JPH0739971U - 洗浄を行いつつ工作物を移動させる装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 工作物作成過程において工作物に付着した切
粉又は工作物の端部に残存している残骸物を洗浄しつ
つ、必要な部位に移動させる為の装置を提供することを
目的とする。 【構成】 内壁に螺旋状に蛇行する突部２を有し、回転
中心軸が水平方向に対し斜傾している回転体１、これに
対する駆動装置及び回転体に洗浄液を注入する装置を設
け、回転体の回転に伴い、工作物３が、該突部の影響を
受けて、順次回転体の入口方向から出口方向に移動し、
工作物同士の衝突・摺動及び工作物と回転体との衝突及
び摺動と、洗浄液による洗浄と相俟って、切粉及び工作
物に付着した断崖を除去することが可能である洗浄を行
いつつ工作物を移動させる装置

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、金属製品或はプラスチック製品等の製造工程において、工作物（中 間生成物及び完成品の双方を含む）の洗浄を行いながら、その移動を可能とする 装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、金属製の工作物に対する切断、穴明け、ネジ目付等を行うことによって 、必然的に切粉が生じたり、或は工作部位の端部に、残骸物（所謂バリ）が付着 し易い。

【０００３】 プラスチック製の工作物の製造工程においても、同様の現象が生ずることがあ る。

【０００４】 そして、これらの切粉又は残存した付着物の洗浄を自動的に行うことは困難で あり、他方、手作業によってこれを行うことは極めて煩雑である。

【０００５】 この為、これらの切粉又は残存した付着物に対し、洗浄液を衝射することによ って、除去する技術が存在しているが、このような衝射だけでは十分な洗浄及び 工作残存物の除去を行うことは不可能である。

【０００６】 他方、工作物に対する前記の如き洗浄と移動とを同時に行う方法として、スク リューコンベアーによって工作物を移動させることが考えられるが、工作物がス クリューコンベアーを形成する板の間に挟まった場合には、工作物の移動自体に 支障を生じ易く、洗浄と移動とを安全に行うことができない。

【０００７】

【考案が解決を必要とする課題】

本考案は、従来技術のこのような欠点に着目し、一方では工作物に対し、洗浄 を行いつつ、他方ではその移動を可能とし、作業効率を高める装置を提供するこ とを課題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

以上の如き課題を解決する為、本考案の基本的構成は、内壁に螺旋状に蛇行す る突部を有し、回転中心軸が水平方向に対し斜傾している回転体、これに対する 駆動装置及び回転体に洗浄液を注入する装置を設けたことによる洗浄を行いつつ 工作物を移動させる装置からなる。

【０００９】

【考案の作用】

前記からも明らかなように、本考案においては、図１（ａ）に示すように、螺 旋状の突部２を有する回転体１を設け、これを図１（ｂ）に示すように回転させ 、工作物３を入口側から挿入した場合、これらの工作物は螺旋状の突部２に囲ま れて、回転体１の回転と共に、回転体１の内壁との間で衝突及び摺動を行いなが ら、順次出口方向に移動することになる。

【００１０】 尚、回転体自体は、これと係合する回転行路（図示せず）によって支え、外部 の駆動源（図示せず）からの駆動の伝達によって、回転状態を維持することがで きる。

【００１１】 他方、回転体１は、水平方向に対し斜傾されており、上部をなす側から（出口 が上の場合には出口から、入口が上の場合には入口から）洗浄液が注入されてお り、当該工作物３は、前記移動の際、工作物３同士又は回転体１の壁と衝突且つ 摺動を行いながら且つ洗浄液の洗浄を伴って移動するので、この間に回転体１に 付着している切粉、残存した付着物等は、順次除去されていることになる。

【００１２】

【突部を形成する素材に関する実施例】

本考案における螺旋状の突部２を形成する素材としては、金属及びプラスチッ ク等による固形物質、又は弾性を有する硬質繊維を使用し得る。

【００１３】 前者は、突部表面が平滑である為、工作物３の移動を円滑に行うのに適し、後 者は、突部表面が、ブラシと同じような工作物３に対する摩擦効果をもたらすの で、洗浄効果において優れている。

【００１４】 双方を適宜組み合わせ、図２（ｂ）に示すように、突部の下方を固形物質とし 、上方を弾性を有する硬質繊維とする構成も使用され、この場合には、双方の長 所を発揮し得る。

【００１５】

【洗浄効果を高める実施例】

図３は、入口付近において、２個の螺旋状の突部２を設け、その内の１個は、 回転体１の中途部位において突部が終了し、残る１個が、出口まで突部が形成さ れている実施例を示す（尚図３においては、説明の便宜の為、回転面の内側に存 在する突部は、点線によって図示している。）。

【００１６】 これは、単に１本の螺旋状の突部２だけでは、工作物３は順次入口側から出口 側に移動するだけであるが、入口側に２本の螺旋状の突部２を設けることによっ て、工作物３は、回転体１が略反回転を行う段階において、螺旋状が形成されて いる中途部位まで移動し、そこにおいて後続してくる工作物３と衝突を行いなが ら洗浄が加えられることになり、中途部位までの移動が単に１本の螺旋を設けた 場合に比し、速やかに行うことが可能となり、それだけ洗浄効果を高めることに なる。

