JP3023911B2 - 多層構造物の免震・制振機構 - Google Patents

多層構造物の免震・制振機構

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JP3023911B2 JP64000060A JP6089A JP3023911B2 JP 3023911 B2 JP3023911 B2 JP 3023911B2 JP 64000060 A JP64000060 A JP 64000060A JP 6089 A JP6089 A JP 6089A JP 3023911 B2 JP3023911 B2 JP 3023911B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、土木や建築構造体が地震などに起因して振
動する事を抑制するための免震及び制振機構に関するも
のである。
[従来の技術] 梃子を利用した構造物の制振構造としては、例えば、
特開昭50−38340号が有り、これを改良した本発明者等
の機構がある。
前者の従来例は、一端側に付加質量としての重錘を備
えたアームを床部分または天井部分の一方に枢支し、床
部分または天井床部分の他方のアームを枢支しない側に
剛性の高い支柱部を設け、アームの中間点と支柱部の先
端とをリンクを介して連結し、かつ、アームの枢支点か
らリンクの連結点までの長さとアームの枢支点から重錘
までの長さとの比、すなわち梃子比を大きくとり、重錘
の重量を小さくしながらも、その重錘の変位により大き
な慣性力を生じさせて構造物が振動する事を抑制するよ
うに構成している。
また、後者の従来例は、前者の欠点、すなわち梃子比
を大きくとると梃子剛性が低下し、高次の振動モードが
発生する事、また梃子剛性を高めるために梃子の長さを
短くすると梃子の揺動により付加質量が円弧運動するた
め、制振に要求される水平方向の力のみならず、鉛直方
向にも力を付与し、振動を抑制するのに困難となる欠点
を改善するために、床部分または天井床部分の一方に、
揺動可能に揺動アームを設けるとともに、直動案内機構
に沿って水平方向に直線移動可能に付加質量を設け、前
記揺動アームに前記床部分または天井床部分の他方と一
体の部材を連動連結すると共に、その連結点を挟んで前
記揺動アームの揺動枢支点とは反対側に、前記付加質量
を揺動リンクを介して連結して構成している。
構造物が高層の場合も、前記機構を壁収納型に配列し
直した機構を各層に設けて制振機構を構成している。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような従来構成によれば、一層の
構造物では付加質量の質量効果により大きな地震入力低
減を達成する事ができるものの、多層構造になると、各
層に設置されている付加質量の大きさや梃子剛性、梃子
比などの限界から地震入力低減効果が最下層のみに限ら
れ、それより上層にはほとんど波及しないという欠点が
ある。
これは装置の構成が各層の層間変形のみに着目してお
り、その結果、相互の層の効果が打ち消しあい、最下層
のみに集約されるからである。
また、構造物は各次振動モードの重ね合わせで複雑に
挙動するため、適正な梃子比を決定する事が困難である
事も効果的な地震入力低減を達成できない大きな要因に
なっている。
さらに、従来例では付加質量を小さく、梃子比を大き
くする事により大きな慣性力を得ることを基本思想とし
ているが、付加質量が小さいために最下層のみの効果を
大きくしようとする場合でさえも、かなり大きな梃子比
が要求されるという問題点があった。
本発明は、このような問題点を解決するために成され
たものであって、多層構造の場合の地震応答低減の効果
をより高める事を目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、多層構造物の振動を抑制する多層構造物の
免震・制振機構において、各層に設けられ構造物と相対
的にスライド可能に配置された付加質量と、前記構造物
の天井部又は床部に揺動可能に取付けられたアームと、
前記アームの一端を前記付加質量へ、アームの他端を前
記構造物の床部又は天井部に回動可能に連結する連結手
段と、を備え、前記多層構造物の全体系の特定の振動モ
ードが運動方程式の外乱の位置ベクトルとほぼ相似であ
る刺激関数値の関数に比例するように、各層に配置され
た前記アーム及び前記連結手段で構成される梃子比を調
