JPH0739767B2 - 構造物の制振装置 - Google Patents

構造物の制振装置

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JPH0739767B2
JPH0739767B2 JP19206590A JP19206590A JPH0739767B2 JP H0739767 B2 JPH0739767 B2 JP H0739767B2 JP 19206590 A JP19206590 A JP 19206590A JP 19206590 A JP19206590 A JP 19206590A JP H0739767 B2 JPH0739767 B2 JP H0739767B2
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vibration
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pinion
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鐸二 小堀
紀英 小鹿
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建築、土木の分野において、地震や、風、波浪
等の構造物に作用する振動外力の影響を低減させるため
の制振装置に関するものである。
〔従来の技術〕
第16図は構造物の制振装置として用いられる一般的な動
吸振器をモデル化して示したもので、重り(質量m)を
バネ(バネ定数k)とダンパー(減衰定数c)で構造物
(質量M、バネ定数K)につなぎ、重りの方に振動を吸
収させることにより構造物の振動を低減させることがで
きる。
また、出願人は特願昭62−87521号(特開昭63−254247
号公報参照)において、振り子式動吸振器を提案してい
る。第17図は振り子式動吸振器をモデル的に示したもの
である。
第16図の形式の動吸振器では、重りの振動周期は、 であり、建物の固有周期(または固有振動数)と動吸振
器の重りの振動周期(または振動数)を調整した共振す
るようにする場合、バネ定数kまたは重りの質量mによ
って調整することになる。これに対して、振り子式動吸
振器の振動周期は、 であり、長さlの調整、すなわち吊り材の長さの調整に
より振動周期(または振動数)を調整し、建物と共振さ
せることができる。
例えば、固有周期が1.0秒前後の建物では上の式より、
l=25cm前後とすれば良いことになる。
動吸振器の設計は 装置の周期設計(構造物の周期と装置の周期を同調
させる) 装置の減衰設計 とからなり、の周期設計は上述のようにバネ定数また
は振り子の吊り長さの決定により行われ、の減衰設計
については種々の減衰手段(粘性流体の抵抗の利用、水
のスロッシングの利用等)を設けることにより行われ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、受動的制振装置としての動吸振器は振動初期
の振幅が小さいため、一般的に応答性が悪く、制振効果
が現れるまで時間がかかるという問題がある。
これに対し、重りにあらかじめ初期変位を与えておくこ
とが考えられるが、初期変位を与えた状態での拘束およ
びその拘束解除が確実かつスムーズに行われなければな
らない。
また、地震や風の振動には不確定な要素が多く、一度振
動が収まりかけた状態から再度振動が大きくなり、再び
制振が必要となる場合もあり、振動中にあらためて初期
変位を与える必要性も生じる。
本発明は主として上述のような問題点を解決することを
目的としたものである。
〔課題を解決するための手段〕 本発明では動吸振器の基本構成を有する制振装置の重り
にピニオンを軸着し、このピニオンにピニオンを挟み込
む形で第1および第2の2つのラックを噛み合わせ、こ
れらのラックの操作により重りに初期変位を与え、振動
外力が構造物に作用した当初から大きな制振効果を与え
るとともに、構造物の振動中においても新たな初期変位
を与えることができるようになっている。
第1のラックおよび第2のラックは重りの振動方向(振
動制御の方向)に延び、第1のラックにはモーター等の
駆動手段が設けられ、第1のラックを重りの振動方向に
移動させることができる。
一方、第2のラックは重りの振動方向への移動が自由で
あり、油圧その他の利用した拘束手段により、その移動
を拘束できるようになっている。
重りに初期変位を与えるためには第2のラックの移動を
拘束した状態で、第1のラックを所定位置まで駆動すれ
ばよく、その状態で抑制を必要とする構造物の振動を持
つことになる。
構造物の振動を抑制するためには、第2のラックの拘束
を解除すればよく、初期変位に基づく振幅の大きな自由
振動、さらに構造物の振動との共振により、受動的な制
振装置、すなわち動吸振器としての機能が発揮される。
このときの減衰は部材間の摩擦等の機構的なものによっ
ても与えられるが、第2のラックにオイルダンパー、粘
性ダンパー、その他の減衰手段を設けることにより、所
定の減衰性能を得ることができる。
また、本発明の制振装置において、第2のラックを拘束
状態に保持し、第1のラックを構造物の振動周期に応じ
て駆動し、重りを強制的に振動させることもでき、その
場合は能動的な制振装置として構造物の振動を抑制する
ことができる。
〔実施例〕
以下、図示した実施例について説明する。
第1図は本発明の制振装置の構造の一例を示したもの
で、重り1を吊り材2で吊り支持することにより振り子
を形成し、振り子と床版7との間に2つのラック5,6
と、ラック5,6に噛み合うピニオン3とからなる駆動機
構を設けている。
ピニオン3は軸部材4を介して重り1の下面に取り付け
られており、重り1の変位と同一の変位となるようにし
てある。
重り1はガイド等(図示せず)により、特定の方向にの
み振動するようになっており、ラック5,6は重り1の振
動方向に延びている。また、ラック5,6はガイド等(図
示せず)により、床版7に対し、ラックの延びている方
向のみに移動し得るようにする。構造物の振動抑制はこ
の重り1の振動方向に対して行われ、吊り材2の長さは
構造物の当該方向の固有周期に応じて決定される。第11
図および第12図に示したものは1つの重り1について2
重の支持フレーム11a,11bを設け、互いに直交するX,Y2
方向の制御が行えるようにしたものである。この場合、