【００１７】 このような考え方を一般化し、複数個の螺旋状の突部２を、回転体１の入口側 において始端部とし、この内の一部について、回転体１の中途部位において中端 部とするならば、前記と同様の洗浄効果を認めることが可能となる。

【００１８】 図４（ａ）は、洗浄効果を増す為の他の実施例であって、出口付近を上方とし 、回転体１の出口付近において、工作物３を暫定的に保持する保持棒２０を突部 の側面から突設した実施例である。

【００１９】 これによれば、順次移動してきた工作物３が、保持棒２０よりも回転方向前側 の位置にある場合には、保持棒２０が工作物３を暫定的に保持した状態で回転し 、保持棒２０及び工作物３が図４（ｂ）に示すように、回転の中心位置よりも高 い位置へ回転していく段階で、工作物３は前記補助の状態から離れ、下方に落下 するが、落下した位置は、図４（ｃ）に示すように、保持棒２０によって保持さ れていた元の地点よりも出口から離れており、改めて回転体１の回転に伴う移動 及び洗浄を行って、出口の方に移動することになる（図４（ｃ）の点線は、工作 物３の移動状況を示すが、この内に示す点線は、保持棒２０によって暫定的に 保持されて上方に移動する方向を示し、に示す点線は、保持棒２０から落下し た状況を示す。）。

【００２０】 このような保持棒２０による保持及び落下を繰り返すことによって、回転体１ の内壁等を介することによる洗浄効果が更に高められることになる。

【００２１】 図５は、洗浄を更に丁寧に行う実施例であって、前記保持棒２０に代えて、出 口において開閉自在の蓋１１を設け、一定の期間工具が移動しても、これが出口 から脱出することを防ぎ、これによって出口付近によって回転体１の回転に伴う 洗浄を繰り返すことになる。

【００２２】 尚洗浄効果を高める方法として、単に洗浄液だけでなく、工作物３と衝突・摺 動する球状の固形物を洗浄液と共に吸入する方法も考えられる。

【００２３】

【パイプ上の工作物の移転及び洗浄を行う為の実施例】

通常の工作物３は、螺旋状に形成された側面の間に収納され、回転体１の回転 に伴って出口方向に移動するが、螺旋状を形成する突部の間隔よりも長いパイプ ３１を洗浄させながら移動させる場合には、喩えパイプ３１を回転体１に挿入し たとしても、回転体３は、螺旋状の頂部と接触して、回転体３の回転に伴って、 単に突部の頂部に係合して自ら自転を行うのみであって、出口方向への移動が行 われ得ない。

【００２４】 このようなパイプ３１を移動させる為には、図６（ａ）、（ｂ）に示すように 、出口方向を上方とするように傾斜し、しかも入口又はこの付近において螺旋状 をなす突部２の頂部において、切り込み凹部２１を設けると良い。

【００２５】 これにより、パイプ３１は該凹部に嵌合して、図６（ｂ）のパイプ３１の各状 態を示す、、（但しパイプ３１は点線によって示す）によって表示するよ うに、嵌合した先端部分は、回転方向に移動するので、パイプ３１は、軸方向に 対して斜方向となり、該凹部が、一定程度上方に移動し、前記嵌合が外れた場合 には、パイプ３１全体が、軸方向に対し、斜方向となって、螺旋状の突部２の頂 部上を回転し、該回転に伴って、順次回転体１の出口方向に移動することになる 。

【００２６】 無論このような回転及びこれに伴う移動の際、パイプ３１同士の衝突及び摺動 、更には回転面との洗浄液による洗浄によって、パイプ３１の端部及び表面が洗 浄されることになる。

【００２７】 このようなパイプ３１の回転に伴う移動及び洗浄をより効果的に行うには、図 ６（ｃ）に示すように、切り込み凹部２１を螺旋状を形成する突部２に沿って、 複数個軸方向と斜向する直線上に配列するならば、これによって回転体１は、該 直線状の配列に沿ってその長さ方向が軸方向と斜向する状態となって、前記回転 及びこれに伴う出口方向への移行が可能となる。

【００２８】

【洗浄液の飛散を防止する実施例】

本考案において使用される洗浄液は、回転体１の下方において排出されるが、 単に螺旋状をなす突部２の出口方向部位から洗浄液を排出させるのでは、洗浄液 は回転体１の下方から排出するのみであり、これでは作用構成現場において、洗 浄液が飛散する可能性がある。

【００２９】 このような状態を防ぐ為、洗浄液が順次流れてくる下方端部又はその付近の突 部の両側の面の内、上側方向の面に、図７（ａ）に示すような孔２２を設け、且 つ図７（ｂ）に示すように、回転体１の外部側面に孔５を設け、これに連通させ た場合には、洗浄液は、前記のような飛散を生ぜずに、前記孔５及び連通した通 路を通じて、回転体の外部側面から排出されることになる。