整することを特徴としている。
また、前記多層構造物の全体系の特定の振動モードが
運動方程式の外乱の位置ベクトルとほぼ相似である刺激
関数値の関数に比例するように、各層に設けられた前記
付加質量の質量を調整することを特徴としている。
さらに、前記付加質量を駆動させ或いは抵抗力を与え
るアクチュエータ等の移動制御手段を設け、この移動制
御手段で付加質量の移動量を制御することにより、前記
多層構造物の全体系の特定の振動モードが運動方程式の
外乱の位置ベクトルとほぼ相似である刺激関数値の関数
に比例するようにしたことを特徴としている。
第1図は、機械式梃子を利用した場合についての本発
明の基本概念機構を例示したものである。
まず、柱1により支えられた主構造体Aの任意の層の
床部分2の枢支点F0に揺動アーム4を揺動可能に設け
る。
一方、当該層の天井床部分3から振動を抑制しようと
する方向に対して固定連結されている剛性の高い一体の
部分(以下、制振用壁5と称する)の連結点F2には第1
揺動リンク6の一端側を回動可能に設け、該第1揺動リ
ンク6の他端側を上記揺動アーム4の中間部の連結点F1
に連結する。
上記揺動アーム4の先端側の連結点F2は、第2揺動リ
ンク7を介して、直動案内機構8により水平方向に移動
可能に設けてある重錘もしくは従構造物の当該層用の付
加質量9の連結点F4に連結されている。
上記第1揺動リンク6と第2揺動リンク7は相互に平
行になるように配設されている。
尚、制振用壁5は面外方向に対しての抵抗力を小さく
するため、天井床部分3との結合部分は面外方向に対し
てはピン接合、面内方向に対しては剛接合であってもよ
い。
ここで、特に重要なのは、構造物全体系の特定の振動
モードが運動方程式の外乱の位置ベクトルと相似となる
ように質量、付加質量やばね剛性を調整、かつ揺動アー
ムの梃子比を、上記特定モードの刺激関数値の関数を利
用して決定すると共に、計算された梃子比から誘導され
る付加質量の移動を保持するために、上記第1揺動リン
ク6と第2揺動リンク7の長さの比は、揺動アーム4の
梃子比に等しく設定し、かつ第1および第2揺動リンク
6,7を揺動アーム4に対して各々同一側に配置されてい
ることである。
第2図は、別の基本概念機構を示したものである。
本機構例では、揺動アーム4が、その中間部の枢支点
F2において、床部分2に一体の制振用壁5に揺動可能に
設けられている。
そして、該揺動アーム4の一端側の連結点F0は、第1
揺動リンク6を介して天井床部分3の連結点F1に連結さ
れていると共に、他端側の連結点F3は、第2揺動リンク
7を介して付加質量9の連結点F4に連結されている。
ここでも、上記揺動アーム4の梃子比は、前述の特定
モードの刺激関数値の関数に比例するように設定されて
いると共に、第1および第2揺動リンク6,7も、相互に
平行に配列されており、それらの長さの比も、揺動アー
ム4の梃子比に等しく設定されている。
ただし、これら第1および第2揺動リンク6,7は揺動
アーム4に関して相互に反対側に設置されている。
第3図は、更に別の基本概念機構を示したものであ
る。
本機構例では、揺動アーム4の中間部の連結点F1が、
第1揺動リンク6を介して床部分2に一体の制振用壁5
の連結点F2に揺動可能に設けられている。
そして、該揺動アーム4の一端側は天井床部分3の枢
支点F0に枢支されていると共に、他端側の連結点F3は第
2揺動リンク7を介して付加質量9の連結点F4に連結さ
れている。
ここでも、上記揺動アーム4の梃子比は、前述の特定
モードの刺激関数値の関数に比例するように設定されて
いると共に、第1および第2揺動リンク6,7も、相互に
平行に配列されており、それらの長さの比も、揺動アー
ム4の梃子比に等しく設定されている。
ただし、これら第1および第2揺動リンク6,7は揺動
アーム4に関して相互に同一側に設置されている。
本発明では、上述の各機構例を適宜組み合わせる形式
の機構も可能であり、また、機械式梃子の代わりに、油
・空圧の流体式梃子を採用してもよく、また、機械式梃
子と流体式梃子とを併用する方式も妨げるものではな
い。
さらに、各層もしくは任意の層に制御アクチュエータ
及び粘性抵抗ダンパーや摩擦抵抗ダンパーを、当該層の
付加質量と床部分の間、もしくは当該層の付加質量と前
記制振用壁との間に設け、振動抑制効果をより高める免
震・制振機構を構成する。
[作用] アクチュエータによる制御力を適用するか否かに拘わ
らず、付加質量の慣性力を主構造物に伝達できる梃子機