図中のY方向については、X方向の制振装置を構成する
床版7aを吊り材2bにより吊り支持しており、重り1の重
量に加え支持フレーム11aおよび床版7aの重量全体が重
りとして機能し、もう1つのピニオンが床版7aの下面に
設けられることになる。このようにして、特性の異なる
2方向の振動に対し制振効果を与えることができる。
第1図において第1のラック5に対しては、モータ8等
の駆動装置が設けられており、第2のラック6の相対的
な移動が拘束された状態において第1のラック5を駆動
すれば、ピニオン3が第2のラック6に沿って移動し、
重り1に変位を与えることになる。
一方、第2のラック6には重り1の振動方向への移動を
拘束するための油圧による押さえ手段または機械的な係
合手段等を備えた拘束装置9が設けられている。受動的
な制振を行う場合には、拘束装置9による拘束を解除す
ることにより、第2のラック6が重り1とともに、ピニ
オン3を介して第1のラック5に沿って振動し、動吸振
器としての機能を発揮する。このとき、第2のラック6
は床版7に設けた一対の受材10間において振動し、受材
10との間にオイルダンパー等を設けることにより、所定
の減衰性能を付与することができる。
次に、第2図〜第10図により本発明の装置の動作の概要
を説明する。
第2図は中立時の状態であり、第1のラック5およ
び第2のラック6がピニオン3と噛み合っている。
初期変位付与の際には、第3図に示すように第2の
ラック6の移動を拘束し、第1のラック5をいずれかの
方向に移動させる。
このとき、ピニオン3も同時に移動し、重りを移動させ
る。
この状態で第4図に示すように第1のラック5を固
定すると、重りは初期変位を付与した状態に固定され
る。
外力作用時には第5図に示すように、第2のラック
6の拘束を解除する。
このため、重りと同一の変位となるピニオン3が中
立位置へ戻ろうとして、第6図に示すように第2のラッ
ク6を動かす。その際、第1のラック5は固定されたま
まである。
第7図は振動収束時の状態を示したものである。
振動が収束した時点で再加振するには、第8図に示
すように、再び第2のラック6を拘束し、第1のラック
5を今度は反対方向に移動させる。
以下、同様に第2のラック6の拘束解除、振動、振
動収束と繰り返す。
第9図は振動再収束時の状態を示したものである。
もとの中立状態に戻すには第2のラック6を解放し
た状態で、第1のラック5をもとの位置に戻すことによ
り復帰する。
以上のようにして、駆動用の第1のラック5と振動用の
第2のラック6を独立させ、モータあるいはアクチュエ
ータといった駆動装置の抵抗による影響のない受動的な
制振装置として作動させることができる。
また、駆動装置等の抵抗は生じるが、第1のラック5を
固定せず振動させることにより、本装置の動作機構をよ
り簡易化することも可能である。
なお、前述したように第2のラック6を拘束しておき、
重り1の動きと第1のラック5の動きを完全に連動させ
ることにより、能動的な制振装置として動作させること
も可能である。
第13図〜第15図は本発明をバネ式の動吸振器に適用した
場合の実施例を示したものである。
重り21の下面に設けたピニオン23と第1のラック25およ
び第2のラック26の関係は前述した実施例の場合と同様
であり、重り1を吊り材2で吊り支持する代わりに、重
り21をバネ22a,22bで中立位置に保持する構成となって
いる。この実施例も特性の異なる2方向の振動を同時に
抑制するため、2重構造としている。図中、30a,30bは
振動方向を制限するためのガイドである。
「発明の効果〕 ピニオンを挟み込む2つのラックの操作により重り
に初期変位を与え、受動的制御における装置の応答性を
改善することができる。
振動中においても、2つのラックの操作により新た
に初期変位を与えることができ、地震等の非定振動に対
して有効に機能させることができる。
第2のラックの移動を拘束した状態で駆動手段を備
えた第1のラックを構造物の固有周期に応じて駆動する
ことにより、能動的制振装置として機能させることもで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の制振装置の一実施例における要部の構
造を示す斜視図、第2図〜第10図は本発明の制振装置の
動作を平面的に示した説明図、第11図および第12図は本
発明の制振装置の一実施例における全体構造の概要を示
す斜視図、第13図は本発明の制振装置の他の実施例を示
す平面図、第14図は第13図の装置を正面からみた鉛直断
面図、第15図は同じく側面からみた鉛直断面図、第16図
はバネ式の動吸振器のモデル図、第17は振り子式の動吸
振器のモデル図である。 1……重り、2……吊り材、3……ピニオン、4……軸
部材、5……第1のラック、6……第2のラック、7…
…床版、8……モータ、9……拘束装置、10……受材、
11a,11b……支持フレーム、22a,22b……バネ、27a,27b
……フレーム、30a,30b……ガイド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】構造物に対し、バネまたは吊り材を介して
    設置され、構造物の振動に応じて所定の周期で振動する
    重りと、該重りの振動を減衰させるための減衰手段とを
    有する構造物の制振装置において、前記重りにピニオン
    を軸着し、前記重りの振動方向に延び、前記ピニオンと
    噛み合う第1のラックおよび第2のラックを該ピニオン
    を挟み込む形で設け、前記第1のラックに該第1のラッ
    クを前記重りの振動方向に移動させるための駆動手段を
    設けるとともに、前記第2のラックには前記第1のラッ
    クの移動時に該第2のラックの前記重りの振動方向への
    移動を拘束するための拘束手段を設けたことを特徴とす
    る構造物の制振装置。
  2. 【請求項2】前記第2のラックには該第2のラックの前
    記重りの振動方向への振動に対し、減衰力を与えるため
    の減衰手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の構
    造物の制振装置。
  3. 【請求項3】前記減衰手段はオイルダンパー、または高
    粘性体ダンパー、または摩擦ダンパーである請求項2記
    載の構造物の制振装置。
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