【００３０】 尚、図７（ａ）では、前記孔５の他に切り込み凹部２２が設けられているが、 このような切り込み凹部２２を下側端部の付近に設けた場合には、当該凹部を通 じて、洗浄液が突部を越えていくことになり、洗浄液の下端付近における飛散を 多少緩和させることが可能となる。

【００３１】

【回転力の伝達に関する実施例】

本考案では、回転体１を駆動源４によって回転させることが不可欠である。

【００３２】 図８（ａ）は、回転体１自体をプーリとして、駆動源４との間でベルト４１に よって結合させた構成を示すが、回転体１自体に一定の重量が存在する以上、図 ８（ｂ）に示すように、駆動源４と結合した回転プーリ４２自体と回転体１とが 、係合することによっても、駆動源４からの回転を伝達することが可能である。

【００３３】

【考案の効果】

以上の通り、本考案は、比較的簡便な構成でありながら、工作物を洗浄しなが ら必要な部位に移動させることが可能となる。

【００３４】 しかも、各実施例に示すような構成を付加することによって、洗浄効果を更に 高めたり、或はパイプ状のものを移転することも可能となる。

【００３５】 このように、本考案は、従来技術に見られない様々な利点を有する点において 、その価値は絶大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）：部分断面見取図 （ｂ）：縦方向内側側断面図 本考案の回転体の内側面の形状を示す。但し、白線の矢
印は回転体の回転方向を示し、直線による矢印は、工作
物の移動方向を示す。

【図２】（ａ）、（ｂ）：一部断面見取図 硬質繊維によって螺旋状の突部の全て又は一部を形成し
た実施例を示す。

【図３】：側面図 ２個の突部の内、１個は蛇行する螺旋状が、入口付近を
始端部とし、中途部位を中端部とするのに対し、残１個
は、蛇行する螺旋状が入口付近を始端部とし、出口付近
を終端部とする実施例を示す。

【図４】（ａ）：部分断面見取図 （ｂ）：横方向断面図 （ｃ）：縦方向側面図 出口付近において保持棒を設けた実施例の構成及びその
作用を示す。尚図４（ｃ）における点線は、工作物が
保持棒の暫定的な保持に伴って上昇していく工程を示
し、点線は、工作物が保持棒から離れて落下していく
方向を示す。

【図５】：縦方向側面図 出口において開閉自在な蓋を設けた実施例の構成を示
す。

【図６】（ａ）：横方向側断面図 （ｂ）、（ｃ）：縦方向側断面図 パイプを移動する為に、突部の頂部において切り込み凹
部を設けた構成及びその作用を示す。

【図７】（ａ）：横方向側面図 （ｂ）：縦方向側面図 下方端及びその付近において、排水の便宜の為の孔及び
切り込み凹部を示す。

【図８】（ａ）、（ｂ）：縦方向側面図 回転体に対する回転駆動を行う状態を示す。

【符合の説明】

１：回転体 １１：蓋 ２：螺旋状を形成する突部 ２０：保持棒 ２１：切り込み凹部 ２２：孔 ３：工作物 ３１：パイプ ４：駆動源 ４１：ベルト ４２：プーリ

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内壁に螺旋状に蛇行する突部を有し、回
   転中心軸が水平方向に対し斜傾している回転体、これに
   対する駆動装置及び回転体に洗浄液を注入する装置を設
   けたことによる洗浄を行いつつ工作物を移動させる装置
2. 【請求項２】 突部を固形物質によって形成したことを
   特徴とする請求項１記載の洗浄を行いつつ工作物を移動
   させる装置
3. 【請求項３】 突部を弾性を有する硬質繊維によって形
   成したことを特徴とする請求項１記載の洗浄を行いつつ
   工作物を移動させる装置
4. 【請求項４】 螺旋状に蛇行する突部を複数本とし、こ
   の内一部が回転体の入口側を始端部とし、回転体の中途
   部位を中端部としていることを特徴とする請求項１記載
   の洗浄を行いつつ工作物を移動させる装置
5. 【請求項５】 入口よりも出口を上方とするように傾斜
   させ、出口付近の突部側面において、工作物を回転途中
   段階において暫定的に保持する保持棒を突設させたこと
   を特徴とする請求項１記載の洗浄を行いつつ工作物を移
   動させる装置
6. 【請求項６】 出口において、開閉自在の蓋を設けたこ
   とを特徴とする請求項１記載の洗浄を行いつつ工作物を
   移動させる装置
7. 【請求項７】 回転体の出口方向を上方とするように傾
   斜させ、入口又はこの付近の突部の頂上部分において、
   切り込み凹部を設けたことを特徴とする請求項１記載の
   洗浄を行いつつ工作物を移動させる装置
8. 【請求項８】 突部の頂上において、切り込み凹部を複
   数個設け、該複数個の凹部は、軸方向と斜向する方向の
   直線状に配列されたことを特徴とする請求項１記載の洗
   浄を行いつつ工作物を移動させる装置
9. 【請求項９】 下方端部及びこの付近の突部の上側を向
   いた面に回転体の外側面と連通した洗浄液脱出用の孔を
   設けたことを特徴とする請求頂１記載の洗浄を行いつつ
   工作物を移動させる装置