構の作用により、該全体構造物の運動方程式の外乱の位
置ベクトルを可制御化に変換でき、さらに該全体構造物
の特定の振動モードを前記外乱の位置ベクトルにほぼ相
似せしめる事により、それ以外の振動モードの刺激関数
値は無視し得るほどに小さくする事ができ、したがって
地震時の構造物はほぼ前記特定の振動モードで挙動、す
なわち主構造物の多層の変形比率の分布は時間に関係な
く一定となるので、その変形比率の分布に応じて適正な
梃子比を決定する事ができ、外乱の位置ベクトルの可制
御性故に地震入力低減効果を高める事が可能となる。ま
た、振動に伴って、当該層の付加質量と床部分の間、も
しくは当該層の付加質量と制振用壁との間の摩擦抵抗
や、前記部分間に設置してあるダンパーによる粘性抵抗
によって抵抗力が付与され、構造物全体の振動をさらに
抑制する事ができる。
さらに制御アクチュエータを付加した場合には、付加
質量を設計者の意図する層変位もしくはその関数に比例
した値で駆動する事により、梃子の剛性不足から生ずる
梃子の高次モードの誘発を防止する事ができるととも
に、付加質量そのものの移動の伴う摩擦抵抗に、その抵
抗及び地震入力低減効果を調整する制御力を加える事に
より信頼性の高い振動抑制機構にする事ができる。
[実施例] 次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1実施例 第4図は、柱1に支えられている構造体Aに本発明の
機構を設置した時の平面図であり、第5図は装置の断面
図であって、第1図で説明した基本概念機構を具体化し
た実施例である。
まず、建物の2階に設けられた装置について説明する
と、天井床3の下側に、下層とは水平抵抗力に関して自
由になるように制振用壁5を振動方向に固定連結し、該
制振用壁5に設けられた平行維持装置8により水平方向
の移動が保障されている付加質量としての重錘9が収め
られている。
揺動アーム4の一端側は枢支点F0に於いて床2と一体
の部分に枢支され、その中間部の連結点F1は第1揺動リ
ンク6を介して制振用壁5の連結点F2に連結されてい
る。また、揺動アーム4の先端部の連結点F3は第2揺動
リンク7を介して重錘9の連結点F4に連結されている。
このような構成を全層もしくは最上層を除く各層に設
ければよい。さらに制御アクチュエータ20と粘性ダンパ
ー21は各制振用壁5と重錘9の間にリンク機構を介して
設置してある。
第2実施例 第6図は、第3図に於いて説明した基本概念機構を具
体化した別の実施例であり、制振用壁5は床2の上側に
上層とは水平抵抗に関して自由になるように、振動方向
に対して固定になるように連結されている。
第3実施例 第7図(A)〜(C)は、高層構造物に一階おきの層
(偶数階)を付加質量として構成した場合の奇数階の床
伏図と天井伏図並びに偶数階の床伏図を示したものであ
り、第8図は制振機構部分の断面図である。
主構造物Aの奇数階が柱1によって支えられ、偶数階
床は付加質量として活用され鋼棒10により奇数階床より
吊されているが、これは重力の作用により主構造物の床
に対して平行維持装置としての役目を果たしている。
制振用壁5は主構造物Aの床すなわち奇数階の床2か
ら付加質量(偶数階)9の床の開口部9′を突き抜け、
主構造物の当該層の天井床3の水平移動に関して自由に
なるように設けてある。
天井床3との一体部分に対して揺動アーム4が設けら
れ、その他端は第1揺動リンク6を介して連結されてい
る。この揺動アーム4の長手方向の一端側は、主構造物
の当該層の床2より立ち上げられている制振用壁5に枢
支点F2で枢支され、付加質量(偶数階)9の連結点F4
第2揺動リンク7を介して揺動アーム4の他端側の連結
点F3と連結されている。これにより主構造物の天井床3
と制振用壁5の相対移動に伴って、それとは逆方向に付
加質量9は強制的に移動させられる。こうした機構を全
層もしくは最上層を除く各層に設置する事により制振構
造を構成する。また、制御アクチュエータ20及び粘性ダ
ンパー21は付加質量9と制振用壁5の間に配置すれば良
い。
第4実施例 第9図は、高層構造物のコア部分を従構造物Bとして
利用した別の実施例の平面図であり、従構造物Bと主構
造物Aとはパントグラフ機構Cを介して連結されている
と共に、制振用壁5は主構造物Aの下層から立ち上げら
れており、これを枢支点として第10図の断面図に示すよ
うに、主構造物Aと従構造物Bのそれぞれの天井床部分
3に連結されている。
