JPH0739788Y2 - 分割型の中空２重壁容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、分割型の中空２重壁容器に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

収納リセスが深い中空２重壁容器は、その成形作業上、
全体を一体成形することが困難である。このためこの種
の中空２重壁容器は、ブロー成形法にて中空２重壁構造
に成形された複数個の壁部材を接合して収納リセスが深
い容器を得るようにしている。

そして従来のこの分割型の中空２重容器は、第５図に示
すようになっていて、凹状に成形された２個の壁部材a,
bを突合わせ、この合わせ縁の外側に合わせ縁に沿って
設けた突条ｃ、ｄを、抱持型の板ばねｅにて外側から抱
持することにより、両壁部材a,bを一体状に結合する構
成となっていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来の分割型の中空２重壁容器は、合わせ縁部の外
側に突条c,dが突出すること、及びこの突条c,dよりさら
に外側に板ばねｅが突出するため、外観上問題があり、
また板ばねｅが外側に露出していることにより、これが
不測にはずれ、壁部材が分解してしまうおそれがあっ
た。

本考案は上記のことにかんがみなされたもので、容器の
外側に突起物が突出することなく、外観上優れ、また不
測に壁部材が分解するようなことがないようにした分割
型の中空２重壁容器を提供することを目的とするもので
ある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係る分割型の中空
２重壁容器は、中空２重壁構成の複数の壁部材を接合し
てなる分割型の中空２重壁容器において、各壁部材の接
合縁部付近の内側壁に凹部を各壁部材の相互で互いに対
向させて設け、この凹部の上記壁部材の接合面側の壁に
引っかけ部を設け、各壁部材のそれぞれ対向する両凹部
の引っかけ部に、抱持状の板ばねを係合する構成となっ
ている。

また上記板ばねを壁部材の内側壁にねじ止めしてもよ
い。

〔作用〕

分割された壁部材はそれぞれの接合面を当接してから両
部材で対向する凹部の引っかけ部に板ばねを係合するこ
とにより、一体状に結合される。

上記板バネはねじにて内側壁に固着する。

〔実施例〕

本考案の第１の実施例を第１図、第２図に基づいて説明
する。

図中1,2は中空２重壁構成の分割された壁部材であり、
この両壁部材1,2を突合わせることにより収納リセスが
深い容器が構成されるようになっている。この両壁部材
1,2の接合縁部付近の内側壁に凹部3,4が、接合縁に沿う
複数個所に互いに対向させて設けてある。この両凹部3,
4には、壁部材1,2の接合面側の一方の壁に引っかけ部5,
5が設けてあり、他方の壁は傾斜されている。６は抱持
状に形成された板ばねであり、この板ばね６が、両壁部
材1,2を接合した状態での両凹部3,4の接合面側の壁の引
っかけ部5,5に係合して両凹部3,4の接合面側の壁を抱持
するようになっている。

上記両凹部3,4のそれぞれの接合面側の壁にて構成され
る突起は各壁部材1,2の内壁面より凹んでおり、引っか
け部5,5に係合する板ばね６も、壁部材1,2の内壁面より
突出しないようになっている。

各壁部材1,2の接合面には互いに係合する凹条７と凸条
８とが設けてある。

上記構成において、両壁部材1,2をこれの接合面を突合
わせ係合し、ついで両壁部材１、２の各凹部3,4に板ば
ね６を係合することにより両壁部材1,2が一体状に結合
される。このとき、板ばね６は容器の内面より突出しな
い。またこの板ばね６をはずす場合には、傾斜した方の
壁3aあるいは3bに沿ってドライバ等の片部材を挿入して
板ばね６の端部をこじることにより容易にはずされる。

第３図、第４図は本考案の第２の実施例を示すもので、
両壁部材１′,2′の接合縁部付近の内壁に凹部３′,4′
が接合縁に沿って複数箇所に設けてある。この両凹部3,
4には壁部材１′,2′の接合面側の一方の壁に引っかけ
部５′,5′が設けてある。６′は抱持状に形成された板
ばねであり、この板ばね６′が、両壁部材１′,2′を接
合した状態での両凹部、３′,4′の引っかけ部５′,5′
に係合して両凹部３′,4′の接合面側の壁を抱持するよ
うになっている。そしてこの板ばね６′はねじ7,7にて
壁部材１′,2′に固定されるようになっている。この固
着した板ばね６′は壁部材１′,2′の内壁面より突出し
ないようになっている。

上記構成において、両壁部材１′,2′をこれの接合面を
突合わせ係合し、ついで両壁部材１′,2′の各凹部
３′,4′に板ばね６′を係合すると共に、ねじ7,7にて
これを壁部材側に固着することにより両壁部材１′,2′
が一体状に結合される。このとき、板ばね６′は容器の
内面より突出しない。なお、本考案に係る分割型の中空
２重壁容器は実施例のような縦分割の２個の壁部材より
なるもののほかに、横分割を含む３個以上の壁部材から
なる構成であってもよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば分割された壁部材の接合部分が外側に突
出することがなくなって外観形状がよくなり、外観上の
制約がある用途にも使用できる。また各壁部材を結合す
るための板ばねは容器の内面より突出していないことに
より、この板ばねがなにかに引っかかって不測に外れる
ということがなくなる。さらにこの板ばねを壁部材側に
ねじにて固着することにより、板ばねによる結合作用を
より強固にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の第１の実施例を示すもので、
第１図は斜視図、第２図は要部の断面図である。第３
図、第４図は本考案の第２の実施例を示すもので、第３
図は斜視図、第４図は要部の断面図である。第５図は従
来例を示す斜視図である。 1,1′,2,2′は壁部材、3,3′,4,4′は凹部、５は引っか
け部、6,6′は板ばね。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中空２重壁構成の複数の壁部材を接合して
   なる分割型の中空２重壁容器において、各壁部材の接合
   縁部付近の内側壁に凹部を各壁部材の相互で互いに対向
   させて設け、この凹部の上記壁部材の接合面側の壁に引
   っかけ部を設け、各壁部材のそれぞれ対向する両凹部の
   引っかけ部に、抱持状の板ばねを係合することを特徴と
   する分割型の中空２重壁容器。
2. 【請求項２】板ばねを壁部材の内側壁にねじにて固着し
   たことを特徴とする請求項（１）記載の分割型の中空２
   重壁容器。