 旋回流
10、10´ 浸漬ノズル
10a 注入部
10b 本体部
10c 内側ノズル
11 吐出孔
12 吐出孔に向かう流れ
13 対向流
21 電磁ブレーキ装置
31 ガス供給部
32 供給口
33 制御装置
34 メニスカス位置
S 気泡回収部

Claims (2)

  1. 鋳型内の下部において鋳型幅方向に一様な磁束密度分布を有する直流磁界を鋳型の厚み方向に付与する電磁ブレーキ装置を備えた連続鋳造用の鋳型と、
    タンディッシュ底面の注入部に接続され、前記鋳型内の溶鋼に浸漬させて、タンディッシュからの溶鋼を浸漬部分の鋳型幅方向側面に形成された吐出孔から鋳型内に吐出させる浸漬ノズルと、
    を有し、
    前記浸漬ノズルの本体内における前記吐出孔の上縁から上方には、少なくとも鋳型幅方向における長さが前記注入部の内径よりも大きい、気泡回収部が形成され、前記注入部の下端内直径をD、気泡回収部内の鋳型幅方向長さをLとしたとき、
    1.5D≦L≦4Dであり、
    さらに前記浸漬ノズルの本体内にArガスを供給するガス供給部と、
    鋳型内溶鋼に前記浸漬ノズルを浸漬したときの前記気泡回収部内雰囲気の圧力が、前記ガス供給部からのArガスの供給によって気泡回収部外雰囲気に対して一定の正圧となるように前記ガス供給部を制御する制御部と、
    を有する連続鋳造装置を用い、
    前記浸漬ノズル内の溶鋼に対して、前記電磁ブレーキ装置によって、0.1テスラ以上の直流磁界を作用させて、前記浸漬ノズルの吐出孔からの吐出流と逆向き流れを浸漬ノズル内に形成して鋼を連続鋳造することを特徴とする、連続鋳造方法。
  2. 前記気泡回収部内雰囲気の圧力をP、溶鋼比重をρ、重力加速度をg、鋳型内メニスカス面から前記吐出孔の上縁までの長さをHとしたとき、
    p<ρ・g・Hであることを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造方法。
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