第11図は、その天井床伏図である。
次に、上記実施例の制振構造の制振作用を数式を用い
て説明する。
以下の各式に用いる各符号は、次のとおりである。
mi ;主構造物のi層の質量 k0ηi;主構造物のi層のばね定数 ci ;i層の免震構成または制振構成の換算粘性減衰定
数 xi ;主構造物のi層の層変位 md i ;重錘または従構造物のi層の付加質量 αj ;j次の刺激係数 di,j ;主構造物のj次の振動モードの層変位に関するi
層の刺激関数 y ;地震動による地盤の変位 qj ;j次の振動モードの地震動加速度に対する基準
座標の応答変位 βixi;i層の付加質量の基準線より負方向の移動量(第1
2図参照) ξi ;主構造物のi層の梃子比 ωj ;j次の振動モードの円振動数 M ;質量マトリックス C ;減衰マトリックス K ;剛性マトリックス x ;層変位ベクトル i ;外乱の位置ベクトル rj ;j次の振動モードのベクトル この場合の運動方程式は梃子が理想的に剛であり、梃
子機構あるいは梃子機構とアクチュエータから発生され
る制御力の組み合わせを利用することにより、付加質量
がi層の応答変位Xiに比例したβiXiの移動量の状態で
保持されているとすると、次のようになる。
M(t)+C(t)+Kx(t)=−Mi (t) (1) 主構造物を三層でモデル化すると各マトリックスは、
次のように表現できる。
上記式において各ai,bi,sijは、次のようになる。
いま原理の簡単な説明のため C=0 (4) とする。さらに前記第3実施例を対象に m3=m2=m1=md 3=md 2=md 1=m0 (5) とする。この場合、固有値問題を解くため x=r exp(iωt) (6) と仮定すると、j次のモードrjに対する固有値問題は、
次のようになる。
ωj 2Mrj=K rj (7) 実際設計ではβi,iの値は非線形計画法等の理論を利
用して最適化すべきであるが、ここでは説明を簡単にす
るためiの値を仮定し、かつ1次モードr1が(1)式の
外乱の位置ベクトルiになるようにβの値を決めてや
るというプロセスを採用すると、固有値問題は(7)式
の代わりに次式となる。
ω1 2Mi=Ki (8) (3)式におけるbiと(5)式の各層の質量の関係か
ら上式の左辺は次のようになる。
ここで ω1 2=(ko/m0) (10) とすればiを任意に仮定する事によりβを決定する事
ができる。
例として iT=[1.154,0.891,0.517] (11) と仮定した時、(9)式の最後のベクトルi′が (i′)=[1.2,0.9,0.6] (12) となったとすると、βは次のように求められる。
β=−0.2,β=0.1,β=0.4 (13) これより質量マトリックスの各要素は、次のようにな
る。
a3=m0(1+β3 2)=1.04m0 a2=m0(1+β2 2)=1.01m0 (14) a1=m0(1+β1 2)=1.16m0 あらためてiTの値を(3)式のbiの式より計算すると iT=[(1+0.2)/1.04,(1−0.1)/1.01,(1−0.4)/1.16] =[1.154,0.891,0.517] (15) となる。
これより1次の振動モードr1はiに一致した事にな
る。ただし、今回の説明のようにi′の値が任意に仮定
される場合には、(1/k0)ki=i′が成立するようにk
の要素を調整しなければならない事は言うまでもない。
次に、j次の振動モードの刺激関数djを計算するが、 である事と各振動モードの直交性 の存在と1次振動モードを r1=i (18) に一致させた事により(16)の第1式のαは α=1.0,α=α=0 (19) となり、2次と3次の振動モードは励起されない事がわ
かる。
基準座標の応答変位q1(t)は、次のようになる。
(t)+ω1 2q1(t)=−(t) (20) したがって、本例の主構造物の各層の層変位は xi=di,1q1(t) (21) という1次モードのみで振動する事になる。
したがって第12図より各層の梃子比をξとすれば (xi−xi-1)ξ=xi-1+βixi (22) の関係が成立する。これに(21)式を代入すると各層の
梃子比は、次のように求めることができる。
すなわち全体系のうちの主構造物の1次モードの層変
位に関する刺激関数の当該上下層の値の関数になってい
る事がわかる。
ちなみに本例の場合は(13)と(15)式より ξ=2.51,ξ=1.62,ξ=0.4 (24) となる。
減衰マトリックスが存在する場合も、振動モードを乱
さない様にCの値を決められるので、設計者の意図に合
わせて地震応答を低減する事が可能である。
なお、以上は梃子が剛である理想体についての説明で
あるが、剛性の低下に伴う振動モードの乱れを防ぐため
制御アクチュエータをフェードバック制御により付加質
量を設計者の意図通りに駆動すれば良い。
[発明の効果] 一般的には各次の振動モードが励起複合される事によ
り地震応答が増幅されるが、前記のような振動モードを
制御する適正な梃子比を有する梃子と付加質量の組み合
わせにより、特定の振動モードのみが励起し、他の振動
モードが生じないようにする事ができ、また、その信頼
性を高めるために制御用アクチュエータを介して付加質
量を正しく駆動することにより多層構造物の地震応答低
減効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本概念機構を示す機構図、第2図は
基本概念機構の別の例を示す機構図、第3図は基本概念
機構の更に別の例を示す機構図、第4図は本発明の機構
を設置した第1実施例の平面図、第5図はその断面図、
第6図は第2実施例の断面図、第7図(A)(B)
(C)は各々高層建物に1階おきの層を付加質量として
構成した場合の奇数階の床伏図、天井伏図並びに偶数階
の床伏図、第8図はその断面図、第9図は高層構造物の
コア部分を従構造物として利用した別の実施例の平面
図、第10図はその断面図、第11図はその天井床伏図、第
12図は第3図に示す機構例を線図化した説明図である。 1……柱、2……床(床部分)、3……天井床(天井床
部分)、4……揺動アーム、5……制振用壁、6……第
1揺動リンク、7……第2揺動リンク、8……直動案内
機構、9……付加質量(重錘)、9′……開口部、10…
…鋼棒、20……制御アクチュエータ、21……粘性ダンパ
ー。A……主構造物、B……従構造物、C……パントグ
ラフ機構、F……枢支点,連結点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−7741(JP,A) 特開 昭63−14609(JP,A) 特開 昭59−97342(JP,A) 特開 昭59−161566(JP,A) ・耐震設計法−耐震設計シリーズ、丸 善株式会社、昭和38年7月10日発行、P 274 ・玉田正、モーダル法(動的応答解析 の手法)による解の収束性について、銭 高組技報、1985年発行、No9,230− 234頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/02 - 15/08 E04H 9/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多層構造物の振動を抑制する多層構造物の
    免震・制振機構において、 各層に設けられ構造物と相対的にスライド可能に配置さ
    れた付加質量と、前記構造物の天井部又は床部に揺動可
    能に取付けられたアームと、前記アームの一端を前記付
    加質量へ、アームの他端を前記構造物の床部又は天井部
    に回動可能に連結する連結手段と、を備え、 前記多層構造物の全体系の特定の振動モードが運動方程
    式の外乱の位置ベクトルとほぼ相似である刺激関数値の
    関数に比例するように、各層に配置された前記アーム及
    び前記連結手段で構成される梃子比を調整することを特
    徴とする多層構造物の免震・制振機構。
  2. 【請求項2】前記多層構造物の全体系の特定の振動モー
    ドが運動方程式の外乱の位置ベクトルとほぼ相似である
    刺激関数値の関数に比例するように、各層に設けられた
    前記付加質量の質量を調整することを特徴とする請求項
    1に記載の多層構造物の免震・制振機構。
  3. 【請求項3】前記付加質量を駆動させ或いは抵抗力を与
    えるアクチュエータ等の移動制御手段を設け、この移動
    制御手段で付加質量の移動量を制御することにより、前
    記多層構造物の全体系の特定の振動モードが運動方程式
    の外乱の位置ベクトルとほぼ相似である刺激関数値の関
    数に比例するようにしたことを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の多層構造物の免震・制振機構。
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